特別利益って何?わかりやすく解説

企業の決算報告を見ていると「営業利益」「経常利益」「特別利益」みたいに、利益がいろいろ出てくるよね。その中でも「特別利益」って何なの?という質問をよく聞きます。この記事を読めば、どうして企業は利益を分けて考えるのか、そして特別利益がどんなときに出てくるのかがバッチリわかるようになるよ。

あ、先生!決算報告書を見てたら「特別利益」って項目が出てきたんですけど、何ですか?

いいですね。特別利益というのは、通常の事業活動から得られない、一時的に発生した利益のことなんです。つまり、普段のビジネスとは関係なく、たまたま入ってきたお金のことですね。
普段のビジネスじゃない?例えば、どんなときにそういうことが起きるんですか?

例えば、企業が持っていた土地を売ったら、予想以上に高く売れちゃった、とか。あるいは、不要になった子会社を売却したら利益が出た、みたいな感じです。その企業の通常の営業活動では生まれない、臨時的な利益なんですね。
あ〜、なるほど。でも、どうして利益をそんなに細かく分けて考えるんですか?全部足して「利益」でいいじゃないですか。

素晴らしい質問だ。実は、通常の利益臨時的な利益を分けないと、企業の本当の強さが見えなくなっちゃうんですよ。例えば、毎年きっちり100万円稼ぐ企業と、普段は50万円だけど今年たまたま特別利益で100万円増えた企業だと、来年の見通しが全然違いますよね。
あ、本当だ!毎年100万円稼ぐ企業は信頼できるけど、たまたま大きな契約が来た企業は、来年も同じとは限らないですね。

その通り!だから投資家とか、銀行とか、企業を評価する人たちは、わざわざ営業利益経常利益という、臨時的な要素を除いた利益に注目するんです。特別利益は参考情報として見るけど、メインの判断材料にはしない、という感じですね。
📝 3行でまとめると
  1. 特別利益は、通常の事業活動では得られない、一時的に発生した利益のことである
  2. 土地売却や子会社売却など、ほぼ二度と起きないようなイベントから生じる利益である
  3. 企業の本当の実力を見るために、投資家は特別利益を除いた利益に注目する
目次

もうちょっと詳しく

企業の決算報告では、利益が3段階で表示されます。最初に「売上」から「売上原価」(商品やサービスを作るのにかかったお金)を引いた「営業利益」。次に、営業利益から「営業外費用」(融資の利息など)を引いた「経常利益」。そして、この経常利益から「特別利益」(と「特別損失」)を足し引きしたのが「税引前当期利益」です。つまり、利益は段階的に細かくなっていくんですね。このおかげで、どこで損益が発生しているのかが、はっきり見えるようになります。

💡 ポイント
特別利益は「臨時的」だから、毎年は出ません。だから企業の安定性を判断するには、営業利益がいくらかが重要なんです

⚠️ よくある勘違い

❌ 「特別利益が出たから、その企業は儲かっている」
→ 特別利益は一時的なもの。来年も出るとは限りません。本当に儲かっているかは、営業利益を見て判断する必要があります。
⭕ 「特別利益を除いた営業利益が、企業の本当の実力を表している」
→ その通り。投資家も銀行も企業を評価するときは、営業利益や経常利益に注目します。特別利益は「参考情報」くらいの位置づけです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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特別利益って何?基本を理解しよう

企業の活動をイメージしてみてください。ケーキ屋さんがいます。毎日、ケーキを焼いて売って、そこから利益が出ます。これが「営業利益」です。つまり、その企業が本来やっている事業から生まれる利益ですね。一方「特別利益」というのは、そのケーキ屋さんが予期しなかった形で得られるお金のこと。例えば、昔から持っていた店舗の隣の土地を売った、とか、古い製造機械をオークションに出して思ったより高く売れた、みたいな感じです。

ここで大事なのは「本来の事業ではない」というポイントです。ケーキ屋さんの本業はケーキを売ることですよね。土地を売ることが本業じゃない。だから、土地を売って得たお金は「臨時的な利益」として、営業利益とは別に計上するんです。

企業の決算報告書を見ると、いろいろな利益が載っています。営業利益、経常利益、そして特別利益。なぜこんなに細かく分けるのかというと、企業の「本当の実力」を見えやすくするためなんです。もしも全部の利益を足してしまったら、たった一度の不動産売却で、その企業の本当の営業能力が隠れてしまいますよね。だから、わざわざ分けているんです。

一番わかりやすい言い方をすると、特別利益とは「企業が本来やっていることじゃない、一度きりのイベントから生じた利益」ということ。これから企業を評価するときは、「あ、特別利益が出てるな。でも本当の実力は営業利益の方で見ないと」という目で見ていくといいですよ。

利益が3種類に分かれる理由

企業の収支報告(決算報告)では、利益が段階的に表示されます。これは「企業がどこでどれだけ儲かっているのか」を正確に把握するためです。

まず「営業利益」。これは、企業が本来やっている事業(営業活動)から出た利益です。ケーキ屋さんなら、ケーキを作って、売って、そこから生じた利益ですね。売上からケーキの材料費やお店の店員さんの給料、光熱費なんかを引いた残りが営業利益です。

次に「経常利益」。営業利益に、営業外収入を足したり、営業外費用を引いたりしたものです。営業外というのは、本業じゃない活動のこと。例えば、銀行からお金を借りていたら、その利息を払いますよね。あるいは、企業が持っている普通預金の利息が入るかもしれません。そういった「本業以外」のお金のやり取りを反映するのが経常利益です。ケーキ屋さんで例えると、ケーキを売った利益(営業利益)から、銀行の借金の利息を引いて、銀行に預けたお金の利息を足したもの、という感じです。

そして「特別利益」。これは、営業でも営業外でもない、突発的な出来事で生じた利益です。通常は毎年は発生しません。だから「特別」という名前が付いているんです。

特別利益に含まれる具体例

実際の企業の決算報告を見てみると、特別利益にはどんなものが含まれているのか、知ってみましょう。

最も多いのが「固定資産売却益」です。固定資産というのは、会社が長い間使うつもりで買った資産のこと。例えば土地、建物、機械器具、株式とか。これらを売ったときに、買ったときの値段より高く売れたら、その差額が利益になります。かつて1000万円で買った企業の株が、10年後に1500万円になって売却できたら、500万円が特別利益です。

次に「保険金受け取り」。企業が何か災害に遭ったとき、火災保険とか損害保険から保険金が支払われることがあります。これも特別利益に計上されます。

「債務免除益」というのもあります。これは、企業が誰かに借りたお金を、その貸した相手が「もういいですよ」と許してくれたときに生じる利益です。通常は起きませんが、経営危機の時に、取引先が借金を免除してくれたりすることがあります。

「退職給付に係る利益」というのもあります。企業が従業員に払う退職金の計画を見直したりすると、その差額が特別利益になることがあります。

「子会社株式売却益」というのも典型的です。企業が傘下に持っていた子会社の株を売却したときの利益ですね。

これらはすべて「一度きり」もしくは「ほぼ毎年は起きない」という共通点があります。だから「特別」という扱いになるんです。もしも毎年同じくらい固定資産を売却していたら、それはもう「営業利益」に含めるべき活動になるでしょう。でも「たまに」だから、分けて報告するんです。

特別利益と特別損失は対になっている

決算報告を見ていると「特別損失」という項目も出てきます。特別利益と特別損失は、対になっているんです。つまり、企業が予期しない形でお金が入ってくることもあれば、予期しない形でお金が出ていくこともあるということですね。

例えば、企業が持っていた土地を売って、想定より高く売れたら特別利益。逆に、安く買い叩かれてしまったら特別損失です。あるいは、子会社が赤字で、その赤字の責任を親会社が負わなきゃいけなくなったら、これも特別損失になります。

大事なのは、特別利益も特別損失も、企業の本来の実力を反映していないということです。だから、企業の安定性や実力を判断するときは、特別利益や特別損失を「除外」して考えるんです。投資家や銀行は「今年は特別利益で儲かったから、来年も同じくらい儲かる」とは考えません。「営業利益がいくらか」「それは去年と比べて増えているか減っているか」「ちゃんと継続的に稼ぐ能力があるか」といった観点から企業を評価するんです。

企業の本当の強さを見る際に特別利益がなぜ重要なのか

ここまでの説明で「特別利益って、企業の本当の実力じゃないんだ」ということがわかったと思います。では、なぜわざわざ特別利益なんていう項目を報告しているのか。その理由を考えてみましょう。

投資家の判断に重要だから

企業の株を買うなら、その企業がずっと稼ぎ続けられるのかを知りたいですよね。もしも営業利益が50万円しかないのに、特別利益で100万円あったら、合計150万円に見えます。でも、来年、その特別利益がなかったら、10万円にしか見えない可能性があります。投資家はそういう「見せかけの利益」に惑わされないように、特別利益と営業利益を分けて見ているんです。

つまり、特別利益という項目があることで、「この企業は本来いくら稼いでるんだ?」が正確に見えるようになるんです。

銀行の融資判断に使われるから

企業がお金を借りるとき、銀行は「この企業ちゃんと返せるんかな?」をチェックします。そのとき、銀行は営業利益を見ます。なぜなら、営業利益が高いということは「本来の事業がちゃんと利益を生んでいる」ということだから。一方、特別利益が高くても「来年もあるかわからない」から、融資の判断には使わないんです。

だから、企業の経営者も、銀行に融資を申し込むときは「営業利益がいくら出ました。それは去年より増えています」という説明をするんですよ。特別利益は「ついでに、こういうイベントもありました」くらいの扱いです。

企業の継続性を判断するため

会計の世界では「継続性」という概念が大事です。つまり「この企業は今後も継続して経営されるんだ」という前提で、企業の財務を評価するんです。継続して経営されるというのは、毎年安定した利益を出し続けるということですね。

一度きりの特別利益があったとしても、それは企業の継続性を示していません。一方、営業利益が毎年安定して出ていれば「この企業は継続していく」と判断できるんです。だから、わざわざ特別利益を分ける必要があるんですよ。

特別利益の注意点と見方

ここまで読んで「なるほど、特別利益は本当の実力じゃないんだ」とわかったと思いますが、最後に実際の決算報告を見るときの注意点をお伝えしますね。

特別利益が大きすぎる場合は疑ってみよう

もしも特別利益がやたら大きく出ていたら、それは「企業が何か大きな資産を売却した」という意味です。すごい利益に見えるかもしれませんが「あ、今年は特別にこういうことがあったんだ」くらいに受け止めるのがいいですよ。むしろ「来年はこの利益は期待できないから、営業利益だけで企業の実力を判断しよう」という考え方をします。

例えば、ある企業の今年の利益が1000万円だったと。うち営業利益が100万円で、特別利益が900万円だったら、どう評価します?来年も同じくらい稼ぎ続けられるか、というと難しいですよね。営業利益が100万円という事実が、この企業の本当の稼ぎ方なんです。

毎年特別利益が出てないかチェック

逆に、毎年毎年、何らかの特別利益が出ている企業も注意が必要です。「あれ、この企業、毎年何か売却してるな」という感じです。もしも毎年同じくらいの資産を売却して特別利益を得ているなら、それはもう「営業活動」と見なすべきかもしれませんよね。

つまり「特別利益という名目で、実は定期的な収入を計上している」という状況があり得るんです。こういう企業の場合は、営業利益の信頼性を問い直す必要があるかもしれません。

特別損失も同じように見よう

特別損失についても同じです。もしも企業が「今年は子会社の不採算事業を閉鎖したから、特別損失が出ました」と言っていたら、「あ、そういう一度きりのイベントがあったんだ」という捉え方をするといいですよ。

大事なのは「特別損失の説明が明確か」というポイント。曖昧に「その他の損失」みたいに書かれていたら、実はよくわからないお金の損出があるのかもしれません。企業の決算説明会とか、決算短信とか、企業が発表する詳しい書類を読むと、特別利益や特別損失の詳細が書いてあります。それを確認することで「ああ、今年のこの企業はこういうことがあったんだな」という理解ができるんです。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。