大きな会社では、いろんな仕事をしている部門があるよね。例えば、スマートフォンを作っている企業なら「スマホ事業部」と「アクセサリー事業部」みたいに分かれていたり、お菓子会社なら「洋菓子部門」「和菓子部門」に分かれていたりする。でも、どうして企業はわざわざこんなふうに分けるんだろう?その答えが「事業部制」という組織の仕組みにあるんだ。この記事を読めば、企業がなぜこんなかたちで組織されているのか、そしてそれが何の役に立つのかが、スッキリわかるようになるよ。
- 事業部制とは、企業を複数の 独立した部門 に分けて、各部門が自分たちの売上と経費の責任を持つ仕組みのこと
- 各事業部が 独立採算制 で動くため、決定が早く、改善に積極的になり、採算性を常に意識するようになる
- 一方で、部門同士が競争したり、全体の連携が難しくなったりという課題もある
もうちょっと詳しく
事業部制の本質は、大きな企業をいくつかの「小さな企業のような部門」に分けて運営することだよ。通常、会社全体で「営業部」「製造部」「企画部」みたいに機能ごとに分かれてる。でも事業部制だと「スマートフォン事業部」「タブレット事業部」みたいに、作っている商品ごと、あるいは売っている市場ごとに分かれるんだ。そして、各事業部は自分たちの売上から経費を引いた利益を自分たちで管理する。つまり、その事業部がちゃんと儲かってるかどうかが、数字で誰の目にもわかるようになる仕組みなんだよ。
事業部制 = 各部門が「小さな企業」のような独立性を持つ
⚠️ よくある勘違い
→ 違うんだ。どの企業だって何らかの部門に分けてる。事業部制で大事なのは「各部門が独立採算で動く」という部分。つまり、各部門の成果が数字で評価される仕組みなんだよ。
→ そう!各事業部がまるで「小さな企業」のように動くから、決定が早く、工夫や改善に積極的になるんだ。
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事業部制って、結局何?
事業部制の基本
事業部制とは、大きな企業を複数の事業部に分けて、各事業部が独立して経営される仕組みのことだよ。「独立して経営される」ってのは、つまりね、各事業部が自分たちの売上を稼いで、自分たちの経費を使って、その結果の利益や損失に責任を持つってことなんだ。
イメージしやすいように、身近な例を出すね。例えば、大きなスーパーマーケットを思い浮かべてよ。そのスーパーに「食品売り場」「衣料品売り場」「日用雑貨売り場」があるよね。実は、このスーパーが事業部制を採用していれば、各売り場が独立採算制で動いてるんだ。つまり、「食品売り場はいくら売上が出て、どのくらい利益が出たか」を自分たちで計算して、その成果に責任を持つわけなんだよ。
事業部制と機能別組織の違い
ここで大事なポイントが一つ。事業部制じゃない企業は、どういうふうに分かれてるかというと、「営業部」「製造部」「企画部」みたいに、やってる仕事の種類で分かれてるんだ。これを「機能別組織」って言うんだよ。つまり、同じ仕事をしてる人たちが集まってる部門ってわけだね。
一方、事業部制の企業は「A商品事業部」「B商品事業部」みたいに、扱ってる商品ごと、あるいは相手にしてる顧客ごとに分かれてるんだ。そして、この大きな違いが重要なんだよ。機能別組織だと、営業部が「売上を増やしたい」と思っても、製造部が「品質を重視したい」と思ってると、意見が衝突することもあるでしょ。でも事業部制だと、各事業部が全部のことを自分たちで判断できるから、意思決定が早くできるんだ。
独立採算制の仕組み
事業部制の核になってるのが「独立採算制」だよ。これはね、各事業部が「自分たちの売上がいくらで、経費がいくらで、利益がいくら」を自分たちで計算する、ということなんだ。例えば、スマートフォンメーカーの「スマートフォン事業部」だったら、「スマホの販売売上」から「製造にかかった経費」「営業にかかった経費」「企画にかかった経費」を全部引いて、残ったものが利益になるわけだね。
この仕組みのいいところはね、各事業部の成果が数字でハッキリわかることなんだ。会社全体で「今年の利益は100億円」って発表があっても、実際には誰がどのくらい貢献してるかって、わかりにくいでしょ?でも独立採算制だと「スマートフォン事業部は30億円の利益、タブレット事業部は20億円の利益」って、どの部門がどのくらい稼いでるかが一目瞭然なんだ。だから、各事業部も「うちの部門ちゃんと頑張ってるんだ」って実感できるし、会社だって「どの事業部に力を入れるべきか」って判断しやすくなるんだよ。
事業部制のいいところ
決定が早くなる
事業部制の最大のメリットが、意思決定のスピードなんだ。通常の企業は、営業部が「新商品を出したい」って思ったら、企画部に相談して、製造部の判断を聞いて、経営層の了承を得て…ってふうに、たくさんの人たちの判断を経る必要があるんだよ。時間がかかるでしょ?
でも事業部制だと、各事業部が「うちの部門ならこうやってやろう」って自分たちで判断できるんだ。もちろん、会社全体のルールとか大きなルール以外はね。例えば、「スマートフォン事業部が新しい機能を追加したい」って思ったら、その事業部の中で営業も企画も製造も全部の人がいるから、その中で判断して決めちゃえばいいんだ。だから、決定が早い。ビジネスの世界では、決定の速さって、すごく大事なんだよ。競争相手が遅い決定してる間に、自分たちは早く新しいことを始められるからね。
各部門が工夫や改善に積極的になる
独立採算制だから、各事業部は「うちの部門の利益を増やす」ってことに真剣なんだ。利益を増やすには、売上を増やすか、経費を減らすかのどっちかだよね。だから、各事業部は必死になって工夫するんだ。「どうやって売上を増やそう?」「どうやって経費を減らそう?」ってね。
また、自分たちの成果が数字でハッキリわかるから、モチベーションも違うんだ。「うちの部門は目標の利益を達成した」って成果が出ると、働いてる人たちも嬉しいでしょ?だから、より頑張ろうって気になるんだよ。
経営層が経営に専念できる
各事業部が独立して動くから、経営層(つまり、会社のトップの人たちだね)は、細かい判断に時間を使わなくていいんだ。その代わり、会社全体の戦略に専念できるんだよ。例えば、「うちの会社は今後、どの事業を成長させるべきか?」「新しい事業に参入すべきか?」みたいな、大きな判断に集中できるってわけ。各事業部が細かいことを全部自分たちで判断してくれるからね。
事業部制の課題と難しいところ
部門同士の競争が生まれやすい
各事業部が独立採算制で動くから、ついつい「うちの部門の利益を増やそう」ってことだけに夢中になっちゃう危険性があるんだ。例えば、スマートフォン事業部とタブレット事業部があったら、両方とも「うちの部門の売上を増やしたい」って思ってるでしょ?でも、もしも顧客が「スマートフォンかタブレットか、どっちを買おうかな」って迷ってたら、両部門が「うちの商品を買ってよ」って競争しちゃうんだ。
そうなると、会社全体では売上が増えてなくても、スマートフォン事業部とタブレット事業部が顧客を奪い合ってるだけってことになりかねないんだよ。これを「内部競争」って言うんだけど、程度によっては会社全体の成長を阻害することもあるんだ。
部門同士の連携や情報共有がしにくくなる
各事業部が独立して動くから、「あ、あの部門のこの技術、うちの部門でも使えそうだな」って気づいても、なかなか共有しにくくなることがあるんだ。なぜかって?各事業部が「うちの部門の秘密兵器」って思っちゃうからね。
例えば、スマートフォン事業部が開発した「バッテリーを長持ちさせる技術」があったとしようか。これって、タブレット事業部でも使えたら便利だよね。でも、スマートフォン事業部は「うちが開発したんだから、うちだけで使おう」って思っちゃうことがあるんだ。そうなると、会社全体として損しちゃうんだよ。
部門数が増えると管理が大変になる
事業部制だと、各事業部が独立した採算で動くから、会社全体で「全部の事業部が本当にちゃんと採算を取ってるのか?」「ちゃんと報告してるのか?」って確認する必要があるんだ。事業部が2個とか3個ならまだいいけど、10個、20個になってくると、管理が大変になるんだよ。
実際の例 — どんな企業が事業部制を使ってる?
大手電機メーカー
パナソニックやソニーみたいな大手の電機メーカーは、事業部制の代表例だよ。例えば、ソニーだったら「プレイステーション事業部」「エレクトロニクス事業部」「イメージセンサー事業部」みたいに分かれてるんだ。各事業部が独立採算制で動いてるから、「プレイステーション事業部の今年の利益はいくら」「イメージセンサー事業部の今年の利益はいくら」って、それぞれ数字が出ちゃうんだよ。
なぜ大手メーカーが事業部制を選ぶかっていうと、扱ってる商品が全然違うからなんだ。テレビと携帯電話とゲーム機では、顧客も技術も営業方法も全部違うでしょ?だから、各事業部が独立して判断した方が、うまくいくんだね。
自動車メーカー
トヨタとか日産みたいな自動車メーカーも、事業部制を使ってるんだ。「乗用車事業部」「商用車事業部」「スポーツカー事業部」みたいに分かれてることもあるし、「日本国内事業部」「アメリカ事業部」「ヨーロッパ事業部」みたいに地域ごとに分かれてることもあるんだよ。
食品メーカー
味の素とか森永とかいった食品メーカーは、扱ってる商品の種類が多いからね。「調味料事業部」「製菓事業部」「栄養食品事業部」みたいに分かれてるんだ。各事業部が独立採算制で動いてるから、「調味料事業部の利益率は高いけど、製菓事業部の利益率は低い」みたいなことが見えてくるんだよ。そうなると、会社全体として「今後、どっちの事業に力を入れるべきか?」って判断しやすくなるんだ。
事業部制をうまく機能させるための工夫
全社的な目標と事業部の目標を整える
事業部制で難しいのはね、各事業部が自分たちの利益ばっかり気にしてると、会社全体の目標と食い違っちゃうことなんだ。例えば、会社全体としては「環境にやさしい製品を開発する」って目標があるのに、A事業部は「とにかく利益を増やしたい」って考えて、安い材料を使ってコストを下げようとしちゃうかもしれないんだ。そうなったら、会社全体の目標とズレちゃうでしょ?
だから、優れた企業は、会社全体の目標をしっかり決めて、その上で「各事業部はこの範囲で独立採算で動いてね」ってお願いしてるんだ。つまり、「会社全体として何を目指すのか」を全員で共有した上で、「その中で各事業部は自分たちの工夫をしてね」ってわけだね。
部門同士の情報共有の仕組みをつくる
各事業部が独立して動くと、情報が共有されにくくなるって話をしたよね。そこで、優れた企業は「全社共有会議」みたいな仕組みをつくってるんだ。つまり、各事業部が「うちの部門ではこんな工夫をしてます」「こんな新しい技術を開発しました」って発表する場をつくるんだよ。そうすると、他の事業部も「あ、その技術、うちでも使えるかもな」って気づくことができるんだ。
経営層がしっかりと監視・指導する
各事業部が独立採算制で動くから、会社全体としては「各事業部がちゃんと采配を取ってるか?」「おかしなことになってないか?」ってチェックする必要があるんだ。例えば、「A事業部の利益が急に下がった」「B事業部が他の部門とトラブルを起こしてる」みたいなことがあったら、経営層が「なんで?」って聞いて、指導するんだよ。
つまり、事業部制ってのは「各事業部に自由度をあげるけど、会社全体としてはちゃんと監視する」ってバランスを取る組織形態なんだね。そのバランスが大事なんだ。
