就業規則って何?わかりやすく解説

「うちの会社ってこんなルールあったの?」「残業代ざんぎょうだいって絶対もらえるんじゃないの?」――働き始めたばかりだと、職場のルールってよくわからないよね。実は会社には「就業規則」っていう、働くうえでの大事なルールブックがあるんだ。この記事を読めば、就業規則がどんなものか・自分にどう関係するかがまるごとわかるよ。

就業規則って、そもそも何ですか?学校の校則みたいなもの?

校則にすごく近い感覚で正解だよ!就業規則っていうのは、会社の中での「働くルールを全部まとめた文書」のこと。何時に来て何時まで働くか、お給料はいつ払われるか、休みは何日取れるか、逆にどんな行動をしたら罰則を受けるか……そういうことが全部書いてある、会社版の「お約束リスト」なんだ。
全部の会社に就業規則ってあるんですか?

実は常時10人以上の従業員がいる会社は、法律で「絶対に作らなきゃいけない」って決まってるんだ。つまり、ある程度の規模の会社ならどこにでも存在するよ。9人以下の小さな会社は義務じゃないけど、作ってる会社も多いよ。そして作ったら、役所(労働基準監督署)に届け出ないといけない決まりもある。
でも、会社が勝手に決めたルールを守らなきゃいけないの?なんか不公平な気がするんだけど……

いい疑問!就業規則は会社が作るけど、何でも自由に決めていいわけじゃないんだ。労働基準法ろうどうきじゅんほうっていう「働く人を守るための法律」よりも低い条件は書けないし、もし書いてあっても効力がない。たとえば「有給休暇ゆうきゅうきゅうかはゼロ」なんて書いてあっても法律違反だから無効。さらに、従業員への周知(つまり、ちゃんと知らせること)も義務づけられてるよ。
じゃあ、就業規則を見たいときはどうすればいいんですか?

会社は就業規則を「いつでも従業員が見られる場所」に置いておかないといけないんだ。事務所に紙で置いてあったり、社内のイントラネット(つまり、社内だけのインターネットみたいなシステム)で公開してたりすることが多いよ。もし「見せてもらえません」って言われたら、それ自体が法律違反の可能性があるから、遠慮なく「見せてください」って言っていいんだ!
📝 3行でまとめると
  1. 就業規則は会社の「働くルールブック」で、常時10人以上の会社には作成・届出の義務がある
  2. 内容は法律(労働基準法ろうどうきじゅんほう)より低い条件を定めることができず、違反部分は無効になる
  3. 会社は就業規則を従業員に周知する義務があり、いつでも見ることができる
目次

もうちょっと詳しく

就業規則には「必ず書かないといけない項目(絶対的必要記載事項)」と「その会社にその制度があれば書かないといけない項目(相対的必要記載事項)」の2種類がある。絶対に書かないといけないのは、始業・終業の時刻、賃金の計算方法と支払い時期、休日・休暇に関すること、退職に関することなど。バイトや派遣も含めて「その会社で働いている人全員」に適用されるのが基本だけど、パート専用の就業規則を別途作ることもあるよ。就業規則は会社が一方的に変更できる場合もあるけれど、従業員にとって不利益な変更をするときは「合理的な理由」と「十分な周知」が必要で、勝手に悪い方向に変えることには限界がある。自分の権利を守るためにも、入社したらまず就業規則を読んでみることを強くおすすめするよ。

💡 ポイント
入社時に就業規則を確認するのが自分を守る第一歩!

⚠️ よくある勘違い

❌ 「就業規則に書いてあることは、法律より優先される」
→ 就業規則の内容は何でも有効だと思っている人が多いけど、それは間違いだよ。
⭕ 「法律(労働基準法ろうどうきじゅんほう)が最低ライン。それより低い条件は無効になる」
→ 就業規則は労働基準法ろうどうきじゅんほう労働組合ろうどうくみあいとの協定(労使協定)・個別の雇用契約と組み合わさって効力を持つ。法律に反した記載はどんなに書いてあっても法的に無効だよ。
なるほど〜、あーそういうことか!

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就業規則ってそもそも何?校則との違いとは

会社版「お約束リスト」のイメージ

学校に入ったとき、「制服はこれ」「授業中にスマホはNG」みたいな校則があったよね。就業規則はそれの会社バージョンだと思ってくれればOKだよ。働く時間、お給料の払い方、休みの取り方、遅刻や無断欠席したときの扱い……そういった職場での「決まりごと」を全部一冊にまとめたものが就業規則なんだ。

でも校則と大きく違うところがひとつある。校則って「破ったら罰則があるルール」だけど、就業規則は「会社と社員の間の約束」でもあるんだ。つまり、会社側にも守らなきゃいけない義務が生まれる。たとえば「毎月25日に給料を払う」と書いてあれば、会社は絶対に25日に払わないといけない。これが校則との一番大きな違いだよ。

正式な定義をわかりやすく言うと

法律の言葉で言うと、就業規則とは「使用者(つまり会社)が、職場の労働条件や服務規律などをまとめて定めた規則」のことだよ。「服務規律」っていう難しい言葉は、要するに「職場での行動ルール・マナーのこと」。遅刻の扱い方、SNSへの投稿ルール、会社の機密情報の取り扱い方なんかがここに入るよ。

身近な例で考えるとわかりやすい。コンビニのアルバイトを始めたとき、「制服はこう着て」「お客さんへのあいさつはこうして」「レジの締め方はこの手順で」って説明されるよね。そういった内容を文書にまとめたものが就業規則のイメージに近いよ。

就業規則に絶対書かないといけない内容とは

3つのカテゴリで覚えよう

就業規則に書く内容は、法律上「絶対に書かないといけないもの」「その制度があれば書かないといけないもの」「任意で書いていいもの」の3種類に分かれるよ。まずは絶対に書かないといけないものから見ていこう。

【絶対に書かないといけない項目(絶対的必要記載事項)】

  • 労働時間に関すること:始業・終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、シフト制の場合はその決め方
  • 賃金に関すること:給料の計算方法、支払い方法、支払いのタイミング(月に何回か・何日払いか)、昇給のルール
  • 退職に関すること:退職する手続き(何日前に申し出るかなど)、解雇の条件

その制度があれば書く項目

次に「会社にその制度がある場合だけ書かないといけないもの(相対的必要記載事項)」を見てみよう。

  • 退職金の制度がある場合:対象者・計算方法・支払い時期
  • 賞与(ボーナス)がある場合:支給する基準・計算方法・支払い時期
  • 食費や作業用品を従業員が負担する場合:その内容
  • 安全・衛生に関する規定がある場合:その内容
  • 表彰や制裁(ペナルティ)がある場合:その種類・基準

たとえばボーナスがある会社は「ボーナスをどういう基準で・いくら・いつ払うか」を必ず書かないといけない。逆に「うちはボーナスなし」という会社は書かなくてもいいということだよ。

誰に適用される?パートや派遣はどうなるの

基本は「その会社で働く人全員」に適用

就業規則は、正社員だけじゃなくて、パートタイムやアルバイトも含めて「その会社で働いている人全員」に適用されるのが原則だよ。だから「バイトだから就業規則は関係ない」は間違いで、むしろ自分の権利を守るためにちゃんと確認しておくべきものなんだ。

パート・アルバイト専用の就業規則もある

ただ、正社員とパートでは働き方が違うから、別々の就業規則を作っている会社も多いよ。たとえば「正社員就業規則」と「パートタイマー就業規則」を分けて作るケース。この場合、パートの人には「パートタイマー就業規則」が適用される。どちらも同じように「法律以上の条件」を守らないといけないし、従業員に周知しないといけない義務は変わらないよ。

派遣社員はけんしゃいんの場合は少し複雑

派遣で働いている人は、ちょっと事情が違う。派遣社員はけんしゃいんの労働条件は「派遣元(つまり派遣会社)の就業規則」が適用されるのが基本。でも、職場のルール(たとえばどこで休憩するかとか、服装のルールとか)については「派遣先(働いている会社)のルール」に従う部分もある。だから派遣で働く場合は、派遣会社の就業規則をちゃんと確認することが大切だよ。

就業規則は会社が一方的に変えられるの?

変更できるけど、条件がある

就業規則は基本的に「会社(使用者)が作るもの」だから、変更するのも会社が行う。でも「明日から給料を半分にします」みたいに、従業員にとって一方的に不利な変更を自由にできるわけじゃない。不利益変更(つまり、従業員にとって悪い方向の変更)をするときは、「合理的な理由」が必要で、それが客観的に見て妥当じゃないと判断されたら、裁判所で無効になることもあるんだ。

変更するときに守らないといけないこと

就業規則を変更するとき、会社は次のことをしないといけない。

  • 労働者の過半数を代表する人(または労働組合ろうどうくみあい)に意見を聞くこと(同意は不要だが、意見聴取は必須)
  • 変更した就業規則を労働基準監督署に届け出ること
  • 従業員に新しい内容をちゃんと周知すること

たとえば「今まで週休2日だったのに、週休1日に変える」という変更は、従業員にとって大きな不利益だから、よほど合理的な理由がなければ認められないんだ。逆に「フレックスタイム制を導入する」みたいに従業員にとってプラスになる変更はスムーズに進められるよ。

労使協定との関係

就業規則と一緒によく出てくるのが「労使協定」という言葉。これは「使用者(会社)と労働者の代表が締結する約束事」のことで、「36協定さぶろくきょうてい(サブロク協定)」が特に有名だよ。36協定さぶろくきょうていは、従業員に時間外労働(残業)や休日出勤をさせるために必要な協定で、これなしに残業させると違法になる。就業規則に「残業あり」と書いてあっても、36協定さぶろくきょうていがなければ残業を命じることはできないんだ。

就業規則と自分の権利の守り方

まず「見る権利」を知っておこう

就業規則は「働く人全員がいつでも見られる状態」にしておくことが、会社の義務として法律で決められているよ。具体的には次のような方法で周知されていることが多い。

  • 事務所や休憩室などの見やすい場所に掲示・備え付け
  • 各従業員に印刷して配布
  • 社内イントラネットやデータサーバーに掲載

「就業規則を見せてほしい」と言ったら断られた、あるいはそもそも存在を教えてもらえなかった、という場合は注意が必要。それ自体が労働基準法ろうどうきじゅんほう違反の可能性があるし、「就業規則が周知されていない」と判断されると、その就業規則の効力が認められないケースもある。

知らないと損する!こんな権利が書いてある

就業規則にはあなたを守る内容もたくさん書かれている。特に確認しておきたいのはこのあたり。

  • 有給休暇ゆうきゅうきゅうか:何日取れるか、いつから使えるか。法律では6ヶ月以上働いて所定労働日数の8割以上出勤すれば10日以上もらえる(勤続年数で増える)
  • 残業代ざんぎょうだいの計算方法:時間外労働に対してどう割増賃金(通常の25%以上増し)が計算されるか
  • 育児休業いくじきゅうぎょう・介護休業:取得できる条件・期間・手続き
  • 懲戒(ペナルティ)の基準:どんな行為がどのくらいの処分につながるか
  • 退職・解雇のルール:自分が辞めるとき何日前に申し出るか・どんな場合に解雇があり得るか

「知らなかった」が一番損

就業規則を読んだことがない人、実はとても多い。でも「知らなかった」では守ってもらえない権利も出てくる。たとえば残業代ざんぎょうだいの未払いに気づかずに何年も働いてしまったり、有給休暇ゆうきゅうきゅうかが取れると知らないまま消化せずに失効させてしまったり……。逆に就業規則を知っていれば「これは法律に違反している」「この条件はおかしい」と気づいて、適切に対処できる。入社したら、面倒でもまず就業規則に目を通すのが、自分を守る一番の方法だよ。

もし就業規則の内容に疑問を感じたり、権利が侵害されていると思ったりしたときは、会社の人事部に確認するか、労働基準監督署(つまり、労働に関するルール違反を取り締まる公的な機関のこと)や労働相談窓口に相談するのがおすすめ。無料で相談できる窓口がたくさんあるから、一人で悩まないでね。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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