「退職金って聞いたことあるけど、実際どんなお金なの?」「会社を辞めたら誰でももらえるの?」って思ったことない?働きはじめてから何十年も後の話だし、なんとなくスルーしてきた人も多いはず。でもこれ、知っておかないと老後の生活設計がまるっと狂っちゃうくらい大事なお金なんだよ。この記事を読めば、退職金のしくみ・もらえる条件・税金との関係まで、ぜんぶわかるよ。
- 退職金は会社を辞めるときにもらえるお金だけど、支給義務はなく会社によって制度が違う
- 金額は「基本給×勤続年数×支給率」で決まることが多く、長く勤めるほど増える
- 税金は「退職所得控除」のおかげで普通の給料より優遇されているが、iDeCoとの併用は注意が必要
もうちょっと詳しく
退職金のしくみを少し掘り下げると、大きく分けて3種類ある。①会社が自社で積み立てる「自社退職金制度」、②国が運営する「中小企業退職金共済(中退共)」、③企業が年金として積み立てる「確定給付企業年金・確定拠出年金」だ。中退共はつまり「中小企業でも退職金を準備しやすくするための国の互助制度」のこと。特に中小企業に勤めている人は、自分の会社がどの制度を使っているか確認しておくと安心だよ。退職金は長年の働きに対するご褒美であると同時に、老後生活を支える大切な資産の柱でもある。若いうちから「自分の会社はどんな制度か」を知っておくだけで、将来の計画がぐっと立てやすくなるんだ。
入社時に「就業規則」か「退職金規程」を確認しよう。制度の有無と計算方法が書いてあるよ!
⚠️ よくある勘違い
→ 退職金制度は法律で義務づけられていないため、制度がない会社では一切もらえない。厚生労働省の調査では退職金制度のない会社も約2〜3割存在する。
→ 入社前・入社後に就業規則や退職金規程を確認して、自分の会社に制度があるかどうかをしっかり把握しておくことが大切。
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退職金ってそもそも何?基本のしくみを理解しよう
退職金の定義と目的
退職金とは、会社を退職するときに雇用主(会社)から支払われるまとまったお金のことだよ。「退職手当」「退職慰労金」とも呼ばれることがある。給料が「毎月の労働の対価」だとしたら、退職金は「長年にわたって会社に貢献してくれたことへのご褒美+老後の生活を支えるための資金」という2つの意味を持っているんだ。
身近な例で言うと、スポーツ選手がチームを引退するときに「引退慰労金」をもらうのと少し似てる。長年チームのために頑張ってくれたことへの感謝と、引退後の生活への支援、両方の意味があるよね。
退職金制度は義務じゃない
ここが多くの人が誤解しているポイントなんだけど、退職金は法律で「絶対に払わなければならない」とは決まっていないんだ。つまり「退職金制度がある会社」と「ない会社」が存在する。厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、退職金制度がある会社の割合は約7〜8割。残りの2〜3割の会社には制度がないということになる。
ただし、会社が「退職金規程」や「就業規則」に退職金の支払いを明記している場合は、それが労働契約の一部になるため、会社は必ず払わないといけない。だから「書いてあるかどうか」が大事なポイントになるんだ。
もらえないケースもある
制度がある会社でも、もらえないケースがあるよ。代表的なのが「自己都合退職」の場合。つまり自分から辞める場合は、会社都合(リストラなど)と比べて支給額が減額されることが多い。また、懲戒解雇(重大なルール違反で首になること)の場合は、退職金がゼロになることも珍しくない。「支給率」という数字が会社ごとに設定されていて、退職理由によって係数が変わる仕組みになっているんだ。
退職金の金額はどうやって決まるの?計算のしくみ
よくある計算方法①:基本給連動型
日本の会社でもっとも多い計算方法が「基本給連動型」だ。式はこう。
退職金 = 基本給 × 勤続年数に応じた支給月数 × 退職事由係数
たとえば、退職時の基本給が35万円で、勤続30年の自己都合退職(係数0.9)とすると…35万円×40ヶ月×0.9=1260万円になる。この「支給月数」や「係数」は会社ごとに設定されていて、就業規則や退職金規程に書いてあるよ。
よくある計算方法②:ポイント制
最近増えているのが「ポイント制」。毎年「勤続1年につき10ポイント」「昇進すると加算」みたいに貯まっていくシステムで、退職時のポイント合計×単価で金額が決まる。ゲームのスコアみたいなイメージだね。成果や役職が評価に反映されやすいのが特徴で、「長く働いただけでなく、活躍した人が多くもらえる」しくみにしている会社が多い。
勤続年数が短いと激減する「初期の壁」
退職金には「最低勤続年数」が設定されていることが多い。3年未満だと支給なし、5年未満は大幅減額、みたいなルールが一般的。たとえば勤続3年と20年では、もらえる金額が10倍以上違うことも普通にある。転職を繰り返すとその都度リセットされるため、退職金という観点では「長く勤める」ことが有利なのは間違いないんだ。
退職金にかかる税金の話——実はかなり優遇されてるって知ってた?
「退職所得」として特別扱いされる
退職金は税金の計算上「退職所得」という特別なカテゴリに分類される。つまり「普通の給料(給与所得)」とは別の計算ルールが適用されるんだ。そして退職所得には「退職所得控除」という大きな特典がついている。控除とは「この金額までは税金をかけません」という仕組みのことで、退職金にはとても大きな控除が認められているんだよ。
退職所得控除の計算式
控除額の計算はこうなっている。
- 勤続年数が20年以下の場合:40万円×勤続年数(最低80万円)
- 勤続年数が20年超の場合:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
たとえば30年勤めた場合、800万円+70万円×10年=1500万円が控除される。退職金が1500万円以内ならば、所得税も住民税もゼロということになるんだ。これは普通の給料と比べると破格の優遇だよ。なぜこんなに優遇されているかというと「長年の勤労に対する報酬」かつ「老後の生活資金」という性格があるから、国が政策的に守っているんだ。
2分の1課税というさらなる優遇
控除を引いた後もさらに優遇がある。退職所得の課税対象額は「(退職金-退職所得控除)÷2」で計算される。つまり、控除後に残った金額をさらに半分にしてから税率をかけるんだ。これを「2分の1課税」という。たとえば退職金2000万円で控除が1500万円なら、(2000万-1500万)÷2=250万円にだけ税率をかけることになる。かなりお得でしょ?
退職金を受け取るときの手続きと注意点
受け取り方は「一時金」か「年金」かを選べることも
退職金の受け取り方には主に2種類ある。①退職時に全額まとめて受け取る「一時金(退職一時金)」と、②毎月少しずつ年金のように受け取る「分割払い(企業年金)」だ。一時金の場合は退職所得控除が使えて税的に有利。分割払いの場合は「雑所得」として毎年課税される。どちらが有利かは金額や個人の状況によるから、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのがベストだよ。
「退職所得の受給に関する申告書」を忘れずに
退職金をもらうときに会社に提出する書類として「退職所得の受給に関する申告書」というものがある。これを出さないと退職所得控除が適用されず、源泉徴収で余計に税金を取られてしまうんだ。あとから確定申告で取り戻せる場合もあるけど、手間がかかる。会社から渡されたら必ず記入して提出しよう。
転職・退職のタイミングと退職金の関係
退職金に勤続年数が大きく影響することはさっき説明したよね。だから「今辞めたらいくらになるか」を事前に確認してから転職を検討するのが賢い。また、会社が「選択制退職金制度」を導入している場合、退職金を前払いで毎月の給与に上乗せして受け取るか、将来まとめて受け取るかを選べることもある。前払いを選ぶと退職時にはもらえない代わりに、毎月の手取りが増えるよ。ただし税制上の優遇が受けられなくなるため、長い目で見ると損になるケースが多いから注意が必要だ。
iDeCoや企業年金との関係——老後資金を賢く組み合わせよう
退職金制度の3階建て構造
日本の老後資金は「3階建て」と言われている。1階が「公的年金(国民年金・厚生年金)」、2階が「企業年金・退職金」、3階が「iDeCo・NISA などの個人の資産形成」だ。退職金はこの2階部分に当たる。1階だけだと老後の生活費が足りないから、2階・3階をどう積み上げるかが老後の豊かさを左右するんだよ。
iDeCoと退職金の「控除枠の取り合い」に注意
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分で毎月お金を積み立てて運用し、60歳以降に受け取れる年金制度のことだよ。受け取るときも退職所得控除が使えるんだけど、会社の退職金と同じ年に受け取ると、控除枠を2つが取り合うことになってしまう。
具体的には、同じ年(同じ19年以内)に会社の退職金とiDeCoを受け取ると、退職所得控除の計算で勤続年数が重複する期間は控除額が増えないルールがある。これを知らずに受け取ってしまうと、予想より多く税金がかかるケースがあるんだ。
解決策は「ずらして受け取ること」。iDeCoは会社退職から5年(2022年以降は10年)後に受け取るか、または先に受け取ってから5年後に会社退職金を受け取ると、それぞれ別の控除枠が使えるよ。退職が近づいてきたら早めにシミュレーションしておこう。
NISAとの違い・使い分け
NISAは「投資の利益に税金がかからない」制度で、いつでも引き出せる自由度の高い資産形成ツール。iDeCoは「掛金が所得控除になる」代わりに60歳まで引き出せない老後専用の積み立てだ。退職金がしっかりある人はNISAで柔軟に、退職金が少なめの会社の人はiDeCoで節税しながら老後資金を積み立てる、という使い分けが一般的だよ。自分の会社の退職金制度を把握したうえで、不足分をiDeCoやNISAで補う、という考え方が基本になる。
