親が会社で働いているときに、給料から「厚生年金」という名前で自動的にお金が引かれているのを見たことありませんか?でも「年金」って老後のお金だし、今から引かれるの?何のためなの?と疑問に思いますよね。実は厚生年金は、会社員が将来もらえるお金を今から一緒に貯めるシステムで、働いている人なら必ず加入する大事なしくみなんです。この記事を読めば、厚生年金がどんなふうに機能して、あなたの人生にどう関わるのかがスッキリわかりますよ。
- 会社員が毎月給料から自動で払う 公的年金制度 で、将来65歳以上になったら定年年金をもらえる
- 会社と本人が半分ずつ負担する 社会保険 で、個人の貯金ではなく法律で守られたしくみ
- 会社員だけでなく全員が何らかの年金に加入し、世代を超えて みんなで支え合う 仕組みになっている
もうちょっと詳しく
厚生年金をもう少し詳しく説明すると、これは「社会保険」という仕組みの一部です。つまり、個人が好きで入る保険ではなく、会社で働く人なら必ず入らないといけない制度ということですね。給料から引かれる厚生年金の保険料は、あなたが払う分と会社が払う分が一緒になっています。例えば、給料が30万円の人なら、本人が約1万5000円払うと、会社も約1万5000円を払う感じです。つまり実際には毎月3万円が年金制度に流れ込んでいるんですよ。これを何十年も続けることで、老後にもらえる年金額が決まるわけです。
会社員の年金保険料は、本人と会社が半分ずつ負担している。だから給料に見えている金額より、実際には多くのお金が年金に使われているんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ これは違います。厚生年金は「賦課方式」という仕組みで、今働いている人が払ったお金が、今の年配者の年金に使われます。あなたが年をとったときは、その時の若い人たちが払うお金があなたの年金になるわけです。
→ これが正解です。個人の貯金箱ではなく、社会全体で年配の人を支える仕組みだから、どの年代が得とか損とかではなく、みんなで助け合うことが大事なんです。
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厚生年金とは何なのか、基本から理解しよう
厚生年金は会社員のための年金制度
厚生年金というのは、日本の年金制度の中でも、特に会社で働く人たちのために用意された制度です。学校や会社で「社会保険」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、厚生年金はこの社会保険の大事な一部なんですよ。日本は「国民皆年金」という考え方で、日本に住んでいる全員が何らかの年金制度に加入することになっています。その中で、会社で働く人が入るのが厚生年金、自営業や学生が入るのが国民年金という具合に分かれているわけです。
厚生年金に加入する人の範囲は、基本的に「会社で働く人」です。ここで注意が必要なのは、個人経営店で働く人や、短時間のアルバイトは入らない場合もあるということ。例えば、親が自分でお店をやっているなら、その親は厚生年金ではなく国民年金に入ります。また、会社員でも週の労働時間が極めて少ない場合は加入しないこともあります。ただし、正社員や大多数の準社員なら、会社に入ったら自動的に厚生年金に加入させられるんです。
重要なのは、厚生年金は個人の選択ではなく、会社員なら「必ず入らないといけない」という法律があることです。だから給料から自動的に引かれるんですね。これは「強制加入」と呼ばれるもので、本当に年金が必要な人全員が確実に年金制度に入るようにするための仕組みなんです。
毎月の給料から自動的に引かれる
会社で働いている人の給料明細を見ると、「厚生年金保険料」という項目が必ず書いてあります。これが毎月引かれるお金のことです。具体的には、給料が高いほど、引かれる金額も多くなります。例えば、給料が20万円の人と30万円の人では、引かれる金額が違うわけです。
ここで大事なポイントは、「本人が払う分と会社が払う分がある」ということです。給料明細で見える「引かれているお金」は本人負担分で、これは通常、給料の約9.15%です。例えば30万円の給料なら、約2万7500円が引かれます。でもここが驚くところ。会社も同じくらいの金額を別に払っているんです。つまり、実際には約5万5000円が年金制度に流れ込んでいるわけ。これを「折半負担」と言います。
なぜ会社が負担するのかというと、従業員の老後を支えることも会社の社会的責任だと考えられているからです。ただし、働く側の視点からすると、給料に見えている金額は減っているわけですから、実質的には給料から大きな額が年金に使われていると理解することが大事ですね。
厚生年金の仕組み:誰が支えているのか
世代を超えて支え合う「賦課方式」
厚生年金の本当に重要な特徴は、「賦課方式」という仕組みだということです。つまり、今働いている若い人たちが払ったお金が、そのまま今の年配者の年金に使われる、という意味です。あなたが払ったお金が「自分のための貯金箱」に貯まるわけではなく、今すぐに年配者に渡されるんですよ。
これを理解するために、具体例を出しましょう。2024年の日本で、25歳の会社員が月1万5000円払ったとします。これはそのまま、今70歳で年金をもらっている人のお金になります。その25歳の人が65歳になったとき、その時の25歳の新入社員たちが払うお金が、その人の年金になるわけです。つまり、世代をリレーするように、若い世代が年配世代を支えているんですね。
「でもそれって不公平じゃないか」と思う人もいるでしょう。実は、そこが年金制度の難しいところです。人口が減っている今の日本では、若い人の数が減り、年配者の数が増えてきています。だから若い人一人当たりが支える年配者の数が増えていて、制度が難しくなってきているんです。ただし、国が様々な工夫をして、制度を維持しようと頑張っているわけです。
保険料の金額はどう決まるのか
厚生年金の保険料は、「給料に対する一定の割合」で計算されます。通常、給料の約18.3%が年金に使われ、そのうち本人が9.15%、会社が9.15%を負担します。この割合は法律で決められているので、会社が勝手に変えることはできません。
給料が高い人ほど払う金額が多いという仕組みになっていますが、実は「上限」があります。「標準報酬月額の上限」という仕組みで、非常に高い給料の人でも、一定額以上は保険料計算に含まれないんです。逆に「下限」もあり、非常に給料が低い人でも、最低限の保険料は払わないといけません。これは「全員が年金制度に支えられるべき」という考え方に基づいているわけです。
給料が変わると、保険料も変わります。会社から「給与変更」があったときは、厚生年金の保険料も一緒に変わるんです。ボーナスも年金の計算に含まれますが、ボーナス用の特別な保険料があるんですよ。こういった細かいルールは、会社の給与担当者が管理していて、働く人はあまり意識する必要がないかもしれませんね。
厚生年金をもらうまでの流れ
何歳からもらえるのか
厚生年金は、原則として65歳に達したときにもらえます。ただし「原則として」というのがポイント。実は、もらい始める年齢を自分で選べる制度があるんです。これを「繰上げ受給」と「繰下げ受給」と言います。
繰上げ受給というのは、65歳より前にもらい始めることです。例えば、60歳からもらうこともできます。ただし、早くもらえば、毎月のお金は少なくなるという仕組みです。逆に繰下げ受給は、65歳より後、例えば70歳からもらい始めるやり方で、その場合は毎月のお金が多くなります。人生の長さは予測できないので、いつからもらい始めるかは個人の判断になるわけですね。
65歳というのは「定年」と呼ばれる、働くのをやめる年齢の目安でもあります。昔は55歳や60歳が定年だった会社も多かったのですが、今は65歳まで働く人が増えています。また、健康寿命が延びているので、75歳や80歳まで働く人もいます。そういう人たちにとっては、繰下げ受給で年金を増やすのが得になることもあるわけです。
もらえる金額はどう計算されるのか
厚生年金でもらえる金額は、「何年働いたか」と「働いている間の給料がどのくらいだったか」で決まります。つまり、長く働いた人ほど、そして給料が高かった人ほど、もらえる年金が多いんですね。
具体的には、次のような計算式が使われます。基本的には「働いた期間(月数)×平均給料×計算率」という感じで、国が細かい計算をしてくれるんです。平均給料というのは、実際には「その人が働いていた全ての給料の平均」ではなく、最新の給料に近い時期のものが反映されます。だから、キャリアの後半に給料が上がった人は、年金が増えるチャンスがあるわけです。
また、大事なルールとして「最低保障額」があります。つまり、給料がすごく低かった人でも、年金がゼロになることはなく、最低限のお金はもらえるんですよ。これは「国民全員の最低限の生活を守ろう」という考え方に基づいているわけです。
実際に自分がもらえる予定の金額を知りたい場合は、「ねんきんネット」というサービスで確認できます。これは年金事務所がウェブサイトで提供しているもので、今までの払い込み状況を見て、将来もらえる予定額を推定してくれるんですね。働き始めたら、一度確認してみると、自分の年金について現実的に理解できますよ。
国民年金との違いと、厚生年金が優れている点
厚生年金と国民年金はどう違うのか
日本の年金制度は、「二階建て」という考え方で説明されることが多いです。一階が「国民年金」で、全国民が加入する基本的な年金。そして二階が「厚生年金」で、会社員がさらに追加で加入する年金です。つまり、会社員は国民年金と厚生年金の両方に加入しているんですよ。
一階の国民年金と二階の厚生年金の違いは何かというと、まず金額が違います。国民年金だけだと、2024年時点で月約6万5000円程度ですが、厚生年金に加入していた会社員は、その上に厚生年金の部分が追加されるので、合計でもっと多くもらえるわけです。
また、保険料も違います。国民年金は固定額(月約1万6000円程度)ですが、厚生年金は給料の割合で計算されます。つまり、給料が高い人ほど払う額が多くなるんですね。そして国民年金は自営業者が自分で払うのに対して、厚生年金は会社が手続きしてくれます。
厚生年金に加入する利点
厚生年金に加入していることの最大の利点は、「年金が多くもらえる」ということです。同じ期間働いた場合、自営業者(国民年金のみ)と会社員(厚生年金加入)では、年金の額が大きく異なります。会社員のほうが圧倒的に多くもらえるんですよ。
さらに、厚生年金には「遺族給付」や「障害給付」という仕組みがあります。つまり、もし働き盛りで亡くなったり、障害を持つようになったりした場合、遺族や本人がもらえるお金があるんです。国民年金にもありますが、厚生年金のほうが手厚いんですね。これは「予期しない不幸があっても、家族や本人が困らないようにする」という保障的な役割なんです。
また、会社が保険料の半分を負担してくれるので、実質的には自分の負担が少なくてすむんです。自営業者は国民年金を全額自分で払わないといけないので、そういう意味でも会社員は恵まれている立場と言えるわけです。
厚生年金に加入する人としない人
加入対象者の範囲
厚生年金に加入するのは、基本的には「会社で働く人」です。ただし「会社」の定義が大事なんです。個人商店で働く人は入りませんが、法人化した会社なら、その会社で働く人はほぼ全員加入します。また、公務員も厚生年金ではなく、別の「共済年金」という制度に加入しているんですよ。
短時間労働者(アルバイトなど)は、「週の労働時間」や「月の労働日数」が一定以上あれば、厚生年金に加入しないといけません。会社がアルバイトを安く使うために、わざと労働時間を少なくして年金加入を避けることは、実は法律違反なんです。もし会社がそういうことをしていたら、労働基準監督署に相談することができるわけですね。
また、外国人が日本の会社で働く場合、その外国人の母国に年金制度がない場合は、日本の厚生年金に加入することもあります。ただし、後で母国に帰るときに、一定の条件で保険料が戻されるしくみもあるんです。年金制度は複雑ですが、基本的には「働く人全員を保護しよう」という考え方に基づいているんですよ。
加入しない場合のリスク
もし会社員なのに厚生年金に加入していない場合、それは本来なら会社が違法行為をしているということです。でも、もし加入していなければ、将来もらえる年金が少なくなるリスクがあります。
例えば、20代の若い会社員が「給料を減らしたいから年金に加入しない」と考えたとしましょう。確かに毎月払う金額は減ります。でも40年後、65歳になったときに、年金をもらう額は大きく減るわけです。給料から数千円減らすことで、将来毎月数万円の年金が減ることになるんですね。これは「目先のお金」と「将来のお金」のバランスが悪い判断になるわけです。
また、もし30歳で事故で働けなくなったとしましょう。厚生年金に加入していれば「障害基礎年金」がもらえて、毎月お金が支給されます。加入していなければ、その保障がないんです。年金制度は「老後のためだけ」ではなく、「いざという時の保険」という側面も強いんですよ。
