働いていた人が仕事を辞めるときって、いろいろ大変だよね。学校卒業するときとはちがって、会社に提出する書類とか、役所に届け出る手続きとか、けっこう複雑。その中でも「保険関係廃止」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。これって実は、従業員が退職した時に会社側がやらなきゃいけない重要な事務手続きのこと。この記事を読めば、保険関係廃止が何なのか、どうして必要なのか、そして誰がどんな手続きをするのかが、スッキリわかるようになるよ。
- 従業員が退職したとき、会社側が健康保険や厚生年金を廃止する 報告手続き が保険関係廃止
- 会社側の廃止手続きと、退職者の新保険申し込みは 別々で必要 だから、保険が途切れないようにする
- これは法律で 義務付けられている から、会社も退職者も忘れちゃダメなんだ
もうちょっと詳しく
会社に勤めている人は、ほぼ全員「社会保険」という会社の保険に入っています。これは健康保険と厚生年金の2つセットのことで、給料からも一部引かれていますよね。でも仕事を辞めたら、その会社の保険からは外れなければいけません。なぜかというと、会社の保険は「その会社に勤めている人のための保険」だから。仕事を辞めたら条件に合わなくなるわけです。だから会社側は「この従業員は辞めたので、保険をやめます」と役所に届け出る。これが保険関係廃止です。同時に、退職者本人も「私は新しい保険に入ります」または「国民保険に入ります」と自分で手続きをしなきゃいけない。この二つが揃うことで初めて、保険の切れ目がないようになるんです。
会社の保険をやめても、すぐに別の保険が守ってくれるから大丈夫。空白は作らないようにすることが大事
⚠️ よくある勘違い
→ じつは全然悪くない。むしろ必要で正常な手続きです。会社を辞めるのは普通のことだから、その時の保険の整理も普通の手続きなだけです。
→ その通り。誰もが人生のどこかで会社を辞めるし、その都度この手続きが起こる。法律で決められた必須の手続きなんです。
会社の保険って何?まずここから理解しよう
保険関係廃止を理解するには、まず「会社の保険ってなんだ?」という疑問をクリアする必要があります。
健康保険と厚生年金は会社の保険
会社に勤めている人って、毎月の給料から結構な額が引かれてますよね。その中に「健康保険料」と「厚生年金保険料」というのがあります。これが会社の保険です。「保険」って聞くと、何か特別な手続きをして入るイメージかもしれませんが、違います。会社に入った時点で、ほぼ自動的に入ることになるんです。つまり、社会保険という制度に加入する義務が生じるってわけ。
健康保険というのは、病院に行った時に医療費を一部負担してくれるものです。保険がなかったら、医者にかかるたびに全額自分で払わなきゃいけないから大変ですよね。でもこの保険があれば、3割だけ払えばいいわけです。厚生年金というのは、将来の老後資金を積み立てるようなものです。毎月少しずつ積み立てることで、年を取った時に年金がもらえるようになるんです。
これらの保険は「会社に勤めている間だけ」有効なのが重要なポイント。会社を辞めたら、こうした保険のメリットは受けられなくなるわけです。だから、きちんと廃止の手続きをして、次の保険に乗り換える必要があるんですよ。
個人で入る保険とはちがう
「え、個人で保険に入ることもできるんじゃ…」と思った人もいるかもしれません。その通り。日本には「国民健康保険」という個人用の健康保険があります。会社を辞めた人とか、自営業の人とか、そういった「会社の保険に入ってない人たち」が入る保険ですね。つまり、保険は2種類あるってわけ。会社が負担してくれる会社保険と、自分で払う国民保険。
ここが大事なのは、会社の保険が廃止された後は、この国民保険に切り替える必要があるということ。または、転職して新しい会社に入れば、その会社の保険に自動的に入り直すことになります。どちらにせよ、空白を作っちゃダメなんです。
なぜ保険関係廃止が必要なのか
次の疑問は「なんで廃止しなきゃいけないの?放っとく訳には…」ということですよね。
法律で決められた義務だから
そもそも、日本の法律では「会社に勤めている人は社会保険に入らなきゃいけない」と定められています。逆に言えば「会社を辞めたら社会保険を廃止しなきゃいけない」ということでもあります。これは会社側の法律上の義務なんです。もし会社が保険関係廃止の手続きを忘れたら、その会社は罰金をとられることもあります。だから会社は絶対にこの手続きを忘れられません。
なぜこんなルールがあるかというと、税務署と年金機構と健康保険組合が、正確な記録を保ちたいからなんです。「誰が、どの時期に、どの保険に入ってたか」というのがバチッと記録されていないと、あとでトラブルが起きるんですよ。だから、廃止の手続きもすごく大事なわけです。
保険の重複を防ぐため
もう一つの理由は「保険の重複」を防ぐためです。もし会社の保険をずっと廃止しないままだったら、どうなると思いますか?前の会社の保険と、新しい会社の保険が同時に存在することになってしまいます。これは「二重加入」という状態で、実はこれもダメなんです。法律違反になってしまいます。
想像してみてください。学校を卒業してから高校に行った時、小学校に登録されたまま高校にも登録されたら、変ですよね。保険も一緒。同時に2つの会社保険に入ることはできないんです。だから、前の会社を辞めるときに、きちんと廃止の手続きをして、新しい保険に乗り換える。この切り替えがスムーズにいくようにするのが、保険関係廃止という手続きなわけです。
会社側が何をするか、退職者側が何をするか
それではいよいよ、具体的な手続きについて説明しましょう。大事なのは、会社側と退職者側で分担されているってことです。
会社側の責任
従業員が退職する時、会社側は何をするか。一番重要な手続きが「保険関係廃止届」を提出することです。これは、全国健康保険協会というところ(つまり社会保険の管理組織)に出す公式な書類で、「○年○月○日をもって、Aさんの保険加入を廃止します」という報告書ですね。
また同時に、年金事務所にも届け出を出します。「Aさんの厚生年金加入を廃止します」っていう報告ですね。さらに、退職者に対して「退職証明書」や「健康保険喪失証明書」といった書類を渡します。これらは退職者が国民保険に入る時や、新しい会社に転職する時に必要な書類です。
つまり会社側は「3つのセット」で対応します。①保険組合への届け出、②年金事務所への届け出、③本人への書類交付。この3つが揃って初めて、保険関係廃止が完了するわけです。
退職者側の責任
では退職者本人は何をするか。これは退職後の進路によって変わります。
【パターン1:すぐに次の会社に転職する場合】新しい会社に転職するなら、その会社が新しい社会保険に入れてくれます。でも大事なのは「タイミング」です。会社を完全に辞めた日から、新しい会社に入社する日まで、空白があってはいけません。できれば、前の会社を辞めた同じ日に新しい会社に入社するとか、遅くとも退職から数日以内に新しい会社に入社することが重要です。
【パターン2:しばらく働かない場合】退職してから新しい仕事を探す、または勉強する場合は、自分で国民健康保険に加入する手続きをしなきゃいけません。退職した日から「14日以内」に役所に行って、「保険をやめます」と手続きをします。そしてほぼ同時に「国民保険に入ります」と手続きをするわけです。
【パターン3:扶養家族になる場合】親御さんとか配偶者の扶養家族になる場合は、その親や配偶者が勤めている会社に「扶養家族に入ります」という届け出をします。そうすれば、その親や配偶者の保険でカバーされるわけです。
会社側と本人側の手続きの時間差
ここで注意が必要なのは「時間差」です。会社側の廃止手続きと、退職者側の新保険への申し込みは、タイミングを合わせなきゃいけません。ずっと空白があってはダメだからです。でも実際には、会社から「廃止届を出した」と聞くのは、退職後しばらく経ってからだったりします。その間、本人も新しい保険に申し込む必要があります。だから両者が協力して、この手続きを同時進行させる必要があるわけです。
保険関係廃止で起きる実際の影響
では、保険関係廃止によって、実生活ではどんなことが起きるのか。具体的な例で説明しましょう。
医療保険がどう変わるか
これが分かりやすいですね。会社の健康保険を使ってた時は、病院の窓口で「保険証」を見せれば、医療費は3割だけ払ってました。残りの7割は保険組合が払ってくれるわけです。ところが、保険関係廃止後に新しい保険に入り直すと、その保険証が切り替わります。
たとえば、国民保険に入った場合でも、会社保険から国民保険に変わるだけで、基本的には医療費は3割負担のままです。ただし、微妙に保険料が違ったり、補償内容が少し変わることもあります。また、転職先の会社に入った場合でも、その会社の保険組合に変わるだけで、これもやはり3割負担のままです。ですから、患者負担の割合は変わりません。ただし、新しい保険証が届くまでの間に病院に行きたい場合は、少し面倒になることもあります。
給与計算に与える影響
また、給与にも影響があります。会社に勤めている時は、給料から「健康保険料」と「厚生年金保険料」が天引きされていました。保険関係廃止後に転職した場合は、新しい会社でも同じように天引きされます。ただし、国民保険に入る場合は、これを「自分で」振り込まなきゃいけません。つまり、給料から天引きされるのではなく、自分で口座振替や納付書で払うことになるわけです。
これが実は意外と大変です。給料から天引きされてたから気にしてなかったけど、いざ自分で払おうとすると「こんなに多かったの…」とビックリすることもあります。だから、退職してから国民保険に入る時は、いくらくらい払う必要があるのか、事前に役所に確認しておくといいですよ。
年金への影響
厚生年金についても同じです。会社に勤めている時は、毎月の給料から厚生年金保険料が天引きされて、自動的に年金が積み立てられていました。でも退職して国民保険に入ると、「国民年金」に切り替わります。これも自分で払う必要があります。
大事なのは「年金の記録」です。しっかり保険関係廃止の手続きをしておかないと、年金の記録が断絶してしまうことがあります。つまり、「この期間は何の年金にも入ってなかった」という空白ができてしまうんです。こうなると、あとで年金をもらう時に、その期間分がもらえなくなってしまいます。だから、保険の乗り換えをスムーズにすることは、自分の将来の年金額にも関係してくるわけです。
保険関係廃止で気をつけるべきポイント
最後に、保険関係廃止する時に、実際に気をつけるべきことをまとめて説明します。
時間を空けるな、14日以内に手続きしろ
一番重要なルールは「14日以内」です。会社を辞めた日から数えて、14日以内に新しい保険の手続きを済ませなきゃいけません。つまり、辞めてから2週間も待ってたら、もうダメってわけです。1日でも空白があると、その間に病気になったら医療費が全額自己負担になってしまいます。だから「退職と同時に、または遅くとも翌日には新保険の手続きをする」くらいのスピード感が必要です。
でも実際には「会社が廃止届を出さないと、自分で新保険に入る権利がない」というケースもあります。だから、退職が決まったら、会社に「いつ廃止届を出しますか?」と確認しておくことが大事です。
必要な書類を揃えておく
国民保険に入る時に必要な書類は、大体「健康保険喪失証明書」や「退職証明書」です。これらは会社が渡してくれるはずですが、もらい忘れることもあります。だから退職する時に「これからどの書類が必要ですか?」と事前に確認して、しっかり受け取っておくことが大事です。
また、市役所や区役所での国民保険加入手続きにも、本人確認書類(マイナンバーカードとかパスポート)が必要です。これも事前に確認しておくといいですよ。
扶養家族の扱いに注意
もし親御さんの扶養に入る場合は、親の会社に「扶養家族に入ります」という届け出をします。ただし、扶養に入るには「年収が一定額以下」という条件があります。具体的には、過去1年間の見込み年収が130万円以下(扶養配偶者の場合)とか、いろいろ細かいルールがあるんです。だから、扶養に入る前に、その条件をクリアしてるか確認することが重要です。
会社側がちゃんと手続きしてるか確認する
最後に大事なのは「会社側がちゃんと廃止届を出したか」を確認することです。これを忘れると、あとで「実は会社の保険がまだ有効なままでした」みたいなトラブルが起きることもあります。だから、退職から1ヶ月くらい経った時点で、会社に「廃止届を出しましたか?」と確認のメールを送っておくといいですよ。
また、年金事務所や健康保険組合に電話して「この人の廃止届は出てますか?」と確認することもできます。ちょっと面倒かもしれませんが、年金記録を間違えられるのは一生の問題だから、これくらい確認しておく価値はあります。
