銀行から振込をするときって、いろんな銀行に送金できるじゃないですか。でもそれって誰が決めたルールなんだろう?日本の銀行業界には、聞いたことのない「全銀協」という組織があって、実は僕たちの生活のすぐそばで大事な仕事をしているんです。この記事を読めば、何気なく使っている銀行サービスの背景にある「全銀協」という存在と、その役割がわかりますよ。
- 全銀協は日本の銀行が集まって作った業界団体で、銀行業界のルール作りをしている
- 銀行振込のシステムやサービス基準を決めているから、毎日の生活に深く関係している
- 全銀協があるおかげで、どの銀行を使っても安心して統一されたサービスが受けられるんだ
もうちょっと詳しく
全銀協は昭和23年(1948年)に作られた、かなり歴史のある組織です。当時、日本の銀行はバラバラで、銀行同士の繋がりがまばらでした。経済が成長していく中で、「全国どこの銀行でも同じようなサービスが受けられたら便利だよね」という考えから生まれたんです。現在は、ほぼすべての銀行が全銀協に加入しています。全銀協のすごいところは、政府から命令されたわけじゃなくて、銀行たち自身が「自分たちのためになるルール」を決めているということです。
全銀協は「民間の自主的な組織」なんだ。政府の指示じゃなくて、銀行たちが自分たちで作った仕組み。
⚠️ よくある勘違い
→ 違います。全銀協は民間の団体で、銀行たちが自分たちで決めたルールを守る組織なんです。政府は規制や監督をしますが、細かいルールは全銀協が決めています。
→ その通り。政府の監督は受けるけど、基本的には銀行たちの判断でルールを作り、更新しています。
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全銀協ってなぜ生まれたんだろう?
日本の銀行の歴史をさかのぼると、昔は「各銀行が独立して勝手にやってた時代」があったんです。明治時代から昭和初期にかけて、日本には銀行がたくさん作られました。でも、銀行同士がバラバラな時代は問題がいっぱいあったんですよ。例えば、A銀行の口座からB銀行への振込みをしたいときに、「A銀行とB銀行は系列が違うから、わざわざ別の手続きが必要」みたいなことがあったんです。また、銀行によって手数料がぜんぜん違ったり、同じサービスでも銀行によって内容が違ったりして、お客さんは大変だったんですよ。
そこで昭和23年(1948年)、銀行業界の人たちが「これでは日本の経済がうまくいかないよ」と気づいて、全銀協を作ることになったんです。目的は簡単。「銀行間で話し合って、統一されたルールを作ろう」ということでした。戦後の日本経済が成長していく時代だったから、全銀協というしっかりした組織があることで、銀行業界全体が協力して、日本経済を支えることができたんですね。これは日本の銀行業界にとって、とても大事な出来事だったんです。
全銀協は、昔のバラバラな銀行業界をまとめるために作られた。つまり「統一」が最初の目的だったんだ。
実は身近な「全銀協のルール」がいっぱい
君が銀行を使っていても、全銀協のルールだということに気づかないことがたくさんあります。例えば、銀行の口座番号は「7桁」って決まってますよね。これも全銀協が決めたルールなんです。なぜ7桁かというと、「どの銀行でも同じ形式にすれば、振込みを間違えにくくなるし、システムも統一できる」という考えからなんです。
また、君が銀行から「通帳」をもらったり、「キャッシュカード」を使ったりするときの約束事も、全銀協が細かく決めているんですよ。例えば「銀行は偽造カードで不正出金されても、お客さんに責任を負わせてはいけない」とか、「銀行は定期的にお金を盗まれていないか確認する仕組みを作らなきゃいけない」とか。こういう「銀行が守るべきルール」を全銀協が決めているから、僕たちはどこの銀行を選んでも、安心してお金を預けられるんです。
さらに、銀行の営業時間だって全銀協のルール。昔は銀行によって営業時間がバラバラだったんですが、今はほぼ統一されていますよね(平日は9時〜15時とか)。これも「お客さんが分かりやすくするために」という理由で、全銀協が推奨している基準なんです。つまり、君が普通に銀行を使っているその時間も、全銀協のルールの中で動いているんですよ。
銀行振込をスムーズにしてる「全銀システム」って何?
全銀協が最も大事な仕事として管理しているのが、「全銀システム」という振込システムです。全銀システムって何かというと、つまり「日本全国の銀行が、安全に効率よく、お金をやり取りするための仕組み」なんです。想像してみてください。もしこのシステムがなかったら、A銀行から300の銀行全部への振込ルートを作らなきゃいけないんですよ。つまり、300×299=8万9700本もの繋がりを作らなきゃいけないんです。これは無理ですよね。
でも全銀システムがあれば、各銀行は「全銀システムというハブ」に繋がっているだけでいいんです。つまり、どこの銀行から、どこの銀行へ振込してもいいし、スピードも統一されている。これのおかげで、君が今日、どの銀行から振込しても「明日か明後日には相手の銀行に着く」という信頼ができるんです。かりに全銀システムがなかったら、銀行によって振込の到着時間が「2日後」「1週間後」「翌々々週」みたいなバラバラになっちゃうんですよ。
全銀協は、この全銀システムをずっと守り続けているんです。システムがダウンしたらどうしようとか、新しい技術が出てきたからアップデートしなきゃとか、セキュリティは大丈夫かとか、そういった心配事を全部担当しているんですね。だから、僕たちが安心して振込できるのは、全銀協と全銀システムがあるからなんです。
全銀協はこれからどうなるの?
全銀協は、昭和23年から約70年以上、日本の銀行業界を支えてきました。でも、お金の世界は今ものすごい勢いで変わっているんです。例えば、スマートフォンでお金を送る「スマートペイ」みたいなサービスや、「暗号資産」みたいな新しい形のお金も出てきました。銀行以外の会社もお金の商売に参加し始めたんです。
こういう変化の中で、全銀協も新しい課題に取り組まなきゃいけなくなってきました。例えば、「銀行とスマートペイ企業とかが協力するときのルールをどうするか」とか、「詐欺が増えているから、もっと厳しいルールが必要じゃないか」とか。令和時代の全銀協は、古いルールを守るだけじゃなくて、新しい時代に合わせてルールを作り変える仕事もしているんですよ。
また、国際的な視点も大事になってきました。今、お金は日本国内だけでやり取りされるわけじゃなくて、世界中を行き来しています。だから全銀協は、海外の銀行業界との団体ともやり取りして、「国際的に通用するルール」も作っているんです。つまり、全銀協の仕事も昔より複雑で難しくなってきているんですね。でも、その分、全銀協の役割も大事になっているということなんですよ。
