「ソフトバンクグループ」「楽天グループ」って言葉、ニュースで聞いたことあるよね。でも「グループって何?ただの仲良し集団じゃないの?」って思ったことない?実はビジネスの世界の「グループ」には、すごく深〜い意味があるんだ。この記事を読めば、グループがなぜ存在するのか、どんな仕組みで動いているのか、バッチリわかるよ。
- ビジネスの「グループ」とは、親会社・子会社・関連会社がつながった会社の集まりのこと
- グループを作る最大の理由はリスク分散で、1つの事業が失敗しても他に影響が出にくい仕組みを作るため
- グループのトップに立つホールディングスは、自分では売らずに子会社を管理することだけをする司令塔の会社
もうちょっと詳しく
企業グループというのは、ただ「仲良しの会社が集まった」ものではなく、法律や会計のルールでしっかり定義されているんだ。日本では「会社法」や「金融商品取引法」というルールの中で、親会社・子会社・関連会社の基準が細かく決まっていて、それに基づいてグループ全体の決算(つまり「グループ全体でいくら儲けたか」をまとめた報告書)を作ることが義務づけられている。この「グループ全体をまとめた決算書」のことを連結決算、つまり「子会社も含めてぜんぶ合わせた家計簿」ということだよ。トヨタや楽天のようなグループ企業が毎年発表する決算ニュースは、この連結決算の話をしていることがほとんどだよ。グループの規模や収益を正確に把握するためには、親会社単体だけじゃなくグループ全体を見ることがとても重要なんだ。
「連結決算」=グループ全体の家計簿。親会社だけの数字より実態がわかる!
⚠️ よくある勘違い
→ グループという名前がついているから同じ会社に見えるけど、法律上はぜんぶ別々の独立した会社だよ。社長も違えば、銀行口座も別々。「家族」ではあるけど、「同一人物」じゃないんだ。
→ 株の保有関係や経営の指揮命令関係でつながってはいるけど、それぞれが独立した法人(つまり「法律の上では人と同じ扱いをされる存在」ということ)として動いている。責任の範囲も基本的には各社ごとに分かれているんだよ。
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グループとは?まずは基本を押さえよう
「グループ」という言葉、日常生活でもよく使うよね。学校のグループLINE、給食の班グループ……でもビジネスの世界で「グループ」というと、もっと具体的でしっかりした意味があるんだ。
ビジネスにおけるグループとは、ある会社(親会社)が他の会社(子会社・関連会社)の株を持ち、経営を管理・コントロールする形でつながった会社の集まりのことを指すよ。
たとえば、学校で言えばこんなイメージだよ。
- 親会社 = 校長先生(全体の方針を決める人)
- 子会社 = 各クラスの担任(校長の方針に従って動く)
- 関連会社 = 姉妹校(つながりはあるけど独立性が高い)
校長先生がいて、各クラスの担任がいて、さらに姉妹校との関係がある……それがグループの構造とそっくりなんだ。
「グループ」と「グループ会社」の違いは?
「グループ」はその集まり全体を指す言葉で、「グループ会社」はその集まりに属している個々の会社のことだよ。たとえば「楽天グループ」がグループ全体の名前で、楽天市場を運営する楽天株式会社、楽天カードを運営する楽天カード株式会社などがそれぞれ「グループ会社」になるんだ。
ちなみに、グループ全体をまとめる司令塔の会社には「〇〇ホールディングス」「〇〇グループ」という名前がついていることが多いよ。街でこういう名前の会社を見かけたら「あ、これがグループのトップなんだな」と思えるようになるといいね。
株を持つとどうしてコントロールできるの?
会社の「株」というのは、つまり「会社の所有権の一部」のことだよ。株をたくさん持っている人(株主)は、会社の重要な決定に口を出す権利がある。だから親会社が子会社の株を50%以上持っていれば、子会社の方針を決める会議で過半数の票を持てるから、実質的に「子会社の方向性を決められる」ということになるんだ。これが親子関係の仕組みの核心だよ。
なぜグループを作るの?4つの理由
「わざわざグループなんて作らなくても、1つの会社でぜんぶやればいいじゃん」って思うかもしれないけど、グループを作ることにはちゃんとした理由があるんだ。代表的な4つの理由を見ていこう。
理由① リスク分散ができる
これが一番大きな理由だよ。たとえば、コンビニをやっている会社が不動産業も始めるとする。同じ会社でやると、不動産事業が大失敗したときにコンビニ事業まで巻き添えを食らって会社全体が危なくなるよね。でも不動産用の子会社を別に作ってそこでやれば、失敗してもその子会社だけにダメージが限定される。まるで財布を複数持ち歩くようなもので、1つの財布を落としても全財産を失わずに済むイメージだよ。
理由② 事業ごとに専門性を高められる
1つの会社でコンビニも不動産もITも……とやろうとすると、どれも中途半端になりがちだよ。でもそれぞれ専門の会社を作って、コンビニの会社・不動産の会社・ITの会社とわければ、各分野のプロフェッショナルが集まって専門性の高いサービスが提供できるようになる。サッカーで言えば、1人の選手がGKもFWもMFも全部やるより、それぞれのポジションの専門家がいた方がチームが強くなるのと同じだよ。
理由③ 買収・売却がしやすい
ビジネスの世界では「この事業は将来性がないから売ってしまおう」「あの会社の技術が欲しいから買おう」ということが頻繁に起きる。子会社として事業を独立させておけば、その子会社の株を売るだけで事業ごと売却できるし、買いたい会社の株を買うだけで傘下に入れられる。事業を部品のように扱えるイメージだよ。
理由④ 税金の最適化ができる(節税)
これはちょっと難しい話だけど、グループ内の会社間で損益(もうけと損の金額)を合算できる仕組みがあって、ある子会社が赤字(損)でも別の子会社の黒字(もうけ)と相殺することで、グループ全体の税負担を減らせる場合があるんだ。これをグループ通算制度、つまり「グループ全体でまとめて税金を計算できるルール」ということだよ。
グループの種類と構造を理解しよう
グループにはいくつかの種類と、関係性のパターンがあるよ。それぞれ見ていこう。
純粋持株会社型グループ
純粋持株会社、つまり「自分では事業をせず、子会社の株を持つことだけを仕事にしている会社」をトップに置く形のグループだよ。「〇〇ホールディングス」という名前の会社がこれにあたることが多い。この形のメリットは、グループ全体の戦略を考えることに集中できること。デメリットは、持株会社自体は売上がないから外からわかりにくいこと。
具体例:ソフトバンクグループ株式会社(トップ)→ ソフトバンク株式会社(携帯)、ヤフー株式会社(IT)など
事業持株会社型グループ
事業持株会社とは「自分でも事業をやりながら、子会社の株も持っている会社」のことで、つまり「現場もこなしながら管理もする親方」みたいな存在だよ。トヨタ自動車株式会社がこの形で、トヨタ自身も車を作りながら、グループ会社(デンソー、豊田自動織機など)を管理しているんだ。
子会社・関連会社の違いをもう一度整理
- 子会社:親会社が議決権(会社の方針を決める投票権)を50%超持っている会社。親会社の言うことをほぼ聞かないといけない
- 関連会社:議決権を20〜50%持っている会社。影響力はあるけど子会社ほど強くない。「親戚」くらいの距離感
- 完全子会社:議決権を100%持っている会社。まるっきり親会社のもの
身近なグループ企業の例を見てみよう
「グループ企業」って遠い話のように感じるかもしれないけど、実は日常生活のすぐそばにある会社がグループ企業だったりするんだよ。いくつか見てみよう。
楽天グループ
楽天グループ株式会社は、楽天市場(ネットショッピング)、楽天カード(クレジットカード)、楽天銀行、楽天モバイル、楽天トラベルなど、70以上のサービスを運営するグループ会社を束ねているんだ。「楽天」という名前がついているから同じ会社に見えるけど、それぞれ別々の会社として運営されているよ。
共通の「楽天ID」でぜんぶのサービスが使えて、楽天ポイントも共通——これがグループのメリットをうまく活かした仕組みだね。グループ内でお客さんをシェアすることで、一人の客がいろんなサービスを使い続けてくれる「楽天経済圏」と呼ばれる世界を作っているんだ。
トヨタグループ
トヨタ自動車を中心に、デンソー(エンジン部品)、アイシン(ブレーキなど)、豊田自動織機(フォークリフトなど)といった会社が並ぶ巨大グループだよ。トヨタ1社では車の全部品を作ることはできないから、グループ会社がそれぞれの専門部品を作ることで、高品質な車が完成するんだ。分業して全体として強くなるグループの典型例だよ。
コンビニ業界のグループ
セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスは、イトーヨーカドー(スーパー)、そごう・西武(百貨店)などを傘下に持つ流通グループだよ。普段何気なく使っているコンビニが、実は大きなグループの一員だったんだ。
グループのデメリットと注意点
グループには良いことがたくさんあるけど、もちろん課題もあるんだ。バランスよく理解しておこう。
管理が複雑になる
会社が増えれば増えるほど、それぞれの会社の状況を把握するのが大変になるよ。親会社の管理部門は、子会社一社一社の業績・コンプライアンス(法令を守っているか)・リスクを常に監視しないといけない。グループが大きくなりすぎると「どこかの子会社が知らないうちに不正をしていた」なんてことが起きてしまうリスクもあるんだ。実際に大企業グループで不正会計や品質偽装の問題が起きたとき、「親会社が気づけなかった」というケースが多いのはこのためだよ。
グループ内の利益相反が起きることも
利益相反とは「ある人(または会社)の利益を守ると、別の人(または会社)の利益が損なわれる状況」のことだよ。グループ内でも、「親会社に有利な取引を子会社に押しつける」みたいなことが起きることがある。これは少数株主(親会社以外の株主)の権利を傷つける行為として、法律でも規制されているんだ。
「グループ全体の問題」に巻き込まれることも
グループの一員であることは、普段は強みだけど、グループのブランドイメージに問題が起きたとき(不祥事・リコールなど)は関係ない子会社まで風評被害を受けることがある。個人で言えば「家族の誰かがやらかすと、自分も白い目で見られる」みたいな感じだよ。グループに属することはメリットだけじゃないんだね。
グループを解体・再編するコストも大きい
いったん大きなグループを作ってしまうと、「やっぱりこの子会社は要らなかった」と気づいても、解体・売却・合併には多大な時間とお金がかかる。大企業が「グループ再編」を発表するニュースを見たことがあるかもしれないけど、あれはそれだけ大きなプロジェクトだということだよ。
