OLAPって何?わかりやすく解説

営業部の人が「今月の売上、地域別・商品別・営業担当者別で見たい」と言ったり、経営層が「過去3年のデータパターンを分析したい」と言ったりしませんか?こういう複雑で色々な角度からデータを見たいときに活躍するのが「OLAP」という仕組みです。この記事を読めば、OLAPが何なのか、そしてなぜビジネスで重宝されているのかがわかりますよ。

あ、先生。データベースって、最初に習ったシステムでいいじゃないですか。なんで「OLAP」なんていう別の方法が必要なんですか?

いい質問だね。実はデータベースにも種類があるんだ。普通のデータベースは「毎日の取引を記録する」ために最適化されてるんだよ。売上1件、1件を素早く記録するのが得意ってわけ。でもOLAPは「昔のデータをいろいろな角度から分析したい」という目的に特化してるんだ。違う得意分野を持ってるってイメージだね。
「いろいろな角度から分析したい」って、具体的にはどういうことですか?

例えば、あるスポーツ用品店の売上データで考えてみようか。「4月の靴の売上」「東京エリアでの4月の靴の売上」「東京エリアの全4月全商品の売上」みたいに、いろんな切り口で分析したいときがあるんだ。OLAPはこういう多角的な分析を高速にしてくれるんだよ。
なるほど。で、それってどうやって実現してるんですか?魔法みたいなもの?

魔法じゃなくて工夫だね。OLAPは「キューブ」という立体的なデータ構造を使ってるんだ。つまり、横軸に商品、縦軸に地域、奥行きに日付という感じで、3次元(実は3次元以上も可能)の空間にデータを整理しておくんだよ。そうすると、どの角度から見ても素早く答えが出てくるという仕組みなんだ。
📝 3行でまとめると
  1. OLAPは「分析用のデータベース」のことで、毎日の取引記録じゃなく過去のデータをいろんな角度から見るために使う
  2. 「キューブ」という立体的な構造でデータを整理することで、複雑な分析を高速に実行できる
  3. 営業報告書や経営分析など、「いろいろな切り口で集計・分析したい」シーンで活躍する
目次

もうちょっと詳しく

OLAPという言葉は「Online Analytical Processing」の略で、つまり「オンライン分析処理」ということです。「オンライン」というのはインターネットという意味じゃなくて、「リアルタイムで」という意味ですね。つまり、ユーザーがクリックするたびに、素早く分析結果を返すことができる仕組みという意味なんです。普通のデータベースとOLAPの大きな違いは、「何のために使うか」という目的の違いなんです。

💡 ポイント
OLAPはデータベースじゃなくて「分析プラットフォーム」と考えると理解しやすいよ

⚠️ よくある勘違い

❌ 「OLAPはデータベースの一種である」
→ OLAPはデータベースではなく、データベースの上に構築された「分析プラットフォーム」なんです。データベースは家に例えると「材料を保管する倉庫」ですが、OLAPは「倉庫から材料を持ってきて、様々な工芸品を作る作業台」みたいなイメージです。
⭕ 「OLAPはデータベースとは別の分析用システムである」
→ 正確には「データウェアハウス」という整理済みのデータ倉庫から、OLAPというツールを使って分析するという流れです。データベースはシステムが毎日のデータを記録する場所、OLAPは人間がそのデータを分析するためのツールという住み分けがあるんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

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OLAPとOLTPの違いを理解しよう

OLAPについて深く理解するには、まず「OLTP」という似た言葉を知っておくといいですよ。OLTPは「Online Transaction Processing」の略で、つまり「オンライン取引処理」という意味です。これは毎日、毎時間、毎分のデータを次々と記録していく処理のことなんです。

例えば、あなたが好きなラーメン屋さんを想像してください。毎日、朝から晩までお客さんがラーメンを食べに来ます。「今日11時に豚骨ラーメンが1杯売れた」「12時15分に醤油ラーメンが2杯売れた」みたいに、1つ1つの取引を素早く記録していくのがOLTPなんです。この処理では「速度」と「正確性」が大事なんですね。だって、お客さんがレジに来たら、すぐにお金をもらって領収書りょうしゅうしょを渡さないといけませんから。

一方、OLAPはそういう1つ1つの取引を分析するわけじゃなくて、「昨年4月と今年4月の豚骨ラーメンの売上を比較したい」とか「東京のお店と大阪のお店で、どっちが醤油ラーメンをよく売ってるか」みたいに、大量のデータを色々な角度から集計・分析する処理なんです。

このように、OLTPは「新しいデータをどんどん記録するのが仕事」で、OLAPは「昔のデータをいろいろ集計するのが仕事」という感じで、完全に違う目的を持ってるんですね。だから、同じデータベースシステムでは効率が悪いので、わざわざ2つに分けて運用してるんです。OLTPで記録したデータを、定期的にOLAPのシステムにコピーして、そこで分析する流れが一般的なんですよ。

OLAPの「キューブ」という魔法の構造

OLAPが高速に複雑な分析ができる秘密は、「キューブ」という変わった形のデータ構造を使ってるからなんです。キューブって何なの?と思うかもしれませんね。まず、普通のデータは表(テーブル)という形で保存されてます。つまり、横が行、縦が列という2次元の世界なんです。

でも、実際のビジネスデータって、2次元じゃ足りないんですよ。例えば、さっきのラーメン屋さんの売上を思い出してください。「商品」「店舗」「日付」という3つの要素があります。さらに、「営業担当者」「顧客年代」なんていう要素も加わるかもしれません。こうなると、単純な表では表現しきれないんですね。

そこで登場するのが「キューブ」という立体的なデータ構造なんです。つまり、3次元以上の空間にデータを整理しておくという考え方ですね。「商品」を横軸に、「店舗」を縦軸に、「日付」を奥行きにして、立体的にデータを配置しておくんですよ。そうすると、「東京のお店の4月の売上」という情報は、キューブの中のある1つの点(実際には複数の点を集計したもの)を指すわけです。

この立体的な構造の何が良いかというと、あらかじめ色々な集計結果を計算して保存しておけるんです。だから、「4月の全店舗の売上は?」という質問が来たときに、すぐに答えられるんですね。普通のデータベースだと、毎回大量のデータを1つ1つ数えないといけなくて時間がかかります。でも、キューブなら「もう計算済み」の結果が用意されてるわけです。

ただし、キューブも万能じゃなくて、デメリットもあります。一番大きなデメリットは「ストレージ(保存容量)をたくさん使う」という点です。だって、色々な角度から集計した結果を全部保存しておかないといけませんから。それでも、分析の速度が劇的に上がるので、ビジネスの現場ではこの工夫を使う価値があるんですね。

キューブの3つの基本要素

OLAPのキューブを理解するには、3つの基本要素を知っておくといいですよ。1つ目は「ディメンション」です。つまり、「分析の軸」という意味です。さっきのラーメン屋さんの例なら、「商品」「店舗」「日付」がディメンションですね。これらの軸を組み合わせることで、色々な角度から分析ができるんです。

2つ目は「メジャー」です。つまり、「実際に計測する数字」という意味です。「売上」「販売数」「利益」なんていうのがメジャーですね。ディメンションは「誰が」「どこで」「いつ」という軸を表して、メジャーは「何をいくら」という実際の値を表してるわけです。

3つ目は「ファクト」です。つまり、「1つ1つの取引データ」という意味です。「東京のお店で4月1日にラーメンを3杯売った」というのが1つのファクトですね。このファクトが集まって、ディメンションとメジャーで整理されることで、キューブができあがるんです。この3つの要素を理解しておくと、OLAPの仕組みがぐんと理解しやすくなりますよ。

実際のビジネスでOLAPはどう使われてるのか

OLAPってすごく難しい概念に聞こえるかもしれませんが、実際には色々なビジネスの現場で活躍してるんです。むしろ、私たちが何気なく見てるデータ分析の裏側には、OLAPが働いてることが多いんですよ。

例えば、大型スーパーやコンビニのレジシステムを考えてみてください。毎日、何千件、何万件もの取引が発生します。でも、経営者が「今月の売上」「商品別の売上」「地域別の売上」なんていう報告書を見たいとき、こんなに膨大なデータから素早く答えを出す必要があるんです。そこでOLAPが活躍するわけです。

また、大型企業の営業部では、営業成績の分析によく使われます。「新人の田中君の4月の売上」「ベテランの鈴木さんの売上」「営業所ごとの売上」「商品カテゴリー別の売上」みたいに、いろいろな切り口で分析したいんです。営業所の責任者は「誰がいくら売ったか」を知りたいし、経営層は「全体の方向性」を知りたいし、商品企画部は「どの商品が好調か」を知りたいんですね。こういう、色々な部門が色々な質問をするシーンで、OLAPは活躍するんです。

さらに、大学のテストの成績分析でも使えます。例えば、「今年度の理系学部の数学の平均点」「学年別の英語の成績」「男子と女子の理科の成績の差」みたいに、いろいろな角度から分析する場面がありますよね。こういう場面も、OLAPの得意な分野なんです。

金融業界でも、OLAPはよく使われます。銀行が「今月の融資額」「地域別の預金額」「顧客層別の利益」なんていう分析をするときに、OLAPが活躍するんです。病院や医療機関でも、「患者さんの年代別の患者数」「病気の種類別の患者数」「月別の入院患者数」なんていう分析に使われてますよ。

OLAPを使う職業・部門

OLAPを実際に使う職業としては、まず「データアナリスト」や「ビジネスアナリスト」という人たちがいます。これらの人は、会社の経営層から「去年と今年の売上を比較したい」みたいな質問をもらって、OLAPを使ってその答えを見つけるんです。次に、「経営企画部」や「経営管理部」という部門です。会社全体の方向性を決めるために、色々なデータを分析する必要があるんですね。

また、「営業部」「マーケティング部」でも、OLAPが活躍します。営業部なら「商品別の売上」「営業所別の成績」を分析するし、マーケティング部なら「顧客層別の購買パターン」「商品カテゴリー別の流行トレンド」を分析するわけです。そして、「財務部」では、予算管理や利益分析に使われます。

OLAPとデータウェアハウスの関係

OLAPについて学んでると、「データウェアハウス」という言葉をよく聞きます。これは何なのかというと、つまり「データの大きな倉庫」という意味です。もっと正確に言うと、「分析用に整理されたデータの大型保存施設」という意味なんですね。

OLAPを理解するには、このデータウェアハウスの存在が重要なんです。なぜなら、OLAPはデータウェアハウスの中のデータを分析するツールだからです。流れとしては、こんな感じです。

まず、毎日のビジネスデータは「トランザクションデータベース」(つまり、OLTPのシステム)に記録されます。レジシステムなら、毎回の売上が1つ1つ記録されるわけです。でも、このデータは分析には向きません。なぜなら、「商品1がいつ売れた」「商品2がいつ売れた」みたいに、バラバラになってるからです。

そこで、定期的(毎日夜間とか、毎週末とか)に、このトランザクションデータベースから「分析しやすい形に整理したデータ」を抽出して、データウェアハウスに保存するんです。つまり、「商品別の売上」「地域別の売上」「時間帯別の売上」という感じで、あらかじめ色々な形に整理してから保存するわけですね。

そして、このデータウェアハウスに保存されたデータを、OLAPというツールを使って分析する流れになるんです。だから、OLAPはデータウェアハウスの上に乗っかってるツール、という感じで理解するといいですよ。

データウェアハウスがあると何が嬉しいのか

なぜわざわざデータウェアハウスなんていうものを作るのか、という疑問を持つかもしれませんね。答えは単純です。「分析の速度を上げるため」なんです。もし、トランザクションデータベースから直接分析していたら、毎回膨大なデータを1つ1つ数えないといけなくなります。それだと、時間がかかりすぎて、「今すぐ答えが欲しい」というビジネスの要求に応えられないんですね。

でも、あらかじめ「商品別に集計したデータ」「地域別に集計したデータ」みたいに、整理して保存しておけば、素早く答えが出せるんです。これが、OLAPが高速に動作できる理由なんですね。つまり、データウェアハウスという「準備の場所」があるおかげで、OLAPという「分析ツール」が高速に動作できるという関係になってるんです。

OLAPの限界と今後の展望

OLAPは確かに素晴らしいツールですが、完璧ではありません。いくつか限界や課題があります。まず、「リアルタイムには対応しにくい」という課題があります。OLAPはあらかじめ集計結果を計算して保存しておくシステムなので、毎時間毎分のデータ更新にはなかなか追いつけないんです。

例えば、ある取引所の株価分析を考えると、1秒ごとに大量の取引が発生します。OLAPでこれをリアルタイムに分析しようとすると、毎秒キューブを更新しないといけなくなって、そんなことはほぼ不可能なんですね。だから、「ここ1時間の平均株価の動き」みたいに、ある程度間隔を開けた分析にしか使えないんです。

次に、「ストレージをたくさん使う」という課題があります。色々な角度から集計した結果を全部保存しておかないといけないので、その分のコンピュータの容量が必要なんです。今の時代は容量も安くなってきたので、昔ほど大きな問題ではありませんが、それでも気を遣う必要があります。

そして、「新しい分析軸が増えると大変」という課題もあります。キューブを作るときに「商品」「地域」「日付」という軸を決めておくんですが、後から「顧客年代別にも見たい」となったら、キューブを作り直す必要が出てくるんです。これは結構な手間なんですね。

ただし、最近の技術進歩で、こういった課題も少しずつ解決されてきてます。例えば、クラウドコンピューティングの発展で、ストレージやコンピュータ能力を必要に応じて増やせるようになりました。また、「カラムナーデータベース」という新しい技術も登場して、もっと柔軟な分析ができるようになってきてます。つまり、データベースを縦に整理することで、もっと素早く分析できるという工夫なんですね。

今後の展望としては、OLAPのような「事前計算型の分析」と、もっとリアルタイムな「データストリーム処理」という新しい技術が、どう共存・融合していくのかが興味深いところです。ビジネスの世界では「今すぐ答えが欲しい」という要求が増えてるので、速度とリアルタイム性のバランスを取った新しい技術が、今後の主流になっていくんじゃないかと予想されます。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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