買収って何?わかりやすく解説

ニュースで「〇〇社が△△社を買収」って見たとき、「会社って買えるの?」って思ったことない?スーパーで商品を買うのとは全然違うのに、なんで「買収」って言うんだろう……そんな疑問、この記事を読めばスッキリわかるよ。

「買収」ってよくニュースで聞くんだけど、会社って本当に買えるの?

買えるんだよ!買収っていうのは、ある会社が別の会社を手に入れること。具体的には、その会社の株式(つまり「会社の所有権の証明書」)をたくさん買って、「この会社は自分たちのもの」にすることなんだ。
株式を買うと会社が手に入るってどういうこと?

イメージしてみて。クラスで学級新聞を作るとき、10人でお金を出し合って作ったとしたら、それぞれが「オーナーの一人」だよね。株式もそれと同じで、株をたくさん持っているほど会社への発言力が強くなるんだ。だから過半数(50%超)の株を買えば、その会社の方針を決める権限が手に入るってわけ。
じゃあ、なんでわざわざ他の会社を買うの?自分で新しい会社を作ればよくない?

いい質問!新しい会社を作ると、お客さんを集めたり信頼を積み上げたりするのに何年もかかるよね。でも買収すれば、その会社がすでに持っている顧客・技術・ブランド・人材をまとめて手に入れられる。「ゼロから作る」より「できあがったものを買う」ほうが速いことも多いんだ。
買われる側の会社はどう感じるの?嫌じゃないの?

それが大事なポイント!買収には友好的買収(双方が合意して進める)と敵対的買収(相手が嫌がっているのに強引に進める)の2種類があるんだ。映画みたいに「乗っ取り」みたいなこともあれば、「一緒に成長しよう」って握手で終わる場合もあるよ。
📝 3行でまとめると
  1. 買収とは、ある会社が別の会社の 株式を大量に購入 して経営権を手に入れること。
  2. 新会社をゼロから作るより速く 技術・顧客・ブランド をまとめて獲得できるのが最大のメリット。
  3. 相手の同意があれば 友好的買収、なければ 敵対的買収 と呼ばれ、性質がまったく異なる。
目次

もうちょっと詳しく

買収をもっと正確に言うと、「M&A(エムアンドエー)」という言葉の一部なんだ。M&AはMergers(合併)and Acquisitions(買収)の略で、つまり「会社同士がくっついたり、片方が片方を手に入れたりすること全般」を指す言葉だよ。買収はそのAcquisitionsの部分。日本でも毎年何千件もM&Aが行われていて、大企業だけじゃなく中小企業でも普通に起きているんだ。後継者がいない会社が、別の会社に引き継いでもらう「事業承継」目的の買収も最近すごく増えているよ。買収が成立すると、買われた会社は「子会社(つまり親会社の傘下に入った会社)」になることが多い。

💡 ポイント
M&AのAが「買収」。合併とは違って、買われた会社がそのまま存続することも多い!

⚠️ よくある勘違い

❌ 「買収されたら会社はなくなる」
→ 買収=消滅だと思っている人が多い。
⭕ 「買収後も会社は存続することがほとんど」
→ 買収は「会社の所有者が変わる」こと。ブランド名や社員はそのままで、親会社が変わるだけのケースが大半だよ。合併(2社が1社になること)とは別物なんだ。
なるほど〜、あーそういうことか!

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買収とは何か?基本をおさえよう

「買収」という言葉を辞書で調べると「金銭を払って自分のものにすること」と出てくる。でも会社の話になると、もう少し複雑なニュアンスがある。

会社の買収とは、ある企業が別の企業の株式を取得することで、その企業の経営をコントロールできる状態にすることだよ。株式というのは「会社の所有権を細かく分けた証明書」のことで、たくさん持っている人ほど会社の意思決定に大きな影響を持てる。

どのくらい株を買えば「買収成立」なの?

目安として覚えておきたい数字が3つある。

  • 50%超:過半数。会社の基本的な意思決定(普通決議)を単独で通せる。
  • 2/3(約66.7%)以上:特別決議が通せる。定款の変更や会社の合併・解散など重大なことも決められる。
  • 100%:完全子会社化。他の株主が誰もいなくなり、完全に自分たちのものになる。

たとえば、クラスの学級委員を決める多数決をイメージしてみて。30人クラスなら16人以上が賛成すれば決まる(過半数)。それと同じで、株も「多数決の票」だと思うとわかりやすいよ。

「合併」と「買収」の違いは?

よく一緒に語られる「合併」は、2つの会社が1つの会社になること。たとえばA社とB社が合併してAB社になるイメージ。一方、買収はA社がB社の株を買っても、B社という会社名はそのまま残ることが多い。「会社が消える」のが合併、「オーナーが変わる」のが買収、と覚えておこう。

なぜ会社を買収するの?目的と理由を解説

買収って、何億円・何兆円もかかることもある大きな決断。それでもあえてやる理由は何なんだろう?大きく分けると4つの目的がある。

① 事業拡大のスピードを上げたい

新しい市場に参入するには、普通は数年かけてブランドを作り、お客さんを集めて……という流れが必要。でも、その市場ですでに成功している会社を買ってしまえば、一気にそのポジションを手に入れられる。

たとえば、スマホゲームが流行りはじめたころ、大手ゲーム会社がモバイルゲームの会社を買収しまくったのはこれが理由。ゼロから作ると5年かかるところを、1年で市場トップに立てることもある。

② 技術・特許・人材を手に入れたい

特定の技術を開発するのは時間とお金がかかる。でも、その技術をすでに持っている会社を買えば、技術者も特許も設備もまとめて手に入る。シリコンバレーの大手IT企業がスタートアップを次々買収するのも、この「技術・人材の獲得」が大きな目的だよ。

③ 競合を減らしたい

ライバル会社を買収してしまえば、競争相手が減る。これは「競合の取り込み」とも呼ばれる。もちろん、独占になりすぎると国の規制(独占禁止法)に引っかかることもあるから、何でもOKというわけじゃないけど。

④ 後継者問題を解決したい

日本では特にこのパターンが増えている。長年続いた中小企業でも、社長が高齢になって「子どもに継がせたくない」「後継ぎがいない」という場合に、別の会社に引き受けてもらう。これを事業承継型M&Aと呼ぶんだ。会社がなくなるより、誰かに引き継いでもらった方が、社員もお客さんも助かるよね。

買収の流れ:どうやって会社を買うの?

「じゃあ実際、どうやって買収するの?」って気になるよね。買収のプロセスは大きく分けると以下のような流れで進む。

STEP1:ターゲット企業を探す

まず「どの会社を買いたいか」を決める。自社に足りないものを補完できる会社、市場でのポジションを強化できる会社などを候補に挙げる。M&A仲介会社というマッチングを手伝う専門業者に依頼することも多いよ。

STEP2:企業価値を調べる(デューデリジェンス)

デューデリジェンスとは、つまり「買う前のしっかりした調査」のこと。財務状況(借金はないか)・法律問題(訴訟を抱えていないか)・技術の実力(特許は本物か)などを徹底的に調べる。「思ってたより借金だらけだった」なんて後で発覚したら大変だからね。

STEP3:価格交渉・契約

調査が終わったら「いくらで買うか」の交渉に入る。株式の市場価格にプレミアム(上乗せ額)を加えた価格を提示することが多い。「市場価格より高く払うから売ってください」というイメージ。交渉がまとまれば契約書にサインして、株式の引き渡し・代金の支払いが行われる。

STEP4:統合作業(PMI)

買収後が実はいちばん大変。PMI(Post Merger Integration、つまり買収後の統合作業)といって、2社の文化・システム・組織をうまくひとつにまとめる作業が必要になる。「買収は成功したけどPMIに失敗して結局うまくいかなかった」というケースも多いんだ。

友好的買収と敵対的買収の違い

買収には大きく2種類あって、このちがいを知るとニュースが一気に面白くなるよ。

友好的買収:握手で始まる買収

友好的買収は、買う側と売る側が話し合って合意した上で進める買収のこと。「うちの会社を買ってもらえませんか?」「いいですよ、一緒に成長しましょう」という感じ。M&Aのほとんどはこのパターン。双方にとってメリットがあるから、スムーズに進みやすい。

敵対的買収:相手が嫌がる買収

敵対的買収は、買われる側の会社の経営陣が「売りたくない」と言っているにもかかわらず、株式市場で株を直接買い集めたり、株主に対して直接「株を売ってください」と呼びかけたりして強引に進める買収のこと。これをTOB(株式公開買い付け、つまり「株主のみなさんに直接、株を売ってください」と呼びかけること)という手法でやることが多い。

映画や漫画でよく見る「乗っ取り」のイメージがこれ。実際のビジネスでも珍しくなく、「このままじゃ会社がつぶれる、外から強引にでも変えなければ」という場合に使われることもある。

買収防衛策とは?

会社が「敵対的買収から自分たちを守るための仕組み」を買収防衛策という。代表的なのがポイズンピル(毒薬条項)で、「敵対的な買収者が現れたら、他の株主がとても安い価格で株を大量に買えるようにする」という仕組み。そうすると、買収しようとしている側の株の割合が薄まって、買収が難しくなる。名前がちょっと怖いけど、会社を守るための盾みたいなものだよ。

有名な買収事例で理解を深めよう

実際の事例を見ると、買収がどれだけ大きなインパクトを持つかよくわかる。身近な事例をいくつか見てみよう。

ソフトバンクによるボーダフォン日本法人の買収(2006年)

当時ソフトバンクはまだ携帯電話事業を持っていなかった。そこで、イギリスの大手通信会社ボーダフォンの日本法人を約1兆7500億円で買収。一夜にして全国に携帯基地局とユーザーを持つ通信会社になった。「ゼロから作ったら20年かかる」ものを一気に手に入れた典型例だよ。

Amazonによるホールフーズ・マーケットの買収(2017年)

ネット通販の王様Amazonが、アメリカの高級スーパーマーケットチェーンを約137億ドル(当時約1兆5000億円)で買収。オンラインと実店舗を組み合わせた新しい小売りの形を作ろうとした戦略で、「テック企業がリアル店舗を持つ」という驚きのニュースになったよ。

LINEとヤフーの経営統合(2019年〜)

日本でおなじみのLINEと、ヤフー(現:LYPマックス)を運営するZホールディングスが経営統合したのも買収・M&Aの一形態。それぞれ強みのある領域を持ち寄って、国内最大クラスのIT企業グループを作った事例だよ。

買収が失敗することもある

もちろん、すべての買収が成功するわけじゃない。「高い値段で買ったのに期待した効果が出なかった」「社員がやる気を失って優秀な人が辞めてしまった」「企業文化が合わなくて統合がうまくいかなかった」などの失敗例も山ほどある。買収はゴールじゃなくて、むしろスタートラインなんだ。その後のPMIをどう進めるかで、成功か失敗かが大きく変わってくる。

買収という言葉、最初は難しそうに聞こえたかもしれないけど、要するに「会社の所有権を買って、自分たちのグループに加える」ことだよ。ニュースで「〇〇社が△△社を買収」と見たら、「あ、株を買って経営権を手に入れたんだな」「友好的なのか敵対的なのかな」って考えてみると、経済ニュースがぐっと面白くなるはずだよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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