会社の組織図を見ていると「執行役員」という肩書きがあるよね。でも「社長」や「部長」とは何が違うの?って思ったことない?実は、会社を動かす上で、すごく重要な役職なんだ。取締役とは別の役目を持っていて、日本企業ならではの仕組みなんだよ。この記事を読めば、執行役員って何なのか、どんな仕事をしているのか、スッキリ理解できるよ。
- 執行役員とは、取締役会が決めた経営方針を実際に実行する責任者で、会社全体の複数部門を統括する立場だよ。
- 取締役と違って、法律上の会社代表ではなく、経営判断を実行する側。決定権と実行権が分かれてるんだ。
- 日本企業が採用することが多い仕組みで、会社を効率的に運営するために役割を分ける工夫なんだよ。
もうちょっと詳しく
執行役員の制度は、もともと日本で1990年代に広がった仕組みなんだ。なぜ作られたかっていうと、会社が大きくなると、やることが多すぎて、取締役だけじゃ対応できなくなったからなんだよ。そこで「方針は取締役が決める」「実行は執行役員がやる」と役割を分けることで、会社がより柔軟に、より早く動けるようにしたんだ。執行役員は部長から昇進する人が多くて、給料も部長クラスか、それより少し高いくらい。法律では「従業員」扱いで、取締役とは扱いが違うんだよ。
執行役員は「従業員の管理職」。取締役は「会社の代表」。立場が違うんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ これは違う。法律上、会社の代表は取締役。執行役員は取締役の決定を実行する管理職だね。
→ 正解。取締役と執行役員は、役割が違う。上下関係というより、仕事の役割分担なんだ。
執行役員って何?基本から学ぼう
会社の組織ってどうなってるの?
まず、会社の組織を思い浮かべてみてよ。学校でいうと、校長先生、教頭先生、学年主任、先生たちみたいに階級があるでしょ。会社も同じようなことになってるんだ。ただ、会社はさらに複雑で、いろんな役職があるんだよ。一番上は社長や会長。その下には、経営方針を決める取締役会。そしてその下に、実際に仕事をする部長、課長、一般社員たちがいるんだ。
執行役員は、この組織の中で、特別な立場なんだ。部長よりは上だけど、取締役ほどの法律的な力は持ってない。どっちかっていうと、取締役と部長の間にいる、橋渡し的な存在なんだよ。
会社が小さいときは、こんなに複雑な組織は必要ないんだ。でも、会社が大きくなると、営業部、企画部、製造部、営業企画室みたいにいろんな部門ができて、それぞれを統括する人が必要になるんだ。その時に活躍するのが執行役員という仕事なんだよ。
執行役員の役目って何?
執行役員の役目をシンプルに言うと、「取締役会が決めた方針を、実際の仕事に変える」ことなんだ。例えば、こんなシーンを想像してみてよ。
取締役会で「来年は新しい商品を3つ開発しよう」って決まったとしよう。でも、それだけじゃ何もできないんだ。「新商品開発室を作ろう」「営業部のスタッフを何人異動させよう」「予算はいくら必要か」「どの部長が責任を持つか」「いつまでに完成させるか」こんなことを決めて、実行に移さないといけないんだ。これが執行役員の仕事なんだよ。
取締役会は「何をするか」を決める場所で、執行役員は「どうやってやるか」を決めて実行する人たちなんだ。野球で言うと、取締役会はコーチで試合の作戦を決めて、執行役員は選手で実際に試合に出てプレイするみたいな感じだね。
実際にはどんな肩書きがあるの?
執行役員には、いろんな種類がある。営業執行役員、企画執行役員、製造执行役員、人事执行役員みたいに、担当する分野によって名前が付くんだ。大きな会社だと10人から20人の執行役員がいることもあるよ。
その中でも、一番偉い執行役員もいる。「最高経営責任者」つまり CEO(シーイーオー)と呼ばれる人だね。CEO は「最高」って名前がついてるから、取締役よりも上かな?って思うかもしれないけど、実は執行役員の中で責任が一番大きい人、という位置付けなんだよ。会社によっては、社長がCEOを兼ねることもあるし、別の人がCEOになることもあるんだ。
取締役との違いって何なの?
法律上の立場が違う
これが一番大きな違いなんだ。取締役は「会社の代表者」で、法律上も会社を代表する人なんだ。つまり、裁判所に呼ばれたり、会社の契約に判を押したり、重大な決定をしたりする権利と責任を持ってるんだよ。対して、執行役員は「従業員」という扱いなんだ。法律上は、普通の社員と同じで、ただし給料や責任が大きいってわけなんだ。
例えば、会社がうっかり脱税をしてしまったとしよう。その時、捕まるのは取締役だね。執行役員は「部下が知らないところでやったんです」っていう言い訳ができる場合もあるんだ。もちろん、執行役員も責任を取ることはあるけど、取締役ほど重くはないんだよ。
給料(年収)の相場って違う?
大体の場合、給料は取締役の方が多いんだ。でも、執行役員も悪くない給料をもらってるんだよ。部長さんの給料が年収800万円くらいだったら、執行役員は1000万から1500万円くらいの年収があることが多いね。取締役は会社によって違うけど、大きな会社だと2000万円を超えることもあるんだ。
給料が高い理由は、仕事量と責任の大きさだね。実行役員は、会社全体の動きに関わるから、決めなきゃいけないことがいっぱいあるんだ。何か問題があったら、自分で解決する力が求められるんだよ。
昇進ルートが違う
一般的に、社員→課長→部長→執行役員→取締役、という昇進ルートがあるんだ。でも、全員がこのルートを通るわけじゃないんだよ。
取締役になるには、取締役会で承認される必要があるんだ。これは結構重い判断で、会社の重要な役員会議で投票したりするんだ。対して、執行役員は、もっと柔軟に決めることができるんだ。社長の判断で「このチームを率いてくれ」ってなることが多いんだよ。だから、昇進しやすいってわけだね。
執行役員の仕事ってどんなことをするの?
経営方針を事業計画に落とし込む
執行役員の仕事の中でも、一番大事なのが「経営方針を実現する計画を作ること」なんだ。取締役会が「今年は売上を30%増やそう」って決めたとしよう。でも、「どうやって?」ってことは決まってないんだ。営業部はお客さんを何件増やすのか、企画部は新しい商品を何個開発するのか、製造部は生産量をいくら増やすのか、みんなが「それで行けるの?」って不安になるんだ。
そこが執行役員の出番なんだ。営業執行役員は「営業部と協力して、お客さんを100社増やす計画を作ろう。そのために営業スタッフを20人雇おう」って決める。企画執行役員は「新商品5個開発する。予算は3億円だ」って決める。製造執行役員は「生産ラインを1本増やして、人員を30人増やす」って決めるんだ。これらの計画が実現可能で、お互いに矛盾しないようにまとめるのが、執行役員の大事な仕事なんだよ。
各部門の責任者として判断する
執行役員は、自分の領域で最終的な判断をする人なんだ。営業執行役員だったら、営業部の大事な判断は全部自分がするんだ。「この新しいお客さんと契約を結ぼうか」「営業戦略を変えようか」「営業スタッフの給料制度を変えようか」こんなことを決める責任があるんだよ。
部長でも判断するけど、その上にはまだ上司がいるんだ。でも、執行役員は「ここまでは自分で決める」という権限を持ってるんだ。だから、素早い決定ができるんだね。
取締役会に報告して、説明責任を果たす
執行役員が決めたことは、取締役会に報告しないといけないんだ。「営業部はこれくらい売上が達成できそうですよ」とか「この計画には〇〇というリスクがあります」みたいに、取締役に説明するんだ。もし計画が実現しなかったら、「なぜうまくいかなかったのか」を説明する責任もあるんだよ。
取締役会は「本当に大丈夫?」「別のやり方はないの?」って質問をして、執行役員が本当に適切な判断をしているかをチェックするんだ。これは学校でいうと、校長先生が教頭先生に「本当にそれで大丈夫か」って聞くようなものだね。
社内の調整役になる
執行役員は、自分の領域の中だけじゃなく、他の部門との調整もすることが多いんだ。例えば、営業執行役員が新しい商品の営業戦略を考えるときに、企画部が商品企画をしてるはずだから、企画執行役員に「この商品、本当にお客さんに売れると思いますか?」って聞くんだ。製造部の能力も確認して、「いつまでに何個作れますか?」って確認するんだよ。
こういう調整があるおかげで、会社全体がまとまって動くようになるんだ。
なんで日本企業は執行役員制度があるの?
大企業で効率的に動かすために
執行役員の制度が日本に広がったのは、1990年代なんだ。その頃、日本の会社は国際競争が激しくなってきていたんだよ。アメリカやヨーロッパの大企業に対抗するには、もっと素早く、もっと効率的に経営判断をしないといけなくなったんだ。
それまでは、取締役がいろんなことを判断しないといけなかったから、会議が長くなっていたんだ。「これをやろう、あれをやろう」って全部取締役が判断してたから、時間がかかるんだよ。そこで、取締役会は「大きな方針だけ決めよう」「実行の詳細は執行役員に任せよう」ということにしたんだ。これで、会社がもっと素早く動くようになったんだね。
世代交代をスムーズにするため
執行役員制度があると、若い人を執行役員にして、経営の経験を積ませることができるんだ。もし取締役だけが判断してたら、取締役の数は限られてるから、若い人が経営の実務を学ぶ機会が少なくなるんだよ。でも執行役員という職を作ると「将来の社長候補を育成できる」という利点があるんだ。
野球で言うと、試合に出てない選手の中から、将来のスターを育てるみたいなものだね。試合(経営判断)の経験を積むことで、だんだん強くなっていくんだ。
会社の透明性が上がるため
執行役員制度があると、「誰がどんな決定をしてるのか」が明確になるんだ。営業の責任は営業執行役員、企画の責任は企画執行役員、みたいにね。そうすると、投資家(会社にお金を投資してる人)や社員が「会社の経営ってどうなってるんだろう」って分かりやすくなるんだよ。これが「ガバナンス」つまり会社がちゃんと管理されてるかどうかという重要なことなんだ。
執行役員になるにはどうするの?
一般的なキャリアパス
執行役員になるには、まずは部長になることが多いんだ。部長まで昇進したら、それから社長や経営幹部の人に「執行役員の候補として育てたい」と判断されるんだよ。その時点で、初めて執行役員への道が開けるんだ。
ただ、部長になったから絶対執行役員になれるわけじゃないんだ。部長の中でも「この人は経営者としての才能がある」「複数の部門を統括できる力がある」って判断されないといけないんだ。だから、部長でも重要な成果を出したり、他の部門との調整を上手くやったり、社員からの信頼を勝ち取ったりすることが大事なんだよ。
必要な能力・スキルって何?
執行役員に求められるのは、何といっても「全体を見る目」なんだ。自分の部門だけを見てちゃダメで、会社全体がうまくいくにはどうしたらいいか、って考える力が必要なんだよ。それと「コミュニケーション能力」。取締役会と部長たちの間で、うまく意思疎通できないといけないんだ。
あと「決断力」も大事だね。いろんな情報が集まってくるけど、最終的には「よし、これで行く」って決めないといけないんだ。優柔不断だと、会社が動かないんだよ。
それと「責任感」だね。執行役員が決めたことが、うまくいかなかったら、その人の評価がガクッと下がるんだ。だから、慎重に考えて、実現可能な計画を立てないといけないんだ。
別の会社からの転職もあり得る
大手企業では、別の会社で部長をやってた人を、執行役員として採用することもあるんだ。「この人の実績と能力なら、うちの企画執行役員をやってもらいたい」ってね。これを「外部から経営人材を招へい」なんて言い方をするんだ。
特に、新しい事業分野に進出する時に、その分野で経験のある人を執行役員として採用することがあるんだよ。例えば、今までは日本国内だけで商売してた会社が「アジアに進出したい」って時に、アジアでの経営経験がある人を執行役員にすることがあるんだ。
