毎月のお給料から何かお金が引かれているのを見たことありませんか?それが「所得税」というやつなんです。でも、なぜ引かれるのか、どうやって計算されるのか、よくわかりませんよね。この記事を読めば、所得税がなぜ必要で、どういう仕組みになってるのかがスッキリわかるようになりますよ。
- 仕事で稼いだお金にかかる 所得税 は、国の運営に使われる大事な税金
- 給料から先に引かれるのは 源泉徴収 という仕組みで、払い忘れを防ぐため
- 引かれすぎたお金は 確定申告 で返してもらえる還付金として戻ってくる
もうちょっと詳しく
所得税は日本の税金の中でも大事な存在です。国が集めた税金は、みんなが使う道路や橋を作ったり、学校の先生のお給料を払ったり、警察や消防を運営したり、病院や福祉のサービスを提供したりするのに使われています。つまり、所得税はみんなで国の運営を支えるための仕組みなんです。そして、この税金はお金を稼いだ人が支払う義務があります。これを「納税義務」と言います。給料が多い人ほど、納める税金も多くなるルールになっていますよ。
所得税は「累進課税」という、稼ぐお金が増えると税率(税金の割合)も上がるしくみになってます
⚠️ よくある勘違い
→ 違います。所得税は国に納める税金ですが、住民税は都道府県と市区町村に納める別の税金です。どちらもお給料から引かれますが、別のものなんですよ。
→ その通り。一緒に引かれるから混同しやすいですが、納める先が違うし、計算方法も異なります。
[toc]
所得税ってそもそも何なの?
所得税は国を支えるための税金
所得税というのは、仕事をしてお金を稼いだ時に納める税金です。「稼ぐ」というのは、お給料をもらったり、事業で利益を得たり、投資で儲けたりすることですね。こういった「所得」、つまり収入に対して、国が税金をかけるんです。
なぜこんなことをするかというと、国が運営されるためには莫大なお金が必要だからです。あなたが毎日通う学校だって、先生のお給料や校舎の修理費が必要ですよね。家の近くの道路だって、作られた時には大量のお金が使われました。警察が事件を捜査するにも、消防が火事を消すにも、お金が必要です。こうした社会全体の運営費を、みんなで助け合う形で負担しましょうっていうのが、税金の考え方なんです。所得税は、その中でも特に重要な税金で、日本の税収の大きな部分を占めています。
つまり、所得税を納めるのは「社会人としての義務」なんですよ。学生の時は学校に行く義務があるみたいに、働く大人には税金を納める義務があるわけです。この義務を「納税義務」と呼びます。
給料から直接引かれるのはなぜ?
お給料をもらうときに、既に所得税が引かれているのを見たことありますよね。なぜ会社は給料から勝手に引くんでしょうか?これは「源泉徴収」という仕組みがあるからです。源泉徴収とは、つまり給料を払う会社が先に税金を計算して引いてしまい、その分を直接国に納めちゃうってことなんです。
この仕組みが作られた理由は、いくつかあります。一つは、確実に税金が納められるようにするため。もしも給料をもらった人が「後で自分で納めてね」と言われたら、払い忘れたり、わざと払わなかったりする人が出てくるかもしれません。でも先に引いちゃえば、そういう問題は起きにくいですよね。二つ目は、手続きを簡単にするため。会社が一括で処理すれば、個人個人が税務署に手続きに行く手間が減ります。三つ目は、国が税金をスムーズに集められるため。毎月毎月、コンスタントに税金が入ってくるので、国の運営がスムーズになるんです。
だから、あなたの給料から「所得税」と「健康保険料」「厚生年金保険料」などが引かれるのは、全部この源泉徴収という仕組みの一部なんですよ。
所得税はどうやって計算されるの?
給料から控除を引いて計算する
所得税の計算は意外とシンプルです。基本的には「給料から色々なお金を引いて、残ったお金に税率をかける」という流れです。
まず、給料から引かれるものの例を挙げましょう。一つは「給与所得控除」という、給料をもらう人が使える控除です。つまり、給料から自動的に引いてもらえるお金のことですね。これは実際の生活費などを考慮して、国が決めてくれるものです。例えば、給料が300万円なら、給与所得控除が約110万円あるとすると、税金の計算の対象になるのは190万円になります。
次に「扶養控除」というものがあります。子どもがいる家庭とか、両親の面倒を見てる人とか、自分以外に養っている人がいる場合、その人の数に応じて控除が受けられるんです。子ども1人いれば、その分税金が安くなるってわけですね。
さらに「配偶者控除」というのもあります。つまり、結婚している人は配偶者がいることで、税金が安くなるってシステムです。
こういった色々な控除を全部給料から引いた残りのお金を「課税所得」と言います。そして、この課税所得に対して、税率をかけるんです。
累進課税で稼ぐほど税率が上がる
所得税の特徴の一つが「累進課税」です。これは、つまり稼ぐお金が多いほど、税率(税金の割合)が上がるシステムのことなんですよ。
例えば、年間の課税所得が195万円以下なら税率は5%です。でも195万円を超えて330万円以下なら税率は10%になります。さらに上がると、330万円超〜695万円以下なら20%、695万円超〜900万円以下なら23%といった具合に、段階的に税率が上がっていくんです。
なぜこんなシステムにするかというと、公平性を考えているからです。月に20万円しかもらってない人と、月に100万円もらってる人では、生活の余裕が全然違いますよね。だから、余裕のある人からは多めに税金をもらって、みんなで支え合おうという考え方なんです。これを「応能負担」と言います。つまり、能力に応じて負担しましょうということですね。
ただし注意してください。給料が上がると税率が上がるからって、給料をもらうのが損になるわけではありません。例えば、給料が100万円から200万円に上がった場合、税率は5%から10%に上がりますが、新しく稼いだ100万円の部分だけが10%の対象になります。元々の100万円には相変わらず5%の税率のままです。だから、給料が上がれば、たとえ税率が上がってもトータルではお金が増えるんですよ。
源泉徴収の仕組みと確定申告
毎月の源泉徴収はあくまで概算
会社が毎月給料から引いてる所得税は、実は「概算」なんです。つまり、正確な計算じゃなくて、大体このくらいだろうという見積もりで引いてるってことですね。
なぜそんなことをするかというと、年中途中では、1年間の完全な所得が確定しないからです。例えば、病気で休職して給料が下がるかもしれませんし、逆にボーナスが多く出るかもしれません。扶養家族が増えるかもしれません。こういった変化を全部予測して、毎月正確に計算することは不可能に近いんです。だから、会社は「今のところ、税率はこのくらいだろう」という見積もりで毎月引いているわけなんですよ。
その結果、何が起きるか。引きすぎることもあれば、引き不足になることもあります。多くの人は、実は引きすぎになってるんです。なぜなら、会社は給料からの控除だけを考えていて、その他の控除(例えば、医療費がたくさんかかったとか、生命保険に入ってるとか)を考慮してないからです。
確定申告で正しい税金を計算し直す
だから必要なのが「確定申告」という手続きです。1年間が終わった時点で、「実はこれだけ稼いで、これだけ控除があって、だから納めるべき税金はこのくらいです」というのを国に報告する手続きですね。
会社員の場合、通常は会社が「年末調整」という手続きで税金を再計算してくれます。つまり、会社が「あ、1年間の給料からするとこれくらい引きすぎてました」と気づいて、その分のお金を返してくれるわけです。返してもらえるお金を「還付金」と言いますよ。
ただし、自営業の人とか、複数の会社からお金をもらってる人とか、医療費や寄付金などの特別な控除がある人は、自分で確定申告をしなければいけません。確定申告は毎年2月16日から3月15日までの期間に行うんです。税務署に書類を提出するか、インターネットで電子申告(e-Tax)をするかで、手続きができますよ。
確定申告というと難しく聞こえますが、実は最近はかなり簡単になってます。国税庁のホームページには「確定申告書作成コーナー」という、質問に答えていくだけで書類が自動に作成されるシステムがあります。だから、別に税理士さんを雇わなくても、個人で充分できるんですよ。
所得税の種類と日本の税システム
給料以外の所得にも税金がかかる
所得税という名前だけ聞くと、給料にだけかかる税金だと思うかもしれませんね。でも実は、給料以外の収入にも所得税はかかるんです。
例えば、「事業所得」というのは、自営業の人が商売をして得た利益に対する税金です。ネットショップで物を売った利益とか、フリーランスで仕事をした時の報酬とか、こういったものが該当します。「不動産所得」というのは、家を貸して家賃をもらった時の税金。「利子所得」は銀行の貯金の利子に対する税金(ただしこれは別のルールで計算されます)。「配当所得」は株式や投資信託の配当に対する税金。「給与所得」は給料に対する税金。このように、所得には様々な種類があるんですよ。
ただし、全てが同じように税金がかかるわけではありません。給与所得と事業所得は「総合課税」という、全部を合わせて税金を計算する方法で、累進課税が適用されます。でも利子所得や配当所得は、別に「分離課税」という方法で計算されることもあります。つまり、他の所得と合わせずに、単独で税金を計算するってことですね。
所得税以外の税金との関係
日本には所得税以外にも、いろいろな税金があります。給料をもらう時に一緒に引かれるのは「住民税」と「社会保険料」ですね。住民税というのは、都道府県と市区町村に納める税金で、地元の道路や学校などを運営するのに使われます。社会保険料は、健康保険と厚生年金保険の保険料で、病気になった時や年を取った時に給付をもらうための仕組みです。
さらに、買い物をすると「消費税」がかかります。これは所得税とは別で、商品やサービスを買う時に10%とか8%の税金がかかるってやつですね。家を買うと「不動産取得税」や「固定資産税」がかかりますし、自動車を買うと「自動車税」がかかります。
こうした税金を全部合わせて、国や地方自治体が運営されているわけです。所得税は確かに大きな割合を占めてますが、日本の税システムは複数の税金が組み合わさった、複雑なものなんですよ。
