親が「この車、3年後に売却予定だから」って言ってるのを聞いたことありませんか?実は、モノを買うときには「後で売ったらいくらになるか」という未来の価値を考えることが大切。それが「残存価値」です。この記事を読めば、なぜビジネスの世界ではこの考え方が重要なのか、そして日常生活でどう役に立つのかがわかるようになりますよ。
- 残存価値とは 使った後に物が持っている価値 のこと。買った値段から残存価値を引くと、本当の出費がわかる
- 残存価値が高いほど 実質的な損が少なく なるから、モノを選ぶときの大事なポイントになる
- 企業の会計では 減価償却という計算 で残存価値を考えながら、資産の価値を管理している
もうちょっと詳しく
残存価値は「スクラップバリュー」と「再販価値」の2つに分けて考えることができます。スクラップバリューは、その物をただ壊して材料として売ったときの価値。再販価値は、まだ使える状態で次の人に売ったときの価値です。どちらの残存価値を考えるかで、買うときの判断が変わってきます。企業は長く使う器械や建物の残存価値を計算するときに、この2つを区別してしっかり考えることが重要になります。
残存価値を考えるなら、そのモノが何年後にどのくらい値打ちがあるか、実際に調べてから買うといいよ
⚠️ よくある勘違い
→ 違います。残存価値は「買った値段より安く」なるのが普通です。使ったり、時間が経ったりすると、値段が下がります。だから「買った値段がそのまま残存価値」と考えるのは大きな間違いです。
→ これが正解。残存価値は「その物を今売ったらいくらになるか」という現在の市場価値のことです。時間や使用状況で変わります。
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残存価値とは何か
シンプルな定義
残存価値とは、つまり「ものが使用された後に、なおもつている価値」という意味です。新しく買ったパソコンは20万円だったけれど、2年使った後にメルカリで売ったら12万円の値がついた。その12万円が残存価値です。似たような例で考えてみると、スマートフォンを1年間使った後に買い取ってもらうときの値段も残存価値。テレビ、冷蔵庫、自転車、教科書だって、すべて使った後に売ったときの値段が残存価値なんです。
「新しい値段」と「残存価値」の違い
多くの人が勘違いするのは「買った値段 = 残存価値」と思うこと。でも実際はそうじゃありません。ものは時間が経つにつれて値段が下がっていくのが普通です。これを「減価(げんか)」と呼びます。つまり「価値が減る」ということですね。新しいスニーカーを5000円で買ったとしても、1ヶ月毎日履いた後は2000円くらいにしかならないかもしれません。その差額の3000円が「失われた価値」で、新しく売ったら手に入る2000円が「残存価値」というわけです。
企業と個人での考え方の違い
個人は「自分が使ったら、後でいくらになるか」くらいの軽い気持ちで残存価値を考えることが多いです。しかし企業になると話が変わります。会社が高い器械を買ったり、建物を建てたりするときは、その後何年使えるのか、何年後にいくら残存価値があるのかを厳密に計算してから買うんです。なぜなら、企業の決算書に「今、その資産がいくらの価値か」を正確に記録する必要があるからです。だから、企業にとって残存価値は「買うか買わないかの判断」にもなり、「経理の計算」にも影響する、とっても大事な数字なんですよ。
なぜ残存価値が重要なのか
本当の出費を計算するために
ここが残存価値が大事な理由の第1番目。あなたが親の立場になって、新しい車を買うことを考えてみてください。値段は200万円。3年乗った後に、その車を売ることにしました。そのときの売却価格が120万円だったとします。そうすると、3年間で失った価値は80万円。つまり、その車を3年乗るのに本当にかかった費用は80万円だということになります。もし同じく200万円で買った別の車が、3年後に150万円で売れたなら、失った価値は50万円。同じ期間、同じ距離乗ったのに、出費の差は30万円も違うんです。だから、車を選ぶときに「残存価値が高い車」を選ぶことが、家計にとって大事になるんですね。
モノを選ぶときの判断基準に
パソコンを買うときを想像してみてください。10万円のパソコンと、15万円のパソコン。性能は同じくらい。どちらを買いますか?普通は「安い方」と考える人が多いでしょう。でも、残存価値を考えると話が変わるんです。もし10万円のパソコンが2年後に1万円にしかならないけれど、15万円のパソコンが2年後に8万円で売れるなら?前者の本当の出費は9万円、後者は7万円。実は15万円のパソコンの方が、2年間使ったあとの出費が少ないんです。だから、大事なものを買うときは「買った値段」ではなく「残存価値を考えた本当の出費」で比較することが大事なんですよ。
企業の経理では絶対に必要
企業が工場用の大きな機械を500万円で買ったとします。この機械は10年使うことができます。では、買ってから1年後、企業の資産はいくらになるでしょうか?「まだ買ったばかりだから450万円」ですか?違います。1年使ったら、その機械の残存価値は下がっています。残存価値が例えば450万円だったとしたら、1年間で50万円の価値を失ったということになり、その50万円は「費用」として経理に記録される必要があります。これが「減価償却」という会計の考え方につながります。企業の経営者や経理の人は、毎年の決算書を作るときに、すべての資産の残存価値を計算しながら帳簿をつけているんです。だから、企業の会計を勉強するなら、残存価値という考え方は本当に基本中の基本となる大事な知識なんですよ。
減価償却と残存価値の関係
減価償却とは何か
減価償却というのは、つまり「時間とともに価値が減ったぶんを、毎年ちょっとずつ費用として計上していく」という会計の手続きです。簡単に言うと、高い買い物をしたときに「今年1000万円の費用」ではなく「毎年200万円ずつ、5年間かけて費用にしていく」という計算方法のことですね。なぜそんなことをするのかというと、会社の1年間の業績を正確に表すため。1年のうちに、どのくらい価値を失ったか、その部分だけを今年の費用として計上するという考え方なんです。
残存価値が減価償却を決める
ここが大事なポイント。100万円で買った車があるとします。10年乗った後に、その車をスクラップ業者に出したら5万円の値がついた。この5万円が「残存価値」(またはスクラップバリュー)です。そうすると、実際に失われた価値は95万円。この95万円を10年間かけてちょっとずつ費用にしていく。1年あたり9万5千円ずつ、というわけです。もし残存価値が0円だったら、100万円全部を10年で割って、1年あたり10万円を費用にします。つまり、残存価値が高いほど、毎年の費用が少なくなるんです。企業はこの毎年の費用を「減価償却費」と呼んで、決算書に記録しているんですよ。
実務での残存価値の見積もり
では、企業はどうやって残存価値を決めるのか?新しい製造機械を買ったときに、10年後にいくらで売れるのか、なんて誰にも正確にはわかりませんよね。だから、企業は過去のデータや業界の標準的な値下がり率から、「おおよそこのくらいになるだろう」と見積もるんです。例えば「このメーカーの機械は10年で新しいときの20%の値段になることが多い」というデータがあれば、1000万円で買った機械の残存価値を200万円と見積もる、というわけです。ただし、これはあくまで見積もりなので、実際に売るときの値段と違うこともあります。実際の売却価格が200万円より高かったら、企業は予想より得したことになり、安かったら予想より損したことになります。その時点で、その差を決算書に反映させるんですよ。
生活の中での残存価値
車・バイク・自転車
最もわかりやすい残存価値の例は、乗り物です。新しい軽自動車が150万円で買えるなら、3年後の中古車市場で、その軽自動車はいくらになるでしょうか?メーカーや走行距離にもよりますが、だいたい80万円〜100万円くらいでしょう。つまり残存価値は50万円〜70万円。3年間乗るのに本当にかかった費用は、150万円から残存価値を引いた、50万円〜70万円というわけです。だから、親が「この車は残存価値が高いから」と言って選ぶのは、実はとても合理的な判断なんですね。バイクや自転車だって同じ。人気がある機種なら残存価値は高いし、マイナーな機種なら低い。その違いは「後で売るときの価値」に直結するんです。
パソコン・スマートフォン
デジタル機器は、技術が進むのが速いから、残存価値がすごく低いのが特徴です。新しいスマートフォンが10万円だったとしても、1年後にはもう5万円程度まで値下がりしていることがほとんど。つまり残存価値は50%というわけです。ただし、iPhoneのような人気の高い機種は、比較的残存価値が高いというデータがあります。なぜなら、新しいモデルが出ても、前のモデルをほしい人がたくさんいるから。だから、スマートフォンを買うときに「この機種なら後で売りやすい」と考えるのは、賢い買い物をするための知識になるんですよ。
家具・家電
家具や家電も、使った後に売ることができます。新しい冷蔵庫が30万円なら、5年使った後に、中古家電販売店で5万円〜10万円で売ることができるかもしれません。そうすると残存価値は5万円〜10万円。つまり5年間使うのに本当にかかった費用は20万円〜25万円だということになります。ただし、家電の残存価値は機種によって大きく異なります。有名なメーカーの人気商品なら残存価値は高いし、あまり人気がないマイナーな製品なら、ほぼ値がつかないこともあります。だから「安いからこれでいいか」と買うのではなく「後で売ることを考えたら、どれが本当にお得か」と考えるのが、お金を上手に使うコツなんですよ。
書籍・ゲーム・洋服
意外かもしれませんが、これらのものにも残存価値があります。新しい本なら1500円で買ったあと、フリマアプリで800円で売ることができるかもしれません。残存価値は800円で、実質的な出費は700円。人気ゲームなら、発売から1年後でも定価の50%くらいで売ることができることがあります。ただし、流行の服は時間が経つと売れなくなるから、残存価値がほぼ0になることもあります。だから「もう着ないからもったいないけど捨てる」のではなく「フリマアプリで売ったら、実際の損失はもっと少ないはず」と考えるのは、生活の中で残存価値を活用する実例なんですね。このように、日常生活の中には「後で売ったときの値段」を考える場面が、けっこうたくさんあるんですよ。
残存価値を考えた上手なお金の使い方
大きな買い物ほど重要
1000円のコーヒーメーカーを買うときに「後で売ったらいくらになるか」なんて考える人は、あまりいませんよね。でも100万円のパソコンを買うとしたら?話が変わります。こういう大きな買い物になるほど、残存価値を計算することが大事になります。理由は簡単。その差が、本当の出費に大きく影響するから。100万円で買ったパソコンが5年後に20万円で売れるのと、売れないのでは、80万円も出費が違うんです。だから「ビジネスや投資について学ぶ人」は、必ずこの「残存価値」という考え方を身につけるんですよ。
同じものでも「売却時期」で残存価値は変わる
これもけっこう大事なポイント。新しい型番が出る前に売るのと、出た後に売るのでは、残存価値が大きく違うんです。例えば、スマートフォンも新型が発表されると、前の型番の値段がガクッと下がります。つまり、前の型番の残存価値が急速に減っていくんですね。だから「そろそろ新型が出そうだから、今売ってしまおう」という判断は、実はとても合理的なお金の使い方なんです。企業も個人も「いつ売るか」というタイミングを考えながら、資産を管理しているんですよ。
「長く使う」が正解とは限らない
「いいものは長く大事に使うべき」という考え方もありますが、お金の観点からは、必ずしもそうとは限りません。例えば、5年ごとに新しい車に買い替える人と、15年乗り続ける人を比べてみましょう。新しい車は技術が進んでいるし、5年ごとなら常に人気のあるモデルを乗っているから、残存価値も高い。だから、実は「5年で乗り替える方が、トータルの出費が少ない」ということもあるんです。もちろん、個人の好みや気持ちも大事です。でも「お金をうまく使う」という観点からは「長く使う = いい」とは限らず「残存価値を考えながら、最適なタイミングで売り替える」という判断も正解なんですよ。
