外国税額控除って何?わかりやすく解説

海外で働いたり、海外に投資したりして所得を得たとき、その国の税金と日本の税金、両方払わなきゃいけないの?って思ったことありませんか。実は、そんなときに日本の税金が安くなる「外国税額控除こうじょ」という制度があるんです。この記事を読めば、なぜこんな制度があるのか、どうやって使うのか、スッキリわかりますよ。

先生、外国税額控除こうじょって何ですか?なんか難しそう……

いい質問だね。簡単に言うと、海外で払った税金を、日本で払う税金から引いてくれる制度のことだよ。つまり、二重に税金を払わないようにしてくれる仕組みなんだ。
二重に税金を払う?どういうことですか?

例えば、君がアメリカで働いて給料をもらったとしようか。そうするとアメリカは「この人はアメリカで所得を得てるから税金を払ってね」って言う。同時に日本も「この人は日本の国民だから、世界中で稼いだお金に対して日本の税金を払ってね」って言うんだ。結果、同じお金に対して2か国が税金を取ることになっちゃう。それが二重課税だよ。
あ、そっか!だから控除こうじょがあるんですね。でも、どうやって計算するんですか?

いい流れで理解してくるね。基本的には「海外で払った税金」を「日本で払うべき税金」から引く、という考え方だ。ただし、引ける金額には上限があってね、それ以上は引けないルールになってるんだ。詳しくは本文で説明するけど、要するに「すべての海外税をそのまま引けるわけじゃない」ってことを覚えておこう。
📝 3行でまとめると
  1. 海外で稼いだお金は、その国の税金と日本の税金、両方がかかる二重課税が起きる問題がある
  2. 外国税額控除こうじょは、海外で払った税金を日本の税金から引いてくれる制度で、二重税負担を減らす
  3. 引ける金額には上限があり、ちょっと複雑な計算ルールがあるから、税務署ぜいむしょに相談するのがおすすめ
目次

もうちょっと詳しく

外国税額控除こうじょは、日本の「国際税務」という世界で活躍する人たちのための仕組みの一つです。グローバル化が進んで、海外で仕事をしたり、海外に投資をしたり、海外に子会社を持つ企業が増えてきた時代に、「同じお金に対して複数の国が税金をかけるのは不公平じゃないか」という考え方から生まれました。だから、もし君が将来海外で活躍するようになったら、この制度の存在を思い出してみてください。

💡 ポイント
日本は「居住者に対しては世界中の所得に課税する」というルールを使ってる。だから海外の所得でも日本の税務署ぜいむしょに申告する必要があるんだ。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「海外で払った税金がすべて引けるはず」
→ 実は引ける上限が決まってる。日本で計算した税金額までしか引けない。海外で払った税金が日本の計算額を超えていても、超えた分は引けないんだ。
⭕ 「海外で払った税金は、日本での税負担を減らすために使える」
→ 正解。ただし「上限ある範囲で」という条件付きだから、複雑な計算が必要になる。これが外国税額控除こうじょの難しいところなんだ。
なるほど〜、あーそういうことか!

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外国税額控除こうじょとはどういう制度?

二重課税の問題

外国税額控除こうじょを理解するために、まず「なぜこんな制度が必要なのか」という背景を知ることが大事です。日本は、日本の国民や居住者が、世界中で稼いだ所得に対して税金をかける国です。つまり、アメリカで働いて給料をもらっていても、タイで事業をしていても、日本の税務署ぜいむしょには「私は日本の国民だから、世界中の所得を申告します」という義務があるんですね。

一方、働いている国やお金が生まれた国(つまり「ソース国」という所得が発生した国)も、「あなたがうちの国で稼いだお金には、うちの国の税金がかかりますよ」って言ってくるんです。その結果、同じ所得に対して、海外の国の税金と日本の税金、両方がかかってしまう。これを専門用語で二重課税と呼びます。つまり、二回、税金を払わなきゃいけなくなっちゃうんですね。

例えば、君がアメリカで年間100万円の給料をもらったとしましょう。アメリカの税率が20%なら20万円の税金がアメリカに取られます。同時に日本も「この人は日本の国民だから100万円に対して日本の税金をかけるぞ」って言って、日本の税率が25%だったら25万円を取るんです。そうすると、100万円の給料に対して45万円も税金が取られちゃう。これってすごく不公平ですよね。

外国税額控除こうじょの基本的な考え方

こういう不公平を解決するために作られたのが外国税額控除こうじょという仕組みです。簡単に言うと「海外で払った税金を、日本で払う税金から引いてあげますよ」っていう制度なんです。

さっきの例でいうと、アメリカで20万円の税金を払ったなら、日本で払う予定の25万円から、その20万円を引いて、日本には5万円だけ払えばいい、ということになります。そうすると合計で25万円の税金(アメリカ20万円+日本5万円)で済む。これなら、一つの国だけで働く場合の税負担と同じくらいになるから、公平だよね、という考え方なんです。

大事なポイントとしては、この制度は「海外で払った税金を日本の税金から完全に引く」というわけではなくて、一定の上限まで引くというルールになってるってこと。つまり「いくらでも引けます」じゃなくて「ここまでなら引けます」という限度額が設定されてるんですね。これが外国税額控除こうじょを複雑にしてる大きな要因なんです。

なぜこんな制度が必要なの?

グローバル化時代の税務問題

昔は、ほとんどの人が自分の国の中だけで生活して、仕事をしていました。だから、海外所得なんていう複雑な問題はあまりなかったんです。でも、今の時代はどうでしょう。インターネットの発達で、世界中の人が簡単に働けるようになりました。アメリカのIT企業で日本から働く人もいるし、海外で起業する日本人だっています。また、株や不動産に海外投資をする人も増えてきたんですね。

こういった状況の中で「海外で稼いだお金に対して、日本と海外の両方から税金を取られるのは、あんまり公平じゃないんじゃないか」という問題が浮かび上がってきたわけです。

国同士の協力と約束

さらに大事なポイントとしては、国と国との関係があります。日本は世界中の多くの国と租税条約という取り決めを結んでいます。つまり「お互いの国民に対して、不当に重い二重課税をしないようにしようね」っていう約束を、国同士でしてるんですね。

この約束の中で「外国で払った税金は、自分の国の税金から引くことを認めます」というルールが作られました。だから、外国税額控除こうじょは、単なる一つの国の制度じゃなくて、国際的な取り決めに基づいた制度なんです。これがあるからこそ、日本の人たちが安心して海外で働いたり、投資したりできるんですね。

経済を活性化させるための施策

もう一つの視点としては、経済戦略があります。日本は、優秀な人材が世界で活躍することを応援したいんです。「もし海外で働いたら、すごく多くの税金が取られちゃうなら、海外になんか行かないでおこう」って人が増えちゃったら、日本の国力が落ちちゃいますよね。だから、「海外で頑張ってる人たちの税負担を軽くしてあげよう」という考え方もあるわけです。

実は、大企業も同じ状況です。日本の大きな会社が海外で子会社を持つとき、その海外での利益に対して両国の税金がかかったら、その企業の競争力は落ちちゃいます。だから、外国税額控除こうじょという制度によって、グローバルに活躍する企業や個人を応援してるんですね。

どんな人が使える制度?

基本的な条件

外国税額控除こうじょが使える人の条件は、基本的には「日本の居住者で、海外で所得を得た人」です。つまり、日本に住んでいる人が、海外で働いたり、海外に投資したり、海外で事業をしたりして、お金を稼いだときに、この制度が使えるんですね。

大事なポイントとしては「海外で払った税金」が対象になるってこと。ただ海外に住んでいるだけ、とか、海外旅行に行っただけ、じゃあ制度は使えません。実際に「所得を得るための活動」をして、その過程で海外の税金を払った人が対象なんです。

どんな所得が対象?

外国税額控除こうじょが使える所得の種類としては、いろいろあります。例えば給料所得(海外で働いて得た給料)、事業所得(海外で商売をして得た利益)、配当金(海外の企業や投資信託から得た配当)、利子(海外の銀行の定期預金の利子)などですね。つまり、海外でどんな形でお金を得ても、その過程で海外の税金を払ったなら、この制度が使える可能性があるんです。

ただし、すべての海外所得が対象というわけではなくて、条件がいろいろあります。例えば「租税条約で定められた国での所得」という限定があったり、「実際に払った税金が対象外の税金じゃないこと」という条件があったりするんですね。だから、自分の場合はどうなのか、については税務署ぜいむしょに相談するのが一番確実です。

個人だけじゃなく、法人も使える

それから、大事なポイントとしては、この制度は個人だけじゃなくて、会社(法人)も使えるってこと。例えば、日本の会社がアメリカに子会社を持ってて、その子会社がアメリカで税金を払ってるなら、日本の親会社が日本で払う税金から、そのアメリカで払った税金の一部を引くことができるんです。

実は、大企業のほとんどは、海外に子会社や支店を持ってて、この制度を使ってるんですね。だから、外国税額控除こうじょは「海外で働く個人のための制度」というイメージを持たれることが多いんですけど、実は大企業の国際税務でも、超重要な制度なんです。

外国税額控除こうじょの計算方法

上限額の決まり方

外国税額控除こうじょで一番大事で、一番複雑なのが「控除こうじょできる金額の上限」の計算です。さっきも言いましたが、「海外で払った税金がすべて引ける」というわけじゃなくて、上限額が決まってるんですね。

上限額の基本的な考え方は、こんな感じです。日本の税率で計算した場合に、海外所得に対してどのくらい日本の税金がかかるか、を計算します。例えば、海外での所得が100万円で、日本の税率が25%なら、この部分の日本の税金は25万円になるわけです。それで、上限額は「25万円までなら、海外で払った税金を引いてもいいですよ」ということになるんですね。

つまり、上限額の計算式は「日本の税率 × 海外所得の金額」という、シンプルな考え方なんです。海外で50万円の税金を払ってたとしても、日本の計算では25万円が上限なら、引けるのは25万円だけ。超えた分の25万円は、残念ながら引けないんですね。

複数国での所得がある場合

ここからが、さらに複雑なんですけど、複数の国で所得を得ている場合の計算です。例えば、アメリカからも給料をもらってるし、タイからも事業所得があるし、イギリスからも配当金をもらってる、みたいな人もいますよね。

そういう場合は、国ごとに計算する方法と、全部合計してから計算する方法の、2つのやり方があります。これは所得の種類によって違うんですね。給与所得きゅうよしょとくなら給与ごと、事業所得なら事業ごと、という感じで分けて計算することもあるし、全体で一つの上限額を計算することもある。

この辺の計算は、ほんとに複雑で、税理士さんでも計算ミスをすることがあるくらいです。だから、もし複数国での所得がある場合は、素人判断はせず、絶対に専門家に相談した方がいいですよ。

実際の例で計算してみる

簡単な例で計算してみましょう。君がアメリカで100万円の給料をもらったとします。アメリカの税率が20%だから、20万円がアメリカに取られます。一方、日本では「この給与所得きゅうよしょとくに対して、君の他の所得も合わせた状態で計算したら、税金は30万円になる」って計算されたとしましょう。

この場合、上限額は「30万円」なんです。アメリカで払った税金は20万円なので、30万円以下。つまり、20万円全部が引ける。日本で払う税金は30万円のはずだったけど、20万円を引くから、日本には10万円だけ払えばいい。合計で30万円(アメリカ20万円+日本10万円)の税金で済む、ということになるわけです。

今度は、アメリカで払った税金が40万円だったケースを考えてみましょう。上限額はやっぱり30万円なので、30万円までしか引けません。超えた10万円は引けないんです。だから、日本に払う税金は、30万円全部を引いても0円になって「日本には税金を払わなくていい」ということになる。合計で40万円(アメリカ40万円+日本0円)の税金を払うことになるわけです。

実際に申請するにはどうするの?

申告の流れ

外国税額控除こうじょを使いたいときは、日本の確定申告かくていしんこくのときに、一緒に申告する必要があります。つまり「私は海外で所得を得て、海外で税金を払いました。だから、その分を日本の税金から引いてください」って、税務署ぜいむしょに申告するんですね。

基本的な流れは、こんな感じです。まず、海外で払った税金の額を確認します。その国で発行される税務書類(例えばアメリカだったら1099フォームとかW-2フォームとか)で、どのくらい税金を払ったかを確認するんです。

次に、日本に帰ってきてから(または日本の税務署ぜいむしょに申告するときに)、「外国税額控除こうじょ明細書」という書類を作ります。これは「海外でいくら稼いで、いくら税金を払ったか」を日本語で説明した書類なんですね。

そして、確定申告かくていしんこく書と一緒にこの明細書を出すんです。税務署ぜいむしょがそれを見て「あ、この人は海外で税金を払ってるな。それじゃあ、この金額を上限として、日本の税金から引きましょう」って判断してくれるわけですね。

必要な書類

外国税額控除こうじょの申告に必要な書類としては、大きく分けて2種類あります。一つは「日本の書類」で、もう一つが「海外の書類」です。

日本の書類としては、確定申告かくていしんこく書と外国税額控除こうじょ明細書が必須です。この明細書には「どこの国でいくらの所得があって、いくら税金を払ったか」を書くんですね。

海外の書類としては「現地の税務署ぜいむしょが発行した書類」が必要になります。例えば、アメリカの給与控除こうじょ票(W-2フォーム)とか、現地で発行された納税証明書とか。つまり「本当にこの金額の税金を払いました」っていう証拠になる書類が必要なんです。

大事なポイントとしては「その海外の書類を、日本語に翻訳して提出する」という手続きが必要になることがある、ってこと。完全な翻訳じゃなくても、重要な部分だけは翻訳が必要な場合が多いんですね。

税理士さんに頼むメリット

ぶっちゃけ、外国税額控除こうじょの手続きは、すごく複雑です。上限額の計算も複雑だし、必要な書類も多いし、その書類が各国で違ったりするし……

だから、もし君が海外で稼ぎ始めたら、税理士さんに相談することを強くおすすめします。「えっ、お金がかかるじゃん」って思うかもしれませんが、税理士さんに手数料を払っても、その分税金が安くなったら、トータルではプラスになることがほとんどなんですね。

特に、複数の国での所得がある場合とか、大きな金額の所得がある場合は、絶対に専門家に頼んだ方がいいです。素人判断で間違った申告をすると、後になって「追加納税」を求められたり、「脱税じゃないか」って疑われたりすることもあるから、危険なんですね。

最後に覚えておくべきこと

外国税額控除こうじょは、確かに複雑な制度です。でも、基本的な考え方は「海外で払った税金を、日本の税金から引く」というシンプルな思想に基づいてるんですね。

もし君が将来海外で働くようになったら、この制度のことを思い出してください。「あ、そういえば外国税額控除こうじょってあったな。税務署ぜいむしょか税理士さんに相談してみよう」って。そうすることで、不要な税金を払わずに済むし、国際的に活躍するのに経済的な制約が減るんですね。

グローバル化した世界では、こういう仕組みを知ってるか知ってないかで、人生が変わることだってあります。だから、今のうちから「世界中で働く人たちのための税制」について、頭の片隅に入れておくといいですよ。それでは、外国税額控除こうじょについての説明、終了です!

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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