スリッページって何?わかりやすく解説

株を買おうと思って注文を出したのに、想定していた価格と違う値段で買わされてた…なんてことありませんか?それは「スリッページ」という現象が起きているんです。投資をしているなら必ず知っておくべき、お金が減る理由がこの記事を読めばわかりますよ。

先生、さっき株を注文したときに100円で買えるはずだったのに、実際には100.5円で約定しちゃったんです。何か間違えました?

いい質問だね。それは間違いじゃなくてスリッページという現象が起きたんだよ。つまり、注文を出した時点での価格と、実際に売買が成立した価格にズレが生じるってことなんです。
え、なんでそんなことが起きるんですか?100円で注文したら100円で買えるはずじゃないですか?

そこなんです。あなたが注文を出してから、実際にその注文が約定する(つまり売買が成立する)までの間に、市場の値段がどんどん変わってるんです。特に人気の株だと、次々と新しい取引が入ってくるから、ほんの一瞬で価格が動いちゃうんだよ。
そっか、その間に値段が上がっちゃったってことなんですね。じゃあ、それって防ぐことはできないんですか?

完全には防げませんが、減らすことはできますよ。例えば、「成行注文」という急いで売買する方法じゃなくて「指値注文」という「この値段以上では買わない」と決める方法もある。それにスリッページが小さい時間帯を選ぶとか、流動性の高い有名な株を選ぶとか、工夫できることがいくつかあります。
📝 3行でまとめると
  1. スリッページとは、注文時の値段と実際の約定値段の ズレのこと。市場の値動きが原因で誰にでも起こります。
  2. 早い取引、人気のない株、値動きが激しい時間帯ほど スリッページが大きく なりやすい傾向があります。
  3. 指値注文の使用や流動性の高い銘柄選択で、 スリッページを減らす ことは可能です。
目次

もうちょっと詳しく

スリッページは、投資の世界では避けられない現象です。あなたが注文を出して「よし、送信!」と思った瞬間から、その注文がサーバーに届いて、マッチング処理が行われるまで、実は数ミリ秒という単位の時間が経過しています。その間に市場の値段はどんどん動きます。テンバガー(10倍になった株)みたいに注目を集めている銘柄なら、その短い時間の中でも複数の取引が入ってくるんです。だから、あなたが「この値段で買いたい」と思った瞬間には、もう値段が変わっちゃってるってわけですね。

💡 ポイント
スリッページは「悪い現象」じゃなくて、市場が生きているという証拠。むしろスリッページがない市場の方が怖いんです。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「スリッページは証券会社が意図的にやってるんじゃないか」
→ 違います。スリッページは市場全体の値動きから自動的に発生するもので、証券会社は仲介しているだけ。むしろ証券会社だって余計なスリッページは避けたいんです。
⭕ 「スリッページは市場の値動きから自然に発生する現象」
→ 正解。だからどんなに優秀なトレーダーでも、どんなに良い証券会社を選んでも、完全には防ぐことはできません。重要なのは、なるべく小さく抑える工夫をすることなんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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スリッページって何?基本から理解しよう

スリッページという言葉を初めて聞く人は、「え、何それ?」と思うかもしれません。簡単に説明すると、スリッページとは「注文時の価格」と「実際に売買が成立した時の価格」のズレのことです。もう少し詳しく説明しますね。

例えば、あなたが好きなゲームの最新作を予約しようとしているとします。朝、ゲーム屋さんに「新作を5000円で予約したい」と言ったとします。でも、午後にそのゲーム屋さんに確認したら「それは朝の価格で、今はキャンペーンで4800円になってる」と言われた…という感じ。株取引の世界では、この「時間経過による価格変動」が秒単位、いや、ミリ秒単位で起こるんです。

株を買う注文を出すとき、あなたの脳内では「この値段で絶対に買えるんだ」と思ってますよね。でも実際には、注文が証券会社のサーバーに到着して、そのサーバーが取引所のシステムにつながって、マッチング処理が行われるまでの間、市場の値段はどんどん変わってるんです。その結果、「あ、あなたが注文した時点では100円だったけど、実際に買えたのは100.5円でした」ということが起こるわけです。これがスリッページなんですよ。

ここで大事なポイントは、スリッページは「悪いこと」ではなく「自然に起こる現象」ということです。むしろ、スリッページがまったくない市場というのは、誰も取引してない死んだ市場という意味です。市場に人がいっぱいいて、どんどん取引が入ってくるから、値段がどんどん動いて、だからスリッページが生じるんです。言ってみれば、スリッページは「市場が活発に動いている」という証拠みたいなものなんですね。

スリッページには大きく分けて2つのタイプがあります。1つは「買う時に想定より高く買わされる」というパターン。もう1つは「売る時に想定より安く売らされる」というパターンです。どちらも投資家にとっては損になるので、できるだけ避けたい現象なんです。ただし、「避ける」と「完全に防ぐ」は違います。完全に防ぐのは不可能ですが、なるべく小さく抑える方法はいくつか存在するんですよ。

なぜスリッページという名前なの?

「スリッページ」という名前は英語の「slippage」から来ています。「slip」というのは「滑る」という意味です。つまり、「目指してた値段から滑り落ちちゃう」ということを表現した言葉なんですね。日本語でも「すべり」と訳されることがあります。この「滑る」というイメージが、まさにスリッページの正体をよく表してますよ。

どうしてスリッページが起きるの?3つの理由

スリッページが起きる理由を理解することは、スリッページを減らす工夫につながります。根本的には「時間がかかるから」なんですが、もう少し詳しく説明しましょう。

まず、大事な事実として「コンピュータの処理でも、完全にゼロ時間では処理できない」ということを知ってください。あなたが注文ボタンをクリックしてから、その注文が実際に約定するまでには、以下のステップが必要です。

ステップ1として、あなたのスマートフォンやパソコンが「注文を出してくれ」というシグナルを証券会社のサーバーに送ります。ステップ2として、証券会社のサーバーがその注文を受け取ります。ステップ3として、証券会社が取引所のシステムにその注文を送ります。ステップ4として、取引所が「この値段なら売ってくれる人がいるか」を探します。ステップ5として、売ってくれる人が見つかったら、マッチングが成立して売買が完了します。

このステップのどれ一つ取ってみても、かかる時間は「ミリ秒」という単位です。でも、市場というのは本当に活発に動いているので、その数ミリ秒の間に何十件、何百件の他の取引が成立していきます。つまり、あなたが「100円で買いたい」と思った時点では確かに100円かもしれませんが、その注文が実際に処理される時点では、すでに他の買い注文がいっぱい入ってきていて、値段が100.5円に上がってるかもしれないんです。

理由1:注文から約定までの時間ラグ

これが最大の理由です。例えば、100人の人が同時に「この株、100円で買いたい」と思ったとします。でも、100人の注文が完全に同時に約定することはできません。誰かの注文が先に処理されて、その人の注文で100株売られたら、残りは99人です。そしたら、次の人の注文を処理する時点では、すでに100株は売り切れてるかもしれません。そしたら、次の値段帯で約定することになります。これが時間ラグから生じるスリッページなんですね。

理由2:市場の参加者が多いほどスリッページが大きくなる

流動性という言葉があります。つまり「株がどのくらい売買されやすいか」という意味です。有名な大企業の株なら、毎日ものすごい数の取引が行われます。だから「100円で100株、101円で150株、102円で200株…」みたいに、いろんな値段で売り物がいっぱい用意されてるんです。でも、小さい会社の株だと「101円でしか売り物がない」みたいなことがあります。そういう時に「100円で買いたい」と言っても、買えるのは101円の売り物だけなので、スリッページが大きくなっちゃうんです。

理由3:相場が急速に変動してるときはスリッページが激しくなる

平和な相場の時は、値段がゆっくり変わります。でも、相場が急変してるときは、1秒の間に何円も値段が動くことがあります。そういう時は、スリッページも大きくなる傾向があります。だって、あなたの注文が処理される間に、値段がガーッと変わっちゃうからですね。

スリッページが大きくなるのはどんな時?

スリッページは避けられない現象ですが、スリッページが小さい時もあれば、大きい時もあります。どんな時に大きくなるのかを知ることで、スリッページを減らす戦略が立てられます。

まず、最も重要な要素は「銘柄の流動性」です。流動性というのは、簡単に言えば「売買がどのくらい活発か」という意味です。つまり「その株を欲しい人がいっぱいいるか、要らない人がいっぱいいるか」ということですね。

日本銀行とか、トヨタとか、ソニーとか、そういう有名な大企業の株は、毎日何百万株という取引があります。だから、「この値段で100株欲しい」と言っても、その値段で100株を売ってくれる人がいっぱいいるわけです。結果として、スリッページは小さいんです。1円とか数銭ぐらいの違いに収まることがほとんどです。

でも、聞いたことがない中小企業の株なら、1日の取引量が数千株ぐらいしかないこともあります。そういう株で「この値段で500株買いたい」と言ったら、その値段で売ってくれる人がいないかもしれません。そしたら、次の値段帯、その次の値段帯…という感じで、どんどん高い値段で約定していくので、スリッページが大きくなっちゃうんです。

スリッページが大きくなる条件1:マイナーな銘柄

聞いたことがない会社、テレビのニュースに出てこない会社、SNSで話題になってない会社…そういう株はスリッページが大きくなりやすいです。なぜなら、売買する人が少ないから、売り物と買い物がマッチしにくいからです。

スリッページが大きくなる条件2:相場が急変してる時間帯

例えば、アメリカの経済指標が発表されたとか、有名企業の決算が予想外だったとか、そういう大きなニュースが出ると、相場がガーッと変わります。そういう時間帯は、スリッページが大きくなる傾向があります。なぜなら、値段がどんどん動いていくから、あなたの注文が処理される時点では、もう状況が変わってるからです。

スリッページが大きくなる条件3:市場が開く直後や閉まる直前

朝の9時に株式市場が開くと、その直後は値段がバタバタと動きます。なぜなら、一晩待ってた投資家がいっぱい注文を出すからです。それに、海外の株価が変わってたら、それを反映させるために値段が動きます。だから、朝の最初の30分ぐらいはスリッページが大きくなりやすいんです。同じように、市場が閉まる直前も、「今日の終値をこの値段にしたい」という注文が殺到するので、スリッページが大きくなります。

スリッページを減らすにはどうしたらいい?

スリッページは避けられませんが、減らすことはできます。ここからは、実際にスリッページを小さくするための工夫を説明していきます。

まず、覚えておいてください。スリッページを減らすということは、ちょっと手間が増えたり、融通性が減ったりすることがあるということです。完全にスリッページゼロにはできませんが、その代わり、スリッページを最小限に抑えることはできるんですよ。

方法1:「指値注文」を使う

株を買う方法には2つあります。1つは「成行注文」といって、「今この瞬間の値段で何が何でも買ってくれ」という注文です。もう1つは「指値注文」といって、「100円以下でしか買わない」と値段を指定する注文です。

成行注文は「必ず買える」というメリットがありますが、スリッページが大きくなる可能性があります。一方、指値注文は「指定した値段以上の価格では買わない」と決まるので、スリッページを限定できます。ただし、デメリットとして「指定した値段で売ってくれる人がいなかったら、買えない」ということがあります。

スリッページを気にするなら、時間に余裕がある時は指値注文がおすすめです。「この株は100円くらいだと思うから、99.5円で買いたい」という感じで、ちょっと下めの値段で注文を出しておくと、スリッページの心配がないんです。

方法2:流動性の高い銘柄を選ぶ

スリッページは流動性が高い銘柄ほど小さくなります。だから、投資するなら「できるだけ有名で、毎日いっぱい売買されてる株」を選ぶべきなんです。

日本の株式市場なら、TOPIX100に入ってるような大企業の株は、毎日ものすごい取引があります。そういう株を買うなら、スリッページはほぼ気にしなくていいレベルです。でも、新興企業の株とか、IPOしたばっかりの株とか、そういうマイナー銘柄はスリッページが大きくなりやすいので注意が必要ですね。

方法3:相場が落ち着いてる時間帯に取引する

市場が開く直後は値段が動きまくってますし、相場が急変してる時間帯はスリッページが大きくなります。だから「相場が落ち着いてる時間帯に取引する」というのも、スリッページを減らす工夫なんです。

具体的には、朝の9時半から11時半ぐらい(市場開場後1時間以降、昼休みに入るまで)、それから午後1時から3時ぐらい(昼休み後から市場が閉まるまで)、そういう時間帯は比較的相場が落ち着いてることが多いです。逆に朝の9時から9時半、そして午後3時、そういう時間帯は値段が動きやすいので避けた方がいいですね。

方法4:大きな金額は分割して取引する

これは「築地市場に行って、マグロを1匹買う」のと「スーパーに行ってマグロの切り身を1パック買う」くらい違うという感じで理解してください。

例えば、ある株を1000株買いたいとします。でも、その値段で1000株まるごと売ってくれる人がいないかもしれません。そしたら「この値段で500株、次の値段で300株、その次の値段で200株」という感じで、バラバラの値段で約定するので、結果的にスリッページが大きくなるんです。

でも、もし「今日100株、明日100株」という感じで分割して買ったら、1日あたりの取引量が小さいので、その値段に買い物が用意されてる可能性が高くなります。結果として、平均的なスリッページが小さくなる傾向があります。

スリッページと手数料の関係

投資に関する費用というと「手数料」ばかり目がいきますが、実はスリッページも同じくらい重要な費用なんです。というのも、手数料より大きい損失が生じることだってあるからです。

例えば、あなたが株を1000円で売ろうと思ったとします。手数料が100円だとしたら「1000円 – 100円 = 900円の受け取り」ですね。でも、実際に売ったら990円で約定してしまい、さらに手数料が100円ひかれたら「990円 – 100円 = 890円の受け取り」になります。手数料だけなら100円の損失ですが、スリッページが入ると10円の追加損失が生じるわけです。

このように、手数料とスリッページは別物ですが、どちらも投資家の利益を減らす要因です。だから「手数料が安い証券会社を選ぶ」というのも大事ですが、「スリッページを減らす工夫をする」というのも同じくらい大事なんですよ。

実は、証券会社の中には「手数料が安い代わりに、スリッページが大きくなるようなシステム設計になってる」なんてこともあります。だから「手数料の安さだけで証券会社を選ぶ」というのは危険なんです。手数料とスリッページを合計した「実質的なコスト」で判断することが大事ですね。

また、株初心者がよくやる間違いが「成行注文で買ってから、ちょっと上がったら売却する」という戦略です。この場合、「買う時のスリッページ + 売る時のスリッページ」という二重のスリッページが発生します。買う時に想定より0.5円高く買って、売る時に想定より0.5円安く売ったら、1円の損失ですね。でも、株の値動きが期待より小さかったら、スリッページだけで利益が消えちゃうんです。だから「小さな値動きで売買を繰り返す」という戦略は、実はスリッページの影響をもろに受けやすい戦略なんですよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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