「毎月口座から引き落とされる保険料、なんでこの金額なんだろう?」って疑問に思ったことない?しかも、お父さんとお母さんで金額が違ったり、同じ保険でも友だちの家と全然違ったりすることがあるよね。あれって適当に決めてるわけじゃなくて、ちゃんとした数式で計算されてるんだ。その数式のことを「保険関数」と呼ぶんだけど、この記事を読めば保険のしくみを支える数学のひみつが全部わかるよ。
- 保険関数とは、保険会社が 保険料や将来の支払い額を計算する ために使う数式のまとまりのこと
- 年齢・性別・健康状態のデータをもとに 「もしもが起きる確率」 を計算して、公平な保険料を算出している
- 保険関数の背景には 生命表(せいめいひょう) という国の統計データがあり、科学的な確率論に基づいている
もうちょっと詳しく
保険関数は、数学の世界では「アクチュアリー数学」とも呼ばれる分野に属していて、つまり保険や年金のリスクを数値化する学問のことだよ。保険関数の中でよく出てくるのが「生存率」と「死亡率」という2つの数値。生存率とは、ある年齢の人があと何年生きられるかを確率で表したもの。死亡率は逆に、ある期間内に亡くなる確率のことだよ。たとえば「40歳男性が1年以内に亡くなる確率は0.1%」という感じで数値化されていて、これを保険関数に代入することで保険料が計算される。このデータのもとになるのが「生命表(せいめいひょう)」という国が作っている統計表で、日本中の何百万人ものデータから作られているんだ。保険関数はその生命表のデータを使って、何十年先までの収支を計算する、まさに「未来を数字で考える道具」なんだよ。
保険関数の計算をする専門家を「アクチュアリー」と呼ぶよ。日本でも難関資格のひとつ!
⚠️ よくある勘違い
→ 保険会社が自由に金額を決めているように思われがちだけど、実際には法律で「保険関数に基づいた計算」が義務付けられていて、金融庁の監督下に置かれているんだ。
→ 国の統計データをもとにした確率論と数学的な計算式を使って、保険会社が損もせず、お客さんも損しないように公正に計算されているんだよ。
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保険関数ってそもそも何?まず基本から理解しよう
「関数」ってどういう意味?
「関数」という言葉、数学の授業で聞いたことあるよね。y=2xみたいなやつ。関数とは、つまり「ある数を入れたら決まった数が出てくる計算の仕組み」のことだよ。自動販売機みたいなイメージで、お金(入力)を入れたら飲み物(出力)が出てくるように、決まったルールで変換してくれる装置が関数なんだ。
保険関数は「リスクを数値化する関数」
保険関数は、この関数の考え方を保険に応用したもので、「年齢・性別・期間」などの情報(入力)を入れると「保険料・積立金・リスクの大きさ」(出力)が出てくる計算式のことだよ。たとえば「25歳・女性・30年間の死亡保険」という情報を入力すると、「毎月の保険料は○円」という答えが出てくるイメージだね。
保険会社にとってなぜ重要なの?
保険会社は、お客さんから毎月保険料を集めて、もしもの時に大きな保険金を払う仕事をしてるよね。これって、集めるお金と払うお金をちゃんとバランスさせないと、保険会社が倒産してしまうんだ。保険関数があることで「今から30年後にいくら払うことになるか」を事前に計算できて、今いくら準備しておけばいいかがわかるんだよ。家計に例えると、「来月の電気代・食費・家賃がいくらかかるか計算して、今月いくら貯金しておくか決める」のと同じ考え方だよ。
保険関数の主役たち:死亡率と生存率
死亡率(しぼうりつ)って何?
保険関数の中で一番よく使われるのが「死亡率」という数値だよ。死亡率とは、つまり「ある年齢の人が、ある期間内に亡くなる確率」のこと。たとえば「40歳男性の1年以内の死亡率=0.09%」という感じで、パーセントで表されるんだ。0.09%っていうと100人に0.09人、つまり1000人に1人くらいの確率だね。これくらい低い確率でも、保険会社は何十万人というお客さんを持ってるから、「1000人に1人が亡くなる」と計算して保険料を設定できるんだよ。
生存率(せいぞんりつ)と生存関数
死亡率の逆が「生存率」で、つまり「ある年齢の人があと何年生きる確率か」を表した数値のことだよ。保険数学では生存率を使った「生存関数」という関数が特に重要で、S(x)という記号で表されることが多い。これは「x歳まで生きている確率」を示していて、当然若いほど1(100%)に近くて、年齢が上がるにつれてゼロに近づいていく。この生存関数をグラフにすると右肩下がりの曲線になるんだ。学校で習う一次関数や二次関数とは形が違うけど、「入力→出力」という関数の基本は同じだよ。
死力(しりょく):瞬間ごとの危険度
もう少し難しい話になるけど、保険数学では「死力(μ:ミュー)」という概念も使われるよ。死力とは、つまり「ある瞬間における死亡リスクの強さ」のこと。わかりやすく言うと、車のスピードメーターみたいなものだよ。時速60kmと時速120kmでは危険の度合いが違うよね。それと同じで、20歳のときの死亡リスクと70歳のときの死亡リスクの「強さ」を比較するのが死力なんだ。年齢を重ねるほど死力は大きくなる(リスクが高まる)から、それに応じて保険料も変わってくるというわけ。
保険料はこうやって計算される
「期待値」が保険料計算の基本
保険料計算の根本にある考え方は「期待値」だよ。期待値とは、つまり「確率×金額を全部足し合わせた平均的な結果」のこと。サイコロを例に考えてみよう。1〜6の目が等確率で出るサイコロで、出た目×100円もらえるゲームがある場合、期待値は(1×100+2×100+3×100+4×100+5×100+6×100)÷6=350円になる。つまり「平均してもらえる金額は350円」ということ。保険も同じで、「亡くなった場合の確率×保険金額」を計算することで、保険会社が平均してどのくらい払うことになるかがわかるんだ。
現在価値(げんざいかち)という考え方
でもここで一つ問題がある。保険金を払うのは「今」じゃなくて「将来」だよね。10年後の100万円と今の100万円は、同じ100万円でも「価値」が違うんだ。なぜかというと、今の100万円を銀行に預けたら10年後には利息がついてもっと大きくなるから。このような考え方を「現在価値(げんざいかち)」と呼んで、つまり「将来受け取れるお金を今の価値に換算するといくらか」を計算することだよ。保険関数では、この現在価値の計算も組み込まれていて、将来の保険金支払いを正確に見積もれるようになっているんだ。割引率(わりびきりつ)という数値を使って計算するんだけど、これはざっくり「利息の逆算」だと思えばOKだよ。
純保険料と付加保険料
実際に私たちが払う保険料は2つの部分でできているんだ。ひとつが「純保険料(じゅんほけんりょう)」で、つまり保険金の支払いに充てるための純粋なコスト部分のこと。もうひとつが「付加保険料(ふかほけんりょう)」で、つまり保険会社の人件費・システム費・利益などの経費部分のこと。保険関数が主に計算するのは純保険料の部分で、死亡率や現在価値を使って「純粋にいくら必要か」をはじき出す。そこに経費を上乗せしたものが、私たちが実際に払う保険料になるんだよ。スーパーで言えば、純保険料=商品の仕入れ値、付加保険料=お店の運営コストと利益、という感じだね。
生命表:保険関数のデータの源
生命表(せいめいひょう)って何?
保険関数を計算するためのデータの基盤になっているのが「生命表(せいめいひょう)」だよ。生命表とは、つまり「日本人の年齢ごとの生存率・死亡率を統計的にまとめた表」のこと。厚生労働省が5年ごとに作っていて、「0歳の人が1歳まで生存する確率は99.7%」「40歳の男性が1年以内に亡くなる確率は0.09%」みたいな数値が年齢別に全部載ってるんだ。この表は、日本中の何百万人もの死亡データを集計して作られてるから、統計的にすごく信頼性が高いんだよ。
2種類の生命表:国民生命表と経験生命表
生命表には大きく2種類あるんだ。ひとつは「国民生命表」で、日本全国の人口統計をもとに作ったもの。もうひとつは「経験生命表(けいけんせいめいひょう)」で、保険に加入している人だけのデータをもとに作ったもの。実は、保険に加入している人って、保険会社の審査を通っているから、一般の人より少し健康な傾向があるんだ。だから保険の計算には経験生命表の方がより正確で、保険会社はこちらを使っていることが多いんだよ。データのソースを使い分けることで、より正確な保険料計算ができるというわけ。
生命表は時代によって変わる
当然だけど、昔と今では平均寿命が全然違うよね。昭和の時代に作られた生命表と令和の生命表では、数値がかなり違うんだ。医療の進歩で長生きする人が増えたから、生存率が上がって死亡率が下がっている。これは保険会社にとって大問題で、「予想よりみんなが長生きした」ということは、年金保険では予想より長くお金を払い続けないといけなくなるということ。だから保険関数は定期的にアップデートされて、最新の生命表に合わせた計算に修正されているんだよ。
保険関数が私たちの生活を守るしくみ
責任準備金(せきにんじゅんびきん)の計算
保険関数のもう一つの重要な役割が「責任準備金(せきにんじゅんびきん)」の計算だよ。責任準備金とは、つまり「保険会社が将来の保険金支払いのために今すぐ積み立てておかないといけないお金」のこと。たとえば10年後に保険金1000万円を払う約束をしたとしたら、今日から少しずつ積み立てておかないといけないよね。保険関数を使うことで「今から10年間、毎年いくら積み立てれば1000万円になるか」を正確に計算できるんだ。これが保険会社の「健全な経営」を支えている基盤で、法律でも保険会社は責任準備金を必ず積み立てることが義務付けられているんだよ。
保険関数を支えるプロ「アクチュアリー」
保険関数の計算をする専門家を「アクチュアリー(actuary)」と呼ぶんだ。日本語では「保険数理士」とも言われるよ。アクチュアリーは、数学・統計学・金融工学などの知識を総動員して、保険会社のリスク管理を担っているプロフェッショナル。日本アクチュアリー会という団体があって、難しい資格試験を突破した人だけがなれるんだ。試験の合格率はとても低くて、全部の科目に合格するまで平均で5〜10年かかることもあると言われているよ。将来「数学が得意で金融にも興味がある」という人には、アクチュアリーっていう職業もアリかもしれないね。
身近な例:がん保険の保険料が年齢で変わるワケ
最後に、身近な例でまとめてみよう。がん保険の保険料は、20代と50代で全然違うよね。これはまさに保険関数の計算結果なんだ。国立がん研究センターのデータによると、がんの罹患率(なりやすさ)は年齢とともに急激に上昇する。40代から50代にかけて特に増えることがわかっていて、そのデータを生命表ならぬ「がん経験表」に反映させて、保険関数で計算すると「50代の人は20代の人より10〜20倍ほどがんになるリスクが高い」という結果が出る。だから保険料も大きく違うんだ。これって「不公平」に見えるかもしれないけど、逆に「リスクに応じた公平な負担」とも言えるよね。保険関数のおかげで、こういった「数学的に公平な」保険料の設計ができているんだよ。
