「このお菓子、なんか食べにくいな…でも別においしいしまあいいか」って思ったこと、ある?実はその「なんか食べにくい」って感覚、商品を作った会社はすごく知りたいんだよ。でもアンケートに書く人ってほとんどいないよね。そういう「本音」や「ぼんやりした感想」を引き出すための方法が、今回紹介するフォーカスグループなんだ。読み終わったころには「あ、あの会話ってそういう目的だったのか!」って絶対思うよ。
- フォーカスグループは少人数を集めて自由に話し合わせる質的調査の手法のひとつだよ
- 訓練されたモデレーター(進行役)が「なぜ?」を引き出すのが一番のポイントだよ
- アンケートとは目的がちがって、「数」より「気持ちや理由」を知りたいときに使われるよ
もうちょっと詳しく
フォーカスグループは、マーケティングや商品開発の世界では昔からある調査手法で、英語では「Focus Group Interview(FGI)」とも呼ばれるよ。通常は5〜10人くらいの参加者が集まって、1〜2時間かけてテーマについて話し合う。参加者は「そのテーマに関係ある人たち」、たとえば新しい子ども向けゲームのフォーカスグループなら小学生とその親、みたいに絞られていることが多い。最近はオンラインで行うフォーカスグループも増えてきていて、Zoomとかを使って遠方の人も参加できるようになってきてるよ。話し合いの内容は録画・録音されて、あとで企業の担当者がじっくり分析するんだ。
参加者は「自分が調査される」と感じると本音を言わなくなるから、リラックスできる雰囲気づくりがめちゃくちゃ大事!
⚠️ よくある勘違い
→ 少人数の意見だから、世の中全体の意見とはズレることも多い。あくまで「仮説を深める」ための手がかりであって、成功を保証するものじゃないよ。
→ 結果は参考情報のひとつ。大切な決断をするときはアンケートや実際の販売データと組み合わせて判断するのが正しい使い方だよ。
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フォーカスグループとは?まず基本を押さえよう
「フォーカス」って何に注目してるの?
フォーカスグループの「フォーカス」は、特定のテーマや商品・サービスに絞って(=フォーカスして)話し合う、という意味だよ。つまり「なんでも話していい自由な座談会」とはちがって、調査したいテーマがあらかじめ決まっているんだ。
たとえば、学校のカフェテリアのメニューを改善したいとする。そのとき「みんなに全部話してもらう」んじゃなくて、「ランチの満足度」「食べたいけど置いてないもの」「値段の感覚」といったテーマに絞って深掘りするのがフォーカスグループのやり方だよ。テーマを絞ることで、浅い話じゃなくてリアルな気持ちが引き出せるんだ。
「グループ」で話すことで何が生まれる?
フォーカスグループが「1対1のインタビュー」とちがう大きなポイントが、複数人で話し合うことにあるよ。グループだと「あ、わかる!私もそれ思ってた!」みたいな共感が生まれて、1人じゃ絶対に口から出なかった意見が引き出されることがある。これをグループダイナミクス、つまり「グループの中でお互いに影響し合う力」って言うよ。
友だちと話してたら「そういえばあの先生の授業、なんか眠くなるよね」ってつい本音が出る経験、あるでしょ?あれと同じで、グループの雰囲気の中だと自然と本音が出やすくなるんだよ。ただし、声の大きい人に引っ張られて他の人が本音を言えなくなるリスクもあるから、モデレーターが全員から意見を引き出す工夫をするんだ。
実際にどうやってやるの?フォーカスグループの流れ
参加者を集めるところからスタート
まず、調査したいテーマに合った参加者を選ぶ必要があるよ。これをリクルーティングって言う。たとえば「20代女性向けスキンケア商品を開発したい」なら、ターゲットに近い20代女性を募集するし、「子ども向けのゲームアプリ」なら子どもとその保護者を集めるよ。
「どこで集めるの?」って思うよね。街頭でスカウトしたり、専門の調査会社に依頼したり、SNS広告を使ったりといろんな方法がある。参加者には謝礼(お金やギフト券)が払われることが多いよ。「1時間話し合うだけでお金もらえるの?」って思うかもしれないけど、企業側からすると「本音の意見はそれだけの価値がある」ってことだね。
当日はどんな流れで進む?
当日の流れはだいたいこんな感じだよ。
- アイスブレイク:最初は緊張をほぐすための軽い自己紹介タイム
- テーマへの導入:「今日話してもらうのはこういうことです」とテーマを説明
- 自由な意見出し:モデレーターの質問に沿って参加者が自由に発言
- 深掘り:「それってどういう場面で感じた?」「みんなも同じ?」と掘り下げる
- まとめ・クロージング:最後に「今日の話で一番大事だと思うことは?」と確認
この間、会話は録画・録音されて、あとで研究者や担当者が「どんな言葉が何回出たか」「どんな感情を表している言葉が多かったか」を分析するんだよ。参加者が帰ったあとからが、本当の分析作業の始まりだったりする。
アンケートとの違いをわかりやすく比べてみよう
数字か、言葉か
アンケートとフォーカスグループ、どっちも「人の意見を集める」ための方法だけど、目的がぜんぜんちがうんだよ。
アンケートは「100人中73人がAを選んだ」みたいに数字(量)で答えを出すのが得意。対してフォーカスグループは「なぜAを選んだのか」「どんなとき使いたいと思うのか」みたいな言葉(質)で答えを出すのが得意。だから「量的調査」と「質的調査」って呼ばれ方をするよ。
学校のテストで言うと、アンケートはマーク式(選択肢から選ぶ)、フォーカスグループは記述式(自分の言葉で書く)みたいなイメージかな。マーク式は集計しやすいけど細かいニュアンスは伝わらないでしょ?それと同じだよ。
どっちが優れてるってわけじゃない
よく「どっちが正確なの?」って聞かれるけど、これはどっちが優れてるというより、「何を知りたいか」によって使い分けるものなんだ。
新しい商品を開発するとき、最初は「どんな不満があるんだろう?」っていうモヤモヤした疑問を持ってることが多い。そこでフォーカスグループを使って「ああ、こういう不満があるのか!」という仮説を立てる。次に「その不満って、どのくらいの人が持ってるんだろう?」をアンケートで確認する。このように、フォーカスグループ→アンケートの順番で組み合わせて使うことも多いよ。
フォーカスグループのメリットとデメリット
フォーカスグループの3つのメリット
フォーカスグループが選ばれる理由は主に3つあるよ。
- 本音が出やすい:リラックスした雰囲気とグループの盛り上がりで、アンケートには書かないような本音が出てきやすい
- 「なぜ?」を深掘りできる:「なんとなく嫌だった」という意見に対して「それはどんな場面で感じた?」と掘り下げられる
- 予想外の発見がある:あらかじめ想定していなかった意見や使い方が出てくることがよくある。これが新商品のアイデアになることも!
特に3つ目の「予想外の発見」がすごく大事で、アンケートだと選択肢の外側にある意見は永遠に拾えない。フォーカスグループでは参加者が自由に話すからこそ、企業が思ってもみなかった使い方や不満が飛び出すことがあるんだよ。
デメリットもちゃんと知っておこう
もちろん万能じゃないから、デメリットも正直に紹介するよ。
- 少人数だから全員を代表しない:5〜10人の意見が「全消費者の意見」とはかぎらない。たまたま集まったメンバーの色に引っ張られることもある
- 「言葉で言えないこと」は拾えない:本人も気づいていない無意識の行動パターンは、話し合いではなかなか出てこない
- コストと時間がかかる:参加者の謝礼、会場費、モデレーターの費用、分析時間…アンケートよりずっと手間がかかる
- 声の大きい人に引っ張られる:グループ内で強い意見を持つ人がいると、他の人が本音を言いにくくなることもある
フォーカスグループの実際の活用シーン
商品開発・改善での活用
一番よく使われるのが、新商品を出す前の「テスト調査」だよ。たとえばスナック菓子の新フレーバーを考えているとき、いくつかの試作品を参加者に食べてもらって「どれが一番好き?」「何が気になる?」「どんなシチュエーションで食べたい?」みたいなことを話し合ってもらう。パッケージデザインの候補を見てもらって「どれが手に取りたくなる?」という調査もある。
映画の世界だと、完成前の試写会がフォーカスグループ的な役割を果たすことがあるよ。「このラストシーン、どう感じた?」って話し合って、反応が悪ければ結末を変更することもあるんだ。実際にハリウッド映画でそうやって結末が変わった作品は結構あるよ。
政治やメディアでも使われている
フォーカスグループは政治の世界でも活用されていて、選挙前に「この候補者のスピーチを聞いてどう思った?」「このキャッチコピーに好感が持てる?」みたいな調査が行われることがある。ニュースや広告のコピーを作るときも、ターゲット層にいくつかのバージョンを見せて「どれが一番響く?」をフォーカスグループで確認することがよくあるよ。
身近なところだと、スマホアプリのUI(つまり画面のデザインや使い勝手)をテストするときにも使われる。「このボタン、どこにあると思った?」「ここの表示、意味わからなかった?」みたいな生の声を拾うんだ。アプリを何百万人に使ってもらう前に、少人数にテストしてもらって改善する、コスト的にも効率的なアプローチだよ。
教育現場でも実は活用されている
学校や教育委員会が「このカリキュラム、生徒にとって実際どうなの?」を知りたいときにもフォーカスグループが使われることがある。生徒や保護者を集めて「授業のどこがわかりにくかった?」「もっとこうしてほしかったことある?」を話し合ってもらうんだよ。アンケートだと「まあ普通」って選択肢を選んで終わりになりがちだけど、フォーカスグループなら「”普通”ってどういう意味?どこが物足りなかった?」って掘り下げられる。
このように、「本音のフィードバックを深く知りたい」あらゆる場面で、フォーカスグループは活躍しているんだよ。次に何かの新しいサービスや商品を使って「うーん、なんかここが使いにくいんだよな」って思ったとき、その意見をフォーカスグループで話せたら、商品をよりよくするための大切なヒントになるかもしれないよ。
