試算表って何?わかりやすく解説

簿記を勉強していると「試算表」という言葉が出てくるんだけど、なんだか複雑そうで避けたくなることってありませんか?でも実は試算表は、毎日の記録がちゃんと正しく書けているか確認するためのチェックシートみたいなもので、仕訳の仕方さえわかっていれば誰でも作ることができるんです。この記事を読めば、試算表が何をするための表なのか、どうやって作るのかが、スッキリ理解できますよ。

試算表ってなんですか?難しい表みたいなんですが…

いい質問だね。試算表というのは「これまでの仕訳の記録が合っているか確認する表」のこと。つまり、毎日の取引を記帳したけど、ちゃんと帳簿が釣り合っているか、チェックするためのものなんだ。
どうして確認する必要があるんですか?

良い質問。簿記では「左側(借方)と右側(貸方)の合計金額は必ず一致する」という原則があるんだ。もし仕訳を間違えたり、どちらかへの記帳を忘れたりしていたら、この金額が合わなくなってしまう。試算表で確認することで、決算前に間違いに気づくことができるんだよ。
へえ、確認用なんですね。でもどうやって作るんですか?

それもシンプルだよ。仕訳帳や総勘定元帳から、各勘定科目(つまり「現金」「売上」みたいな項目)の借方と貸方のそれぞれの合計金額を集めて、一つの表にまとめるだけ。その表が「試算表」って呼ばれるんだ。
📝 3行でまとめると
  1. 試算表は毎日の仕訳記録が正しいか確認するチェック表のこと
  2. 左側(借方)と右側(貸方)の合計が一致しているかで、記帳ミスを発見できる
  3. 各勘定科目の合計を集めて表にするだけで、誰でも簡単に作ることができる
目次

もうちょっと詳しく

試算表を作ることが、なぜそんなに大事なのかといえば、簿記の根本的なルールがあるからなんです。簿記では「借方」と「貸方」という二つの側面から、すべての取引を記録します。つまり、一つの取引を記帳するときに、必ず左側と右側に同じ金額ずつ書き込む決まりがあるんですね。だから、すべての仕訳が正しく記帳されていれば、自動的に借方と貸方の合計は一致するはずなんです。でも、仕訳を忘れたり、金額を間違えたり、借方と貸方どちらか一方だけに書いて反対側を書き忘れたりすることって、意外とあるものです。試算表はそういう間違いを、決算という本番の前に発見するための「予行演習」みたいなツールなんです。試算表で借方と貸方が一致していないことに気づけば、どこで仕訳を間違えたのかを遡って確認して、修正することができます。これが簿記の記録をきちんと保つために、とても大切なチェック機能なんですよ。

💡 ポイント
借方と貸方が一致しない = どこかに間違いがある、という確実なサイン

⚠️ よくある勘違い

❌ 「試算表が作れたら、もう決算は完成したのと同じだ」
→ 試算表はあくまで「間違いがない」ことを確認するだけ。決算ではさらに決算整理仕訳という特別な仕訳を加えて、最終的な財務諸表を作る必要があります。試算表が正しい = 決算が完成、ではないんです。
⭕ 「試算表はスタート地点。合っていることを確認したら、次は決算整理に進む」
→ 試算表で基礎がしっかりしていることを確認してから、決算整理仕訳を加えて最終的な財務諸表(貸借対照表と損益計算書)を作ります。これが正しい手順です。
なるほど〜、あーそういうことか!

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試算表とはどんな表なのか

まず、試算表という言葉をシンプルに説明すると「日々の仕訳がちゃんと記帳されているか確認するための表」です。日常生活に例えるなら、家計簿をつけている人が、毎月「支出と収入の記録が正しく書けているか」を確認するために、収支をまとめ直すようなものですね。会社や商店でも、毎日いろいろな取引が起こります。商品を売ったり、仕入れたり、現金を出し入れしたり。こうした取引を記録するのが「仕訳」です。その仕訳を帳簿に記帳していくわけですが、毎日毎日の記帳をしていると、知らず知らずのうちに間違えることがあります。金額を打ちまちがえたり、借方と貸方を逆に書いてしまったり、取引自体を書き忘れてしまったり。そういう間違いを発見するためのチェックシートが「試算表」なんです。試算表では、すべての勘定科目(つまり「現金」「売掛金」「売上」「仕入」みたいな各項目)の借方合計と貸方合計を計算します。簿記のルールでは、借方の合計と貸方の合計は必ず一致するはずです。もし一致していなければ、どこかに記帳ミスがあるよ、という合図になるわけですね。つまり、試算表は「簿記のルールに従ってちゃんと書けているか、サッと確認するための表」という役割を担っているんです。

簿記における借方と貸方の関係

試算表の仕組みを理解するには「借方と貸方」という概念をしっかり押さえる必要があります。簿記では、すべての勘定科目を「左側(借方)」と「右側(貸方)」に分けて記録します。これは単なる左右の分け方ではなくて、お金や物の流れを二つの視点から見ているんですね。例えば、あなたがお店で1000円でノートを買ったとしましょう。このとき、あなたのお財布からは1000円が出ていきます。でも同時に、ノートがあなたのものになります。簿記ではこの取引を、両方の側面から記録するんです。一方は「現金が減った」という側面、もう一方は「文房具(資産)が増えた」という側面。この二つの側面を同時に記録することを「複式簿記」と言います。試算表は、この複式簿記の原則がちゃんと守られているか、確認するための表なんです。借方と貸方に書かれた金額が一致していれば、取引がきちんと両方の側面から記録されているという証拠になるわけですね。

試算表の種類と作り方

実は試算表には複数の種類があります。テストに出てくるのは主に3つのタイプで、それぞれ異なる情報を提供してくれます。最初に習うのが「合計試算表」で、これは仕訳帳や総勘定元帳に記帳されたすべての金額の借方合計と貸方合計を計算したものです。ちょうど、家計簿の全ページを見直して「支出の合計はいくら」「収入の合計はいくら」と計算するような感じですね。次が「合計残高試算表」で、これは各勘定科目の借方と貸方の合計から「残高(つまり、結局のところどちらにいくら余っているか)」を計算した表です。その残高をそのまま一覧にしたのが「残高試算表」です。3つとも「借方と貸方が一致しているか確認する」という目的は同じなんですが、詳しさの程度が違うと思ってください。どの試算表を作るかは、会社のルールや、その時に何を確認したいかによって変わります。

合計試算表の作り方

合計試算表は最もシンプルな試算表です。作り方は簡単で、仕訳帳や総勘定元帳から各勘定科目を見つけ出して、その勘定科目に書かれたすべての借方金額の合計と、すべての貸方金額の合計を計算するだけです。例えば「現金」という勘定科目があったら、現金のところに書かれた借方欄のすべての金額を足し算して、その結果を試算表の「現金」の借方のところに書きます。同じように貸方も計算して書き込みます。これを全部の勘定科目について繰り返します。そうすると、試算表の最後に「借方合計」と「貸方合計」という行ができます。ここの数字が一致していれば「今までの記帳は大丈夫」という証拠になるわけです。

残高試算表の実用性

実務では、残高試算表が最もよく使われます。なぜかというと、残高試算表を見れば「今、この勘定科目のお金はいくら残っているのか」が一目でわかるからです。例えば、銀行口座の残高がいくらあるか、売掛金(つまり、まだもらっていないお金)がいくらあるか、といった情報が、残高試算表には詰まっているんです。だから、会社が「今の経営状態はどうなっているか」を把握したいときは、残高試算表を見るわけです。ただし、簿記の試験では「合計試算表」や「合計残高試算表」もよく出てきます。これらは「記帳がちゃんとできているか」を確認するための訓練だと思ってください。実務では残高試算表をよく使いますが、勉強中は全種類を理解しておくことが大事なんですよ。

試算表でわかる情報と、その読み方

試算表を見ると、実はいろいろなことがわかります。最も基本的なことは「記帳に間違いがないか」という確認ですが、それだけではありません。残高試算表であれば、各勘定科目の現在の残高がわかりますから、会社が今どんな状態にあるかが見えてきます。例えば「売掛金の残高が増えている」ということは「まだもらっていないお金が増えている」ということで、これは売上は増えているけど、お金がまだ入ってきていないという状況を示しています。一方「買掛金の残高が増えている」ということは「まだ払っていないお金が増えている」ということで、仕入が増えているけど支払いはまだという状況です。こうした情報から「キャッシュフロー(お金の流れ)がうまく回っているか」が推測できるんです。また、試算表に載っている各勘定科目の数字を、前月の試算表と比べることもできます。「前月より現金が増えている」「売上が増えている」「経費がかかっている」といった動きが見えると、会社の経営状況の変化が理解できるようになるわけです。つまり、試算表は単なる「間違いをチェックするツール」ではなくて、「会社の経営状況を把握するための情報源」でもあるんですね。

試算表を読む実践例

試算表の読み方を具体例で説明しましょう。ある商店の試算表を見たとき、「現金:100万円」「売掛金:50万円」「在庫:80万円」という資産があり、一方「買掛金:60万円」「借入金:150万円」という負債があったとします。この場合、資産の合計は230万円で、負債の合計は210万円です。差を計算すると20万円で、これが「利益」に相当する部分です。つまり、この商店は今のところうまくいっているわけですね。でも「売掛金が50万円もある」ということは、お客さんにまだ50万円分のお金を請求している状態です。もしこのお金がなかなか入ってこなかったら、現金がなくなってしまう危険があります。こういう「潜在的なリスク」も試算表を読むことで発見できるんです。

試算表作成で気をつけるべきポイント

試算表を作るときには、いくつか気をつけるべき点があります。最も大事なのは「計算間違いをしない」ということですね。試算表の目的は「記帳ミスを発見すること」なのに、試算表を作るときに自分が計算ミスをしてしまったら、本末転倒です。だから、合計を計算したら必ず二回確認する、という習慣をつけましょう。特に大きな金額を足し算するときは、電卓を使うのもいいですね。次に気をつけることは「勘定科目の分類を間違えない」ということです。試算表では、勘定科目を「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」という5つのカテゴリーに分けることがあります。どの勘定科目がどのカテゴリーに属するかを正確に理解していないと、試算表の構造そのものが狂ってしまいます。例えば「現金」は資産に属しますが、もし間違えて費用のところに書いてしまったら、大変なことになりますね。

試算表で合わないときの対処法

試算表を作ったときに借方と貸方が合わないことがあります。そういうときは、焦らずに段階的に確認していきましょう。まず、試算表の合計の計算に間違いがないか確認します。電卓で再計算してみるんです。次に、仕訳帳や総勘定元帳を見直して「すべての勘定科目をちゃんと試算表に書き込んでいるか」を確認します。もし、元帳に載っている勘定科目で、試算表に書き忘れたものがあれば、それが差額になっている可能性があります。それでもまだ合わないなら、一つ一つの勘定科目について、借方の合計と貸方の合計が正しく計算されているか、確認していきます。この作業は時間がかかるかもしれませんが、根気強くやれば必ず間違いが見つかります。簿記の試験では「試算表が合わない問題」がよく出てきますが、これは「記帳をやり直す力」を試すための問題でもあるんです。

決算整理仕訳との関係性

試算表が完成したら、次のステップが「決算整理仕訳」です。決算整理仕訳というのは「簿記のルールに合わせるために、追加で加える特別な仕訳」のことです。つまり、試算表で「記帳ミスがない」ことが確認できたら、今度は「帳簿を最終的な形に整える」という作業が必要になるんですね。例えば「3ヶ月分のレンタル料は前払いで払ったけど、1ヶ月しか使っていない場合、残りの2ヶ月分は来期の費用だから、仕訳を調整しよう」というような調整です。こうした調整を加えた後に、最終的な財務諸表(貸借対照表と損益計算書)が完成するんです。だから試算表は「完成形ではなく、決算への道の途中にある」くらいの認識を持っておくといいですよ。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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