将来、家を買おうかな、親から家を相続するかもな、そういうときに「居住用財産」という言葉が出てくるけど、具体的には何を指してるのか、なぜ特別扱いされるのか、よくわからないですよね。実は、自分が住む家やマンションには税金や法律の面で大きなメリットがあるんです。この記事を読めば、その秘密がわかっちゃいますよ。
- 居住用財産は自分が住んでいる家やマンションで、投資用の物件とは違う
- 家を売った時の利益に税金がかかりにくくなる3000万円控除が使える
- 相続税や固定資産税でも優遇される可能性があり、国が住宅を守る政策
もうちょっと詳しく
居住用財産が特別扱いされている理由を理解するには、まず不動産(つまり、土地と建物)がどんな存在かを知る必要があります。日本では、家は単なる「商品」じゃなくて「人間が生きていく上で絶対必要な場所」として考えられています。だから、税制面での優遇がいくつもあるんです。その最たるものが「譲渡所得税の特別控除」(つまり、家を売った時の儲けから3000万円まで税金を払わなくていい制度)。この制度があることで、普通の家族が「子どもが大きくなったから、もう少し大きい家に引っ越そう」「親と同居することになったから家を売ろう」という選択ができるようになります。
居住用財産は「生活基盤」だから、国が守る対象になってるんだ
⚠️ よくある勘違い
→ 相続税がかかる可能性があります。また、相続後に名義変更(つまり、誰の物かを公式に変える手続き)をしないと、後々大きなトラブルになります。
→ 正しいです。小規模宅地等の特例(つまり、自分が住んでた土地の相続税評価を下げる制度)など、居住用財産だからこその優遇措置があります。
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居住用財産とは「自分たちが住む家」のこと
定義をしっかり理解しよう
居住用財産という言葉を聞くと、何か難しい金融用語のように感じるかもしれません。でも、実はシンプルです。「自分たちが毎日の生活をしている家やマンション」、これが居住用財産です。もっと法律的に言うなら、個人が「自己の居住の用に供する家屋とその敷地」(つまり、自分が住むために使ってる建物と土地)を指します。
重要なのは「自己の居住」という部分。つまり、あなたの家族が実際に生活してるってことが絶対条件です。だから、両親が投資目的で買ったアパート(他の人が住む)とか、地方に持ってる別荘(たまに訪れるだけ)とか、そういうのは居住用財産ではなく「その他の不動産」に分類されます。同じ不動産でも、何に使ってるかで名前と法律的な扱いが変わってくるんですね。
どうやって判断するのか
「これって居住用財産ですか?」という判断は、税務署(つまり、税金に関する役所)によって審査されます。判断基準は主に3つです。
1つ目は「実際に住んでるか」。親名義だけど子どもが住んでる、夫名義だけど妻が住んでる、こういう場合も「実際に住んでる人が誰か」が重要です。紙の上だけの名義と違って、実生活の証拠が大切ってわけです。
2つ目は「どのくらい住んでるか」。別荘みたいに「たまに行く」じゃなくて、「日常生活の拠点」としてるってことですね。例えば、親が都会に家を持ってるけど、仕事の都合で田舎に引っ越した。その後、親の都会の家を売った。こういう場合、「本来の住所はどこか」「実際にはどこに住んでたか」が問われます。
3つ目は「売却日の1年前からずっと住んでたか」。家を売った場合、その家を売却日の前の年の1月1日から売却日までの間、ずっと(もしくはほぼずっと)自分か家族が住んでたという条件があります。これは、「投資家が家を買ってすぐ売る」みたいなことを防ぐためのルールです。
居住用財産が優遇される理由は「生活の基盤を守るため」
国の政策的背景
なぜ居住用財産って特別扱いされるのか。それは「誰もが安心して住める家を持ってほしい」という国の政策があるからです。日本では、古い時代から「住宅は人間の基本的な権利」として考えられてきました。だから、個人が家を買ったり売ったりするときに、税金で足を引っ張るようなことはしたくない、という発想なんです。
もしも、家を売った時に大きな税金がかかるとしたら、どうなるでしょう。例えば、20年間住んだ2000万円の家が3500万円で売れたとします。1500万円の利益が出ます。これに高い税率で税金がかかったら、その税金を払うために、また別のお金を用意しなきゃいけません。そしたら、新しい家に引っ越すお金がなくなっちゃう。こういうことを避けるために、国は「居住用財産を売った利益には、ある程度の控除(つまり、税金から引く金額)を設ける」という政策を取ってるんですね。
他の優遇措置もたくさんある
居住用財産の優遇措置は、売却時の税金だけじゃありません。
相続税での優遇があります。もし、あなたの親が家を持ってて、その親が亡くなったら、その家を相続することになるかもしれません。そのときに、「小規模宅地等の特例」という制度が使えます。これは、「自分が住んでた家の敷地なら、相続税計算の時に評価額を80%減らせる」という制度です。つまり、本来1000万円の価値と評価される土地も、相続税を計算するときは200万円の価値として扱われるってわけです。
住宅ローン控除もあります。家を買うときに銀行からお金を借りる(つまり、住宅ローンを組む)と、所得税から毎年一定額を引いてくれるという制度です。これも「家を買う人の負担を減らそう」という政策です。
不動産取得税の軽減もあります。家を買う時に「不動産取得税」という税金がかかります。でも居住用の家なら、控除額が大きくなるので、結果的に安くなるんです。
こうやって見ると、国は「住宅購入」「住宅所有」「住宅売却」「住宅相続」という人生の4大場面すべてで、居住用財産の所有者を応援してるってわけです。
家を売る時の最大のメリット「3000万円控除」を詳しく
何が免除されるのか
居住用財産を売却したときの税金について、一番のメリットが「譲渡所得税の特別控除」です。難しい言い方ですが、かんたんに言うと「家を売った時の儲けから3000万円を引いた分だけ税金がかかる」という制度です。
例を出してみましょう。Aさんが1000万円で家を買いました。20年住んで、今売ると3500万円になりました。儲けは2500万円です。
ふつうの商品(例えば、車とか)で2500万円の利益が出たら、かなり大きな税金がかかります。でも、この家が居住用財産なら、3000万円の控除が使えます。2500万円 – 3000万円 = マイナス500万円。つまり、儲けがないものとして扱われるので、税金がゼロになっちゃうんです。
もし3000万円では足りない場合はどうなるのか。例えば、1000万円で買った家が5500万円で売れて、4500万円の利益が出たとします。3000万円引いても1500万円が残ります。この1500万円に税金がかかります。税率は、売却した年の1月1日時点で所有してた期間によって変わります。5年以上持ってたなら税率は約20%(正確には、所得税15% + 住民税5%)。つまり、1500万円 × 20% = 300万円の税金。これでも、もしこれが居住用財産じゃなかったら(例えば、投資用の物件だったら)、税率は30%以上になるので、450万円以上の税金がかかることになります。
どうやって使うのか
この3000万円控除を使う場合、ちょっと手続きが必要です。売却した翌年に、税務署に「確定申告」をしなきゃいけません。つまり、自分でこの制度を使いますという申告をしないと、自動的には適用されないんです。
そこで大事なのが、「居住用財産だったことを証明する書類」です。例えば、住民票(つまり、住んでることを公式に示す書類)、光熱費の領収書(つまり、実際に生活してた証拠)、売買契約書(つまり、いつ買って、いつ売ったか)などが必要になります。
使えない場合もある
ただし、すべての家の売却で使えるわけではありません。いくつかの条件があります。
1つ目は「売却した年の前年と前々年に、別の家の売却で同じ控除を使ってないこと」。つまり、毎回毎回3000万円控除を使うことはできないんです。3年に1回までということですね。
2つ目は「売却した家が、配偶者や親族との関係で売買されてないこと」。つまり、親から子へ売る、兄から妹に売るみたいな「身内同士の取引」では使えません。
3つ目は「買い直しまでの期限」です。例えば、「住んでた家を売って、すぐに新しい家を買う人」が対象です。売却から長い期間が経ってから買い直すと、適用されなくなる場合があります。
家を相続するときの優遇措置「小規模宅地等の特例」
相続税がぐっと安くなる仕組み
親が亡くなって、親が住んでた家を相続することになった。こういうときに大事なのが「小規模宅地等の特例」という制度です。これは、「自分が住んでた(もしくは親が住んでた)家の土地部分の相続税評価額を最大80%減らせる」という制度です。
数字で見てみましょう。親が持ってた土地の価値が、相続税計算用に5000万円と評価されたとします。そのまま相続税を計算したら、かなり大きな相続税がかかります。でも、その土地が「親が住んでた家の敷地」なら、5000万円 × 80% = 4000万円を引いて、1000万円として扱われるんです。相続税は評価額に対して計算されるので、評価額が5分の1になれば、相続税も大きく減ります。
なぜこんなに優遇されるのか。それは、「親から子へと家を引き継ぐことを応援したい」という国の政策があるからです。もし相続税がめちゃくちゃ高かったら、故郷の家を手放さなきゃいけなくなる人も出てきます。そういう事態を避けるためのルールなんですね。
条件はちょっと複雑
この特例を使うには、いくつかの条件があります。
最も重要なのは「その家に引き継いだ人(つまり、相続人)が住んでること」。例えば、親が持ってた家を兄が相続した。その家に兄が住み続ける。こういう場合は使えます。でも、相続したけど、すぐに売却しちゃった、みたいなことになると、条件によっては使えなくなることがあります。
次に「その家が親の住宅だったこと」。つまり、親の別荘とか投資用の家じゃなくて、親が実際に住んでた家である必要があります。
そして「相続税の申告をして、この特例を使いますと申告すること」。3000万円控除と同じように、自動では適用されません。申告が必須です。
居住用財産を「賃貸に出す」と何が変わるのか
居住用から投資用への転換
ここまで「自分たちが住む家」の話をしてきました。でも、人生の事情は変わります。「海外赴任で数年出張することになった」「子どもが大きくなって、親と同居することになった」こういう時に、「前に住んでた家を賃貸に出そう」という選択肢が出てくるかもしれません。
ここが重要な分岐点です。一度賃貸に出すと、その家は「投資用不動産」に変わります。つまり、税金のメリットが大きく変わってくるんです。
例えば、5年住んだ後に、その家を賃貸に出しました。さらに3年後に売却しました。合計8年持ってたことになります。でも、最後の3年間は賃貸だったので、「居住用財産」ではなく「投資用不動産」として扱われます。そうすると、3000万円控除が使えなくなる可能性が高いんです。
税率も変わります。居住用財産を長期間持ってた場合、売却益の税率は約20%。でも投資用不動産だと約30%以上になります。1000万円の利益が出たら、200万円 vs 300万円以上の税金ですね。
「別荘として持ってる家」の扱い
同じ「家を持ってる」でも、「メイン住宅として持ってる」と「別荘として持ってる」では大違いです。
別荘は「別荘用の家」として分類されます。これも投資用不動産と同じく、3000万円控除が使えません。税率も高くなります。
だから、親名義で地方に別荘を持ってたけど、実は使ってない……という人がいたら注意が必要です。相続税を計算するときも、別荘は「親が実際に住んでた家」じゃないので、小規模宅地等の特例が使えません。そのままの評価額で相続税を計算されちゃうんです。
「どうせなら売っちゃった方がいいのかな」と思うかもしれませんが、売却時の税率も高くなるので、複雑です。こういう時は、税理士(つまり、税金のプロ)に相談する価値があります。
