「離婚したら、相手の年金ってどうなるんだろう?」って思ったことない?特に、結婚してる間ずっと専業主婦や主夫をしてた人にとっては、老後のお金がすごく心配だよね。そこで登場するのが年金分割という制度。離婚のときに年金を分け合える仕組みなんだけど、「分割ってどういうこと?」「手続きはどうするの?」って疑問だらけの人も多いはず。この記事を読めば、年金分割の基本から手続きの流れ、よくある誤解まで全部わかるよ。
- 年金分割とは、結婚中に積み立てた 厚生年金の記録 を離婚時に2人で分け合う制度のこと
- 種類は2つあり、3号分割は相手の同意なしで申請でき、合意分割は2人で割合を決める
- 手続きは 離婚後2年以内 に年金事務所へ申請しないと権利が消えてしまうので注意
もうちょっと詳しく
年金分割は2007年4月にスタートした比較的新しい制度だよ。それ以前は、専業主婦や主夫として家庭を支えていた人が離婚すると、老後の収入がほぼ国民年金だけになってしまうという問題があった。でも今は、結婚期間中に配偶者が厚生年金として積み立てた「標準報酬」——つまり給料の記録をもとに計算した年金のポイントのこと——を最大50%まで分けてもらえるようになったんだ。注意してほしいのは、分割された分は自分の老齢厚生年金として65歳以降に受け取ることになるって点。分割したからといってすぐにお金が入るわけじゃないんだ。あくまで「将来受け取る年金が増える」という仕組みだよ。
分割されるのはお金じゃなく「年金記録」。将来もらえる額が増える仕組み!
⚠️ よくある勘違い
→ 相手の受取額を直接半分にするわけじゃないので、相手の年金が減るわけでもなく、自分が毎月相手の口座から振り込まれるわけでもない
→ 分割されるのはあくまで「記録」。それが自分の老齢厚生年金の計算に反映されて、65歳以降に受け取る額が増える仕組みになっている
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年金分割とは?まず「仕組み」を理解しよう
そもそも厚生年金ってどんな年金?
年金分割を理解するには、まず「厚生年金」について知っておく必要があるよ。日本の年金制度は大きく2階建て構造になっていて、1階部分が全員共通の「国民年金」、2階部分が会社員や公務員が加入する「厚生年金」なんだ。つまり厚生年金というのは、会社に勤めている間に毎月の給料から天引きされて積み立てられていく年金のことだよ。
会社員の配偶者として専業主婦や主夫をしていた人は「第3号被保険者」——つまり、配偶者の扶養に入って国民年金だけ払っていた人——として扱われるから、自分名義の厚生年金は積み立てられないんだ。でも離婚後に「あのとき家事や育児を担当して家庭を支えていたのに、老後の保障がほぼない」という状況は明らかに不公平だよね。そこで「結婚期間中に相手が積み立てた厚生年金の記録は、2人で協力してつくったもの」という考え方から年金分割の制度が生まれたんだよ。
「標準報酬」って何?
年金分割でよく出てくる「標準報酬」という言葉、これは簡単にいうと「年金の計算に使う給料のデータ」のことだよ。毎月の給料がそのまま記録されるわけじゃなくて、給料の金額を決まったランクに当てはめた数字が「標準報酬月額」として記録されていくんだ。この記録が多い=老後に受け取れる厚生年金の額が多い、という仕組み。年金分割では「この標準報酬の記録を結婚期間中の分だけ、2人の間で振り分け直す」ということをするんだよ。
年金分割の2種類を徹底比較
①合意分割——2人で話し合って決める
合意分割は、離婚する2人が話し合って「分割する割合(按分割合——あんぶんわりあい)」を決める方法だよ。按分割合というのは、つまり「どれくらいの比率で分けるか」を表す数字のこと。ルールとして、どちらか一方が受け取れる割合の上限は50%まで、と決められているんだ。
たとえば夫が会社員で妻が専業主婦だった夫婦が離婚するとき、「結婚していた15年間に夫が積み立てた標準報酬の記録を50:50で分けよう」と合意したとする。そうすると妻は、その15年分の記録の半分を自分のものとして受け取れて、将来もらえる老齢厚生年金の額が増えるんだ。2人で合意できれば按分割合は必ずしも50%でなくてもいい。30%や40%でもOKだよ。ただし合意できない場合は、家庭裁判所に申し立てて決めてもらうこともできる。
②3号分割——1人で申請できる
3号分割は2008年4月以降の結婚期間が対象になる制度で、「第3号被保険者だった人」が相手の同意なしで自動的に50%の分割を受けられる方法だよ。さっき出てきた「第3号被保険者」というのは、会社員や公務員の配偶者として扶養に入っていた人のこと。専業主婦・主夫がこれにあたるよ。
この制度が便利なのは「相手が協力してくれなくても申請できる」という点。離婚後の関係がギクシャクして連絡が取れないケースや、相手が手続きに非協力的なケースでも、自分1人で年金事務所に行って申請できるんだ。ただし対象は2008年4月以降の婚姻期間分だけで、それ以前の分は合意分割で対応する必要があるよ。
どちらを選べばいい?
実際には多くの場合、「3号分割で対応できる部分は3号分割で、それ以外は合意分割で」という組み合わせになることが多いよ。2008年より前から結婚していた場合は、2008年3月以前の分は合意分割、4月以降の分は3号分割という形で2つを組み合わせて申請することになるんだ。自分のケースがどちらに該当するか迷ったら、年金事務所に相談してみよう。
年金分割の手続きの流れ
STEP1:年金事務所で「情報通知書」をもらう
まず最初にやることは、年金事務所に「標準報酬改定請求書」と一緒に「年金分割のための情報通知書」を請求すること。この情報通知書というのは、「結婚期間中にどれくらいの標準報酬が積み立てられているか」を確認できる書類だよ。分割する対象の記録がいくらあるのか、ここで初めてわかるんだ。ちなみに情報通知書は夫婦どちらか一方だけでも請求できるよ。
STEP2:按分割合を決める(合意分割の場合)
合意分割の場合は、情報通知書の内容をもとに2人で按分割合を話し合って決めるよ。この割合は「按分割合に関する公正証書」か「合意書(公証役場で確認印をもらったもの)」として書面に残しておく必要があるんだ。公証役場というのは、法的な文書を作成するための公的な機関のこと。ここに2人で出向いて書類を作るか、家庭裁判所の調停・審判で決めてもらうかのどちらかになるよ。
STEP3:年金事務所に申請する
準備ができたら、年金事務所に「標準報酬改定請求書」を提出して申請完了。必要な書類は、戸籍謄本(離婚の事実が記載されたもの)、年金手帳またはマイナンバーカード、合意分割なら按分割合を示す書類などだよ。申請書の書き方は年金事務所の窓口で教えてもらえるから、難しく考えなくて大丈夫。最寄りの年金事務所に直接相談に行くのが一番確実だよ。
絶対に忘れちゃいけない「2年以内」ルール
年金分割の申請には「離婚した翌日から2年以内」という期限があるよ。この期限を1日でも過ぎてしまうと、権利がなくなってしまうんだ。離婚後はいろいろと忙しくてつい後回しにしてしまいがちだけど、年金分割だけは早めに動くことをおすすめするよ。離婚の手続きと一緒に「年金分割の申請も忘れずに!」とセットで覚えておこう。
年金分割でいくら増えるの?
正確な金額は「ねんきん定期便」や試算で確認しよう
「年金分割をしたら実際どれくらい年金が増えるの?」は、みんなが一番知りたいところだよね。残念ながら「必ず○○円増える」とは一概にはいえないんだ。理由は、増加額が「結婚期間の長さ」「相手の給料の水準」「分割の割合」によって大きく変わるから。
ざっくりしたイメージでいうと、たとえば夫が平均的なサラリーマンで、20年間専業主婦だった妻が50%の分割を受けた場合、老後に受け取れる年金が月1〜2万円程度増えるケースが多いとされているよ。ただしこれはあくまで目安。正確な試算は「ねんきんネット」というサービスや年金事務所の窓口で相談すれば出してもらえるから、実際に申請を考えている人はぜひ確認してみてね。
分割しても相手の年金は減らない?
「相手の年金を分けてもらったら、相手の老後の年金が減ってしまう?」と心配する人もいるよね。実は分割された標準報酬の記録は、相手の記録からそのまま引き算されるから、理論上は相手の将来の年金額も下がるんだ。ただし「分割してあげると相手に迷惑がかかる」と遠慮する必要はないよ。年金分割は法律が認めた正当な権利で、結婚期間中に2人で協力してつくった部分を取り戻すだけのことだから。
年金分割をするときに知っておきたい注意点
年金分割は「老後」に効いてくる制度
年金分割をしたからといって、今すぐお金が受け取れるわけじゃないよ。分割されたのはあくまで「年金記録」。実際に年金として受け取れるのは、自分が65歳以上になってから(条件によっては60歳から繰り上げ受給も可能)だよ。だから「離婚後すぐの生活費が心配」という場合は、年金分割とは別に財産分与や養育費などをしっかり取り決めておくことが大切なんだ。
離婚前に死亡した場合は申請できない
年金分割の申請は「離婚が成立した後」でないとできないよ。また、申請をする前に当事者のどちらかが亡くなってしまった場合は、原則として分割の申請ができなくなってしまうんだ。別居しているなど「事実上の婚姻関係の終了」に近い状態でも、法律上まだ離婚が成立していなければ申請できないよ。離婚を決意したら早めに手続きを進めることが大事だね。
再婚しても年金分割の記録は消えない
「再婚したら、以前の離婚で得た年金分割の記録はどうなるの?」と気になる人もいるよね。安心して、再婚しても以前分割してもらった標準報酬の記録はそのまま残るよ。ただし再婚後に再度離婚した場合は、再婚期間中の分についてまた別途分割の申請ができる、という仕組みになっているよ。それぞれの婚姻期間ごとに年金分割の手続きが必要になるから、複数回の離婚がある場合は年金事務所に詳しく相談してみよう。
弁護士や社労士に相談するのもおすすめ
年金分割の手続き自体はそれほど難しくないけど、財産分与や慰謝料・養育費などと絡み合って「どれが自分にとって有利か」が複雑になるケースも多いよ。特に合意分割で相手と話し合いがうまくいかない場合や、婚姻期間が長くて積立額が大きい場合は、弁護士や社会保険労務士(社労士)——つまり年金や労働保険の専門家——に相談することで、自分の権利をきちんと守れる可能性が高くなるよ。初回相談が無料の事務所も多いから、一人で抱え込まずに専門家の力を借りてみよう。
