「なんで日本の会社なのに、サポートに電話したらなんか外国っぽいアクセントの人が出てきた…?」って経験、ない?実はそれ、オフショアリングっていうビジネスの仕組みが関係してるんだ。今どきの会社がどうやってコストを下げて競争に勝とうとしているか、この記事を読めばまるっとわかるよ。
- オフショアリングとは、自社の業務を 海外の企業や人材に委託する ビジネス戦略のこと
- 最大のメリットは 人件費の削減 で、新興国の低い賃金水準を活用できる点にある
- 一方で 品質管理・コミュニケーション・情報セキュリティ などのリスクもあわせて理解しておくことが大事
もうちょっと詳しく
オフショアリングが本格的に広まったのは1990年代〜2000年代で、IT業界が火付け役だったんだ。インターネットが普及して、物理的に離れた場所でも仕事をやりとりできるようになったのが大きかった。最初はアメリカ企業がインドにシステム開発を発注するパターンが多かったけど、今は日本企業がベトナム・フィリピン・中国・ミャンマーなどに発注するのもすっかり定番になってる。IT開発だけじゃなくて、経理処理・コールセンター・デザイン・翻訳など、いろんな業種に広がってるよ。「なんでこの料金でこのクオリティ?」って思うサービスの裏には、オフショアリングが隠れてることも多いんだ。
IT・コールセンター・経理など「デジタルで完結する仕事」ほどオフショアリングされやすい!
⚠️ よくある勘違い
→ 安いだけで質が低いというイメージを持ちがちだけど、それは昔の話になりつつある
→ ベトナムやインドには優秀なIT人材が大勢いて、しっかりした管理体制のもとでは高品質な成果物を出すチームも多い。問題が起きるのは「安さだけで選んで管理をサボった」ケースが多いんだ
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オフショアリングってそもそも何?基本をおさえよう
「海の向こうに仕事を出す」というシンプルな発想
オフショアリングを一言で言うと、自分の会社の仕事の一部を、海外の企業や人材に任せることだよ。「オフショア(offshore)」は英語で「沖合・海の向こう」という意味で、つまり海外に仕事を移すというイメージ。
身近な例で考えてみよう。あなたが学校のクラスで文化祭の準備をしているとする。看板のデザインが得意な友だちがいるけど、その子は隣のクラスにいる。でも「デザインは任せた!」って頼むことにした。これがアウトソーシング(外部委託)の基本的なイメージ。さらに、その得意な子が「遠い地方に住んでいる」という状況がオフショアリングに似ているんだ。
ビジネスの世界でよくオフショアリングされるのは、こういった仕事だよ:
- ソフトウェアやアプリの開発・プログラミング
- カスタマーサポート(コールセンター)
- データの入力・整理・集計
- 経理・給与計算などのバックオフィス業務(つまり、会社の裏方で数字を管理する仕事のこと)
- グラフィックデザイン・動画編集
- 翻訳・文章の校正
共通点は「インターネットがあれば場所を選ばずできる仕事」ということ。逆に、直接会って話し合う必要がある仕事や、日本国内の施設・設備が必要な仕事はオフショアリングしにくいよ。
どこの国に頼むことが多いの?
日本企業がオフショアリングを発注する先として人気なのが、ベトナム・インド・フィリピン・中国・インドネシアなどのアジア諸国だよ。特にベトナムは近年急成長していて、IT人材の数と質の両方で注目を集めているんだ。理由は「日本語を話せるエンジニアが多い」「時差が少ない(ベトナムは日本との時差が2時間)」「親日感情が強い」といった点があるからだよ。
一方、英語圏向けのオフショアリングではインドが長年トップクラス。インドは理系教育が盛んで、英語を話せる高スキルのエンジニアが非常に多いんだ。
なぜ企業はオフショアリングをするの?メリットを理解しよう
一番の理由はやっぱり「お金の節約」
企業がオフショアリングをする最大の理由は、ずばりコスト削減、つまり費用を安くすることだよ。国によって給料の水準(これを「賃金水準」という)が全然違うのが、その根っこにある。
たとえばの話をしよう。日本でウェブシステムを開発するエンジニアを1人雇うと、月給40〜70万円くらいになることも珍しくない。でもベトナムの同レベルのエンジニアなら、月10〜25万円くらいで雇えることがある。これを10人規模のチームで計算すると、年間で数千万円の差になるんだ。
「同じ仕事が半分以下のコストでできる」となれば、会社としては真剣に検討したくなるよね。特に利益の薄い業界や、スタートアップ(つまり、立ち上げたばかりの新しい会社のこと)にとってはとても魅力的な選択肢なんだ。
コスト以外にもメリットがある
オフショアリングのメリットはコスト削減だけじゃないよ。
- 人材不足の解消:日本国内ではITエンジニアが慢性的に不足しているといわれているけど、海外では優秀なエンジニアが大勢いる。国内で採用できなかった人材を海外で確保できるんだ。
- 24時間対応が可能になる:時差を活用すれば、日本のオフィスが夜中でも海外のチームが働いていて、朝起きたら仕事が進んでいる、なんてことも可能になるよ。これを「フォロー・ザ・サン(太陽を追いかける)」戦略っていう。
- 専門スキルへのアクセス:特定の技術や分野に特化した海外の専門会社に頼むことで、国内では難しかった高度なスキルを活用できることもあるんだ。
- コア業務への集中:雑務や定型的な作業を外に出すことで、自社の社員が企画・戦略・営業といった「本当に大事な仕事」に集中できるようになる。
オフショアリングのリスクと失敗しないための考え方
「安い=いいこと」だけじゃない現実
オフショアリングにはメリットがたくさんある反面、うまくいかないケースも少なくないんだ。失敗する会社が共通して踏んでいる落とし穴を知っておこう。
まず一番多い問題がコミュニケーションのずれだよ。言語の壁はもちろん、「言わなくてもわかるだろう」という日本的な感覚(これを「ハイコンテクスト文化」という、つまり言葉にしなくても雰囲気や文脈から察する文化のこと)が通じないケースが多い。「なんとなくこんな感じで」という指示は海外では伝わりにくく、要件(つまり、「何を作ってほしいか」という条件のこと)を細かく文書化しないとまったく違うものができあがることがあるんだ。
次に品質管理の難しさ。直接会って確認できないから、完成物を受け取るまで品質がわからないリスクがある。途中でこまめにチェックする仕組みを作らないと、最後になって「全然違う!」となってやり直しで結局コストが上がる、なんてことも。
そして情報セキュリティのリスクも無視できない。顧客の個人情報や会社の機密データを海外に出すということは、それだけ情報漏えいのリスクも高まるということ。どの国の、どんな会社に、どんな情報を渡すか、慎重に判断する必要があるよ。
成功させるための3つのポイント
リスクを理解したうえで、成功している企業が実践していることがある。
- 要件定義をしっかりやる:「何を・いつまでに・どのレベルで作ってほしいか」を文書にして明確にする。「なんとなく」はNG。
- 管理する人を置く:海外チームと日本チームの橋渡しをする「ブリッジSE(システムエンジニア)」と呼ばれる人材を用意すると、コミュニケーションのズレが格段に減る。
- 最初は小さくはじめる:いきなり大きな仕事を任せるのではなく、小さなプロジェクトから始めて信頼関係を作っていくのが堅実なやり方。
オフショアリングと日本社会・経済への影響
「日本の仕事が奪われる」って本当?
オフショアリングの話をすると、「日本人の仕事が外国に取られる」という心配をする人もいるよね。確かに、単純な繰り返し作業やマニュアル通りにやれば誰でもできる仕事は、より安い人件費の国に移りやすいという傾向はある。
でも経済学者はこれを「比較優位(つまり、それぞれが得意なことを分担し合うと全体として豊かになれるという考え方のこと)」という言葉で説明しているんだ。日本はオフショアリングで単純作業を外に出す代わりに、より高度な企画・マネジメント・クリエイティブな仕事に集中できるようになるという考え方もある。
実際、コスト削減で利益が出た企業が新しいサービスを始めたり、人を増やしたりすることで、別の形で雇用が生まれるケースもある。オフショアリングを単純に「日本にとって損」とも「得」とも断言するのは難しい問題なんだ。
今後どうなっていくの?
近年、オフショアリングにも新しい変化が起きているよ。
一つはニアショアリング(つまり、遠い国ではなく比較的近い国や地域に仕事を出すこと)の台頭。コロナ禍を経てサプライチェーン(つまり、モノや仕事が作られて届くまでの流れのこと)のリスクが見直され、「あまりに遠い国だと問題が起きたとき対応しにくい」として、日本企業のベトナム・フィリピンなどアジア近隣国へのシフトが加速しているんだ。
もう一つはAI技術の進化。翻訳・コーディング・データ処理などの分野でAIが活躍するようになると、「コストのために海外に出す必要性」が変わっていく可能性がある。将来的には「AIを使いこなせるかどうか」がオフショアリングの選択よりも重要になるかもしれないよ。
どんな変化があっても根本は同じで、「限られた資源(お金・人・時間)をどう使えば最大の成果が出るか」を考えることが、ビジネスの永遠のテーマなんだ。オフショアリングはその答えの一つとして、これからも使われ続けるはずだよ。
身近な例で見るオフショアリング〜実際どんな場面で使われてるの?〜
あなたが使っているサービスにも隠れているかも
オフショアリングは、実は私たちの生活のすぐそばに隠れているんだ。身近な例をいくつか見てみよう。
スマホアプリ:日本の会社が作った人気アプリでも、実際のプログラムを書いたのはベトナムやインドのエンジニアチームだった、なんてことは珍しくない。「Made in Japan」という言葉はあるけど、「Designed in Japan, Developed in Vietnam」みたいなケースが増えているんだ。
ネットショッピングのサポート:通販サイトで問い合わせをしたとき、チャットで答えてくれる人がフィリピンにいる、なんてこともある。英語対応のカスタマーサポートをフィリピンに集めている会社は多いよ。
ゲーム:日本のゲーム会社が海外の開発会社と協力して作っているゲームも多い。グラフィックの制作部分だけ外国のスタジオに頼む、なんてスタイルも一般的なんだ。
本や雑誌のデザイン:出版社が表紙デザインや図版の作成を、デザイン費が安い国のクリエイターに発注するケースも増えている。フリーランス(つまり、会社に属さずに個人で仕事を請け負う人のこと)のクリエイターが活躍する「クラウドソーシングサービス」を通じたオフショアリングも身近になってきているよ。
中小企業や個人でもオフショアリングは使える?
「オフショアリングって大企業だけの話でしょ?」と思うかもしれないけど、最近は中小企業や個人事業主でも使えるサービスが増えているんだ。
たとえばクラウドワークスやランサーズのような国内サービスの海外版として、Upwork(アップワーク)やFiverr(ファイバー)というサービスがある。これらを使えば、世界中のフリーランサーに仕事を依頼できるよ。ロゴのデザインを5ドルから依頼できたり、英語の文章校正を格安で頼んだりすることも可能なんだ。
将来、自分で何かビジネスをやってみたいと思ったとき、こういう選択肢を知っていると武器になるよ。「人を雇うお金はないけどやりたいことがある」というときに、オフショアリングが一つの解決策になるかもしれない。ビジネスの世界をうまく活用する力、これからの時代にどんどん重要になってくるはずだよ。
