スマートフォンのアプリをダウンロードしたけど使いにくくてすぐ削除した、ウェブサイトで欲しい商品を見つけたのに途中で買うのをやめてしまった…そんな経験ありませんか?実は、それって「ユーザーフロー」という考え方で改善できるんです。ユーザーフローとは、つまりユーザーがアプリやウェブサイトの中でどんな行動をするのか、その流れ全体を図に表したものです。この記事を読めば、なぜ人気のアプリは使いやすいのか、どうしたら自分の作ったサービスが使いやすくなるのかがわかるようになりますよ。
- ユーザーフローとは、ユーザーがアプリやウェブサイトで行動する流れを図で表したもので、サービスの使いやすさを改善するために重要
- 「何をしたいのか」から「目的を達成する」までの段階を矢印でつなげて、ユーザーの行動を可視化することが大事
- ユーザーフローを分析することで、どの段階でユーザーがいなくなるのか、どこを改善すればいいのかがわかる
もうちょっと詳しく
ユーザーフローは、単に「ユーザーが何をするのか」という流れを図に表すだけではありません。実は、各段階での選択肢や、エラーが起きた場合どうするのかといった、あらゆるパターンを含めて考えるんです。例えば、ショッピングサイトでの購入フローなら、「商品を見る→カートに入れる→決済」という基本的な流れだけでなく、「間違えて入れたから削除する」とか「支払い方法を変えたい」みたいな例外的な流れも考えます。こうすることで、どんな使い方をするユーザーにも対応できるサービスが作れるんです。
ユーザーフローは「幸せな道」だけじゃなく、エラーや変更などの「いろんな道」を全部考えることが大事です
⚠️ よくある勘違い
→ ユーザーフローには複数の流れが含まれます。例えば、新規ユーザーの流れと既存ユーザーの流れは別です。また、エラー時の流れもあります。
→ 正常系だけでなく、エラー系、例外系など、ユーザーが実際に経験するあらゆるパターンを考えることが重要です。
→ ユーザーフローはあくまで分析・改善の出発点です。実際のユーザーの行動を観察して、改善を繰り返す必要があります。
→ ユーザーフローを作った後、実際の利用パターンと比べて、常に改善していくことが大切です。
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ユーザーフローって結局何なの?
ユーザーフローは「ユーザーの行動の地図」
ユーザーフローって聞くと、何か難しい言葉に聞こえるかもしれません。でもね、簡単に言うと、それはユーザーがアプリやウェブサイトをどう使うのかという「行動の地図」なんです。地図があれば、どこに何があるのか迷わずに移動できますよね。同じように、ユーザーフローがあれば、ユーザーがどこに向かって何をするのか一目瞭然になるんです。
例えば、あなたがTwitterを使うとき、次のような流れで行動していることに気づいていますか?まず、アプリを開く→ホーム画面を見る→気になるツイートを見つける→そのツイートを読む→いいねボタンを押す→他のツイートをスクロール…このような流れが、ユーザーフローの一部なんです。Twitterの開発者たちは、このような流れを理解することで、もっとスムーズに、もっと楽しくツイートを見たり投稿できるようにアプリを作っているんですよ。
ユーザーフローを理解することで、アプリやウェブサイトの開発者たちは「ユーザーが何を求めているのか」を知ることができます。そして、その欲求に応えるために、どんな機能が必要で、どんな順番で表示すればいいのかを考えることができるようになります。つまり、ユーザーフローはサービスを作る人とそれを使う人の間に立つ、とても大切な「橋」なんです。
なぜユーザーフローを考える必要があるのか
もしも、あなたが何かサービスを作ったとします。例えば、学校の図書館を管理するアプリを作ったとしましょう。「本を検索する」「本を予約する」「予約状況を見る」という機能があります。でも、誰も使ってくれない…なぜだと思いますか?
その理由は、あなたが「ユーザーが実際にどう使うのか」を考えなかったからかもしれません。例えば、ユーザーは「今日時間があるから本を読みたい」と思って、さっとアプリを開きたいのに、アプリを開いて表示されるまでに3秒かかるとします。その3秒が長くて「別にいいや」ってアプリを閉じてしまうかもしれませんね。こういう「ユーザーの気持ちと行動」を理解することが、ユーザーフローを考える理由なんです。
ユーザーフローを考えることで、以下のようなメリットが生まれます。まず、どこでユーザーが困るのかが分かります。次に、そこをどう改善すればいいのかが見えてきます。さらに、新しい機能を追加するときに「この機能はユーザーフローのどこに必要なのか」という視点で考えられるようになります。つまり、ユーザーフローを理解することは、「いいサービスを作るための基礎」になるんです。
ユーザーフロー vs ユーザージャーニーマップ
ここで注意しておきたいことがあります。ユーザーフローと似た言葉で「ユーザージャーニーマップ」という言葉があるんです。両者は似ていますが、ちょっと違うんですよ。
ユーザーフローは「ユーザーがアプリやウェブサイトの中で、どのページから次のページに移動するのか」という流れです。つまり、サービスの中での行動だけを見ています。一方、ユーザージャーニーマップは「ユーザーが購入を決める前から購入した後まで」といった、もっと広い範囲での経験全体を見るんです。
例えば、新しいスニーカーを買うという例で考えてみましょう。ユーザーフローなら「オンラインショップを開く→スニーカーを検索する→気に入ったものを見つける→カートに入れる→購入」という流れです。一方、ユーザージャーニーマップなら「友達のスニーカーを見て欲しくなる(認識段階)→スマホで調べる(検討段階)→オンラインショップで買う(購入段階)→届いて履く→SNSに写真をアップする(アフター段階)」というように、もっと全体的な経験を見るんです。つまり、ユーザーフローはサービスの中での細かい流れで、ユーザージャーニーマップはもっと大きな視点での経験全体を見ているということですね。
ユーザーフローを作る時の5つのステップ
ステップ1:ペルソナを定義する
ユーザーフローを作る第一歩は「誰のための流れなのか」を決めることです。これを「ペルソナを定義する」と言います。ペルソナというのは、つまり「想像上の理想的なユーザー像」のことです。
例えば、YouTubeの動画を見るというユーザーフローを考えるなら「毎日通勤電車の中で動画を見る20代会社員の田中さん」というペルソナを作ります。このペルソナには、名前・年齢・職業だけでなく「毎日30分は動画を見る」「移動中だから電波が不安定な時がある」「スマートフォンでしか見ない」といった詳しい情報も含まれます。こうすることで「この人は何を求めているのか」が明確になって、ユーザーフローも具体的になるんです。
ペルソナを定義しないと、「いろんなユーザーの流れを全部考えなきゃ」ってなって、わけがわからなくなります。だから、まずは「このサービスを一番使ってほしい人は誰か」を決めるんです。新聞や統計データから、あるいは実際にサービスを使った人の声から、このペルソナを作ります。
ステップ2:ユーザーのゴール(目的)を明確にする
次に決めるのは「ユーザーが何をしたいのか」つまり「ゴール」です。これを明確にしないと、ユーザーフローも何も作れませんからね。
例えば、ショッピングサイトだったら「欲しい商品を安く買いたい」がゴールかもしれません。SNSだったら「友達と繋がりたい」「みんなに自分のことを知ってもらいたい」がゴールかもしれません。地図アプリだったら「目的地への最短ルートを知りたい」がゴールですね。このゴールが決まらないと、どこに向かっての流れなのかわからなくなります。
ゴールを決めるときに大切なのは「ユーザーの本当の気持ち」を考えることです。例えば、お菓子を買うサイトだったら「ゴール=お菓子を買う」と思いますが、本当は「友達にサプライズでお菓子をプレゼントしたい」という気持ちからかもしれませんね。こういう本当の気持ちを理解することが、いいユーザーフローを作る秘訣なんです。
ステップ3:現状のユーザー行動を観察・調査する
ペルソナとゴールが決まったら、今度は「実際のユーザーはどう行動しているのか」を調べます。これは、推測や想像だけでなく、本当の観察や調査が大事なんです。
調べ方としては、いくつか方法があります。まず、実際にサービスを使っている人に話を聞く「ユーザーインタビュー」があります。次に、サービスをどう使っているかを見せてもらう「ユーザーテスト」があります。さらに、アプリやウェブサイトのアクセスログを見て「どのボタンが何回クリックされているのか」「どこで人がいなくなるのか」を調べる「アクセス分析」もあります。
例えば、コンビニ弁当を買うアプリなら「仕事の休憩時間に使う」と想像するかもしれませんが、実は「夜遅く帰ってきて晩ごはんを買うときに使う」という人が多いかもしれません。こういう本当のユーザー行動と想像のズレを見つけることが、いいユーザーフローを作るコツなんです。
ステップ4:流れを図に表す
ここまでで集めた情報を使って、いよいよ流れを図に表します。この図のことを「フローチャート」と呼ぶこともあります。
図には、いくつかの重要な要素が入ります。まず「スタート」と「ゴール」を決めます。次に「どのページに行くのか」という段階を書きます。そして「ここでYESなら次に進む、NOならここに戻る」という分岐点を書きます。矢印でそれらをつなげて、ユーザーの流れを表すんです。
例えば、映画チケットを買うアプリなら「アプリを開く→映画を選ぶ→上映時間を選ぶ→座席を選ぶ→クレジットカード情報を入力する→チケット購入完了」という流れになるかもしれません。でも、もしユーザーが「間違った映画を選んじゃった」という場合は「戻る」ボタンで「映画を選ぶ」に戻る、という分岐を作ります。こうして、実際のユーザーが経験するあらゆるパターンの流れを図に表すんですよ。
ステップ5:テストして改善する
最後に大事なのが「テストして改善する」というステップです。作ったユーザーフローが本当に正しいのか、実際のユーザーに試してもらいます。
「テスト」というと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと「この流れで本当に目的が達成できるのか、実際に試してみる」ということです。例えば「お客さん10人に、このアプリでチケットを買ってみてください」と言って、使ってもらう。その時に「ここがわかりにくい」「ここが面倒」という声が出ます。その声をもとに、ユーザーフローを直す。そして、また試す。この繰り返しをすることで、だんだんと「いいユーザーフロー」に育っていくんです。
この改善の過程で「ユーザーが予想と違う行動をしている」という発見もあります。それは失敗じゃなくて、むしろ「本当のユーザーを理解できた」という成功なんです。その発見を元に、また流れを直す。これの繰り返しです。
ユーザーフローで気をつけるべきポイント
複雑すぎないようにする
ユーザーフローを作るときに気をつけるべき一つ目のポイントは「複雑すぎないようにする」ということです。実は、初心者が作るユーザーフローって、よく「あらゆるパターン」を詰め込みすぎて、図がスパゲッティのようになってしまうんです。矢印がたくさんあって、どこからどこに行くのかわからない…こんなことになっちゃいます。
そこで大事なのが「段階を分ける」という考え方です。例えば「新規ユーザーのフロー」「既存ユーザーのフロー」「購入までのフロー」「購入後のフロー」という風に、いくつかに分けて図を作るんです。そうすると、一つ一つの図はシンプルになって、理解しやすくなります。
実際のユーザーデータを使う
二つ目のポイントは「想像だけに頼らない」ということです。つまり「ユーザーはこう行動するだろう」という想像だけでユーザーフローを作ると、実際のユーザーと全然違う…ということになりかねません。
だから、アクセスログ、ユーザーインタビュー、アンケート調査など、様々な方法で「本当のユーザーデータ」を集める必要があります。これを「定性調査」と「定量調査」に分けて考えることもあります。定性調査というのは、つまり「なぜそうなのか」という理由を聞く方法(インタビューとか)で、定量調査というのは「何人がそうなのか」という数字を見る方法(アクセス分析とか)です。この両方を組み合わせることで、より正確なユーザーフローが作れるんです。
常に改善する気持ちを忘れずに
三つ目のポイントは「完成した後も改善を続ける」ということです。ユーザーフローは「一度作ったら終わり」ではなくて、常に変わっていくものなんです。
なぜかというと「ユーザーの気持ちや行動」は時間とともに変わるからです。例えば、今まで「パソコンで使う人が多い」と思っていたアプリなのに、スマートフォンが普及したら「スマートフォンで使う人が増えた」となって、ユーザーフローも変わります。また、サービスに新しい機能が追加されたら「その機能をどこに入れるのか」という新しいフローも作る必要があります。
だから、ユーザーフローを作った後も「最近、ユーザーの使い方に変化がないか」「改善できるところがないか」を定期的にチェックすることが大事なんですよ。月に一回、あるいは新しい機能を追加するたびに、ユーザーフローを見直す…こういった習慣が重要なんです。
ユーザーフローが活躍する場面
アプリやウェブサイトの設計段階
ユーザーフローが最も活躍するのは「新しいアプリやウェブサイトを設計する段階」です。作り始める前に「ユーザーはどう行動するのか」を図に表しておくことで、開発チーム全体が同じゴールに向かって作業できるようになるんです。
例えば、学校の成績管理アプリを作るなら「生徒が成績を見る流れ」「先生が成績を入力する流れ」「保護者が成績を確認する流れ」という3つのフローを作ります。そうすると「このボタンはどこに置くべきか」「このページは必要か必要じゃないか」という判断が、みんなで共通認識として持てるようになるんですよ。
既存のサービスを改善する時
二つ目の活躍場面は「既存のサービスをもっと良くしたい」という時です。今、ユーザーがどう使っているのかをフローで図に表すことで「ここがボトルネック(つまり問題点)だ」という部分が見えてくるんです。
例えば、あるショッピングアプリで「商品をカートに入れる人は多いのに、購入まで行く人が少ない」という問題があるなら「支払い方法の入力画面で人がいなくなっているんじゃないか」という仮説が立てられます。そこで、支払い方法の入力を簡単にしたり、わかりやすくしたりすることで、改善できるんですよ。こういう風に「何が問題なのか」を見つけるのに、ユーザーフローはとても役立つんです。
チームでの意思疎通
三つ目の活躍場面は「チームの中で『ユーザーってどんな人なのか』『何をしたいのか』を共通認識にする」ということです。デザイナーさん、プログラマーさん、企画の人、営業の人…いろんな職種の人がいるチームでも、ユーザーフローという「共通の言葉」があると、みんなが同じ方向を向いて仕事ができるんです。
例えば「このボタンの色、変えた方がいいと思うんですけど」という提案も、ユーザーフローを見て「このボタンはユーザーの流れの中でとても重要だから、目立つ色にしよう」という理由が明確になります。こういう風に、ユーザーフローはチーム全体の意思疎通を助けるツールになるんですよ。
