「お金が足りなくて年金や保険料を払えないかも…」「授業料が高くて大学に行けるか不安」——そんな悩み、ひとりで抱え込んでない?実は、収入が少ないときや生活が苦しいときに、国や自治体が「払う額を減らしてあげるよ」「免除してあげるよ」と助けてくれる仕組みがあるんだ。それが減免制度。この記事を読めば、減免制度がどういうものか、誰が使えるのか、どうやって申請するのかまで全部わかるよ。
- 減免制度は収入が少ないときなどに 保険料・税金・授業料などの負担を減らしてもらえる 公的な仕組みのこと
- 制度は複数あり、それぞれ 自分で申請しないと適用されない ため、知っているかどうかで大きく差がつく
- 年金免除は将来の受取額が少し減るが 未納より圧倒的にメリットが大きく、後から追納して取り戻すこともできる
もうちょっと詳しく
「減免制度」というのは1つの制度の名前ではなくて、国や都道府県・市区町村が作っているさまざまな「負担を軽くする仕組み」の総称なんだ。国民年金の保険料免除・猶予制度、国民健康保険料の減額・免除、住民税の非課税や減額、大学の授業料免除・給付型奨学金など、種類は本当にたくさんある。共通しているのは「お金に困っている人を見捨てない」という考え方。たとえば急に会社をリストラされて収入がゼロになったとき、それでも年金や保険料の請求が来るのは正直キツいよね。そういう状況のためにこの制度が存在しているんだ。大事なのは「申請主義」といって、自分から動かないと始まらないということ。まず制度の存在を知ること、それが第一歩だよ。
減免は「恥ずかしいこと」じゃない!使うために存在する権利だよ。
⚠️ よくある勘違い
→ 免除=受給資格が消える、と思い込んでいる人が多い
→ 全額未納とは全く違う。免除申請すれば最低限の年金は守られる上、後で追納もできる
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そもそも「減免制度」ってどういう仕組みなの?
まず「減免」という言葉の意味から整理しよう。「減免」は「減額」と「免除」を合わせた言葉で、つまり〝本来払うべき金額を少なくしたり、ゼロにしたりする〟ということ。学校のテストで「提出物を全部出したら10点プラス」みたいなボーナスの逆バージョンで、「事情があるなら少し引いてあげるよ」というイメージだ。
日本には「みんなが平等に税金や社会保険料を負担しよう」という考えがある一方で、「収入がゼロなのに同じ金額を払えというのは無理があるよね」という現実もある。そのギャップを埋めるために作られたのが減免制度だ。
「減額」と「免除」と「猶予」の違い
似た言葉がいくつかあるから整理しておくよ。
- 減額:払う金額を少なくすること。たとえば月1万円が5千円になるイメージ
- 免除:払わなくていいことにすること。金額がゼロになる
- 猶予(ゆうよ):つまり〝今は払わなくていいけど、後で払ってね〟ということ。免除と違って将来的には支払いが必要になる
これらは制度によってどの方式が使われるかが違うから、それぞれの制度の説明をちゃんと確認することが大事だよ。たとえば国民年金には「免除」と「猶予」の両方がある。猶予は学生向けの「学生納付特例制度」が代表的で、学生の間は払わなくていいけど社会人になったら追納しましょう、という仕組みだ。
なぜ自分で申請しないといけないの?
日本の福祉や社会保障のほとんどは「申請主義」といって、つまり〝自分から申し出ないと適用されない〟という仕組みになっている。市役所も年金事務所も「あなたは収入が少ないから免除しますね」と勝手には動いてくれない。これは行政の手が全員に届かないことや、本当に困っている人だけに適用するための線引きとして機能している面もある。でも逆に言うと、知らないと損をする制度でもある。だからこそ「知識を持つ」こと自体が、自分の生活を守る力になるんだ。
どんな種類の減免制度があるの?
一口に「減免制度」といっても、種類はとても多い。ここでは代表的なものを4つ紹介するよ。自分や家族の状況と照らし合わせながら読んでみて。
① 国民年金の保険料免除・猶予制度
20歳以上60歳未満の人が入る国民年金。会社員は会社が半分払ってくれるけど、フリーランスや無職の人は自分で全額払わないといけない。2024年度の保険料は月1万6980円。収入が少ないときにこれが毎月来るのはキツいよね。
そこで収入が一定以下の場合、保険料を「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」のどれかに減らすことができる。全額免除になると支払いはゼロ。しかも国が保険料の半分を負担してくれる仕組みがあるから、将来の年金がゼロになるわけじゃない(ただし全額払った場合の半分程度になる)。
学生の場合は「学生納付特例制度」という猶予制度があって、在学中は払わなくてよくなる。卒業後10年以内なら追納できるよ。
② 国民健康保険料の減額・免除
フリーランスや自営業者、退職した人が加入する国民健康保険。この保険料も、収入が少ない世帯は7割・5割・2割という割合で減額される仕組みがある(均等割の軽減)。失業した場合は「非自発的失業者に対する軽減制度」というものもあって、前年の給与所得を30分の1に計算して保険料を算出してもらえる。つまり〝失業直後の保険料をグッと安くしてもらえる〟ということだ。
③ 住民税の非課税・減額
住民税はつまり〝自分が住んでいる市区町村に払う税金〟のこと。所得が一定額以下の場合は「住民税非課税」になって税金がゼロになる。この「住民税非課税世帯」という状態は、他のさまざまな支援制度の対象になる基準としても使われているから、すごく重要なポイントだよ。たとえば高額療養費の自己負担上限額が下がったり、給付金の対象になったりすることがある。
④ 大学・専門学校の授業料減免・給付型奨学金
2020年から始まった「高等教育の修学支援新制度」で、収入が少ない家庭の学生は授業料が免除・減額され、さらに給付型奨学金(つまり〝返さなくていいお金〟)がもらえるようになった。国公立大学の授業料がほぼゼロになるケースもある。対象は住民税非課税世帯を中心に、段階的に支援の厚さが変わるよ。
誰が申請できるの?条件を確認しよう
減免制度には「誰でもOK」というものはなく、基本的に収入や家族構成などの条件がある。ここでは特に使われることが多い国民年金の免除制度を中心に、条件の見方を説明するよ。
収入の基準ってどう計算するの?
免除の判定に使われるのは「前年の所得」。つまり〝去年1年間で稼いだお金から必要経費などを引いた残り〟のこと。自分だけでなく、同じ世帯(一緒に住んでいる家族)の所得も合算して判定される場合があるよ。
たとえば全額免除の場合、4人家族(本人・配偶者・子2人)で目安として年間所得が約162万円以下が基準(扶養親族の数によって変わる)。これはあくまで目安で、実際の基準は年度によって変わるから、必ず年金事務所や市区町村の窓口で確認してね。
失業・災害・コロナ特例など
収入の基準を満たさなくても免除が認められる場合がある。代表的なのは「失業した場合の特例」で、失業・離職した年については本人の所得をゼロとして計算してもらえる。これはつまり〝仕事を失った人は無条件で所得基準をクリアしやすくなる〟ということ。失業した直後は必ず年金事務所に相談してみよう。また大きな災害(地震・台風など)が起きたときも特例で免除が認められることがある。
大学の授業料減免の条件
高等教育の修学支援新制度の場合は、主に以下の2つが条件になる。
- 家庭の収入が一定以下(目安:4人家族で世帯年収約380万円まで段階的に支援)
- 本人の学習意欲があること(成績要件や進学後の単位取得状況なども見られる)
日本学生支援機構(JASSO)のウェブサイトで収入に応じた支援額のシミュレーションができるから、気になる人は試してみよう。
実際にどうやって申請するの?
「使えそう!」と思ったら、次は申請の手順だ。制度ごとに申請先が違うから注意してね。
国民年金の免除申請
申請先は住んでいる市区町村の役所(市役所・区役所・町村役場)か、最寄りの年金事務所。毎年7月〜翌年6月が1つの申請期間で、毎年更新が必要なんだ。ただし前年度に全額免除か納付猶予が承認されていた場合は、自動的に翌年度も審査されることがある(継続審査)。
持ち物は基本的に「基礎年金番号のわかるもの(年金手帳やマイナンバーカードなど)」と「本人確認書類」。失業が理由の場合は「雇用保険受給資格者証」や「離職票」を持って行こう。マイナンバーカードがあればオンライン申請もできるよ。
国民健康保険の減額申請
均等割の7割・5割・2割軽減は、確定申告や住民税の申告をもとに自動的に計算されることが多い。でも申告をしていないと自動で適用されないから、収入がゼロでも「収入ゼロの申告」をすることが大事。失業による軽減申請は市区町村の窓口に「離職票」などを持って相談しよう。
大学の授業料減免の申請
通っている(通う予定の)大学・専門学校に直接申請する。時期は学校ごとに決まっているから、入学前から確認しておくといいよ。在学中の人は学校の奨学金担当窓口(学生支援課など)に相談しよう。
申請のタイミングを逃さないで
免除制度には申請できる期間(遡れる期間)に限りがある。国民年金の場合、過去2年1か月前まで遡って申請できるけど、それより古い分は申請できない。「知らなかった」「面倒で後回しにしてた」と後悔しないよう、困ったらすぐ動くのが鉄則だよ。
減免を受けたらデメリットはある?注意点を確認しよう
減免制度はとても助かる仕組みだけど、いくつか知っておくべき注意点もあるよ。
年金の受取額が減る可能性がある
国民年金の保険料を免除してもらうと、その期間分の年金の受取額は満額より少なくなる。全額免除の場合、その期間の年金額は本来の半分(国庫負担分)だけ積み上がるイメージ。老後の生活を考えると「少し少なくなる」というのは無視できない話だ。
ただし、これは〝全額未納〟と比べれば圧倒的にマシ。未納は年金受給資格そのものを失うリスクがあるし、追納もできない。免除なら10年以内に追納(つまり〝後から保険料を払い直すこと〟)すれば、年金額を満額に近づけることができるんだ。
信用情報には影響しない
「減免してもらったら、ローンが組みにくくなるんじゃ…」と心配する人もいるかもしれないけど、国民年金の免除や保険料の減額は、銀行などが見る信用情報には記録されないよ。住宅ローンや車のローンの審査に直接影響することはないから安心してね。
翌年度も毎年申請が必要
多くの減免制度は1年ごとの更新制。去年申請が通ったからといって、今年も自動的に適用されるわけじゃない(継続審査の仕組みがある場合は除く)。毎年申請の時期を確認して、必要なら手続きをする習慣をつけておこう。
住民税非課税は「基準」にもなる
住民税非課税世帯は、多くの補助制度の対象基準になっているというのは前に説明したけど、逆に言うと「非課税じゃなくなった(収入が増えた)」タイミングで一部の支援が打ち切られることもある。ちょうど収入が増えて支援が切れる「はざま」を経験する人もいるから、制度の変わり目はしっかり確認しよう。
減免制度は「知っている人だけが使える権利」だ。恥ずかしいことでも特別なことでもなく、そのために作られた公的な仕組みを正当に使うだけのこと。生活が苦しいときにひとりで悩まず、まず市区町村の窓口や年金事務所に相談してみよう。「こんな事情があります」と話すだけで、どんな制度が使えるか教えてもらえるよ。
