「ウチの会社、適用事業所らしいけど、それって何?」「従業員の給料から保険料天引きされるようになった」……こんなふうに、会社の手続きのなかで「適用事業所」という言葉を聞いたことはありませんか?実は、ほとんどの会社が関係している、すごく大事な仕組みなんです。この記事を読めば、適用事業所が何で、自分たちにどう関係するのかがスッキリわかりますよ。
- 適用事業所とは、社会保険に加入することが義務づけられた会社のこと
- 一定の規模や条件を満たした会社が対象で、自動的に指定される
- 適用事業所に指定されると、従業員の給料から保険料が天引きされるようになる
もうちょっと詳しく
適用事業所っていうのは、法律で「ここからは社会保険に入ってもらいます」って決められた会社のことです。基本的には、一定数以上の従業員がいる会社や、特定の業種(製造業、卸売業、小売業など)が対象になります。一度この指定を受けると、会社と従業員の両方が社会保険料を払う義務が生まれます。つまり、給料から天引きされるお金が増えるってわけですね。でも、これによって、従業員は将来の年金ももらえるし、病気やケガのときも守られるという、大事なメリットがあるんです。
適用事業所に指定されるのは、会社の条件(規模や業種)で自動的に決まる。悪いことじゃなく、むしろ従業員を守るための仕組みなんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ 違う。会社の大きさや業種で自動的に決まる、法律上の区分けです。
→ つまり、条件さえ満たしていれば、誰でも自動的に該当する制度なんです。
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適用事業所って、そもそも何?
社会保険の加入が義務づけられた会社
適用事業所というのは、日本の法律で「社会保険に加入しなさい」と決められた会社のことです。社会保険というのは、健康保険、厚生年金保険、雇用保険などの総称で、つまり、ケガ・病気・失業・老後などのときに、国が助けてくれる仕組みのことなんですね。
イメージとしては、こんな感じです。会社の従業員が10人以上いて、製造業や小売業などの業種なら、その会社は自動的に「適用事業所ですよ」って指定されるんです。すると、会社はそれ以降、社会保険に加入する手続きをしなくちゃいけなくなります。
なぜこんなことをするのかというと、従業員が万が一のときに困らないようにするためですよ。会社だけで対応しようとしたら大変ですからね。だから国が「会社と従業員が一緒にお金を出し合って、みんなを守ろう」という制度を作ったんです。
会社と従業員、両方に義務がある
ここで大事なポイントは、社会保険料は「会社と従業員で半分ずつ」負担するってことです。例えば、月1万円の健康保険料が必要なら、会社が5000円、従業員が5000円を出すんですね。従業員の分は給料から天引きされるので、給料明細を見ると「社会保険料」という項目が引かれているのに気づくと思います。
これを聞くと「給料が減ってしまう……」と思うかもしれませんね。でも、これはいわば「未来の自分への貯金」だと思ってください。今払ったお金が、後になって医療費の負担を減らしたり、年金として返ってきたりするんですから。
すべての会社が「適用事業所」ではない
ここがポイントなんですが、実は日本のすべての会社が社会保険に加入しているわけじゃないんです。例えば、従業員が5人の小さい八百屋さんとか、家族だけで営んでいる農業のような場合は、加入しなくてもいい場合があります。これを「適用事業所ではない」と言うんですね。
そういう場合、従業員は国民健康保険(つまり、個人で加入する保険)に入ることになります。社会保険よりも、保険料が少ないというメリットがある一方、保障内容が違うというデメリットがあります。つまり、会社が大きいほど、より手厚い保障が用意されるってわけです。
適用事業所に指定される条件は?
従業員の数が基準になる
適用事業所に指定されるかどうか、一番大事な基準は「従業員が何人いるか」です。基本的には、常時5人以上の従業員がいる会社は、社会保険に加入する義務が出てきます。ただし、農業や漁業の場合は、常時5人以上でも加入しなくていい場合があります。
例を出してみましょう。ラーメン屋さんの場合、店主とアルバイトが合わせて3人だったら、まだ「適用事業所」ではありません。でも、アルバイトが増えて、全部で5人以上になったとたんに、「あ、もう適用事業所だね」と変わるんです。すると、会社はその月から社会保険の手続きをしなくちゃいけなくなります。
業種によっても判断が変わる
ただし、業種によって判断が変わることもあります。製造業、建設業、運輸業、卸売業、小売業、飲食業などの場合は、「常時5人以上」が基準になります。でも、農業、漁業、畜産業などの場合は、たとえ5人以上いても、加入しなくていい場合があるんです。これは、その業種の特性(季節的に従業員が増減するなど)を考慮した特例なんですね。
また、公務員(つまり、国や自治体の職員)は、最初から「公務員共済」という別の制度に入っているので、一般的な社会保険には入りません。つまり、民間企業の会社員だからこそ、この「適用事業所」という考え方が出てくるわけです。
適用事業所に指定されるとどうなる?
給料から保険料が天引きされる
適用事業所に指定されると、何が変わるかというと、まず給料から社会保険料が天引きされるようになります。これまで天引きされていなかった場合は、突然「あ、給料が減った」と感じるかもしれませんね。
でも、よく考えてみてください。天引きされるということは、会社が従業員の分を払う手続きを、確実に進めているってことなんです。つまり、従業員の健康保険と年金が、ちゃんと成立しているってわけですよ。
給料明細を見ると、こんな感じで表示されます。「健康保険料:○○○円」「厚生年金保険料:△△△円」「雇用保険料:□□円」という具合に、細かく分かれていることが多いです。これらを足すと、結構な金額になることもあります。でも、これは「将来への投資」だと思えば、納得がいくんじゃないでしょうか。
会社も届け出や報告の義務が増える
適用事業所に指定されると、会社の手続きも増えるんです。例えば、社会保険に加入する届け出を出さなくちゃいけません。従業員が増えたり減ったりしたときも、都度届け出が必要です。毎月、従業員の給料情報を報告したり、保険料を計算したり……これらはぜんぶ会社の担当者がやることになります。
だから、会社の経理や人事の部署は、けっこう大変なんです。でも、これも法律で決められた義務ですから、やらなくちゃいけません。もし報告をサボったら、罰金を取られることもあります。
従業員は社会保険の保障が得られる
一方、従業員にとっては良いことがたくさんあります。まず、医療費がかかったときに、健康保険が使えるようになります。つまり、医療費の3割を自分で負担すれば、残りの7割は保険が負担してくれるんですね。これがなかったら、大きな病気になったときは、お金が大変になってしまいます。
また、厚生年金に入ると、将来、老後に年金がもらえます。さらに、もし仕事を辞めたときは、雇用保険から失業給付をもらえるんです。つまり、一時的にお金が困らなくなるってわけですね。こういった保障があるからこそ、社会保険の加入は大事なんです。
適用事業所と「社会保険未加入」の問題
ルールを守らない会社が存在する
ここで、残念ながら、社会保険に加入すべき「適用事業所」なのに、加入していない会社が存在するんです。これを「社会保険未加入」と言います。なぜこんなことが起きるのかというと、会社の経営が苦しい場合、「社会保険料を払ったら、もっと赤字になってしまう」と考える経営者もいるからなんですね。
でも、これは法律違反です。いわば、会社が従業員の権利を奪っているということなんですよ。もし適用事業所のはずなのに加入していない会社で働いている場合は、会社に対して「加入させてください」と言う権利があります。それでも加入させてくれなかったら、労働基準監督署に相談することもできるんです。
従業員が困ることになる
社会保険に加入していないと、従業員はどんなに困るのか、具体例を出してみましょう。例えば、病気で病院に行ったときに、健康保険がないと、医療費を全額自分で払わなくちゃいけません。盲腸の手術なら、50万円くらいかかることもありますよね。これを全額自分で払うのは、大変です。
また、もし会社で仕事中にケガをしても、労災保険に加入していないと、会社からの保障が少ないことがあります。そして、年金制度に入っていないと、老後に年金がもらえない……つまり、年をとってから、お金に困ってしまうんです。これは、本当に大変なんですね。
加入を確認することの大切さ
だからこそ、もし就職活動をしているなら、「この会社は適用事業所ですか?」「社会保険に加入していますか?」と聞くのは、とても大事なんです。給料や仕事内容と同じくらい、この点は重要ですよ。
会社が「適用事業所です。社会保険に加入しています」と答えるなら、それは安心の証です。つまり、会社がルールを守って、従業員を保障する気があるってことですからね。
まとめ:適用事業所は、会社と従業員を守るしくみ
適用事業所という言葉は、確かに難しく聞こえるかもしれません。でも、実は、シンプルなしくみなんです。つまり「一定の条件を満たした会社は、従業員の保障をしてね」という法律のルールなんですね。
このルールがあるおかげで、ふつうの会社員は、健康保険で医療費の負担が減るし、厚生年金で老後に年金がもらえるんです。給料から天引きされるお金は、一見すると「もったいない」と思うかもしれませんが、実は自分たちを守るための大事な制度なんですよ。
もし就職するなら、「この会社は適用事業所ですか?」と確認すること。働いている人なら、自分の会社が適用事業所なのか、給料明細でどの項目が社会保険料なのかを、理解しておくこと。こういった知識があれば、もし何か問題があったときに、自分たちで対応できるようになるんです。社会保険は、みんなの安心のためのしくみなんだから、大事にしましょうね。
