会社や組織の偉い人たちって、本当に正しい判断をしているのかな?って思ったことありませんか?実は、誰かが権力を持ちすぎると、ズルいことをしちゃう人も出てくるんです。そういう問題を防ぐために「ガバナンス」という仕組みがあるんです。この記事を読めば、会社がどうやって不正を防いだり、正しく運営されているのかがわかるようになりますよ。
- ガバナンスは、組織が正しく運営されているか監視・管理する仕組みのことで、権力の暴走を防ぐために必要です。
- 誰かが権力を持ちすぎないように、複数の人や部門がチェック機能を持つ「権力の分散」が基本的な考え方です。
- 会社では取締役会や監査役など、外部の専門家も含めて、多くの目で見張る体制をつくっています。
もうちょっと詳しく
ガバナンスが注目されるようになったのは、実は「大企業の不正事件」がきっかけなんです。2000年代に、アメリカや日本で大きな企業が不正をやっていたことがバレたんですよ。経営者が自分の利益のために会社のお金を横領したり、存在しない売上を計上したり…。こういう事件を受けて「組織をもっときちんと管理しないとダメだ」という流れが世界中に広がったんです。だからガバナンスって、実は最近になって重要視されるようになった比較的新しい考え方なんですよ。
ガバナンスがしっかりしている企業ほど、投資家や顧客から信頼されます。逆に不正が多い企業は評判が落ちて、ビジネスがうまくいかなくなるんです。
⚠️ よくある勘違い
→ ガバナンスの目的は罰することじゃなくて、不正が起きないようにあらかじめ防ぐことなんです。経営者をいじめるものではなく、会社全体を健全に保つためのものです。
→ チェック機能があることで、経営者も「変なことをしたらすぐバレるな」って気をつけられるし、ステークホルダー(関係者)も安心できるんです。
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ガバナンスの本来の意味
ガバナンスって言葉の成り立ち
「ガバナンス」って英語で「Governance」って書くんです。これは「govern(統治する・管理する)」という動詞から来ているんですよ。つまり、組織や国を管理・統治することに関する全般的な仕組みのことなんです。でも日本語で「統治」とか「管理」と言うと、何だか難しくて厳しい感じがしちゃいますよね。だから、もっと簡単に言うなら「組織が正しく運営されるようにするための仕組み」って理解すればいいんです。
ガバナンスって、実は会社だけの話じゃないんですよ。学校にも、役所にも、スポーツクラブにもあるんです。学校の校長先生だって、一人で全部決めてるわけじゃなくて、教頭先生や教務主任、PTA会長なんかと一緒に相談して決めているでしょ。役所だって、知事さんが一人で全部決めるわけじゃなくて、副知事や各部局の長と一緒に予算や政策を決めるんです。これらはすべてガバナンスの考え方を使っているんですよ。
権力の集中がなぜ危ないのか
ここで大事なポイントなんですが、人間って「権力」を持つと、無意識のうちに自分中心の判断をしちゃう傾向があるんです。心理学では「パワー・ディスタンス」って言ったりするんですが、つまり権力を持つ人と持たない人の間に距離が大きくなるほど、権力を持つ人が自分のルールを押し付けちゃうようになるってことなんですね。
具体的に考えてみてください。もし、あなたがクラスの班長になったとしますよね。誰にも注意されなくて、誰も文句を言えなかったら、どうなると思いますか?最初は公平に班をまとめようとするかもしれません。でも、時間がたつにつれて、自分の友達ばかりを優遇したり、自分の気に入らない人には厳しくしたりしちゃうかもしれませんよね。これは別に悪い人だからじゃなくて、人間の心理として誰もが持ってる傾向なんです。だから、誰かが見張ってる状態を作ることが大事なんですよ。
会社のガバナンスの仕組み
株式会社の仕組みを理解しよう
ガバナンスを理解するには、株式会社の仕組みをちょっと知る必要があります。株式会社ってのは、会社の所有権を「株」という小さく分割された形で、いろんな人が持ってる企業形態なんです。つまり、会社の持ち主が一人じゃなくて、複数いるってわけです。
例えば、ソニーみたいな大きな企業だと、何万人もの人が株を持ってるんですよ。その持ち主たちのことを「株主」って言います。一方、会社の実際の経営は「経営陣」が担当してるんです。ここで大事なのは、所有者と経営者が別の人たちだってことですよ。所有者(株主)のお金で会社が運営されてるのに、経営者が勝手に使っちゃったら大変ですよね。だから、経営者がちゃんと所有者のために会社を運営しているか監視する仕組みが必要なんです。これが「コーポレート・ガバナンス」(企業統治)って呼ばれるやつなんです。
取締役会という会議
会社の中には「取締役会」という会議があります。つまり、経営陣(取締役)が集まって「今月の売上はどうしよう」「新しい商品を作るかどうか」「給料はいくらにしよう」なんて大事な決断をする場所なんです。ここで大事なのは、一人の人が決断するんじゃなくて、複数の人が相談して決めるってことですよ。
この時に、もし社長さんが「俺がこう言ったんだからこれでいい」って言っちゃったら、取締役会の意味がなくなっちゃいますよね。だから、取締役会では民主的に話し合うという文化が大事なんです。実は、大きな企業では「独立取締役」って言って、会社の外からやって来た専門家が取締役に入ってるんですよ。会社の内部の人間だけじゃなくて、外部の人も一緒に判断することで、より公平な決定ができるようにしてるんです。
監査役と外部監査法人
取締役会が決断を下してるのに対して、「監査役」っていう別の立場の人がいるんです。つまり、監査役は経営陣のやってることが正しいかどうか、ルール違反がないかどうかをチェックする人なんですよ。学校に例えるなら、「生徒指導の先生」みたいなものです。先生たちが何かやってる時に「これ、ルール守ってますか?」って確認する感じですね。
監査役は会社の内部にいるんですが、さらに「監査法人」っていう会社の外の専門家も入ってくるんですよ。これは「公認会計士」っていう国家資格を持った人たちで、会社の財務(お金の出入り)が正しく記録されているかをチェックするんです。外部の人を入れることで、内部の人だけだと見逃しちゃう不正も見つけやすくなるってわけです。
株主総会という最大の意思決定
そして、すべての会社の持ち主(株主)が集まる「株主総会」というものがあります。ここは会社の最高の意思決定機関なんですよ。社長さんだって、株主総会の決定には逆らえません。株主総会では、「去年の経営成績はどうだったのか」「配当金はいくら出すのか」「新しい重要な事業をするのかどうか」なんて決めるんです。
つまり、図にするとこんな感じになります。株主が会社を所有していて、株主総会で大きな方針を決めます。そして、取締役会が具体的な経営判断をします。その間に、監査役や監査法人がチェックします。こういう複数のレイヤーの仕組みがあることで、誰かが勝手な判断をできないようになってるんですよ。
なぜガバナンスが大事なのか
不正を防ぐためのガバナンス
ガバナンスが注目されるようになったのは、実は大きな不正事件がきっかけなんです。2001年にアメリカの「エンロン」っていう大企業が、会計不正をやっていたことがバレたんですよ。何十億円という利益があるって言ってたのに、実は大損失を隠していたんです。その後、日本でも「オリンパス事件」っていう、大手メーカーが数千億円の不正をやっていたってことが発覚したんですよ。これらは全部、ガバナンスが機能していなかったせいで起きたんです。
不正が起きるプロセスって、だいたい同じパターンなんです。まず、社長とか幹部が「ちょっとだけ数字を偽ろう」って考えるんですよ。その時に「誰か見張ってる人いるのかな」って不安になります。でも、周りに自分の言うことを聞く人ばっかりいたら「まあ、バレないだろう」って気持ちが大きくなるんです。そして、ちょっとの不正がだんだん大きくなっていって、気がついたら数百億円の不正になってるってわけですよ。ガバナンスが機能していれば、こういった小さな不正の段階で「おかしいんじゃないか」ってストップがかかるんです。
信頼を作るガバナンス
ガバナンスの役目は不正を防ぐだけじゃないんです。むしろ、もっと大事なのは「信頼を作る」ってことなんですよ。投資家とか顧客とか、会社に関係する人たちが「この会社は信頼できるな」って思うことが大事なんです。
具体的に考えてみてください。もしあなたが会社に投資しようと思ったら、どういう会社を選びますか?「社長が全部決めてる」「チェック機能がない」「財務報告が不透明」みたいな会社より、「複数の人が判断してる」「監査役がいる」「毎年きちんと決算報告してる」みたいな会社の方が安心ですよね。顧客だって同じです。ガバナンスがしっかりしてる企業だから「この会社は約束を守ってくれるだろう」って信頼できるんです。
これって、学校でも同じ理由ですよ。学校の先生が「俺はこんなルール守らない」「賞罰は俺が勝手に決める」って言ったら、生徒も親も「この学校信頼できないな」って思っちゃいます。でも、学校がきちんと「校長室に相談する」「教務主任がチェックする」「PTA会議で保護者の意見を聞く」みたいに透明性を持ってると、みんなが「この学校は信頼できるな」って思うんです。
ステークホルダー全体の利益のために
「ステークホルダー」っていう言葉をご存知ですか?つまり、会社に関係する全ての人たちのことなんです。株主だけじゃなくて、従業員、顧客、取引先、そして社会全体のことを言います。
昔は「会社の利益を最大化する」ことだけが目標だったんですよ。でも、そうすると、従業員のことを蔑ろにしたり、環境を汚したり、不正をやったりっていう悪いことをやっちゃう企業が出てくるんですよ。だから、現代のガバナンスの考え方は「全てのステークホルダーの利益を守る」ってことになったんです。つまり、株主も従業員も顧客も、みんなが幸せになれるような経営をしようってわけです。
そうするためには、経営陣だけが独断で判断するんじゃなくて、いろんな人の意見を聞かないといけないんですよ。だから、取締役会に外部の人を入れたり、監査役がいたり、従業員の意見を聞く仕組みがあったり、CSR(企業の社会的責任)を重視したりしてるんです。
日本のガバナンスの特徴
日本独特の「メインバンク制」
実は、ガバナンスって国によって結構違うんですよ。アメリカのガバナンスと日本のガバナンスは、ちょっと違う部分があるんです。
日本には「メインバンク制」っていう独特の制度があります。つまり、ほとんどの企業が、一つのメインの銀行とずっと長い付き合いをしてるんですよ。アメリカとか他の国では、企業はいろんな銀行から融資を受けたり、株式市場でお金を集めたりするんですが、日本の企業は「うちのメインバンクが全部面倒見てくれる」みたいな感じなんです。その代わり、メインバンクが企業の経営をサポートしたり、経営がうまくいってなかったら助けたりしてくれるんですよ。
これは実は、ガバナンスの役割を銀行が担ってるってわけなんです。銀行は「この企業、きちんと経営できてますか」ってチェックするので、变な不正はやりにくいんですね。だから、アメリカみたいに外部監査法人がいっぱい必要ってことじゃなくて、銀行との関係がメインのガバナンスになってるんです。
日本的な経営と現代的なガバナンスの葛藤
ただ、この日本的なやり方も、最近は変わってきてるんですよ。なぜなら、国際的なビジネスが増えてきたから、アメリカとか海外の投資家とか顧客と関係を持つ企業が増えてきたんです。海外の人たちは「取締役会ってちゃんとあるの?」「外部監査法人は?」って聞いてくるんですよ。
だから、日本の企業も最近は「コーポレート・ガバナンス・コード」っていう、国が決めたルールに従うようになってきたんです。これによって、日本の企業も海外並みに「独立した外部の取締役を入れる」とか「監査法人をちゃんと活用する」とかするようになってきたんですね。
日本のガバナンスが目指す方向
日本は今、伝統的な「銀行との信頼関係」と「現代的な透明性」を両立させようとしてるんですよ。つまり、銀行との関係も大切にしながら、でも同時に株主とか監査役とか監査法人とかの外部の監視機能もちゃんと働かせようってことですね。
それと、もう一つ大事なのが「コーポレート・ガバナンス」から「より広いガバナンス」への転換なんです。会社の経営を見守るだけじゃなくて、環境問題、人権問題、地域社会との関係とか、もっと広い視点でのガバナンスが求められるようになってるんですよ。これを「ESG(環境・社会・ガバナンス)」って呼んだりしてます。
