長期譲渡所得って何?わかりやすく解説

「株を買ったときより値上がりして売ったからラッキー!」そういう時、実はその利益に税金がかかるってご存知?でも大事なのは「いつから持ってたか」。同じ利益でも、長く持ってた方が税金が安くなる仕組みがあるんです。それが「長期譲渡所得」。この記事を読めば、なぜそんなルールがあるのか、あなたの資産運用にどう関係するのかが完全にわかりますよ。

先生、この前親が「株を売った」って言ってたんですけど、それって利益に税金かかるんですか?

そうだね。株を売って利益が出た場合、その利益に対して税金がかかるんだ。ただしね、重要なポイントがあるんだよ。その利益が長期譲渡所得短期譲渡所得かで、かかる税金の金額が全然違うんだ。
えっ、同じ利益なのに税金が違うんですか?どういう仕組みなんです?

いい質問だ。例えばね、あなたが誕生日プレゼントでもらった限定グッズを考えてみて。もらったその日に売ったら「え、これいくらで売れるの?」だけど、5年持ってから売ると思ってない値段になったりしない?つまり、長く持つってことは、その資産にしっかり向き合ってるってことなんだ。だから国も「長く持ってくれるなら、税金を安くしますよ」という優遇制度を作ったわけ。それが長期譲渡所得の仕組みなんだよ。
なるほど!では「長期」ってどのくらいの期間なんですか?1年?2年?

ズバリ、5年以上だ。買ってから5年を超えて持ってから売ると、その利益は「長期譲渡所得」として扱われるんだ。つまり5年以下だと「短期譲渡所得」で、税率が高くなっちゃう。だからね、本当に応援したい企業の株を持つなら、最低5年は忍耐強く持つことが大事なんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 株や土地を売った利益には税金がかかるけど、5年以上持ってから売ると「長期譲渡所得」として税率が低くなる
  2. 短期譲渡所得(5年以下)は最大55%の税率、長期譲渡所得(5年超)は20%の税率で、かなりの差がある
  3. つまり長く持つほど、国から「税金の優遇」をもらえるという、資産運用を応援する仕組みなんだ
目次

もうちょっと詳しく

では、実際の数字で考えてみましょう。100万円で買った株が150万円になった。つまり利益は50万円ですね。この50万円が短期だと、所得税しょとくぜい15%+住民税じゅうみんぜい5%+復興特別税で最大55%ですから、約27.5万円が税金。手元に残るのは22.5万円です。一方、長期なら20%ですから、税金は10万円。手元に残るのは40万円。15万円以上の差が出ちゃうんです。同じ利益なのに、持ってた期間が違うだけでこんなに違う。これが「長く持つことの大事さ」を国が教えてくれてるわけですね。

💡 ポイント
50万円の利益でも、短期なら約27.5万円税金、長期なら10万円税金。その差は15万円以上!

⚠️ よくある勘違い

❌ 「5年持ってれば、売ったお金全部が手元に残る」
→ いえいえ。長期でも20%の税金はかかります。「短期より安い」ってだけ。5年持ったからタダになるわけじゃないんです。
⭕ 「5年以上持ってから売ると、税金が短期の約36%まで下がる」
→ これが正解。同じ利益でも、持ってた期間で税率が激変するんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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長期譲渡所得の基本ルール

「5年」という魔法の数字

なぜ「5年」なのか、不思議に思いませんか?実は、国が長期投資を応援したいって気持ちが込められてるんです。株や不動産って、短期的に売ったり買ったりされると、市場が不安定になっちゃう。でも、長期で持つ人が増えれば、市場も安定するし、企業も長期的な経営ができるようになる。だから国も「5年以上持つなら、税金安くしますよ」って言ってるわけなんだ。

では、その「5年」ってどう数えるのか。例えば、2021年1月15日に株を買ったなら、2026年1月15日に売ると「満5年」。つまり、その日を含めて5年目に入ったら短期じゃなくなるってわけです。あ、ちなみに1月15日に買ったけど翌年の1月14日に売ったら「まだ5年未満」ですから短期扱いになっちゃう。1日でも足りないとダメ。これけっこう大事ですよ。

また、覚えておいてほしいのは、この「5年」ってルールは国によって違うんです。アメリカなんかでも長期キャピタルゲイン税ってものがあるけど、日本でたまたま「5年」って決めたわけ。他の国では「1年」とか「3年」とかもある。つまり、各国が「どのくらい長く持つのが長期か」を定義してるってことですね。

短期と長期の税率の違い

これが、長期譲渡所得の一番大切なポイント。ものすごく大切なのでしっかり覚えてください。短期譲渡所得(5年以下)にかかる税金は、あなたのほかの収入と一緒に合算されて計算される「総合課税」っていう方式。つまり、給料をいっぱいもらってる人が短期で株を売ると、税率がもっと高くなっちゃう可能性がある。最大で55%まで行くんです。これ、給料の半分以上が税金で持ってかれるってことですよ。

一方、長期譲渡所得(5年超)は「分離課税」という別枠。つまり、給料がいくらあろうと関係ナシに、その利益だけで計算される。税率は「所得税しょとくぜい15%+住民税じゅうみんぜい5%+復興特別税0.315%」で、合わせて約20.315%。ほぼ20%と思ってていいです。さっき言ったように、50万円の利益なら約10万円の税金ですね。

実例で考えてみましょう。もし給料が500万円ある人が100万円で買った株を150万円で売ったら、短期か長期かで大きく違う。短期だと、その50万円の利益が給料に上乗せされて、合計550万円の所得で税金が計算される。すると、その上乗せ分は最大で45%くらい税金がかかっちゃう。つまり50万円 × 45% = 22.5万円。でも長期なら、その50万円だけで計算されるから50万円 × 20% = 10万円。12.5万円も差が出ちゃうわけです。給料が高い人ほど、この差が大きくなるんですね。

長期譲渡所得の対象になる資産

株式と投資信託

一番わかりやすいのが株ですね。上場企業の株を買って売ったときの利益が長期譲渡所得になる。これ、特に個別株が対象。「〇〇という会社の株を買う」ってやつです。では投資信託はどうか。投資信託っていうのは、つまり「いっぱいの株や債券が詰まったパッケージ」のことなんだ。これを買って売ったときの利益も長期譲渡所得の対象になる。ただし、投信には「分配金」っていう定期的に受け取るお金があるんだけど、これは長期譲渡所得じゃなくて「配当所得」で別に計算される。つまり、投信の利益と分配金は、税金の計算方法が別ってわけですね。

ちょっと引っかかるポイントとして、確定拠出年金かくていきょしゅつねんきん(401k)とかNISAっていう制度の中で持ってる株は、そもそも利益に税金がかかりません。だから「長期譲渡所得の対象」って考える必要もない。つまり、NISAで株を売ったら、短期だろうが長期だろうが税金ゼロ。これが「投資をしやすい制度」ってわけなんだ。

不動産(土地と建物)

実はね、不動産も長期譲渡所得の対象なんです。つまり、自分が持ってなかった家や土地を売ったときの利益。例えば、親からもらった土地を持ってて、5年後に売ったら、その売却益は長期譲渡所得。でも、ここで大事なのは「自分が住んでた家」の場合。これには「3000万円控除こうじょ」っていう特別なルールがあるんだ。つまり、持ち家を売ったときの利益が3000万円までなら、税金がかからないってわけですね。これは長期に限らず短期でも適用される。つまり、自分の家なら、持ってた期間は関係なく、3000万円までは税金がかからないってことです。

不動産の場合、5年という判定がちょっと複雑です。「いつから数えるか」が土地と建物で違う場合もあるし、相続でもらった場合は前の人が買ったときから数える場合もある。だから、もし親の不動産を売ろうとしてるなら、税理士さんに相談するのが安心ですね。

具体的な計算例で理解する

短期譲渡所得の計算

では、実際の計算を見てみましょう。Aさんは2023年6月に100万円で株を買いました。2024年3月に150万円で売った。利益は50万円です。ちょうど9ヶ月だから「5年未満」、つまり短期譲渡所得。Aさんの給料は600万円。

短期の場合、この50万円が給料に上乗せされて、合計650万円の所得として計算される。そうすると、日本の累進税率(給料が多いほど税率が高くなるシステム)で、その上乗せ分は最大33%の所得税しょとくぜい。加えて住民税じゅうみんぜい10%、復興特別税。合わせて約50%の税金がかかる。つまり、50万円 × 50% = 25万円が税金。手元に残るのは25万円ですね。「100万円が150万円になった」って言っても、実際の手残りは「100万円 + 25万円 = 125万円」。がっかりですね。

長期譲渡所得の計算

では、もし同じAさんが2021年6月に買ってた同じ株だったら?2026年3月に150万円で売った。利益は50万円。ちょうど4年9ヶ月だから…あ、まだ5年未満ですね。ダメだ。では2026年7月だったら?2021年6月から2026年6月で丸5年。翌月の7月に売ったから「5年超」で長期譲渡所得。

長期の場合、この50万円には「分離課税」が適用される。Aさんの給料がいくらあろうが関係ナシ。50万円 × 20% = 10万円が税金。手元に残るのは40万円。つまり「100万円 + 40万円 = 140万円」。短期なら125万円だったのに、140万円。その差は15万円。同じ利益を売ってるのに、数ヶ月待つだけで15万円も違う。これが「長く持つことの大事さ」を数字で示してるんですね。

長期譲渡所得の節税せつぜいテクニック

損失の活用

これ、多くの人が知らないテクニックなんです。もし株で利益を出してる一方で、別の株で損失が出てたら?実は、その利益と損失を相殺できるんですよ。つまり、100万円の利益が出たけど、別の株で30万円の損失が出たら、実際に税金がかかるのは70万円の利益だけ。これを「損益通算」っていいます。

さらにね、その年に相殺しきれない損失があったら、翌年以降3年間、繰り越して使える。つまり、2024年に50万円の損失が出て、相殺しきれなかったら、2025年の利益と相殺できる。これ「損失の繰り越し控除こうじょ」。ただし、これを使うには確定申告かくていしんこくをしなきゃいけません。「損失が出たから申告する必要ナシ」って思ってる人が多いけど、実はその繰り越しを使いたいなら申告が必須なんですね。

利益確定のタイミング

実は、「いつ売るか」で税金が大きく変わるんです。特に、12月と1月のタイミングは要注意。例えば、5年ぴったりで売ろうと思ってるなら、1月に売った方が無難。なぜなら、「いつまで持ってたか」を数えるときに、日付の数え間違いがあると短期扱いになっちゃう可能性があるから。少し余裕を持って売るのが安全なんですね。

また、損失を出してるときに利益を確定させるのも戦略。例えば、100万円の利益が出てるけど、別の銘柄は大きな損失を抱えてる。この場合、その損失を相殺させるために、わざと損失銘柄を売ることもある。つまり「売って損を確定させる」って逆説的に聞こえるけど、実は「その損失で利益の税金を相殺させる」という節税せつぜいになるわけです。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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