プロジェクトが終わったり、スポーツの試合が終わったり、テストが終わったりしたときに、「あのときこうすればよかった」とか「ここはうまくいったな」って思うことってあるよね。そういう「後から振り返る」ということを、しっかり時間をかけて、チーム全体で行うやり方をレトロスペクティブっていうんだよ。この記事を読めば、なぜ多くの企業やチームがこの振り返りを大切にしているのか、どうやってやるのかが、すっきりわかるようになるよ。
- レトロスペクティブは 仕事やプロジェクトを終えた後に、チーム全体で「うまくいったこと」「失敗したこと」を話し合う会議 のこと
- 「短いサイクルで何度も改善していく」という アジャイル という働き方を使う企業では、特に大切にされている
- 野球の試合後に監督と選手が試合内容を振り返るように、チームが一緒に成長するための 学びの時間 である
もうちょっと詳しく
レトロスペクティブの基本的な考え方は「失敗から学ぶ」「成功を繰り返す」ということ。多くの企業では「失敗は悪いこと」って考えがちだけど、実は「失敗をして、そこから学べれば、それは成功と同じくらい価値がある」って考えなんだ。だからレトロスペクティブは、失敗を責める場所じゃなくて、みんなで一緒に「次はどうしようか」って考える場所なんだよ。そうすることで、チーム全体が賢くなって、次のプロジェクトはもっとうまくいくようになるってわけだ。
失敗を責める場所ではなく、学ぶ場所である
⚠️ よくある勘違い
→ 違う。誰のせいかを責めるんじゃなくて、どうやったらうまくいくのかを一緒に考える場所だよ
→ 正解。失敗があったなら「なぜそうなったのか」「次はどうする?」を話し合うんだ
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レトロスペクティブってどんなことをするの?
基本的な流れを知ろう
レトロスペクティブは、だいたいこんな流れで進むんだ。まず会議の最初に、その回のプロジェクトやスプリント(つまり、短い期間での作業のこと)を全員で思い出す。次に「よかったこと」を付箋紙に書き出す。その次に「うまくいかなかったこと」や「改善したいこと」を書き出す。そしてそれらを分類して、「次のサイクルでは何に力を入れるか」を決めるんだよ。
例えば、6月から6月半ばまで2週間かけてスマートフォンアプリに新機能を足したとしようか。そしたらレトロスペクティブでは、2週間を振り返って「ユーザーからのフィードバックをすぐに取り入れられてよかった」とか「打ち合わせが多くて、実際のコーディング(プログラミング)の時間が少なかった」とか「デザイナーとプログラマーのコミュニケーションがうまくいった」みたいなことが話題になるわけだ。そして「次の2週間は打ち合わせを半分にしよう」とか「デザイナーとプログラマーで毎日10分朝礼をしよう」みたいな改善案が出てくるんだよ。
大事なのは、単に話し合うだけじゃなくて、その話し合いの内容を実際に行動に移すってこと。「次はこうしよう」って決めたことを、本当に次のサイクルで実行しないと、何度やっても同じ失敗を繰り返すことになっちゃう。だからレトロスペクティブは、決めたことを守っているかも大事なんだ。
誰がレトロスペクティブに参加するのか
レトロスペクティブに参加する人は、そのプロジェクトやサイクルに関わった人たち。つまり、プログラマーも、デザイナーも、プロジェクトマネージャーも、場合によってはお客さん担当の人も参加することがある。要は「実際に仕事をした人たちみんな」が参加するんだ。
なぜかというと、いろいろな立場の人がいることで、見える視点が違うから。プログラマーには見えなかった問題が、デザイナーには見えているかもしれないし、その逆もあるんだ。野球で例えるなら、ピッチャーとキャッチャーが試合を振り返るときに、外野手の視点も聞きたいってのと同じだね。全員が参加することで、より良い改善案が生まれるってわけ。
「よかったこと」と「うまくいかなかったこと」をどうやって見つけるの?
Keep・Problem・Tryという枠組み
多くの企業では「Keep」「Problem」「Try」という3つの枠組みを使ってレトロスペクティブをするんだ。「Keep」は「このまま続けたいこと、今後も大事にしたいこと」という意味。「Problem」は「問題だったこと、困ったこと、改善したいこと」という意味。「Try」は「次のサイクルで試してみたいこと、やってみようと思うこと」という意味だよ。
例えば、あなたが学園祭で出し物をする企画委員だったとしようか。実行委員会の人たち全員でレトロスペクティブをするなら、こんな感じになるね。
「Keep(続けたいこと)」として「毎朝5分の朝礼で全員の予定を確認したから、ズレが少なくて良かった」とか「SNSで学園祭の情報を毎日発信したから、来場者が増えた」みたいなことが出てくる。
「Problem(問題だったこと)」として「出し物の予算が足りなくなった」とか「男子と女子の役割分担がはっきりしていなくて、誰がやるのか何度も聞かれた」みたいなことが出てくる。
「Try(次に試すこと)」として「次の企画では、最初に予算を厳密に決める」とか「役割表をホワイトボードに書いて、全員いつでも見られるようにする」みたいなことが出てくる。
このKeep・Problem・Tryを使うことで、話が整理されて「何をどう改善するのか」がはっきりするんだ。もちろん、会社や学校によって使う枠組みは違うかもしれないけど、基本的には「よかったこと」「悪かったこと」「改善すること」の3つに分けて考えるんだよ。
付箋紙を使う理由
レトロスペクティブでは、よく付箋紙(ふせんし)を使う。「意見を付箋紙に書いて、それを壁に貼る」ってやり方だね。なぜ付箋紙を使うかというと、何個も意見が出るから。全員がいっぺんに話したら、誰の声が大きくなるし、話がまとまらなくなるんだ。
付箋紙に書くことで「一人一枚」「自分のペースで書ける」「同じ意見は一つにまとめられる」っていうメリットがあるんだよ。また、付箋紙なら「あ、これとこれは同じ内容だな」って一目でわかって、分類がしやすいんだ。デジタルツールでもいいけど、付箋紙だとみんなで視覚的に共有できるから、多くの企業では付箋紙を使ってるんだね。
レトロスペクティブで大事な心構えは何か
「心理的安全性」がすごく大事
レトロスペクティブで一番大事なのが「心理的安全性」という考え方。つまり「失敗してもバカにされない、責められない、安心して意見が言える」っていう雰囲気のことだ。
もしレトロスペクティブが「失敗した人を責める場所」になってしまったら、誰も本当のことを言わなくなってしまう。「自分のミスを隠そう」とか「上司に気に入られるような意見を言おう」ってなっちゃう。そしたら、本当の問題は見えなくなって、同じ失敗を何度も繰り返すんだ。
だから、レトロスペクティブをする上司やリーダーは「失敗は誰のせいじゃなくて、システム(やり方)のせいかもしれない」って思う姿勢が大事。例えば、Aさんが顧客対応で失敗したとしても「Aさんがダメだから」じゃなくて「Aさんに情報が伝わらないシステムになってたんじゃないか」って考えるんだよ。そうすると「次は情報の伝え方を工夫しよう」って改善案が出てくるわけだ。
意見の大小は関係ない
レトロスペクティブでは「大きな改善案」も「小さな改善案」も同じくらい大事。例えば「プロジェクト全体のやり方を変える」っていう意見も「毎日の朝礼を5分短くする」っていう意見も、どっちも価値があるんだ。
なぜなら、小さな改善の積み重ねが、チームの大きな成長につながるから。野球でいえば、バットの握り方を少し変える、立ち位置を少し変える、こういう小さな調整が、試合全体の成績につながるのと同じだね。だから「これは小さいから言わなくてもいいや」って思わずに、気づいたことはどんどん言った方がいいんだよ。
レトロスペクティブで本当に改善されるのか
実行が大事
レトロスペクティブで決めたことを、本当に実行するのが重要なんだ。「次はこうしよう」って決めても、誰も実行しなかったら、何の意味もない。例えば「打ち合わせを減らそう」って決めたのに、次のサイクルでもまた打ち合わせばっかりだったら、同じ悩みを繰り返すってわけだ。
だから、多くの企業では「誰が」「いつまでに」「何をする」っていうのを、はっきり決める。付箋紙に「打ち合わせを週3回から週2回に減らす」とだけ書くんじゃなくて「Bさんが、来週の月曜日までに、チーム全員のスケジュールを確認して、打ち合わせを週2回に減らすルートを決める」みたいに具体的に決めるんだよ。
そして、次のレトロスペクティブのときに「前回決めたことは実行された?」って確認するんだ。実行されなかったなら「なぜ実行できなかったのか」って原因を探る。「実は他の案件が入ってきて、時間がなかった」とか「Bさんが休んでた」とか、いろいろな理由があるかもしれないから。
小さな成功の積み重ね
レトロスペクティブを何度も繰り返すと、少しずつ改善されていくんだ。1回目は「何をやったらいいかわからない」かもしれない。でも2回目、3回目と繰り返すうちに「あ、これはうまくいったな」「これは失敗した」ってわかってくる。そして失敗から学んだことを、次に活かす。これを繰り返すと、チーム全体がどんどん成長していくんだよ。
野球の練習を想像してみてよ。1年目の新人野手は、毎日同じミスを繰り返すかもしれない。でも、打撃練習の後に「今日は何が失敗だったか」って考えて「明日はこうしよう」って改善して、2年目3年目と続けると、だんだん上達していくよね。レトロスペクティブも同じで、短いサイクルで小さな改善を繰り返すことで「ちょっとずつ成長」していくんだ。
企業やチームによって、レトロスペクティブのやり方は違う
リモート(オンライン)でやるときと、オフィスでやるときの違い
レトロスペクティブは、リモートでやるときとオフィスでやるときで、ちょっと工夫が違う。オフィスでやるときは、さっき言った通り「付箋紙を壁に貼る」ってやり方がいいんだ。みんなが見える場所に付箋紙が貼ってあるから、分類もしやすいし、話も進めやすい。
でも、リモートでやるときは、付箋紙が使えないから、Google Docsとか Miroとか、デジタルツールを使う企業が多いんだ。これらのツールを使うと「全員が同時に意見を書ける」「パソコンの画面で全員が見られる」「あとで記録を残せる」っていうメリットがあるんだよ。
ただし、デジタルツールでやると「誰が何を言ったか見えてしまう」っていう欠点がある。もし上司の意見をいち早く見てしまったら「上司と同じ意見を言わないと」って気になるかもしれないし、逆に違う意見を言うと怒られるんじゃないかって心配になるかもしれない。だから、匿名で意見を書けるツールを使う企業もあるんだ。
時間はどのくらい?
レトロスペクティブは、チームの大きさによるけど、30分〜1時間くらいでやることが多いんだ。短いサイクル(1週間とか2週間)でやるなら30分。ちょっと長いサイクル(1ヶ月とか)でやるなら1時間、みたいな感じ。あんまり長いと、みんなが疲れちゃって、集中力がなくなっちゃうんだよ。
また、全員で一緒にやるときと、小さいグループに分かれてやるときもある。例えば、大きな企業で100人のプロジェクトなら、部門ごと(デザイン部門、開発部門、営業部門)に分かれてレトロスペクティブをして、その後に「どの部門でも同じ問題が出てた」ってことを全体で共有する、みたいなやり方もあるんだ。
レトロスペクティブのコツ・上手にやるには
ファシリテーター(進行役)が大事
レトロスペクティブを上手にやるには、進行役(ファシリテーター)がとても大事なんだ。進行役の人が「では、よかったことを付箋紙に書いてください、5分で」とか「では、これらの意見を分類していきましょう」とか「では、みんなで投票して、一番改善したいことを決めましょう」みたいに、レトロスペクティブを進める。進行役がいなかったら、話が散らかって、何も決まらないまま時間が過ぎちゃうんだ。
また、進行役は「心理的安全性」を作る責任もある。例えば「誰が失敗したか」って話になってきたら「いや、これは誰のせいじゃなくて、プロセス(やり方)の問題だと思うよ」って言ったり、黙ってる人に「何か感じたことない?」って優しく聞いたり、そういうことが大事なんだよ。
焦点を絞る
レトロスペクティブで付箋紙がいっぱい出てくることもある。デザイナーから「ツール(使ってるソフト)がうまくいかなかった」「納期が短かった」「クライアント(お客さん)の指示が多かった」とか、いっぱい意見が出るんだ。そんなときに「すべて改善しよう」って思うと、誰が何をするのかわからなくなっちゃう。
だから、多くの企業では「3つまで」「今回のサイクルで一番改善したい3つのことに絞ろう」って決めるんだ。そして「これは来週やる」「これは来月やる」「これは今後の課題」とか、時間軸を決めるんだよ。すべてを一度に改善しようとするんじゃなくて「今回はこれを頑張ろう」ってフォーカスを当てるってわけだ。
前回のレトロスペクティブと比べる
レトロスペクティブを何度も繰り返すと「あ、前回決めたことが実行できた」「あ、前回の改善案がうまくいった」って気づくんだ。それを確認することで「自分たちは成長してるんだ」って実感できるんだよ。これが、チームのやる気につながるんだ。
逆に「あ、前回決めたことが実行できなかった」「あ、前回の改善案がうまくいかなかった」ってこともある。そういうときは「なぜうまくいかなかったのか」を話し合うんだ。「実は他の案件が入ってきて時間がなかった」とか「やってみたけど、もっといい方法があった」とか、原因を突き止めるんだよ。
