あなたの家の近くのコンビニを見てみてください。店員さんはお弁当を売ったり、コピー機を使わせたり、宅配便を受け取らせたり…いろんなサービスをやってますよね。テレビで見る大手企業だって、本来の事業だけじゃなくて、いろんなジャンルのビジネスに挑戦してます。なぜ企業ってそんなことをするんでしょう?実は、これは「多角化戦略」という、ビジネスの世界では超重要な考え方なんです。この記事を読めば、企業がなぜ複数の事業をやるのか、どうやって成功させるのか、その秘密がわかるようになるよ。
- 多角化戦略とは、1つの事業だけでなく、複数の事業に進出する成長戦略のこと
- リスク分散ができるのが大きなメリット。1つの事業がダメになっても他でカバーできるから
- ただし複雑になるからこそ、関連分野への進出など戦略的な計画が必須
もうちょっと詳しく
企業が多角化戦略を使うのは、昔は1つの商品だけで商売ができた時代が終わったから。今は市場が急速に変わるし、新しい技術が出てくるし、ライバル企業がたくさん出現する。だから「今の事業が続くのか」という不安があります。そこで「別の分野にも進出しておこう」という発想が生まれたわけです。たとえば、映画館のポップコーンだけでなく、映画のグッズ販売もやるとか、スナック菓子メーカーが飲み物も作るとか、そういう風に「隣の事業」に広がっていくんだ。
多角化の基本は「関連ある分野に広がる」こと。全然関係ない業界へいきなり進出するのは失敗のもと
⚠️ よくある勘違い
→ そうじゃなくて、計画的に「関連する分野」に進出することが大事。むちゃくちゃにやると失敗する
→ 自分たちの得意なことをベースに、そこから広げていく。それが成功のコツ
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多角化戦略とは何か
まず、多角化戦略という言葉の意味をしっかり理解しておきましょう。企業が事業を展開するとき、通常は1つの商品やサービスで始まります。自動車会社なら「車を作ること」、食品メーカーなら「お菓子を作ること」みたいな感じです。でも時間が経つと、会社が成長したり、市場が変わったり、新しいチャンスが出現したりします。そこで「今の事業だけじゃなくて、新しい分野にも力を入れよう」という決断をするんだ。これが多角化戦略です。つまり、ビジネスの角度を複数に広げるということですね。
具体的にイメージしてみましょう。あなたが好きなゲーム会社を思い浮かべてください。その会社は最初、ゲームソフトを作ることから始まったかもしれません。でも今は、ゲームハードも作ってるし、映画化もしてるし、グッズ販売もしてるし、ゲーム配信のプラットフォームも作ってるかもしれません。これが多角化戦略です。1つのビジネス分野だけでなく、そこから広がった複数の事業を同時に運営しているんです。
なぜ企業はこんなことをするのか。それは、1つのビジネスだけに頼るのは危険だからです。たとえば、あなたがお小遣いを稼ぐ方法が「友達にペン貸す」だけだったとしましょう。ところが、友達が誰もペンを貸してほしいと言わなくなったら、あなたはお小遣いがゼロになっちゃいますよね。でも「ペン貸す」「消しゴム貸す」「宿題をやってあげる」という風に複数の稼ぎ方を持ってれば、1つがダメでも他の方法でお金を稼げるんです。企業も同じ考え方をしているんだよ。
多角化戦略は、ただ単に「いっぱいビジネスやれば大丈夫」というわけではありません。重要なのは「どの分野に進出するか」という選択です。自分たちが持ってるスキルや知識、ブランドの力を上手く使える分野に進出することが成功のカギになります。たとえば、自動車メーカーが急に洋服を作り始めたら、失敗する可能性が高い。でも自動車の技術を活かして「電池技術で家庭用蓄電池を作る」みたいな関連分野なら、成功する確率が上がるわけです。
多角化の種類を知ろう
多角化戦略といっても、実は複数のやり方があります。大きく分けると「関連多角化」と「無関連多角化」という2つのタイプに分かれるんです。
関連多角化というのは、今やってるビジネスに関連した分野に進出することです。たとえば、アイスクリーム販売の会社が「アイスクリーム屋の本」を出版するとか、「アイスクリーム作る機械」を販売するとか、「アイスクリームの食べ放題レストラン」を開くとか、そういう感じです。つまり「アイスクリーム」という軸足は変わらないけど、その周辺の事業に広がっていくわけですね。この方法は、会社が持ってるノウハウや顧客を活かせるから、失敗が少ないといわれてます。
無関連多角化
そのほかに「垂直統合」という多角化のやり方もあります。これは、商品を作る過程の別の段階に進出することです。たとえば、お菓子メーカーが「砂糖の原料農家」を買収したり、「お菓子の流通・配送業」を買収したり、そういう風に「商品が出来上がってから売られるまでの流れ」の各段階に進出するんです。こうすると、原料から販売まで全部自分たちでコントロールできるから、品質管理がしやすくなったり、コストが安くなったりするメリットがあるんだよ。
企業が多角化を計画するとき、この3つのタイプの中から、会社の状況に合った方法を選ぶんです。自分たちの強みを活かしたいなら関連多角化、新しい成長機会を狙うなら無関連多角化、商品生産の流れ全体をコントロールしたいなら垂直統合、みたいな感じでね。
なぜ企業は多角化戦略を使うのか
それでは、企業が多角化戦略を使う理由を考えてみましょう。最も大きな理由は「リスク分散」です。1つのビジネスだけに全力を注いでると、そのビジネスが上手くいかなくなったときに大変です。でも複数のビジネスを持ってれば、1つが失敗しても他でカバーできるから、会社全体としては安全というわけです。
具体例を挙げましょう。昔の百貨店(デパート)を思い出してください。デパートは「衣料品売り場」「食品売り場」「電化製品売り場」「宝石売り場」みたいに、いろんなジャンルの商品を売ってますよね。なぜそんなことをしてるのか。それは「1つの分野だけに頼らない」という戦略なんです。もし衣料品だけを扱う店なら、「今年は洋服が売れない」ってことになったら、その店は困ります。でも「洋服も売るし、食べ物も売るし、電化製品も売る」という風に複数のジャンルを扱ってれば、洋服が売れない年でも食べ物が売れるかもしれないし、電化製品が売れるかもしれないって感じで、リスクを分散できるわけです。
2番目の理由は「成長機会の確保」です。既存のビジネスだけやってると、市場が成長しないと会社も成長できません。でも新しい分野に進出すれば、新しい市場での成長を狙える。たとえば、昔のコンビニは「お弁当を売る店」だけでした。でも「ATM」「コピー機」「宅配便の受け取り」みたいに新しいサービスを次々と足していくことで、お弁当だけじゃなく複数の収入源を持つようになったんです。これにより、お弁当市場が落ち込んでも、ATM手数料収入があるから大丈夫、みたいな感じで、会社の売上を増やし続けることができるわけです。
3番目の理由は「経営資源の活用」です。経営資源(けいえいしげん)というのは、つまり「会社が持ってる強み」ということですね。たとえば、有名な企業ブランド、優秀な社員、最新の技術、確かな製造技術、広い流通網、大量のお客さん情報、みたいなものです。これらの資源を活用すれば、新しい分野でも成功しやすいんです。たとえば、トヨタという自動車メーカーは「製造技術」という強みを持ってます。だからトヨタは「電気自動車」「ハイブリッド車」「水素自動車」みたいに、新しい自動車分野に進出できる。自動車を作るスキルがあるから、新しい自動車の種類を作るのも比較的簡単ってわけですね。
実例で見る多角化戦略
それでは、実際の企業の例を見てみましょう。最も有名な多角化の例は、ソニーやサムスンみたいな電子機器メーカーです。ソニーを見ると、確かに最初は「ラジオ」を作ることから始まりました。でも今は「ゲーム機」「映画」「テレビ」「カメラ」「ヘッドフォン」「スマートフォン」みたいに、いろんな製品を作ってます。これが多角化戦略ですね。なぜこんなことが可能なのか。それは「電子機器を作る技術」という共通の強みを持ってるからです。
また、子会社(したがいしゃ)の制度も、多角化戦略の1つの形です。つまり「親会社が複数の子会社を持つ」という仕組みですね。たとえば、バンダイナムコは「おもちゃ」「ゲーム」「映像」「飲食」みたいに複数の子会社を持ってます。それぞれ違う事業をやってるけど、親会社がまとめて管理することで、全体として多角化を実現してるわけです。
日本の有名な例だと、三菱グループとか三井グループとか住友グループとか、財閥(ざいばつ)と呼ばれる大きなグループがあります。これらは「複合企業体」(つまり、多くの子会社を持つ大きなグループ)で、銀行・自動車・化学・建設・保険みたいに、全く関係ないような分野の事業をいっぱい持ってます。これは無関連多角化の代表的な例ですね。なぜこんなことをしてるのか。それは「どの業界が成長するか不確定だから、いろんな業界に投資しておく」という考え方なんです。
また、昔の任天堂は面白い例です。任天堂は元々「トランプ」を作ってた会社だったんです。その後「おもちゃ」「ビデオゲーム」に進出して、今では「ゲーム」が主な事業です。このように「元々やってた事業」から「新しい事業」へと転換していくのも、一種の多角化戦略と考えられます。ただし、古い事業をやめて新しい事業に切り替えるやり方なので、ちょっと特殊ですね。
多角化戦略のメリットとデメリット
多角化戦略は素晴らしい作戦に見えますが、実はメリットとデメリットの両方があります。
まずメリットから。最大のメリットは「リスク分散」です。1つのビジネスが失敗しても、他のビジネスが支えてくれるから、会社全体は安全です。これによって、大きな経営危機に陥る可能性が低くなるんだよ。
2番目のメリットは「成長機会の拡大」です。既存事業が成熟しちゃった(つまり、もう大きく成長できなくなっちゃった)ときでも、新しい分野に進出すれば会社を成長させ続けられるんです。
3番目のメリットは「経営資源の活用」です。会社が持ってる強みを、複数の事業に活かすことで、より多くの利益を生み出せます。
一方、デメリットもあります。最大のデメリットは「経営が複雑になる」ことです。1つの事業だけなら「これについて頑張ろう」と決めやすいし、経営が単純です。でも複数の事業をやってると、社員も経営者も頭がいっぱいになっちゃう。また、各事業の特性が違うから、それぞれに合った戦略を考えなくちゃいけないし、組織も複雑になります。
2番目のデメリットは「核となるビジネスが弱くなる可能性」です。複数の事業に力を分散させると、本来得意だった事業に集中できなくなっちゃう。結果として、どの事業も中途半端になっちゃうことがあるんです。これを「経営の焦点がボケる」って言ったりします。
3番目のデメリットは「新しい分野での失敗リスク」です。特に無関連多角化や新しい分野への進出の場合、会社が得意な分野とは違うから、失敗する可能性が高いんです。新しい分野の知識が足りなかったり、その分野の競争相手が強かったり、思わぬ失敗が起こったりするわけです。
だから企業は、多角化戦略を使うときは、メリットとデメリットの両方を考えて、慎重に計画を立てるんです。「本当にこの新しい事業はうまくいくのか」「既存の事業に悪い影響を与えないか」「経営をコントロールできるか」みたいなことを、いっぱい検討してから決断するんだよ。
