「株を持ってたら配当がもらえるって聞いたけど、なんか『優先』ってついてる配当があるらしい…どういうこと?」って思ったこと、ない?株の話って難しそうで、なんとなく避けてきた人も多いと思う。でもこの記事を読めば、優先配当ってなにか、なぜ存在するのか、どんな人に関係するのか、ぜんぶわかるよ。
- 優先配当とは、普通株主より先に決まった配当を受け取れる権利のことで、優先株式に付いてくる特典だよ
- 会社が儲かっても儲からなくても一定の配当を優先的に受け取れる安心感が、投資家に人気の理由だよ
- スタートアップ投資やベンチャーキャピタルの世界では、優先株式+優先配当の組み合わせが資金調達の定番手法になっているよ
もうちょっと詳しく
優先配当には大きく分けて「累積型」と「非累積型」があるよ。累積型っていうのは、ある年に会社が赤字で配当を払えなかったとき、その分が翌年以降に繰り越されて、あとでまとめて受け取れるタイプ。つまり「今年は払えなかったけど、来年まとめて払うね」っていう約束がある。一方、非累積型は繰り越しなし。その年に払えなかった分はそのまま消えちゃう。どちらのタイプかによって、投資家にとってのリスクが全然違うんだ。また、優先配当の額は「1株あたり○円」または「発行価格の○%」という形で最初から決められていることがほとんど。これを「配当率」と呼ぶよ。株価が上がっても下がっても、もらえる金額は基本的に変わらないから、値動きより安定を求める人に向いているよ。
累積型は「後払いOK」、非累積型は「その年限り」。契約書で確認しよう!
⚠️ よくある勘違い
→ 配当が先にもらえる代わりに、議決権がなかったり、株価の値上がり益が制限されることが多い。安定志向の人には良いけど、「株で大きく儲けたい」人には向かない場合も。
→ 優先配当は「先に・確実に・決まった額をもらえる」安心感がある反面、大きなリターンを狙いにくい特性がある。投資の目的に合わせて選ぶことが大切だよ。
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優先配当とは?まずは基本をおさえよう
配当のおさらい
まず「配当」のことをしっかり確認しておこう。会社はビジネスをして利益を上げるよね。その利益の一部を、会社に出資してくれた株主(株を持ってる人)に分配するのが配当だよ。
たとえば、あなたが友達と一緒に文化祭で焼きそば屋をやって、1万円の利益が出たとする。「出資してくれた分に応じてお金を分けよう」ってなったら、それが配当のイメージ。
株式会社は毎年(または半年ごとに)、どのくらい配当を出すかを発表する。業績が良ければ多く出るし、赤字なら出ないこともある。これが普通の配当のしくみだよ。
「優先」がついたらどうなる?
ここに「優先」という言葉がつくと、意味がぐっと変わる。優先配当とは、つまり「普通の株主よりも先に、決まった金額の配当を受け取れる権利」ということ。
もう少し具体的に言うと、会社が配当を出す場面を想像して。配当のお金は有限だよね。そのとき「この人たちには先に渡す」っていうルールがあるのが優先配当だよ。映画館の入場列でいう「VIP列」みたいなイメージ。一般の人より先に中に入れる特別なパスを持ってる感じ。
この権利を持っているのが「優先株式」を保有している株主。普通株式とは別に発行される、ちょっと特殊な株なんだ。
優先株式ってなに?普通株式との違いを比べてみよう
普通株式と優先株式の2種類がある
株式には大きく分けて「普通株式」と「優先株式」の2種類があるよ。
普通株式は、会社の経営に参加する権利(議決権)があって、業績に応じた配当をもらえる一般的な株。上場企業の株を証券会社で買うと、ほとんどがこの普通株式だよ。
優先株式は、配当や会社が解散するときの財産分配において「優先権」を持つ代わりに、議決権が制限されていることが多い株。つまり「お金の面では有利だけど、経営への口出しは控えめ」というトレードオフがある。
どこが「優先」なの?具体的に見てみよう
優先株式が「優先」される場面は主に2つある。
- 配当の優先:会社が配当を支払うとき、優先株主には先に決まった額が支払われる。残りがあれば普通株主に配当が回る。
- 残余財産の優先:会社が解散・倒産したとき、財産を分配する場面でも優先株主が先。普通株主は最後に残ったものをもらう。
ホテルのビュッフェで例えるなら、「優先株主はVIPルームで先に食事できて、その後で一般客がビュッフェに並べる」みたいなイメージ。食べ物(利益・財産)が限られているとき、先に確保できるのが優先株主なんだ。
優先配当の種類:累積型と非累積型の違い
累積型:払えなかった分を翌年に繰り越してくれる
累積型優先配当とは、つまり「今年払えなかった分は、来年以降まとめて払います」という約束がついた配当のこと。
たとえば、ある年に会社が赤字で配当を出せなかったとする。累積型なら、その年に払えなかった優先配当の額が記録されて、翌年以降に業績が回復したときに優先して支払われるんだよ。
学校の宿題に例えると「今週出せなかった宿題は来週必ず出してね」って先生に言われる感じ。やらなかったことがなくならずに積み重なっていく。
累積型は投資家にとって安心感が高いから、その分発行価格が高くなったり、配当率が低めに設定されることも多いよ。
非累積型:その年に払えなかった分はリセット
非累積型優先配当は、その年に払えなかった配当は翌年に繰り越されない。つまり「今年払えなかった分は、ごめん、なしね」で終わるタイプ。
さっきの宿題に例えると「今週の宿題は今週限り。来週に持ち越しは認めません」ってルール。厳しいよね。
累積型より投資家のリスクが高くなる分、配当率が高めに設定されることが多いよ。リスクとリターンのバランスが違うんだ。
参加型と非参加型の違いも知っておこう
優先配当にはもうひとつの分類もある。「参加型」と「非参加型」だよ。
- 参加型:優先配当を受け取った後、さらに普通株主への配当が増えたときに一緒に追加分をもらえる。つまり「二重においしい」タイプ。
- 非参加型:決まった優先配当だけをもらって終わり。普通株主の配当が増えても、追加はもらえない。
ファミレスのクーポンに例えると、参加型は「VIP割引+さらに通常ポイントも貯まる」で、非参加型は「VIP割引だけ、ポイントはなし」みたいな感じ。どちらが得かは、会社の成長次第だよ。
なぜ優先株式・優先配当が使われるの?会社と投資家それぞれの理由
会社側のメリット:銀行融資に頼らず資金を集められる
会社がお金を集める方法は主に3つある。①銀行から借りる、②普通株式を発行する、③優先株式を発行する。
銀行から借りると利子を払わないといけないし、返済期限もある。普通株式を大量発行すると、既存の株主の持ち分が薄まって経営への影響力が分散してしまう。
そこで優先株式の出番。投資家には「先に配当をもらえる安心感」を提供しつつ、会社は議決権を渡さずに資金を集められる。特にスタートアップ企業(まだ歴史の浅い新興企業)が成長資金を集めるとき、よく使われる方法なんだ。
投資家側のメリット:安定した収入と万が一の保護
投資家から見ると、優先配当には大きな安心感がある。
- 収入の安定性:配当率があらかじめ決まっているから、業績が多少落ちても一定の収入が期待できる
- 優先順位の保護:会社が倒産したときも、普通株主より先に財産を受け取れる
- 予測しやすい:「1株あたり年間○円」と決まっているから、投資計画が立てやすい
たとえばベンチャーキャピタル(VC)という、スタートアップに投資する専門の会社は、投資先が失敗したときのリスクを減らすために優先株式で出資することが多いんだ。「もし会社がうまくいかなくても、お金は先に返してもらえる」という安全網を作っておくわけ。
優先配当と身近な投資の関係:あなたの生活にもつながってる?
上場企業の株では少ない日本、スタートアップでは多い
日本の証券取引所に上場している会社の株(証券会社で買えるやつ)は、ほとんどが普通株式だよ。だから「優先配当」って言葉は、日常的に株を買ってる人にはあまりなじみがないかもしれない。
でも、スタートアップ投資の世界では全然違う。日本でも、ベンチャーキャピタルがスタートアップに投資するときは、ほぼ必ずと言っていいほど優先株式を使う。最近はクラウドファンディング型の株式投資(エクイティクラウドファンディング)でも優先株式が使われることがあるよ。
J-REITにも「優先出資」という似た概念がある
不動産投資信託(REIT)というものがあって、これは簡単に言うと「みんなのお金をプールして不動産に投資する仕組み」だよ。このREITの世界にも「優先出資」という、優先配当に似た概念がある。
優先出資とは、つまり「普通の出資者より先に分配をもらえる権利を持った出資の形」ということ。不動産ファンドや私募REITでよく使われていて、安定した収益を求める機関投資家(銀行や保険会社など大口の投資家)に人気だよ。
外国ではもっと身近な「優先株式」
アメリカではとくに優先株式が身近で、大企業も発行していることがある。有名な話だと、バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが金融危機のときにゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカに優先株式で出資して、高い優先配当を受け取ったというエピソードがある。「危機のときに助ける代わりに、有利な条件を取り付ける」というわけ。
こういう話を知ると、優先配当ってけっこうパワフルな仕組みだってわかるよね。
優先配当を理解するときに知っておきたい関連用語
配当利回り
配当利回りとは、つまり「株価に対して年間どれくらいの配当をもらえるか」を示す割合のこと。計算式はこう:
配当利回り=(1株あたり年間配当額 ÷ 株価)× 100
たとえば、株価が1000円で年間配当が50円なら、配当利回りは5%。優先配当の場合は配当額があらかじめ決まっているから、この計算がしやすいよ。
転換権(コンバージョン権)
優先株式には「転換権」がついていることがある。転換権とは、つまり「優先株式を普通株式に交換できる権利」ということ。スタートアップが大きく成長して株価が上がったとき、優先株を普通株に変えて値上がり益も取りに行ける。投資家にとって「安定を取るか、値上がりを狙うか」を選べるおいしい仕組みだよ。
清算優先権(Liquidation Preference)
清算優先権とは、つまり「会社が解散・売却されたときに、出資額を優先して回収できる権利」ということ。優先配当と並んで、スタートアップ投資でよく使われる投資家保護の仕組みだよ。1倍清算優先権なら出資額と同額、2倍清算優先権なら出資額の2倍を先に受け取れる。
議決権制限
さっきも出てきたけど、優先株式には議決権(会社の重要事項を決める投票への参加権)が制限されているものが多い。「株主総会で1票を持つ」という普通株式の権利が、優先株式では制限されるわけ。お金的な優遇と引き換えに、経営への発言権を手放す、というトレードオフを覚えておこう。
