「退職金って、全額に税金がかかるの?」って思ったことない?実は退職金には特別なルールがあって、普通の給料とはぜんぜん違う計算をするんだよね。その計算のカギになるのが課税退職所得という考え方。この記事を読めば、退職金の税金がどうやって決まるのかがスッキリわかるよ。
- 課税退職所得とは、退職金から 退職所得控除 を引いてさらに半分にした「税金計算のベース」になる金額のこと
- 勤続年数が長いほど控除額が大きくなるので、長く働いた人ほど税負担が軽くなる 設計になっている
- この仕組みのおかげで、退職金は普通の給料より 大幅に税金が安く なることが多い
もうちょっと詳しく
課税退職所得の計算には「退職所得控除」が欠かせない。退職所得控除とは、つまり「これだけの退職金は税金なしにしてあげるよ」という非課税枠のことだよ。計算方法は勤続年数によって変わって、勤続20年以下なら「40万円×勤続年数(最低80万円)」、20年を超えると「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」で計算する。たとえば30年働いた人の控除額は800万円+70万円×10年=1500万円にもなるんだ。退職金がこの控除額以下ならそもそも税金はゼロ。さらにそれを超えた分も2分の1にしてから税率をかけるから、いかに優遇されてるかがわかるよね。
勤続年数は「1年未満の端数は切り上げ」で計算するよ!たとえば22年3か月なら23年として計算する。
⚠️ よくある勘違い
→ 課税退職所得が「退職金の半分」なのであって、税金が半分かかるわけじゃない。課税退職所得にさらに所得税率(たとえば20%など)をかけた額が税金になるよ。
→ 実際の税負担は退職金全体のごく一部になることが多い。退職所得控除と2分の1ルールのダブル優遇のおかげで、税金はかなり少なくなるのが正しい理解だよ。
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課税退職所得って何?まず基本から理解しよう
退職金と「普通の給料」は別モノ
会社を辞めるときにもらう退職金。これって実は、毎月もらう給料とはぜんぜん違う扱いをされるんだよ。税金の世界では「所得」にはいろんな種類があって、給料は「給与所得」、退職金は「退職所得」という別のカテゴリーに分類されるんだ。
なぜわざわざ分けるかというと、退職金は「何十年も働き続けた対価を一度にまとめてもらうもの」だから。毎月少しずつもらっていたものをまとめて受け取るイメージだよね。そのため、もし普通の給料と同じように計算したら税金がものすごく高くなってしまう。だから国が「退職金には特別な計算方法を使います」というルールを作ったんだ。
「課税退職所得」という言葉の意味
「課税退職所得」を分解して考えてみよう。「課税」とは、つまり税金がかかる対象になるということ。「退職所得」は退職金によって得た収入のこと。合わせると「退職金のうち税金の計算対象になる部分の金額」というわけだよ。
たとえば退職金が1000万円あったとして、全額が課税退職所得になるわけじゃないんだ。そこから控除を引いて、さらに半分にした金額が「課税退職所得」になる。この数字が小さければ小さいほど、最終的な税金も少なくなるよ。
退職所得控除のしくみを理解しよう
控除って何?身近な例で考えてみよう
「控除」という言葉が出てきたけど、難しく考えなくていいよ。控除とは、つまり「この金額は税金を計算するときに引いていいよ」という割引券みたいなものだよ。
スーパーで1000円の買い物をして300円引きのクーポンがあったら、税金は700円にかかるよね。退職所得控除も同じで、「この金額分は税金の計算から外してあげる」という仕組みなんだ。しかも退職所得控除の金額はかなり大きくて、人によっては退職金が丸ごと非課税になることもあるほどだよ。
勤続年数で変わる控除額
退職所得控除の金額は、どれだけ長く働いたかによって変わるよ。計算式は2つあって、勤続年数で使い分けるんだ。
- 勤続20年以下の場合:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
- 勤続20年超の場合:800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)
具体的に計算してみよう。たとえば10年働いた場合、40万円×10年=400万円が控除額になるよ。20年働いたなら40万円×20年=800万円。30年なら800万円+70万円×10年=1500万円になる。勤続年数が増えるほど控除額がどんどん大きくなっていくのがわかるよね。
なお、勤続年数の端数(1年未満の部分)は切り上げで計算するよ。22年3か月働いた人は、23年として計算するんだ。
2分の1課税というおトクなルール
なぜ半分にできるの?
退職所得には「2分の1課税」というルールがあって、これが退職金の税金を大幅に安くする2つ目の仕組みなんだ。退職金から退職所得控除を引いた後の金額を、さらに半分にしてから税金を計算していいよ、というルールだよ。
どうして半分にできるの?って思うよね。理由は「所得が一年に集中することへの配慮」なんだ。たとえば30年間で少しずつ積み立てられた退職金を、定年の年だけに全額もらうとする。もし普通の給料と同じ計算をしたら、その年だけ所得が爆発的に増えて、高い税率(累進課税といって、所得が多いほど税率が上がる仕組み)が適用されてしまうんだよ。それを防ぐために「実質的に分割された収入」として半分にする計算を認めているわけだ。
計算式をまとめると
ここまでの内容を整理すると、課税退職所得の計算式はこうなるよ。
- 課税退職所得 =(退職金の額 − 退職所得控除額)× 1/2
そしてこの課税退職所得に、所得税の税率をかけて所得税額が決まる。さらに住民税も同様に課税退職所得をもとに計算されるよ。
たとえば退職金2000万円、勤続30年の人で計算してみよう。退職所得控除は800万円+70万円×10年=1500万円。課税退職所得は(2000万円−1500万円)×1/2=250万円になるよ。退職金の額は2000万円なのに、課税退職所得はたった250万円。これに税率をかけるから、税負担がいかに小さいかがわかるよね。
実際に税額を計算してみよう
所得税の計算方法
課税退職所得が出たら、次は所得税額を計算するよ。所得税は「累進課税」という仕組みで、つまり所得が多いほど税率が上がるということ。2025年現在の税率はこうなってるよ。
- 195万円以下:5%
- 195万円超〜330万円以下:10%(控除額9万7500円)
- 330万円超〜695万円以下:20%(控除額42万7500円)
- 695万円超〜900万円以下:23%(控除額63万6000円)
- 900万円超〜1800万円以下:33%(控除額153万6000円)
- 1800万円超〜4000万円以下:40%(控除額279万6000円)
- 4000万円超:45%(控除額479万6000円)
先ほどの例で課税退職所得が250万円だった場合、税率は10%で、所得税は250万円×10%−9万7500円=15万2500円になるよ。これに復興特別所得税(2.1%分)が加わって、最終的な所得税は約15万5700円ほどになるんだ。退職金2000万円もらってこれだけの税金で済むなら、相当優遇されてるよね!
住民税の計算も忘れずに
退職金には所得税だけじゃなく住民税もかかるよ。住民税の計算も課税退職所得をもとにするけど、税率は一律10%なんだ(市区町村民税6%+都道府県民税4%)。先ほどの例なら250万円×10%=25万円が住民税になるよ。ただし住民税は翌年の6月ごろに請求が来ることが多いから、「いつの間にか引かれてた!」ということがないように頭に入れておいてね。
退職金の受け取り方と手続きのポイント
「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと大損!
退職金をもらうときに絶対にやっておかないといけないことがあるよ。それが「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出することだ。これは、今まで説明してきた退職所得控除や2分の1のルールを適用してもらうための申請書なんだよ。
この申告書を出さなかった場合、退職金の全額に対して一律20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)が源泉徴収されてしまうんだ。そのあと確定申告をすれば戻ってくるけど、手間がかかるし一時的にお金が減るのはつらいよね。だから退職が決まったら会社の担当者に「申告書の提出が必要ですか?」と確認しておこう。
複数の退職金がある場合は注意
転職が当たり前の時代になってきて、一生のうちに複数の会社から退職金をもらうケースも増えてきたよ。この場合、前の会社の退職金と今の会社の退職金の両方で退職所得控除を使うことになるんだけど、一定のルールがあるんだ。
具体的には、前の退職金をもらってから19年以内に次の退職金をもらう場合、勤続年数の重複部分について控除額が調整されることがあるよ。つまり「2回退職したから控除も2倍!」というわけにはいかない場合があるんだ。詳しくは税務署や税理士に確認するのがおすすめだよ。
確定申告はどうする?
会社に「退職所得の受給に関する申告書」をちゃんと出していれば、基本的に確定申告は不要なんだ。会社が源泉徴収(つまり税金を天引き)する段階で、正しい計算をして払い込んでくれるからね。ただし、同じ年に他の収入がある場合や、複数の退職金がある場合などは確定申告が必要になることがあるよ。心配なら税務署か税理士さんに相談してみよう。
