仕事をしていると「目標を立てたのに、いつの間にか忘れちゃった」「何を頑張ればいいかわからなくなった」みたいなことってありますよね。実は、Googleやアマゾンなどの大企業も、同じような悩みを抱えていて、それを解決するために考え出された方法があるんです。それが「OKR」という目標管理の方法。この記事を読めば、OKRが何なのか、なぜ世界中の企業が使っているのか、そして自分たちの学校や部活でも使える考え方が理解できるようになりますよ。
- OKRは「目標」と「成功の測り方」の2つで構成される目標管理の方法
- ぼんやりとした夢ではなく、具体的で測れる目標にすることで、毎日何をするべきかが明確になる
- Google、Amazon、Netflixなど世界中の大企業が使っていて、個人の勉強や部活動にも応用できる
もうちょっと詳しく
OKRが生まれたのは1960年代のインテル(コンピュータのチップを作る会社)で、その後Googleに広まって、今では世界中の企業で使われています。OKRが人気なのは、ただ「目標を立てる」のではなく、その目標をみんなで共有して、「何のために」「どうなったら成功」かをはっきりさせるから。これによって、個人の力が組織全体の力に繋がるようになるんです。また、定期的に「できたかできなかったか」を振り返ることで、失敗から学べるのも大きな特徴ですよ。
OKRは「立てたら終わり」ではなく、定期的に見直して調整するもの。失敗も成功の一部として考える考え方なんです。
⚠️ よくある勘違い
→ これは誤解です。OKRの本来の目的は「絶対に達成すること」ではなく「何をするべきか明確にすること」。むしろ70%くらいの達成度が理想と言われています。高すぎる目標だと、途中で諦めてしまったり、誰も本気で取り組まなくなったりします。
→ これが正しい理解です。チャレンジングだけど、工夫と努力で到達できる目標が、チーム全体のやる気を引き出し、結果として大きな成果に繋がるんです。
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OKRの歴史と広がり
インテルから始まった、世界を変えた目標管理法
OKRが生まれたのは、1960年代のアメリカです。当時、インテルという会社(パソコンの頭脳となるチップを作ってる会社ですね)の最高責任者だったアンディ・グローブという人が考え出しました。実は当時、インテルは目標を立てても「その目標がどんなものなのか、社員がみんなバラバラに理解していて、同じ方向に向かっていない」という大きな問題を抱えていたんです。例えば、営業部は「売上を増やす」と考えているけど、製造部は「品質を上げる」と考えていて、お互いに何をしてほしいのかがわからない、みたいな状況だったんですね。
アンディ・グローブがOKRを導入したことで、インテルはすごく成長しました。その後、シリコンバレーの別の企業「Baseline」の社長だったジョン・ドーを通じて、Googleに広まっていきました。GoogleはこのOKRを自分たちのやり方にアレンジして、今のような形にしたんです。そして、AmazonやNetflix、メルカリなど、世界中の成功している企業がOKRを使うようになったわけです。
つまり、OKRは「大企業だけの方法」じゃなくて、スタートアップ(新しく始まった小さな企業)から大企業まで、どんな組織でも使える方法なんですよ。日本でも、LINE、楽天、サイバーエージェントなど、有名な企業がOKRを導入しています。
なぜOKRが世界中で使われるようになったのか
OKRが広がった理由は、シンプルです。「目標管理の悩み」は、どんな時代、どんな企業でも同じだからです。むかし、企業の成長は遅くても大丈夫でした。たとえば自動車会社なら、5年かけて新しい車を作るのが当たり前だったんです。でも、今はどうでしょう?スマートフォンのアプリなんて、数ヶ月でガラッと変わったりしますよね。変化が速い世の中では、3年先の目標を決めても意味がないんです。
そんな時代に、OKRは「3ヶ月ごと」または「1年ごと」に目標を見直すシステムなんです。だから「今、何が大切なのか」を素早く判断して、全社員が同じ方向に向かえるんですよ。これが、急成長するIT企業に特に適してたわけです。そして、今では銀行や役所のような「変化が遅い」と思われていた組織でも、OKRを使い始めているんです。
ObjectiveとKey Resultの違いを徹底理解
Objective:「何をしたいのか」という夢の部分
Objectiveは、日本語で「目標」とか「目的」という意味ですが、OKRの中では「どんな状態になりたいのか」という、ちょっと夢みたいな部分を指します。重要なのは「定性的」つまり、数字で測らない、そのままの言葉で表すということです。
例えば、「営業チームを世界最高レベルにする」とか「顧客に最高の体験をプレゼントする」みたいなものですね。これは「どんなふうに見えるのか、感じるのか」を説明してはいますが、「何個売る」とか「何点取る」みたいに数字では測っていません。つまり、理想的な状態を言葉で描く、ということです。
Objectiveを作るときの大切なポイントは「社員の心を動かす」ことです。だから、会社の偉い人だけで作るんじゃなくて、実際に仕事をしている人たちの声を聞きながら作るのが大事なんですよ。例えば、学校の文化祭で「最高の文化祭を作る」というObjectiveを決めるときも、学生会だけじゃなくて、実行委員のみんなの意見を聞きながら決めたほうが、みんなが本気で頑張れるようになるって話ですね。
Key Result:「成功を測るものさし」という現実的な部分
Key Resultは「重要な成果」という意味で、Objectiveが「どんな状態になりたいか」なら、Key Resultは「その状態になったことをどうやって確認するのか」という、とても現実的な部分です。ここは「定量的」つまり、数字で測られることが大事なんです。
先ほどの「営業チームを世界最高レベルにする」というObjectiveなら、Key Resultは以下みたいな感じになります:「顧客満足度を90%以上にする」「売上を前年比150%にする」「新規契約数を月100件以上にする」みたいにね。全部、数字が入ってることがわかりますか?これで「どうなったら成功」かがはっきりするんです。
Key Resultを作るときのコツは「測定可能であること」です。例えば「営業マンをより良くする」じゃなくて「営業マンの平均受注額を1件あたり200万円以上にする」のように、「どうやって測るのか」がはっきりしてないといけません。そして、もう一つ大事なのが「少し頑張ったら達成できるレベル」ということです。絶対に達成できる目標だと、ぬるくなっちゃいます。反対に、100%不可能な目標だと、みんな頑張る気をなくします。だから「70%くらいの確率で達成できそう」くらいがちょうどいいんですよ。
ObjectiveとKey Resultの関係性
大事なのは、ObjectiveとKey Resultは「別もの」ではなく「一緒に考える」ものだということです。Objectiveで「どんな状態になりたいか」を決めたら、「じゃあ、それをどうやって測る?」とKey Resultを決める、という流れになるんです。
野球部の例で説明しましょう。Objectiveが「全国大会で優勝する」だったとしたら、Key Resultは「県大会で優勝する」「ベストナインに3人以上選ばれる」「全員の打率3割以上」みたいな感じですね。Objectiveは「最終的なゴール」で、Key Resultは「そのゴールに到達するための、実際に測れる中間地点」だと思ってください。
OKRの実際の作り方と運用方法
ステップ1:会社(チーム)全体のObjectiveを決める
まず、会社全体や部門全体で「今、何を大事にするのか」というObjectiveを決めます。これは、会社のトップや部門の長が決めるんじゃなくて、みんなで話し合って決めるのが理想的です。
例えば、Googleが「世界中の情報を整理して、アクセスしやすくする」というObjectiveを決めるとき、エンジニア(プログラムを書く人)も営業も、事務の人も、みんなの意見が反映されたんです。なぜなら「世界中の情報を整理する」には、エンジニアの技術力も、営業の営業力も、事務の効率も全部必要だからです。
学校で例えるなら、文化祭のObjectiveを決めるときに「最高の文化祭を作る」って決めるんだけど、それって「何が最高なのか」を全員で話し合う必要がありますよね。「お客さんに楽しんでもらうこと?」「クラスが一致団結すること?」「新しい企画にチャレンジすること?」いろんな意見があって、その中から「今年は、来てくれた人に新しい体験をプレゼントしよう」みたいに決まるわけです。
ステップ2:各チーム、各個人のOKRを決める
会社全体のObjectiveが決まったら、次はチームごと、個人ごとのOKRを決めます。ここで大事なのは「全員のOKRが、会社全体のObjectiveに繋がる」ということです。つまり、バラバラな目標を立てるんじゃなくて「みんなで同じ方向に向かう」ように調整するんですね。
例えば、会社全体のObjectiveが「ユーザーに最高の体験をプレゼントする」だとしたら、営業チームのObjectiveは「ユーザーが本当に欲しい商品を理解して販売する」、エンジニアのObjectiveは「バグのない、使いやすい製品を作る」、カスタマーサポートのObjectiveは「ユーザーの問題を素早く解決する」みたいに、それぞれが「自分たちは何をすればいいのか」を考えるんです。
そして、各チームがKey Resultを決めるときも、他のチームのKey Resultを知ったうえで決めます。そうすることで「営業は商品をいっぱい売るだけじゃなくて、ユーザーの満足度を上げることを目指そう」みたいに、チーム間で協力できるようになるんですよ。
ステップ3:定期的に振り返りと調整
OKRは「立てたら終わり」じゃなくて、定期的に「できたかな?」「上手くいったかな?」を振り返ります。多くの企業は「3ヶ月ごと」または「1年ごと」に見直していますね。
振り返るときは「100%達成できたかどうか」だけを見るんじゃなくて「70%達成できたけど、なぜ70%だったのか」「思わぬ障害があったのか」「目標の立て方が悪かったのか」とか、いろいろ分析するんです。そして、そこから学んで「次のOKRはこうしよう」って調整するんですよ。これが「失敗から学ぶ」ということです。
学校の試験勉強で例えるなら、テストが終わったら「何点だった」だけじゃなくて「どの問題が解けなかったのか」「なぜ解けなかったのか」「もっと早く勉強を始めたらよかったのか」とか、振り返るのと同じですね。
OKRを上手く使うコツと注意点
コツ1:シンプルに、3~5個に絞る
OKRを作るときの大きなミスが「あれもやりたい、これもやりたい」と、目標をいっぱい作っちゃうことです。でも、人間の脳って「10個の目標を同時にこなす」のは得意じゃないんです。むしろ「3~5個の大事なこと」に全力で取り組んだほうが、結果が出るんですよ。
Googleでも「OKRは3~5個が目安」と言ってます。なぜなら、目標が多いと「結局、何が大事なのか」がわからなくなるからです。例えば、テスト前に「数学、英語、国語、理科、社会、全部成績を上げる」って目標を立てるより「数学を80点以上、英語を80点以上、この2つに力を入れる」って絞ったほうが、上手くいくじゃないですか。
コツ2:測定可能にする
Key Resultを決めるときに「できるだけ具体的な数字」を入れることが大事です。「売上を増やす」じゃなくて「売上を前年比120%にする」「顧客満足度を85%以上にする」みたいにね。そうすることで「今、どのくらい達成できてるのか」を途中で確認できるようになるんですよ。
野球部なら「打撃を良くする」じゃなくて「全員の打率を3割5分以上にする」「チーム全体の1試合あたりの得点を8点以上にする」みたいにね。こうすると「今、打率いくつだ」「得点足りてるか」ってリアルタイムで確認できて、上手く調整できるんです。
コツ3:全員で共有する
OKRは「立てたのに、一部の人しか知らない」みたいなことになっちゃいけません。会社全体のOKRも、チームのOKRも、個人のOKRも、みんなが知ってる状態にしておくんです。そうすることで「あ、営業チームはこれを目指してるんだ。だから、僕たちエンジニアは、このくらいの品質で製品を完成させたらいいんだ」みたいに、チーム間での協力ができるようになるんですよ。
学校でも「全校で○○を目指す」ってObjectiveを決めたら、その内容を全学年に伝えますよね。そうすることで、1年生も2年生も3年生も「同じ方向に向かおう」って思えるわけです。
注意点1:完璧を目指さない
OKRをはじめたばかりの人がやりがちなミスが「OKRを完璧に立てようとする」ことです。でも、実際には「OKRなんて、何回も失敗するものだ」くらいの気持ちで始めるのがいいんですよ。むしろ「失敗から学ぶ」ことが、OKRの本来の目的なんです。
だから「今回のOKRは、前回ほど上手く立てられなかった」「Key Resultの設定が高すぎた」とか「達成度が30%だった」みたいなことが起きても「あ、これが学習か」くらいの気持ちでいいんです。
注意点2:OKRと評価を結びつけすぎない
これは、企業向けの注意点ですが、大事なのは「OKRができたかできなかったか」で社員を評価しすぎることです。例えば「OKRを達成できなかった = 給料が減る」みたいになっちゃうと、社員は「絶対に達成できる、つまりぬるい目標」を立てるようになっちゃうんですよ。そうなると「チャレンジ精神」がなくなっちゃいます。
OKRは「失敗してもいいから、チャレンジしよう」っていう考え方が基本です。だから「OKRが70%達成できた」と「OKRが100%達成できた」で、評価が大きく変わっちゃうと「危ないことはやめて、安全な目標を立てよう」ってなっちゃうんです。
注意点3:OKRに時間をかけすぎない
「完璧なOKRを作ろう」と、何週間も話し合う企業がありますが、これも間違いです。OKRは「やってみながら、調整する」ものなので、最初は「70点くらいで、とりあえず始める」くらいの気持ちでいいんですよ。完璧なOKRを3ヶ月かけて作るより、70点のOKRをすぐ始めて、3ヶ月後に「失敗から学んで」調整するほうが、結果的に上手くいくんです。
学校の文化祭を例に出すなら「完璧な計画を1ヶ月かけて立てる」より「とりあえず、計画を立てて、やってみながら調整する」ほうが、最終的にいい文化祭になったりするじゃないですか。それと同じです。
