10年超優遇って何?わかりやすく解説

お母さんがお父さんに不動産をあげるときに、税金がほぼかからないって聞いたことない?それが「10年超優遇」という制度なんだ。夫婦が長く一緒にいると、お金や土地をあげるときに特別な優遇措置が受けられるんだよ。この記事を読めば、その制度がどうして作られたのか、自分たちの家の資産管理にどう関係するのかが理解できるようになるよ。

「10年超優遇」ってなんですか?聞いたことないんですけど…

いい質問だね。簡単に言うと、夫婦が10年以上結婚していれば、配偶者に対して不動産や建物をあげるときに、通常の贈与税ぞうよぜいという税金がほぼかからなくなる制度のことだよ。
ふつうは贈与税ぞうよぜいがかかるんですか?

そうなんだ。例えば、親から子どもに100万円もらうと、贈与税ぞうよぜいという税金を払わないといけない。でもこの制度を使うと、夫婦間なら金額の上限まではその税金がゼロになるというわけ。長く夫婦でいることへのご褒美みたいなものだね。
いくらまでなら税金がかからないんですか?

2000万円までの不動産の贈与なら、贈与税ぞうよぜいがかからないんだ。ただし、対象は「家や土地」に限られていて、現金をあげるときはこの制度は使えないんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 「10年超優遇」とは、10年以上結婚している夫婦が対象で、配偶者に不動産をあげるときに贈与税ぞうよぜいがかからなくなる制度のこと
  2. 2000万円までの建物や土地が対象で、現金はこの制度の対象外。長く一緒にいた夫婦への国の支援措置
  3. この制度を使うには10年以上の婚姻実績が必須で、相続ではなく「生きている間に贈与」する場合に活用できる
目次

もうちょっと詳しく

「10年超優遇」は、令和5年から始まった比較的新しい制度なんだ。夫婦が長く一緒に生活するのは大変だから、その努力に対する国からの優遇措置として作られたんだよ。通常、贈与税ぞうよぜいというのは「他人からお金をもらうときにかかる税金」で、けっこう高い。でも夫婦は家族だから、特に不動産のような大きな資産を配偶者にあげるときは、この負担を減らしてあげようという考え方なんだ。

💡 ポイント
「10年超」は「10年を超えて」という意味。つまり結婚生活が10年1ヶ月以上続いていることが条件です。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「現金を2000万円あげる場合も税金がかからない」
→ この制度は不動産(建物や土地)に限った優遇措置。現金や株式、宝石などをあげるときは、この優遇を使えません。
⭕ 「建物や土地を2000万円分あげれば、贈与税ぞうよぜいがかからない」
→ 正解。ただし書類作成などの手続きをきちんとしないと優遇が受けられないので、税理士などの専門家に相談が必要です。
なるほど〜、あーそういうことか!

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そもそも贈与税ぞうよぜいってなに?

まず基本から説明するね。贈与税ぞうよぜいというのは、「誰かからお金や物をもらったときにかかる税金」のことなんだ。つまり、親戚や友達からプレゼントをもらう、あるいはお小遣いをもらうときに、国が「税金として一部をください」と言ってくるわけ。普通の買い物は「消費税しょうひぜい」で8〜10%くらいだけど、贈与税ぞうよぜいは「所得税しょとくぜい」という考え方で、もっと高い税率がかかるんだよ。

例えば、親戚から1000万円もらったとしよう。そうすると贈与税ぞうよぜいを計算して、場合によっては200万円以上の税金を払わなきゃいけないかもしれない。つまり、せっかくもらった1000万円から、200万円も税金で持っていかれちゃうということ。これ、すごくもったいないよね。だから政府は「一定の条件を満たせば、その税金を減らしてあげよう」という制度を作ったわけなんだ。それが「10年超優遇」という制度なんだよ。

贈与税ぞうよぜいが発生する「贈与」というのは、「相手の同意のもとで、無償で財産をあげること」という意味。つまり、売買みたいに「お金をもらう代わりに土地をあげる」というわけじゃなくて、「本当にただであげる」ことを言うんだ。相続(親が死んだときに子どもがもらう)とは違って、「生きている間に自分の意思で誰かにあげる」というのが贈与なんだよ。だから税金の扱いも相続税そうぞくぜいではなく、贈与税ぞうよぜいになるというわけなんだ。

通常、夫婦の間でも贈与は贈与扱いになる。だから「妻が夫に500万円をあげた」という場合、本来なら妻が贈与税ぞうよぜいを払わないといけない。でも「10年超優遇」という制度があると、その税金がゼロになるんだ。つまり、500万円がそのまま夫のものになるということ。この優遇がないと、例えば家を建て替えるときに妻が援助したくても、税金で損をするから踏み切れないという家庭もあるかもしれない。そういう家族計画の自由度を増やすために、この制度が作られたんだよ。

なぜ贈与税ぞうよぜいは高いのか

ここで疑問が出てくるよね。なぜ贈与税ぞうよぜいってこんなに高いのか?それはね、「脱税を防ぐため」なんだ。例えば、お金持ちの親が子どもに毎年100万円をあげるとしよう。もし税金がなければ、毎年100万円ずつ子どもに移して、全体の資産を分散させることができる。そうするとね、相続税そうぞくぜいという「親が死んだときにかかる税金」を大幅に減らすことができちゃうんだ。国としては「相続税そうぞくぜいをちゃんと取りたい」と考えてるから、生前に財産をあげるときは高い税金を取ることで、「こっそり財産を移しちゃうのはやめてね」という抑止力にしてるわけなんだ。

つまり、贈与税ぞうよぜいが高いのは「国が人々の脱税を防ぐための防波堤」ということなんだよ。でも一方で、家族が協力して生活をより良くするのは応援したい。だから「長く一緒にいた夫婦なら、不動産をあげるときは税金を減らしてあげよう」という例外を作ったわけなんだ。夫婦は家族だからね、本当に家族内での資産配分の自由度を高めるのは、経済学的に見ても良いことなんだよ。

10年超優遇の条件ってなに?

「10年超優遇」を使うためには、いくつか条件がある。まず一番重要なのが「10年以上の婚姻実績」だ。つまり、結婚して10年1ヶ月以上経っていないといけないんだよ。例えば、結婚して9年11ヶ月だと、まだこの制度は使えない。1ヶ月待つ必要があるわけだ。なぜそんなに正確なのかというと、税制っていうのは「明確なルール」がないと不公平になっちゃうからなんだ。

次に、対象の財産は「不動産」に限られているということだね。つまり、建物(家)や土地が対象。例えば、妻が夫に「この土地を持ってて」とあげるときは使える。でも「現金1000万円をあげる」という場合は、この優遇を使えないんだ。なぜかというと、現金は「隠すのが簡単」だから。税務署ぜいむしょとしては、不動産みたいに「記録がしっかり残るもの」に限定したいわけなんだ。土地や建物は登記簿に記載されるから、誰が持ってるのかが記録に残る。だから、その記録を通じて「本当に贈与が成立したのか」を確認できるんだよ。

そして、非常に重要な条件があるんだ。それは「生前贈与である」という点。つまり、配偶者が生きている間に贈与しないといけないんだ。例えば「妻が亡くなったから、妻の財産を夫が相続する」という場合は、これは相続であって贈与ではない。だから「10年超優遇」は使えず、別の相続税そうぞくぜいのルールが適用されるんだよ。つまり、「配偶者が生きている間に、妻が夫に『これあげるよ』と明確に意思表示をして、不動産をあげる」という場合に限られるということなんだ。

さらに、金額の上限がある。最大2000万円までの不動産が対象なんだ。つまり、評価額が2000万円を超える土地や建物をあげる場合、超えた部分は通常の贈与税ぞうよぜいがかかるんだ。例えば、3000万円の家を妻が夫にあげる場合、2000万円までは税金ゼロだけど、残りの1000万円には贈与税ぞうよぜいがかかるということだね。

実務的な手続きとは

この制度を使うには、ちゃんとした手続きを踏む必要があるんだ。単に「この家、あげるよ」と口で言ったり、日記に書いたりしただけでは、税務署ぜいむしょは認めてくれない。ちゃんと書面に残さないといけないんだよ。具体的には、「不動産の贈与契約書」を作成して、それに夫婦の署名をする。さらに、その不動産の登記名義を変更する(つまり、所有者の名前を書き換える)という手続きも必要になるんだ。

また、税務署ぜいむしょに「贈与税ぞうよぜいの申告書」という書類を出さないといけない。「私たちは10年以上婚姻してます、そして夫婦間で不動産を贈与しました」ということを、税務署ぜいむしょに報告するわけなんだ。書類が複雑だから、多くの場合は税理士という「税金の専門家」に相談するんだよ。専門家に相談すると費用がかかるけど、手続きを間違えると税務署ぜいむしょから指摘されて、かえって高い税金を払わなきゃいけなくなったり、罰金をとられたりすることもあるから、専門家に頼む価値があるんだ。

10年超優遇でいくら得するの?

では、実際のところこの制度でいくら節税せつぜいできるのか、具体例で考えてみようか。夫が妻にマイホーム用の土地を3000万円であげたと仮定しよう。この場合、贈与税ぞうよぜいを計算する必要があるんだ。

まず、この制度がない場合を考えてみる。3000万円の不動産を贈与したら、贈与税ぞうよぜいはどうなるのか。贈与税ぞうよぜいの計算は複雑なんだけど、単純化して言うと「所得税しょとくぜいみたいに高い税率」がかかる。具体的には、金額に応じて税率が決まるんだ。3000万円くらいの額だと、50%近い税率がかかることもあるんだよ。つまり、3000万円のうち1000万円以上が税金として持っていかれてしまう。夫は本来3000万円の不動産を手に入れられるはずだったのに、2000万円くらいの価値しか得られないということになってしまうわけだ。

でも「10年超優遇」を使うと、話が変わるんだ。2000万円までは非課税ひかぜいだから、その部分の税金はゼロ。残りの1000万円に対しては、確かに贈与税ぞうよぜいがかかるけど、全額に対してかかるわけじゃなくなるんだ。つまり、高い税率がかかる対象が1000万円だけになるから、トータルの税金は大幅に減るんだよ。この差は、100万円単位で変わってくることもあるんだ。

もう一つの例として、夫婦が建て替えを考えている家があるとしよう。古い家を壊して新しく建て直すのに、お金が足りない。そんなとき、妻が「この土地を二人で共有にして、一緒に新しい家を建てよう」と提案することもある。その場合、妻の土地の一部を夫に贈与することになるんだけど、「10年超優遇」があれば、その贈与税ぞうよぜいがかからないか少なくなるんだ。つまり、夫婦の家計管理が、税金を気にせずにもっと自由に組み立てられるようになるわけなんだ。

税金以外の効果もある

この制度の効果って、税金を安くするだけじゃないんだ。もう一つ大切な側面がある。それは「夫婦の財産配分の自由度が上がる」ということなんだよ。例えば、子どもがいない夫婦の場合、「どちらかが先に亡くなったとき、資産をどう分けるか」という問題が出てくる。親に土地があって、その土地を配偶者に全部あげたいという場合もあるかもしれない。その場合、相続税そうぞくぜいという別の税金がかかってくるんだけど、「10年超優遇」を使って生前贈与をしておけば、相続税そうぞくぜいよりも有利な条件で資産を配分できるかもしれないんだ。

つまり、この制度は「税金を減らす」という直接的な効果だけじゃなくて、「長く一緒にいた夫婦の人生設計をより自由にする」という深い意味があるんだよ。結婚して10年以上一緒に人生を歩んできた夫婦は、もはや「他人同士」じゃなくて「一つの経済単位」として見ることができるんじゃないかという考え方が背景にあるんだ。

相続税そうぞくぜいとの関係は?

ここで注意しないといけないポイントがあるんだ。「10年超優遇」で贈与税ぞうよぜいをゼロにしたからって、相続税そうぞくぜいがゼロになるわけじゃないんだよ。例えば、妻が夫に2000万円分の不動産を生前贈与したとしよう。贈与税ぞうよぜいはゼロになる。でも、その後に夫が亡くなったら?その場合、相続税そうぞくぜいを計算するときに、その2000万円分の不動産は「夫の資産」として数えられるんだ。つまり、相続税そうぞくぜいの計算では「夫が持ってる資産が2000万円増えたので、相続税そうぞくぜいが増える」という判定になる可能性もあるんだよ。

ただし、相続税そうぞくぜいは「配偶者控除はいぐうしゃこうじょ」という優遇がある。つまり、配偶者が相続する場合、ある程度までの額なら相続税そうぞくぜいがかからないんだ。なので、「10年超優遇」で生前贈与をして、その後の相続で配偶者控除はいぐうしゃこうじょを使えば、二重に優遇されることもあるんだよ。つまり、夫婦の資産管理全体を考えたときに、「いつ、どうやって資産を配分するか」という計画が大事になってくるわけなんだ。

だからね、本当に「10年超優遇」を活用するなら、税理士とか相続対策の専門家と一緒に「トータルで税金がいくら安くなるのか」を計算した上で、実行するのが賢いやり方なんだよ。下手に自分たちだけで判断すると、かえって税金が高くなっちゃう可能性だってあるんだ。

配偶者控除はいぐうしゃこうじょとの組み合わせ

相続税そうぞくぜいには「配偶者控除はいぐうしゃこうじょ」という制度があるんだ。これはね、配偶者が相続する場合、「法定相続分(法律で決められた相続する割合)の相続税そうぞくぜいがゼロになる」というものなんだよ。つまり、資産が10億円あったとしても、妻が法定相続分(通常は50%)を相続するなら、その5億円分には相続税そうぞくぜいがかからないんだ。

だから「10年超優遇」で生前贈与をして、その後に相続が起きたとしても、配偶者控除はいぐうしゃこうじょと組み合わせることで、全体的には税負担が少なくなる可能性が高いんだ。特に「子どもがいない夫婦」の場合、配偶者が全部相続することが多いから、この優遇が大きく効いてくるんだよ。

制度を活用するときの注意点

「10年超優遇」をちゃんと活用するためには、いくつか気をつけるポイントがあるんだ。まず、「離婚してしまった場合」のことを考えてみて。例えば、夫が妻に不動産を贈与した。そのあと、夫婦が離婚してしまったらどうなるのか?その場合、贈与は「なかったこと」にはならないんだ。つまり、贈与税ぞうよぜいがゼロだったという事実も変わらない。でも、離婚のときに財産分与という話が出てくるから、すごく複雑になるんだよ。だから、夫婦が仲がいいうちに「これからどうするか」をちゃんと話し合っておく必要があるんだ。

もう一つ注意点があるんだ。それは「贈与の意思が明確でないと、税務署ぜいむしょに否定される可能性がある」ということなんだよ。例えば「お父さんが息子の名前で土地を買ったけど、実は自分の土地だと思ってた」みたいな曖昧な状況だと、本当は贈与なのに「贈与じゃなくて、単なる管理」と解釈されてしまうこともあるんだ。だから、「10年超優遇」を使うなら、夫婦で「これは本当の贈与です」という明確な合意をして、ちゃんと書面に残す必要があるんだよ。

さらに「金銭の流れ」も大事なんだ。例えば、妻が夫に土地をあげるときに、実は夫がお金を払ってた場合、「これは売買じゃないか」と疑われることがあるんだ。贈与は「本当に無償であげる」ことが条件だから、お金の流れが曖昧だと、税務署ぜいむしょに「贈与じゃなくて売買だから、別の税金を払え」と言われることもあるんだよ。だから、贈与をするなら「絶対に無償です」という証拠を作っておく必要があるんだ。

税理士に相談することの大事さ

「10年超優遇」は複雑な制度だから、本当に活用するなら税理士に相談するのが一番安心なんだ。理由としてはね、個々の家庭の事情によって「どんな手続きが必要か」や「本当に税金が安くなるのか」が変わってくるからなんだよ。また、税務署ぜいむしょの判定の基準も「グレーな部分」がたくさんあるんだ。つまり「これは本当に贈与なのか、それとも売買なのか」みたいなことを、税務署ぜいむしょと議論しなきゃいけないこともあるんだ。そんなときに専門家がいると、間違った判断をするリスクがぐんと減るんだよ。

費用がかかるのは確かだけど「間違えて高い税金を払う」ことに比べたら、専門家への相談費用なんて安いもんなんだ。特に「資産が多い家庭」や「複雑な事情がある家庭」なら、絶対に専門家に相談すべきなんだよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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