扶養控除って何?わかりやすく解説

親や祖父母の税金の話をしていると「扶養控除ふようこうじょ」という言葉を聞いたことはありませんか?これは、親が子どもや親の親を養っている場合に、税金を安くしてもらえる制度なんです。でも「控除こうじょ」って何?「扶養」って何?と思う人も多いでしょう。この記事を読めば、扶養控除ふようこうじょがどんな制度で、誰が得をして、なぜそんなルールがあるのかが、すっきりわかるようになりますよ。

先生、「扶養控除ふようこうじょ」ってなんですか?なんか難しい言葉です。

いい質問だね。まず「扶養」というのは、つまり誰かを食べさせたり、世話したりすることだよ。親が子どもを扶養する、という感じだね。そして「控除こうじょ」というのは、つまり税金を計算するときに、ある金額を引いてあげることなんだ。だから扶養控除ふようこうじょは、親が子どもなどを養っているから、その分税金を安くしてあげる制度のこと。つまり、家族を養う人への応援制度だね。
親が子どもを養っているから、税金が安くなる、ということですか?

そうそう、その通り。例えば、お小遣いで説明するとね。あなたが毎月1万円のお小遣いをもらってるけど、友だちに500円ずつ手渡しているとしよう。そうしたら、実質的に自分で使えるお金は9000円だよね。税金の計算もそれと同じで、給料から家族を養うのにかかった分を引いて、その残りに税金をかけるんだ。だから家族が多い人ほど、引かれる金額が大きくなって、税金が安くなるってわけだ。
へえ、そういう仕組みなんですね。でも、誰でも扶養控除ふようこうじょが受けられるんですか?

いい質問だね。扶養控除ふようこうじょには条件があるんだ。扶養している家族の年齢年収に決まりがあるんだよ。例えば、子どもなら16歳以上である必要があるし、親を扶養している場合も、その親が一定の年収以下であることが条件なんだ。この条件を満たさないと、残念だけど扶養控除ふようこうじょは受けられないんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 扶養控除ふようこうじょとは、家族を養っている人に対して、税金を安くしてあげる 制度 のこと
  2. 給料から家族を養う分の金額を引いて、その残りに税金をかけるため、税金が 安くなる
  3. 誰でも受けられるわけではなく、扶養している家族の 年齢や年収 に条件がある
目次

もうちょっと詳しく

扶養控除ふようこうじょの基本的な考え方は「同じ給料をもらっていても、家族が多い人ほど、生活にお金がかかるから、税金の負担を減らしてあげよう」ということなんです。たとえば、年収400万円の人Aと年収400万円の人Bがいるとします。Aさんは独身で、Bさんは子ども3人と親の面倒を見ているとしたら、Bさんの方がはるかにお金がかかりますよね。そんなときに「Bさんはたくさんの人を養ってるんだから、その分の控除こうじょをあげよう」というわけなんです。これは家族を大切にする社会をつくるための、政府の応援メッセージでもあるんですよ。

💡 ポイント
扶養控除ふようこうじょは「税金を払う人が家族を養っているから、その分負担を減らしてあげよう」という制度。つまり、家族思いの人をサポートするためのルールなんだ。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「扶養控除ふようこうじょを受けると、税金がゼロになる」
扶養控除ふようこうじょは税金を計算するときに、ある金額を引くだけ。税金がゼロになるわけではなく、安くなるだけなんです。例えば、50万円の控除こうじょがあったら、その分に対する税金だけが安くなります。
⭕ 「扶養控除ふようこうじょを受けると、税金の計算が安くなる」
→ 正解。給料から扶養控除ふようこうじょの金額を引いた残りに対して税金がかかるので、結果的に納める税金の額が減るんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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扶養控除ふようこうじょとは、どんな制度なのか

「扶養」「控除こうじょ」の意味をまず理解しよう

扶養控除ふようこうじょの話を理解するには、「扶養」と「控除こうじょ」という2つの言葉の意味を分けて考えることが大切です。

まず「扶養」というのは、経済的に誰かを支えることです。親が子どもを食べさせたり、子どもが親の生活費を見ているという感じですね。実は身の回りにもたくさんあります。例えば、おじいちゃんの医療費を親が払っているのも「扶養」です。誰かの生活を自分のお金で助けることが「扶養」だと思えばいいんですよ。

次に「控除こうじょ」というのは、計算をするときに何かを引くことです。税金の世界では「税金を計算するときに、この額を引いてから計算してね」という意味です。例えば、スーパーで「100円以上のお買い上げで50円引きクーポン」があるじゃないですか。あれが控除こうじょのイメージです。

だから「扶養控除ふようこうじょ」というのは「家族を養っているから、税金を計算するときに金額を引いてあげるよ」という制度だということになります。政府が「家族の面倒を見ている人たちって大変だから、税金で応援しよう」という政策なんですね。

なぜこんな制度があるのか

「なんで、わざわざこんな制度があるのか」と疑問に思うかもしれませんね。その理由は、生活の現実にあります。

同じ給料をもらっていても、家族が多い人と少ない人では、生活にかかるお金が全然違うんです。年収400万円の人を3人比べてみましょう。

  • 独身者:自分の食事、自分の服、自分の趣味…自分だけのためにお金を使う
  • 小学生2人の親:子どもの食事、学用品、習い事、塾のお金…たくさんの支出
  • 両親と子ども2人を養っている人:親の医療費、親の食事、子どものお金…さらに大きな支出

同じ400万円でも、家族が多い人ほど「実際に自由に使えるお金」が少なくなってしまいます。だから「同じ給料なんだから同じ税金」というのは、実は不公平なんです。

そこで政府は「家族を養っている人には、税金の負担を減らしてあげよう」という制度を作ったんです。これは「家族を大切にする社会を応援する」という政府のメッセージでもあるんですよ。

扶養控除ふようこうじょの条件と金額はどうなっているのか

扶養控除ふようこうじょが受けられる条件

扶養控除ふようこうじょはすべての家族が対象というわけではなく、いくつかの条件があります。「これらの条件を満たしたら、初めて扶養控除ふようこうじょが使えるよ」というルールだと思ってください。

大事な条件は3つです。

条件1:親戚関係

扶養控除ふようこうじょの対象になる家族は、法律で決まっています。親、祖父母、兄弟姉妹、子ども、孫…といった親戚関係にある人だけです。友だちや他人は対象にならないんですね。これは「本当に家族を養ってるんだ」ということを証明するためのルールです。

条件2:年齢制限

扶養控除ふようこうじょの対象になる人には、年齢に制限があります。例えば、子どもなら「16歳以上」である必要があります。なぜ16歳からかというと「16歳未満の子どもは、児童手当という別の制度で応援されているから」という理由なんです。

祖父母などの高齢者には年齢制限がありません。むしろ「高齢になるほど、医療費やケアにお金がかかるから応援しよう」という考え方です。

条件3:年収制限

扶養している人の年収にも制限があります。その人の年収が一定額以下でないと、扶養控除ふようこうじょは受けられないんです。例えば、子どもが16歳だけど、その子どもが働いていっぱい稼いでいたら「この子どもはもう親の扶養が必要じゃないね」ということで、扶養控除ふようこうじょは受けられません。親の親を養っている場合も同じで「その親の年収が高い場合は扶養控除ふようこうじょは使えません」というルールがあるんです。

扶養控除ふようこうじょの金額はいくらか

扶養控除ふようこうじょの金額は「誰を養っているか」によって変わります。これは「子どもよりも高齢者の方が、お金がかかることが多いから」という理由です。

基本的には

  • 一般的な扶養親族(16歳から38歳まで):38万円の控除こうじょ
  • 高齢者扶養親族(70歳以上):48万円の控除こうじょ
  • 特定扶養親族(19歳から22歳まで):63万円の控除こうじょ

という感じになっています。若い子どもより、高齢の親の方が金額が大きいでしょう。これは「親を養うのにはお金がかかるから、その分応援しよう」という考え方が反映されているんですね。

扶養控除ふようこうじょでどれくらい税金が安くなるのか

控除こうじょ額と実際の税金の関係

扶養控除ふようこうじょが受けられると、どのくらい得するのか」というのは、多くの人が気になる部分ですね。ここからは「具体的な数字」で説明していきます。

重要なのは「控除こうじょ額」と「実際に安くなる税金」は違うということです。混同しやすいから注意してください。

例えば、親が子ども1人を扶養している場合、38万円の扶養控除ふようこうじょが受けられるとしましょう。でも「38万円税金が安くなる」わけじゃないんです。38万円に対して「税金の率」をかけた金額が、実際に安くなる税金になるんですよ。

税金の率は人によって違います。給料が高い人ほど税率が高い、つまり「たくさん稼いでいる人ほど、たくさん税金を払う」というシステムなんです。

  • 税率が10%の人が38万円の控除こうじょを受けたら:38万円×10%=3.8万円の節税せつぜい
  • 税率が20%の人が38万円の控除こうじょを受けたら:38万円×20%=7.6万円の節税せつぜい
  • 税率が30%の人が38万円の控除こうじょを受けたら:38万円×30%=11.4万円の節税せつぜい

つまり、給料が高い人ほど、扶養控除ふようこうじょによる節税せつぜい効果が大きいということですね。

実生活での影響

では、実際の生活に扶養控除ふようこうじょがどう影響するかを考えてみましょう。

例えば、年収500万円の親が、高校生の子ども1人を扶養しているとします。この場合、38万円の扶養控除ふようこうじょが受けられます。親の税率が約20%だとすると、年間で7.6万円の節税せつぜいになります。月に直すと、約6,300円です。

「たったそれだけ?」と思うかもしれませんね。でも、これが毎月かかってくるお金なんです。子どもが高校卒業まで続くとしたら、合計で20万円以上の節税せつぜいになります。それは家族にとって結構大きな金額ですよ。

特に、複数の子どもを養っている家庭や、親の親も一緒に養っている家庭では、この効果が大きくなります。子ども3人と親2人を養っている場合、月に1万円以上の節税せつぜいになることも珍しくないんです。

扶養控除ふようこうじょをもらうために必要な手続き

どこに申し込むのか

扶養控除ふようこうじょをもらうために、自動的に税金が安くなるわけじゃないんです。自分から申し込む必要があります。

申し込む場所は、「働いている場所」と「個人で事業をしているか」で変わります。

普通のサラリーマンや公務員の場合は、職場の経理部門か総務部門に「扶養控除ふようこうじょ申告書」という書類を出します。これは会社が「この人は家族を何人養ってるんだから、給料から税金を引くときに、扶養控除ふようこうじょを考慮して計算してね」と税務署ぜいむしょに報告するための書類なんです。

個人で自営業をしている人は、自分で税務署ぜいむしょに「確定申告かくていしんこく」という書類を出すときに、扶養控除ふようこうじょについて記入します。これは「私は家族を養っているので、この金額を控除こうじょしてください」と自分で税務署ぜいむしょに申告するわけです。

必要な書類と情報

扶養控除ふようこうじょの申告をするときに必要な情報を整理しておくと、手続きがスムーズです。

基本的には、扶養している人全員について

  • 名前
  • 生年月日
  • マイナンバー(日本国民全員に振られている番号)
  • 同じ世帯に住んでいるかどうか
  • 年収がいくらか

という情報が必要です。祖父母や親を扶養している場合は、別途「扶養対象者の年収を証明する書類」が必要になることもあります。

会社員の人なら、毎年11月ごろに会社から「扶養控除ふようこうじょ申告書」という書類が配られるので、そこに記入して出すだけです。会社がすべての手続きをしてくれます。

扶養控除ふようこうじょと似た制度との違い

扶養控除ふようこうじょと扶養手当の違い

扶養控除ふようこうじょ」と「扶養手当」という言葉があります。似ているから混同しやすいんですが、全然別の制度なんです。

扶養控除ふようこうじょは「税金を安くする」制度だと説明してきました。一方、「扶養手当」というのは、会社が従業員に払うお手当のことです。つまり「家族を養ってるんだから、その分給料を多くあげるよ」というお金なんです。

例えば、会社が「子ども1人につき毎月5,000円の扶養手当を出します」と決めていたら、子ども2人いる人は毎月10,000円のお手当をもらえます。これは会社がくれるお金で、税金とは関係ない制度なんですね。

扶養控除ふようこうじょは「政府が税金で応援する制度」で、扶養手当は「会社が給料で応援する制度」という感じで分けて考えると、わかりやすいですよ。

配偶者控除はいぐうしゃこうじょとの違い

配偶者控除はいぐうしゃこうじょ」という制度もあります。配偶者というのは、つまり結婚相手のことです。

配偶者控除はいぐうしゃこうじょは「結婚相手を養ってるから、税金を安くしてあげよう」という制度で、仕組みは扶養控除ふようこうじょとほぼ同じです。でも「誰が対象か」が違います。

扶養控除ふようこうじょ:親、祖父母、子ども、兄弟など親戚全般が対象

配偶者控除はいぐうしゃこうじょ:結婚相手だけが対象

ざっくり言うと「結婚相手なら配偶者控除はいぐうしゃこうじょ」「その他の家族なら扶養控除ふようこうじょ」という感じです。

扶養控除ふようこうじょがある理由と今後

政府がこの制度を作った背景

扶養控除ふようこうじょがなぜ存在するのかを理解するには、政府の考え方を知ることが大切です。

昔、日本の家族は大人数で、親の親も一緒に暮らすのが一般的でした。だから「若い世代が、複数の世代の面倒を見る」というのが普通だったんです。でも、そうなると若い世代は「税金をたくさん払いながら、たくさんの人を養う」という大変な状況になります。

そこで政府は「家族を養う人の税金を減らしてあげよう」という政策を作ったんです。これは「少子化対策」としても機能します。「子どもを育てるのにお金がかかるけど、税金で応援するから子どもを持ってね」というメッセージなんですね。

また、高齢化社会では「親や祖父母の面倒を見る人を応援しよう」という背景もあります。「親の面倒を見てくれるなら、税金で応援するよ」ということで、高齢者の扶養を促進しようとしているんです。

今後の制度の変化

ただし、扶養控除ふようこうじょは今後変わる可能性があります。政治家たちの間でも「この制度は本当に必要か」という議論があるんです。

例えば「高所得者ほど節税せつぜい効果が大きいのは不公平じゃないか」という意見もあります。月収20万円の人と月収100万円の人で、同じ子ども1人を養っている場合、節税せつぜい額の差が大きくなってしまうんです。

また「この制度は本当に少子化対策になっているのか」という疑問もあります。もし制度を変えるなら「控除こうじょではなく、給付金きゅうふきん(つまりお金を直接あげる)に変えた方がいいのでは」という声もあるんですね。

つまり、今後は制度が大きく変わる可能性があります。大人になったときに「あ、この制度なくなってた」ということもあるかもしれません。政治のニュースで「扶養控除ふようこうじょ」という言葉が出てきたら、注意して聞いてみるといいですよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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