生命保険に入ってるけど、毎年届く「配当金のお知らせ」が何なのかよくわからない……なんて経験ない?「利差配当」って言葉、保険の書類に書いてあるのに意味がさっぱり、みたいな人も多いよね。でも実はこれ、知っておくと「自分が払った保険料がどう動いてるか」がスッキリわかる大事なしくみなんだ。この記事を読めば、利差配当がどんなものか、なぜもらえる(またはもらえない)のかが全部わかるよ。
- 利差配当とは、保険会社が見込んでいた利率より実際の運用成績が上回った差額を契約者に還元するお金のこと
- 毎年の運用成績によって金額が変わるため、必ず受け取れる保証はない変動型の仕組みになっている
- 受け取れるのは有配当保険の契約者だけで、無配当保険では最初から配当なしの代わりに保険料が低めに設定されている
もうちょっと詳しく
保険会社は、集めた保険料を運用して利益を出す「3つの源泉」を持っているよ。①実際の死亡率が予定より低かったことによる死差益(しさえき)、②会社の経費が予定より少なく済んだことによる費差益(ひさえき)、そして③運用利回りが予定利率を上回ったことによる利差益(りさえき)の3つ。利差配当はこの3つのうち「利差益」だけに着目した配当のこと。保険会社によっては3つの利益を合わせて配当を計算する「3利源配当」をやっているところもあるよ。また、配当金の受け取り方も「現金でもらう」「保険料の払い込みに充てる」「積み立てて利子もつけてまとめてもらう」など、選べる保険会社が多いから、自分の契約書や担当者に確認してみよう。
利差配当は「利差益」だけ!3利源すべて合わせた配当とは別物だよ
⚠️ よくある勘違い
→ 保険料そのものが戻ってくるのではなく、保険会社が「運用で余分に稼いだ分」を還元するもの。支払った保険料の払い戻しとは全く別の話。
→ 予定利率と実際の運用利回りの差から生まれる利益の分配なので、運用が振るわなければゼロになることもある。保険料の節約や将来設計の「メイン」として当てにしてはいけない。
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利差配当とは?まずはザックリつかもう
「利差配当」という言葉、初めて聞いたとき「なんか難しそう……」って思うよね。でも分解してみると意外とシンプルだよ。
「利」は利子や利回りのこと。「差」は差額のこと。「配当」は利益のお裾分けのこと。つまり利差配当とは、「運用の利回りに差が出たときに配られるお金」ってことなんだ。
保険料はどうやって決まってるの?
生命保険の保険料って、なんとなく保険会社が決めてる、と思ってない?実は計算の根拠がちゃんとあるんだ。保険会社は保険料を決めるとき、「集めたお金をこのくらいの利率で運用できる」という見通しを立てる。この利率が予定利率(よていりりつ)、つまり「あらかじめ予定した利率」のことだよ。
たとえばの話、学校の文化祭でジュースを売るとき、「仕入れ値100円のジュースを150円で売れば50円もうかる」と計算するよね。でも実際には売れ残りがあったり、逆に予想以上に売れてたくさん仕入れ直したりして、最終的な利益が変わることがある。保険会社の運用もそれと同じで、最初の「見込み」と「実際」がズレるんだ。
予定より多く稼いだ分が「利差益」になる
保険会社が予定利率を2%と見込んでいたのに、実際は株や債券の運用がうまくいって3%の利回りが出た!とする。この1%分の差額が積み上がったのが利差益(りさえき)だよ。この利差益を「全部保険会社がもらっちゃう」のではなく、契約者にも還元しましょうというのが利差配当のしくみなんだ。
有配当保険と無配当保険、どっちがお得?
利差配当が受け取れるかどうかは、そもそもどの種類の保険に入っているかによって決まるよ。大きく分けると2つのタイプがある。
有配当保険:配当がもらえる可能性がある
有配当保険(ゆうはいとうほけん)は、保険会社の運用成績がよければ配当金が受け取れる保険のこと。利差配当のほかに、死差益や費差益からの配当も含めた「3利源配当」を実施している保険会社もある。
メリットは「運用がうまくいった年には思わぬお金が戻ってくる」こと。デメリットは「配当が保証されていない」ことと、「無配当と比べて保険料がやや高めになることがある」点だよ。
無配当保険:配当なしの代わりに保険料が安め
無配当保険(むはいとうほけん)は、最初から「配当は出しません」という前提で、その分だけ保険料を低く設定している保険のこと。「余分なお金は要らないから、とにかく毎月の保険料を安くしたい!」という人に向いているよ。
どちらが絶対にお得、とは一概には言えない。配当をもらえる有配当保険でも、運用成績が悪ければ何ももらえない年が続くこともある。逆に無配当保険で節約できた保険料を自分で積み立てて増やす、という考え方も合理的だよ。大事なのは「配当に期待しすぎず、保障内容と保険料のバランスで選ぶこと」なんだ。
利差配当はどうやって受け取るの?使い道は?
利差配当が発生したとき、「どうやって受け取るか」を選べる保険会社が多いよ。主な受け取り方は次の3パターン。
① 現金で受け取る
一番シンプルな方法。配当金がそのまま口座に振り込まれるよ。「少額でも手元に来たほうが嬉しい」という人はこれ。ただし、額が小さいと振込手数料の方が高くなるケースもあるから注意。
② 保険料の払い込みに充てる
配当金を翌年以降の保険料と相殺する方法。実質的に「毎月の出費が少し減る」イメージだよ。家計が少しラクになる感覚があって、実は使いやすい方法。
③ 積み立てて一括で受け取る
配当金を保険会社に預けておいて、解約時や満期時にまとめて受け取る方法。預けている間に利子もつく(ただし低金利なことが多い)。「今すぐ使わないし、まとめてもらいたい」という人向け。
④ 保険金の増額に充てる
配当金を使って、保険金の額を少し上乗せしてもらう方法。こちらも保険会社によって対応が異なるよ。どの方法を選ぶかは最初に決めたり、途中で変更できる場合もあるから、自分の契約書か担当者に確認してみよう。
利差配当が多い年・少ない年って何で決まるの?
利差配当の金額は毎年同じじゃない。「今年はもらえたのに来年はゼロ」ということも普通にある。なぜかというと、保険会社の運用成績が毎年変わるからだよ。
日本の金利環境との関係
保険会社は集めた保険料の多くを国債(こくさい)という国が発行する債券に投資している。国債の利回りが高ければ運用益が増えて配当が出やすくなるし、低金利が続けば予定利率を上回るのが難しくなって配当が出にくくなる。
日本は長期間「超低金利」の時代が続いてきたから、多くの保険会社では利差益がほとんど出なくて、利差配当がゼロや超少額という状態が長く続いていたんだ。最近は少し金利が上がってきているから、今後の動向が注目されてるよ。
株式・外債の運用成績も影響する
保険会社は国債だけでなく、株式や外国の債券にも投資している。株式市場が好調だったり円安で外債の利回りが高まったりすると、全体の運用利回りが上がって利差益が生まれやすくなる。だから「景気がいい年は配当が多くなりがち」というざっくりした傾向はあるよ。ただし保険会社によって運用戦略が全然違うから、一概には言えないのも事実。
予定利率の設定タイミングも重要
昔(バブル期)に契約した保険は予定利率が5〜6%という高い水準のものがある。これは「それだけ高い利率で運用します」という約束だから、今の低金利環境では逆に保険会社が苦しくなる(これを逆ざや(さかざや)という)。逆ざや状態になると利差配当どころかマイナスになるから、当然配当はゼロになる。一方、最近契約した保険は予定利率が低めに設定されているから、少し運用がうまくいくだけで利差益が出やすくなっている場合もある。
利差配当を活用するときの注意点
利差配当のしくみがわかったところで、実際に「どう付き合えばいいか」をまとめるよ。
当てにしすぎないことが大前提
一番大事なのは、利差配当をライフプランの計算に組み込まないこと。「配当が毎年◯万円来るから老後は大丈夫」という計算は危険。配当が出るかどうかは保険会社の運用次第で、ゼロになる年が続くこともある。あくまで「もらえたらラッキー」くらいの気持ちで考えておこう。
毎年届く「配当金通知」はちゃんと確認しよう
有配当保険に入っていると、毎年「配当金のお知らせ」というハガキや書類が届く。これを捨てずにちゃんと確認する習慣をつけておこう。配当金の受け取り方を変えられる時期が決まっていることもあるから、放置するのはもったいない。
税金はどうなるの?
実は利差配当には税金がかかることもある。原則として、受け取った配当金は「一時所得(いちじしょとく)」として所得税の対象になる場合がある。ただし、生命保険の配当金は支払った保険料から差し引いて計算するため、多くのケースでは課税されないことも多い。詳しくは税理士や保険会社に確認してみよう。「税金を払う必要があるか」は、受け取り方や積み立て額によって変わってくるよ。
乗り換えや見直しのタイミングも要チェック
有配当保険から無配当保険に乗り換えると、当然配当はなくなる。ただし保険料が下がるなら総合的にはメリットがある場合も。逆に、今まで積み立ててきた配当金が解約でリセットされることもあるから、乗り換えの際はきちんと確認しよう。「なんとなく切り替えたら損してた」とならないように、見直しのときは必ず配当の積立状況も確認することをおすすめするよ。
