「マトリックス」って言葉、聞いたことあるけどよくわからないんだよね。映画のタイトルでもあるし、ビジネスの話でも出てくるし。そもそも何?と思っているあなた、安心してください。この記事を読めば、マトリックスがどんなものか、どう使うのか、すべてがわかるようになるよ。
- マトリックスとは 複数の軸を組み合わせて情報を整理する 分析手法のこと
- 最も有名な 2×2マトリックス は、2つの軸で4つのマスを作って分類する
- ビジネスの世界では 意思決定を速く・正確に するために広く活用されている
もうちょっと詳しく
マトリックスは、英語では「matrix」と書きます。もともとは数学の「行列」という意味ですが、ビジネスの世界では「基盤」「枠組み」という意味で使われることが多いです。つまり、複雑な情報や判断基準を整理するための基盤となる、という感じですね。ビジネスパーソンたちは毎日のように、このマトリックスという考え方を使って、商品の見直しをしたり、チームメンバーを配置したり、戦略を立てたりしているんです。
マトリックスは「枠組み」。2つ、3つ、4つと軸を増やすこともできるけど、増やしすぎるとかえってわかりにくくなっちゃう。
⚠️ よくある勘違い
→ 実は、軸は何個でもOK。2×3マトリックス(6マス)とか、3×3マトリックス(9マス)とか、必要に応じて作られる。ただし軸が増えると複雑になるから、実務ではシンプルな2×2をよく使う。
→ 2つの軸なら4マス、3つの軸なら8マス…という感じ。分析する内容に合わせて、必要な軸を選ぶことが大切。
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マトリックスって何?基本を知ろう
マトリックスの基本形
マトリックスの基本を説明するには、まず「枠組み」という概念を理解することが大事です。私たちは毎日、いろんな選択肢に直面していますよね。放課後、友達と遊ぶか、家で勉強するか。買い物に行く時、欲しいものを買うか、必要なものを買うか。こういう時、私たちは無意識に「軸」を使って判断しているんです。
マトリックスというのは、この「軸」を意識的に設定して、物事を整理・分析する方法です。例えば、ゲームを選ぶ時に、「楽しさ」と「難易度」という2つの軸を考えてみましょう。すると4つのグループができます。楽しくて簡単なゲーム、楽しくて難しいゲーム、つまらなくて簡単なゲーム、つまらなくて難しいゲーム。この4つです。こうして整理すると、自分がどのゲームをやりたいのか、どのゲームは避けたいのか、一目瞭然になってしまいます。これが2×2マトリックスの力なんです。
ビジネスの世界では、このマトリックスという考え方がめちゃくちゃ大事です。なぜなら、ビジネスの意思決定では、ものすごく短い時間で、複雑な情報をまとめて判断しないといけないから。マトリックスを使えば、ごちゃごちゃした情報をスッキリと整理できて、判断が速くなるんですよ。だから大企業でもスタートアップでも、どこでもマトリックスが使われているわけですね。
ビジネスの世界でよく使われている
マトリックスがビジネスで活躍する理由は、シンプルさと効果の高さにあります。例えば、商品企画の場面を想像してみてください。ある会社が新しいスマートフォンを開発しようと思ったとします。その時、「価格」と「機能」という2つの軸でマトリックスを作ったら、4つのパターンが出てきます。高価格で高機能、高価格で低機能、低価格で高機能、低価格で低機能。それぞれのパターンに対して、どの市場を狙うのか、どんなお客さんが欲しいのか、営業戦略はどうするのか…そういったことが考えやすくなるんです。
また、人事評価の場面でも使われます。例えば、「パフォーマンス」と「チームへの貢献度」という2つの軸で評価マトリックスを作ると、4つのタイプの社員が見えてきます。高パフォーマンス・高貢献度、高パフォーマンス・低貢献度、低パフォーマンス・高貢献度、低パフォーマンス・低貢献度。それぞれのタイプに対して、育成方法や配置を変えることができるんですね。
つまり、マトリックスは「判断の軸を明確にする」ことで、曖昧な判断を「構造化された判断」に変える魔法の道具なんです。だから、ビジネスの世界で重宝されているんですよ。
2×2マトリックスで物事を整理する
最も有名な分析手法
ビジネスの世界で最も有名なマトリックスは、間違いなく「2×2マトリックス」です。軸が2つだから、4つのマスができるというわけですね。シンプルなのに、すごく便利。この2×2マトリックスにはいくつかの有名な種類があります。
最も有名なのが「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」です。これは、ある会社の商品ラインアップを分析する方法なんですが、「市場の成長率」と「相対的なシェア」という2つの軸を使って、4つのパターンに分けます。成長率が高くシェアも高い商品を「スター」、成長率は低いけどシェアが高い商品を「金のなる木」、成長率は高いけどシェアが低い商品を「問題児」、成長率も低くシェアも低い商品を「負け犬」と呼びます。ちょっと言い方が厳しいですが、経営の判断に役立つんです。
もう一つ有名なのが「SWOT分析」です。これは「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」という4つの視点から戦略を考えるマトリックスです。つまり、自分たちの強みと弱みを認識した上で、外部の機会と脅威に対してどう対応するか、という戦略立案に使われるんですね。
他にも「アンゾフマトリックス」という、「既存市場・新規市場」と「既存商品・新規商品」という2つの軸で、4つの成長戦略(市場浸透、市場開拓、商品開発、多角化)を分類する方法もあります。こうした有名なマトリックスたちは、すべて2×2という基本形から生まれているんです。
実際の使い方
2×2マトリックスを実際に使ってみるとしたら、どんな流れになるでしょうか。例を挙げながら説明しますね。
まず、あなたが高校の学園祭実行委員だとしましょう。学園祭で、いろんな企画をやりたい。でも、時間も予算も限られているから、どれを優先するか決めないといけない。そこでマトリックスの出番です。軸を「実現難易度」と「楽しさ」に設定します。横軸は「難易度:簡単から難しい」、縦軸は「楽しさ:つまらないから楽しい」。
次に、各企画をこのマトリックスに当てはめていきます。「ビンゴ大会」は楽しくて簡単だから右上。「バンド演奏」は楽しいけど難しいから左上。「教室の飾りつけ」は楽しくなくて簡単だから右下。「3Dプロジェクションマッピング」は楽しいけどすごく難しいから左上の上端。こうして整理すると、「優先順位は、右上(楽しくて簡単)から始めて、左上(楽しくて難しい)を頑張って実現して、右下(つまらなくて簡単)はできれば避ける」という戦略が見えてきます。
このように、マトリックスを使うと、バラバラだった情報が一つの視点でまとまって、判断がしやすくなるんです。会議の時間も短くなるし、皆んなが同じイメージで議論できるから、意思決定が速くなるんですよ。
マトリックス組織って聞いたことある?
複数の上司を持つ組織
ところで、「マトリックス組織」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。これも「マトリックス」という言葉を使っていますが、さっきまでの分析手法としてのマトリックスとは、ちょっと意味が違います。つまり、組織の構造のことを指してるんです。
通常の会社組織は、「機能別組織」と呼ばれるピラミッド形です。営業部がいて、企画部がいて、技術部がいて、それぞれの部長がいる。というように、単純な上下関係で整理されているんですね。でも、マトリックス組織は違うんです。
マトリックス組織では、社員が複数の上司を持つんです。例えば、ある商品開発プロジェクトの場合。あるエンジニアは、技術部の部長の部下でもあり、同時にプロジェクトマネージャーの部下でもあったりするわけです。つまり、「職能(技術部)」と「プロジェクト」という2つの軸の交わるところで働いているから「マトリックス」組織と呼ばれるんですね。
これは大きな企業、特に複数のプロジェクトを同時に進めている企業で採用されることが多いです。なぜなら、高度な専門知識を持ったエンジニアを効率よく配置できるから。さらに、プロジェクトごとに異なるスキルセットが必要な場合も、柔軟に対応できるんです。
メリットとデメリット
マトリックス組織にはメリットとデメリットがあります。メリットは、まず「柔軟性」。複数のプロジェクトに人材を配置できるから、経営が変わった時の対応が速いんです。次に「専門知識の活用」。各部門のプロ集団を、必要な場所に配置できるから、より高度な仕事ができるんですね。そして「コミュニケーション」。異なる視点を持つ人たちが一つのプロジェクトで働くから、イノベーションが生まれやすいんです。
一方、デメリットもあります。まず「複雑さ」。複数の上司がいるから、指示が矛盾することもあるし、責任の所在がはっきりしないこともあります。次に「ストレス」。どちらの上司を優先するか、という判断に悩むこともあるんですね。そして「意思決定の遅さ」。複数の視点を考慮しないといけないから、判断に時間がかかることもあります。
だから、マトリックス組織は万能ではなくて、会社の状況や業種によって合う、合わないがあるんです。変化の多い業界には向いているけど、シンプルな事業には不向きかもしれません。
なぜマトリックスが便利なのか
複雑な情報をシンプルに
マトリックスが便利な理由の一つは、「複雑な情報をシンプルに整理できる」ということです。現在、私たちの周りには、ものすごい量の情報があふれています。ビジネスの世界も然り。商品の情報、市場の情報、競争相手の情報、顧客の情報…。こうした情報をすべて考慮して判断しないといけないなんて、普通は不可能ですよね。
でも、マトリックスを使えば、重要な軸を2つか3つに絞って、情報を整理できるんです。例えば、ある映画館の経営者が、観客を分析したいとしましょう。観客は、世の中にいっぱいいます。でも、「年代」と「好きなジャンル」という2つの軸を使えば、「若い人が好きなアクション映画」「中年の人が好きなラブストーリー」「高齢者が好きなドラマ」といった感じで、グループ分けできるんです。
すると、それぞれのグループに対して、何を観せればいいのか、どういう宣伝をすればいいのか、どの時間帯に上映すればいいのか、といった経営判断がしやすくなるんですね。複雑な情報が、シンプルな4つか9つのグループに縮約されちゃうからです。
このシンプル化の力が、ビジネスの現場では本当に重宝されているんです。なぜなら、経営判断は「情報」ではなく「直感と分析」のバランスが大事だから。マトリックスは、その「分析」部分を、誰でも理解できるような形にしてくれるんですよ。
意思決定が速くなる
マトリックスが便利な理由の二つ目は、「意思決定が速くなる」ということです。これは、ビジネスの世界では本当に重要なメリットなんです。
会議で、意見がバラバラになることって、よくありますよね。「この商品、良いと思うよ」「いや、でも売れるのかな」「でも、お客さんのニーズはあると思う」「でも、競争相手はもっと安いし」…という感じで、いろいろな視点から意見が出ます。こういう時、マトリックスがあると、話がまとまりやすくなるんです。
例えば、「価格」と「品質」という2つの軸で商品を分類するマトリックスを作ったとします。すると、「高価格・高品質」の商品を目指すのか、「低価格・高品質」の商品を目指すのか、という選択肢が明確になります。一度、このマトリックスの中で自分たちの位置を決めちゃえば、その後の判断は速くなるんですよ。
なぜなら、「それって、うちの戦略に合ってる?」という一つの基準で、すべての判断ができるからです。通常の意思決定では、毎回、色々な視点を一から考え直さないといけません。でも、マトリックスがあれば、判断基準が明確だから、会議の時間も短くなるし、実行に移すのも速くなるんです。
実は、これが企業間の競争で、大きな差になったりするんです。同じくらい優秀な経営陣が、同じくらい優秀なチームを持っていても、意思決定の速さが違うと、ビジネスの成果が違ってくるんですね。だから、マトリックスを上手に使える企業が、市場で勝ち残るんです。
マトリックスを使うときの注意点
すべてが4つに分かれるわけではない
ここまで、マトリックスの便利さについて説明してきました。でも、マトリックスを使う時に、気をつけないといけないことがあります。それは、「すべてが4つに分かれるわけではない」ということなんです。
例えば、学生たちを「運動神経」と「成績」という2つの軸で分類するマトリックスを作ったとしましょう。理論的には、4つのグループができるはずです。運動神経が良くて成績も良い、運動神経が良くて成績が悪い、運動神経が悪くて成績が良い、運動神経が悪くて成績も悪い。でも、実際には、4つのグループが均等にいるわけではないんです。
むしろ、ほとんどの学生が「運動神経が悪くて成績も悪い」というグループに集中しているかもしれません。あるいは、「運動神経が良くて成績も良い」という学生がほぼゼロかもしれません。こういう時、マトリックスの4つのマスをすべて同じ重要さで扱ってると、実態と合わない判断をしてしまう危険があるんです。
だから、マトリックスを使う時には、「軸の選び方」が本当に大事なんですね。分析の目的によって、軸を変えないといけません。また、軸を選んだ後も、「実際のデータが、本当にこの軸で説明できるのか」ということを、常に確認する必要があるんです。
使いすぎると逆効果
もう一つ、気をつけないといけないことが、「マトリックスを使いすぎると逆効果になる」ということです。
マトリックスは便利だから、つい色々な場面で使いたくなります。商品分析でマトリックス、人事評価でマトリックス、プロジェクト管理でマトリックス…。ついつい、すべての判断をマトリックスで行おうとしちゃう人もいるんです。でも、そうなると、かえって判断が複雑になっちゃう危険があるんですね。
なぜなら、マトリックスが増えれば増えるほど、その中での位置づけが難しくなるから。また、「この人は、Aのマトリックスでは高評価だけど、Bのマトリックスでは低評価」みたいな矛盾が生じることもあります。そうすると、結局、すべてのマトリックスを見直さないといけなくなって、かえって複雑になっちゃうんです。
だから、マトリックスは「判断が必要な重要な場面に、必要なだけ使う」というのが正解なんです。むしろ、「できるだけシンプルに」というのが、マトリックスの本来の目的なんですね。マトリックスを使う時には、「本当にこれが必要なのか」「これで判断がシンプルになるのか」ということを、常に問い直す必要があるんです。
ビジネスの世界でも、「マトリックス疲れ」という言葉があるくらい、使いすぎは問題なんです。判断が複雑になって、かえって時間がかかるようになることもあります。だから、マトリックスは「効果的に使う」ことが大事。つまり、「シンプルに、必要な時だけ」というのが、プロのマトリックスの使い方なんですよ。
