「この商品、誰に向けて売ればいいんだろう?」って考えたことない?お菓子を作るにしても、アプリを開発するにしても、「誰かのために」作らないと結局誰にも刺さらないんだよね。でも「20代女性向け」みたいにざっくりしすぎると、今度は「で、具体的にどんな人?」ってなってチームの認識がバラバラになる。そのときに登場するのが「ペルソナ」という考え方。ビジネスや商品開発の現場でよく出てくる言葉だけど、「なんとなく聞いたことあるけどよくわからない」って人も多いはず。この記事を読めば、ペルソナって何か・なんで必要なのか・どうやって作るのかが全部わかるよ。
- ペルソナとは、商品やサービスの 架空の理想顧客像 のことで、名前・年齢・悩みまで細かく設定したもの
- ペルソナを作ることでチームの 認識がそろい、誰に向けて何を届けるかがブレなくなる
- ペルソナはただの想像ではなく、実際のデータやインタビュー をもとにリアリティを持たせて作ることが大切
もうちょっと詳しく
ペルソナという言葉は、マーケティング・UI/UXデザイン・プロダクト開発など、さまざまな場面で使われています。もともとは心理学者のカール・ユングが「人が社会に見せる外向きの顔(仮面)」という意味で使った言葉ですが、現代のビジネスでは「架空の理想顧客像」という意味で定着しています。つまり、ペルソナとは「このサービスを一番使ってほしい人を、まるで実在するかのように詳しく描いたもの」ということです。名前・年齢・職業・家族構成・趣味・悩み・よく使うSNS・休日の過ごし方まで細かく設定します。なぜそこまで細かくするかというと、「リアルにイメージできるほど、その人に刺さる言葉やデザインが考えやすくなる」からです。たった一人の具体的な人物を思い浮かべながら作った商品は、その人と似た境遇・悩みを持つ多くの人にも届きやすくなるんです。
データに基づいて作ること!妄想だけで作ると「自分が好きな人物像」になってしまう罠がある
⚠️ よくある勘違い
→ ざっくりしすぎると「で、具体的にどんな人?」となって結局チームで認識がそろわない。「20代女性」はターゲット(対象グループ)であってペルソナではない
→ 具体的な人物像があってはじめて「この人ならどう感じるか」がチーム全員でイメージできるようになる。細かさがペルソナの命
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そもそも「ペルソナ」ってどういう意味?
言葉の由来をたどってみよう
「ペルソナ(persona)」という言葉、もともとはラテン語で「仮面」を意味します。古代ローマの舞台俳優が顔につけていた仮面のことで、その仮面ごとに演じる役柄が変わっていたことから、「人が外に向けて見せる顔・役割」という意味に広がっていきました。
20世紀になると、心理学者のカール・ユングがこの言葉を心理学の概念として使いました。ユングは「人間は社会や相手によって、さまざまな顔(仮面)を使い分けている」と考え、その外向きの顔のことを「ペルソナ」と呼んだんです。
そして現代のビジネスの世界では、意味がさらに転換して「架空の理想的なお客さん像」として使われるようになりました。つまり、ペルソナとは「自社の商品やサービスを使ってほしい典型的なユーザーを、一人の人間として細かく描いたもの」ということです。
マーケティング用語としてのペルソナ
マーケティングの世界でペルソナが注目されるようになったのは1990年代ごろ。ソフトウェアのUI(ユーザーインターフェース、つまり操作画面のデザイン)を設計する際に、「誰が使うかを具体的にイメージしてから設計しよう」という考えが広まったことがきっかけです。
今では、商品開発・広告・SNS運用・Webサイトのデザインなど、あらゆるビジネスの場面でペルソナが活用されています。「誰のために作るか」が明確になるだけで、作るものの方向性がぐっと定まるんですよね。
なぜペルソナを作るの?作らないとどうなる?
「全員向け」は「誰にも刺さらない」
たとえば、あなたが新しいノートアプリを作るとします。「誰でも使えるように!」と思って機能をどんどん追加したら、画面がごちゃごちゃして使いにくくなってしまいました。これ、よくある失敗パターンなんです。
「全員に届けたい」と思って作ると、結果的に「誰にも刺さらないもの」になってしまうことが多いんだよね。コンビニのおにぎりが全国どこでも同じ味なのに対して、地方の名店の限定おにぎりが地元の人に熱烈に愛されるのと似たような話です。
ペルソナを作ると、「この人のために作る」という軸が定まります。すると自然に「この機能は必要か?」「このデザインはこの人に合っているか?」という判断がしやすくなるんです。
チームの「認識のズレ」を防げる
商品開発は一人でやることはほとんどなく、チームで進めることが多いです。そのとき困るのが「チームメンバーそれぞれが違うお客さん像を頭に描いている」という状況です。
Aさんは「若い学生向けだよね」と思って開発を進め、Bさんは「30代の主婦向けでしょ」と思って進めると、できあがったものがちぐはぐになってしまいます。でも「田中さん(28歳、一人暮らし、毎朝忙しいOL)」というペルソナがあれば、全員が同じ人物を思い浮かべながら話せるので、認識がそろうんです。
会議で「田中さんはこのUIで迷わず使えるかな?」という話し方ができるようになると、議論がぐっとスムーズになります。これがペルソナを作る大きなメリットの一つです。
「刺さる言葉」が見つかりやすくなる
広告のキャッチコピーや、SNSの投稿文を作るとき、「誰に向けて書くか」が決まっていないと、ふわっとした言葉になりがちです。でもペルソナがあると、「この人が読んだら心に響く言葉ってなんだろう?」と考えられます。
たとえばペルソナが「毎朝時間がなくて、朝食をちゃんと食べられていないことに罪悪感を感じている30代の働くお母さん」だとしたら、「栄養バランスが良い!」という言葉より「忙しい朝でも、10秒でOK」という言葉のほうがグッとくるはず。このように、ペルソナは「届く言葉を見つける地図」にもなるんです。
ペルソナの作り方【ステップ別に解説】
ステップ1:データを集める
ペルソナ作りの第一歩は、「現実のデータ」を集めることです。ここで想像だけに頼ると、「自分が好きな人物」を作ってしまうという罠にはまります。集めるべきデータの例を挙げてみます。
- 既存のお客さんへのアンケートやインタビュー
- SNSのコメントやレビューの内容
- Webサイトのアクセス解析(年齢層・閲覧デバイスなど)
- 営業担当者や接客スタッフが現場で聞いた声
- 競合他社のレビューや口コミ
特に「お客さんが自分の言葉で語ったコメント」は宝の山です。レビューサイトのコメントを読み込むと、どんな言葉で悩みを表現しているか、何に喜んでいるかがリアルにわかります。
ステップ2:パターンを見つける
集めたデータを眺めていると、「この層の人たちは似たような悩みを持っているな」というパターンが見えてきます。たとえば「時間がない」という声が多ければ、時短に価値を感じる人が多いということ。「使い方がわからなくて困った」という声が多ければ、シンプルさを求めているということが読み取れます。
この段階では、「どんな人たちのグループがあるか」を大まかに分類する作業です。細かすぎず、大きすぎず、2〜3グループに絞るとペルソナが作りやすくなります。
ステップ3:一人の人物として肉付けする
グループが決まったら、そのグループを代表する「一人の人物」を作ります。設定する項目の例はこちらです。
- 基本情報:名前・年齢・性別・居住地・家族構成
- 仕事・生活:職業・年収・1日のスケジュール・よく使うアプリやSNS
- 価値観・性格:何を大切にしているか・趣味・休日の過ごし方
- 悩み・課題:何に困っているか・何を解決したいか
- 目標:理想の状態・なりたい姿
写真素材サイトから「この人っぽい!」という顔写真を貼り付けると、さらにリアリティが増してチームでの共有がしやすくなります。
ステップ4:チームで共有・修正する
作ったペルソナは一人で完成させるものではなく、チームで確認して意見をもらうことが大切です。「この設定、実際のお客さんとずれてない?」「営業から見てどう思う?」という視点を入れることで、精度が上がっていきます。ペルソナは一度作って終わりではなく、新しいデータが集まるたびにアップデートしていくものだと思っておくといいですよ。
ペルソナの使い方【実際のビジネスではこう使う】
商品・サービスの企画に使う
新しい商品を開発するとき、ペルソナは「これを作っていいか判断する基準」になります。「田中さんはこの機能を使うだろうか?」「田中さんにとって、この価格は高すぎないか?」というふうに、意思決定の軸になるんです。
ペルソナがないと、「開発チームが好きな機能」がどんどん追加されて、気づいたら誰も使いにくい複雑なものができあがってしまいます。ペルソナを基準に「必要か・不要か」を判断することで、シンプルで使いやすいものが作れるようになるんです。
広告・コンテンツ作りに使う
SNSの投稿・広告のコピー・ブログ記事を書くとき、「誰に向けて書くか」を意識するだけで、内容ががらりと変わります。ペルソナが「仕事と育児で毎日忙しく、自分の時間がとれないと感じている32歳の女性」であれば、「まとめて管理できる」「スキマ時間で読める」といった言葉が刺さりやすいと予測できます。
逆にペルソナが「定年後の時間を充実させたい60代男性」なら、「じっくり楽しめる」「丁寧に説明している」という言葉のほうが響くはず。同じ商品でも、ペルソナが違えば伝え方はまったく変わるんです。
Webサイト・アプリのデザインに使う
UI/UXデザイン(つまり、画面の見た目や操作のしやすさの設計)でも、ペルソナは大活躍します。「ペルソナはスマホを片手で操作することが多い」とわかれば、ボタンを大きくして親指で押しやすい位置に配置しようという設計の判断ができます。「PCメインで使うユーザーが多い」とわかれば、情報量を増やしたレイアウトにするという判断ができます。
こういう「ユーザーの行動・環境に基づいた設計」をすることで、「使いやすい!」と感じてもらえるサービスができあがるんです。
ペルソナを作るときに注意したいこと
「自分が好きな人物」を作らないようにする
ペルソナ作りで最もよくある失敗が「作った人の理想や好みが混入してしまう」ことです。データをもとに作るといっても、どうしても「こういうお客さんだったらいいな」という願望が入り込みがちです。
これを防ぐためには、実際のお客さんの声・インタビュー・アンケート結果を常に参照することが大切です。「自分はこう思う」ではなく「データはこう示している」を基準に作るクセをつけましょう。
ペルソナは1〜3人に絞る
ペルソナを5人・10人と作りすぎると、結局「誰に向けて作るのか」がまたわからなくなってしまいます。一番重要なメインペルソナを1〜2人に絞って、丁寧に作ることが大切です。どうしても複数のターゲットがいる場合は、優先順位をつけておきましょう。
ペルソナは定期的にアップデートする
社会や市場は常に変化しています。3年前に作ったペルソナが今も通用するとは限りません。新しいデータが集まったら、ペルソナの設定を見直すことが大切です。たとえばSNSのトレンドが変わったり、ターゲット層のライフスタイルが変化したりすれば、ペルソナも更新していく必要があります。
ペルソナは「一度作って完成」ではなく、「育てていくもの」だと思っておくといいですよ。定期的に見直すことで、常に現実に即したペルソナを持ち続けることができます。
ペルソナと「ターゲット」の違いを混同しない
よく混同されますが、「ターゲット」と「ペルソナ」は違います。ターゲットとは「20代〜30代の女性」「都市部在住の会社員」のような、属性でくくったグループのことです。つまり、ターゲットは集団であり、ペルソナは個人です。
ターゲットを決めてから、その中の一人を具体的に描いたものがペルソナ、というイメージが正しいです。ターゲットだけでは「どんな言葉が刺さるか」「どんな機能が必要か」が見えにくいので、そこからさらに踏み込んでペルソナを作るわけです。この2つの違いをしっかり理解しておくと、ビジネスの会話でもスムーズに使えるようになりますよ。
