会社のニュースで「雇用調整」という言葉を聞いたことありませんか?なんか難しく聞こえるけど、実は僕たちの親の職場でも起こっていることなんです。この記事を読めば、雇用調整がどういう仕組みで、どんなときに起こるのか、そして僕たちの生活とどんな関係があるのかがわかるようになりますよ。
- 企業が経営状況に合わせて働く人の数を調整することが雇用調整で、増やす場合も減らす場合もある
- 人を減らすときはルールに従う必要があるため、勝手には解雇できず、事前通知や相談が必要になる
- 働く側の権利を守るための法律があるので、不正な雇用調整から身を守ることができる
もうちょっと詳しく
雇用調整には「増やすパターン」と「減らすパターン」がありますが、ニュースで話題になるのはほぼ「減らす」方の場合です。景気が悪くなったり、新しい技術が生まれたり、製品の売上が減ったときに企業は人員削減を考えます。ただし、誰でも自由に解雇できるわけではなくて、きちんとしたルールと手順が法律で決められているんです。これが雇用調整を理解するときの一番大切なポイントですよ。
雇用調整は企業の経営判断だけど、労働者を守る法律がある
⚠️ よくある勘違い
→ 実際には減らす人数は限られていて、全員がいなくなるわけじゃありません。また、解雇される人だけが雇用調整ではなく、契約社員から正社員になるとか、勤務時間を減らすのも含みます。
→ 企業の経営判断で起こることですが、働く人の権利を守るために労働法という法律がちゃんとあります。だから会社が勝手に「明日からクビ」ということはできないんです。
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雇用調整って何?基本から理解しよう
会社が人の数を変えるってどういうこと?
雇用調整という言葉は、「企業が働く人の数を増やしたり減らしたりすること」という意味です。つまり、経営状況や事業規模に合わせて従業員を調整することですね。
具体的に想像してみましょう。あなたがやってるアルバイトのお店を思い浮かべてください。冬は客が少ないから、店長は「今月は君だけでいいや」と言うかもしれません。でも春になって新学期で客が増えたら「もう一人アルバイト入ってもらえない?」と聞かれるかもしれません。このように人数を増やしたり減らしたりすることが雇用調整です。
企業も全く同じです。例えば、スマートフォンを作る工場があるとします。新しい機種が発売されたばかりの時期は、たくさんの注文が入るから、たくさんの人が必要です。でも数年たって新しい機種が出ると、古い機種の注文は減ります。そうしたら、古い機種を作る部署の人を減らすことになるんです。これが企業規模での雇用調整ですね。
増やすパターンと減らすパターン
雇用調整には2つのパターンがあります。1つは人を増やすパターン、もう1つは人を減らすパターンです。
人を増やすのは比較的簡単です。新しい事業を始めるとか、事業が拡大して人手が足りなくなったときに、新入社員を採用したり、アルバイトを増やしたりします。これは誰も困らないので、ニュースにもなりません。
問題は「人を減らすパターン」の方です。景気が悪くなったり、製品の売上が減ったり、経営が危なくなったりしたときに、企業は人を減らすことを考えます。これが「リストラ」という言葉でニュースに出たりするやつです。リストラというのは「リストラクチャリング」の略で、つまり「企業の構造を作り直すこと」という意味ですね。
ここで大切なのは、企業が人を減らすときには、法律で決められたルールに従わなければいけないということです。会社の経営者が「君たちはいらない」と思ったからといって、すぐに「明日からクビ」ということはできません。ちゃんと段階を踏むし、労働者の権利を守る手続きが必要なんです。
どうして企業は雇用調整をするのか?
景気と企業経営の関係
企業が雇用調整をする一番大きな理由は、景気の変動と売上の変化です。景気というのは「経済全体の調子」のことですね。景気がいいときは、人々がたくさんお金を使うので、会社の売上も増えます。でも景気が悪くなると、人々が節約するようになるので、会社の売上は減ります。
企業は売上に合わせて経営を調整しなければ、倒産してしまいます。だから景気が悪いときは、人件費を減らすために人を減らす必要が出てくるんです。人件費というのは、つまり「従業員に給料を払うお金」ということですね。
例えば、レストランチェーンを経営している社長さんを想像してください。毎月、給料や食材費などの経営費がかかります。もし景気が悪くなって、お客さんが来なくなったら、売上は減ります。でも経営費は減りません。給料も払わなきゃいけないし、家賃も払わなきゃいけません。そうなると赤字になってしまいます。赤字が続いたら、やがてお店は潰れてしまいますよね。だから早めに人を減らして、経営費を減らす必要があるんです。
技術進化による必要な人数の変化
景気以外にも、企業が雇用調整をする理由があります。それが「技術進化」です。新しい技術が生まれたら、それまで人間がやっていた仕事をロボットや機械ができるようになるかもしれません。そうしたら、その仕事をしていた人は必要なくなってしまいます。
例えば、銀行の窓口を想像してください。昔は、預金を下ろすときやお金を振り込むときに、窓口の係員さんに手続きしてもらっていました。でも今は、ATMで自分で操作できますよね。だからだんだん銀行の窓口の係員さんの数は減ってきました。また、スマートフォンで振込ができるようになったから、さらに銀行に来る人が減りました。だから銀行は「もう前みたいにたくさんの人が要らない」ということになったんです。
工場の例もあります。自動車工場では昔、ほぼ全部が人間の手作業でした。でもロボットの技術が進んで、今はロボットが多くの仕事をやっています。だから自動車工場でも、必要な人の数は減ってきました。
このように、技術が進むと、そのぶん人の数は減ってしまうんです。これも企業が雇用調整をしなければいけない大きな理由なんですよ。
雇用調整はどんなパターンで行われるのか
いろいろな調整方法がある
雇用調整といっても、全部が「解雇」というわけではありません。実はいろいろなパターンがあるんです。
まず「自然減」というパターンがあります。これは新人を雇わないことで、人数を減らしていくやり方です。働いている人が退職したり、定年で辞めたりしたときに、「その人の代わりに新人は雇わない」という判断をします。そうするとだんだん人数が減っていきますよね。この方法なら、働いている人を無理やり辞めさせないので、あまり揉めません。
次に「配置転換」というパターンがあります。これは「その部署では要らなくなったけど、別の部署では必要」という場合に、別の部署に異動させるということです。例えば、製造部門は人が多すぎるけど、営業部門は人が足りないというときに、製造部門の人を営業部門に転勤させるようなことですね。
そして「早期退職制度」というパターンもあります。これは「希望する人には割り増しした退職金を払うから、やめてもらえませんか」という呼びかけをするやり方です。強制ではなく、希望した人だけがやめるので、比較的揉めにくいです。
最後に「解雇」というパターンがあります。これが一番厳しいパターンで、会社が従業員を強制的にやめさせることです。でも日本では、勝手には解雇できません。ちゃんと理由があって、経営が本当に危ないときだけ、法的な手続きを踏んでから解雇することができます。
パートタイム・契約社員から正社員まで
雇用調整の対象も、いろいろです。企業はまず「雇用が不安定な人から減らす」という原則を守ります。
つまり、まず減らされるのは派遣社員です。派遣というのは「派遣会社を通じて、期間限定で働く人」ということですね。派遣社員との契約は期間が決まっているので、契約を更新しなければ、自動的に雇用は終わります。これが一番簡単な調整方法です。
次に減らされやすいのが、アルバイトやパートタイムの人たちです。彼らも時給で働いていて、契約が更新される形なので、更新しなければ雇用は終わります。
その次が、期間契約社員です。契約期間が決まっているので、その期間が終わって契約が更新されなければ、やめることになります。
一番難しいのが、正社員の解雇です。正社員は無期の雇用契約なので、法律で強く保護されています。だから会社が勝手に「君はクビ」とはできないんです。本当に企業の経営が危機的な状況で、客観的に見ても「この人員削減は必要だ」と判断できる場合に限って、法的な手続きを踏んで解雇することができます。
雇用調整が起きたら、働く人はどうなるの?
不安なことばかりじゃなく、権利がある
雇用調整という言葉を聞くと、働く人たちは不安になります。「自分もやめさせられるんじゃないか」「給料が減るんじゃないか」という心配が出てきますよね。でも、日本には労働者の権利を守る法律があります。だから、企業が完全に自由に雇用調整をすることはできないんです。
例えば、企業が人を減らすときには、事前に労働組合や従業員代表と相談する必要があります。これを「協議」といいますね。つまり「これこれこういう理由で、これぐらい人員を減らしたいのですが、どうでしょうか」と相談するんです。
また、解雇する場合には、少なくとも30日前に通知しなければいけません。「明日からクビ」というようなことは、法律上できないんです。また、30日より前に解雇する場合には、その日数分の給料を支払わなければいけません。
さらに、解雇される人には「解雇理由の説明」を求める権利があります。「なぜ自分がクビになったのか」という理由を、会社に書面で説明させることができるんです。もしその理由が不当だと思ったら、労働委員会に訴えることもできます。
退職金と失業保険
もし雇用調整で仕事を失ったら、働く人は退職金をもらえる可能性があります。法律では、会社が退職金を出すことが義務づけられているわけではないですが、ほとんどの企業は退職金を払っています。特に雇用調整による解雇の場合は、通常より多めの退職金を払うことが多いです。
また、失業保険という制度があります。これはつまり「仕事を失った人が、新しい仕事が見つかるまでの間、一定期間、給付金をもらえる制度」ということですね。働いている期間に保険料を払っていれば、失業したときにこのお金をもらえます。これは生活を守る大切な仕組みなんです。
ほかにも、雇用調整で減る人員が多い場合は、「再就職支援」という制度を使って、別の会社を紹介してもらったり、転職の相談に乗ってもらったりできることもあります。
雇用調整が社会に与える影響
個人の生活と経済全体への波紋
雇用調整が起こると、その影響は働く人だけにとどまりません。社会全体に波紋が広がります。
まず、個人的な影響を考えてみましょう。親が雇用調整で仕事を失ったら、家族の生活は変わってしまいます。給料が減るので、家計のやりくりが大変になります。子どもの教育費を削らなきゃいけないかもしれません。新しい家を買う計画を延期しなければならないかもしれません。
でも、それだけじゃないんです。多くの人が仕事を失うと、社会全体のお金の流れが悪くなります。失業した人は「必要なもの以外は買わない」ということになります。そうすると、いろいろなお店や会社の売上が減ります。売上が減ると、その企業も赤字になるかもしれません。そうしたら、その企業でも雇用調整が起こるかもしれません。
このように、一つの企業の雇用調整が、やがて社会全体の不況につながっていくこともあるんです。これを「デフレスパイラル」といいます。つまり「経済が悪循環に陥って、どんどん縮んでいくこと」ということですね。だから政府も、大規模な雇用調整が起こらないように、経済対策をしたり、失業保険の制度を充実させたりしているんです。
雇用調整と社会の変化
長期的には、雇用調整は社会のあり方を変えていきます。
例えば、銀行の例をもう一度考えてみてください。ATMや自動振込が普及したから、銀行の窓口業務の人は減りました。でも、その人たちが全く働かなくなったわけではありません。銀行も新しい事業を作ったり、金融商品のアドバイスを強化したりして、別の部署で働いてもらったかもしれません。または、別の銀行に転職した人もいるでしょう。
つまり、雇用調整は「古い仕事が消えて、新しい仕事が生まれるプロセス」でもあるんです。だからこそ、社会全体としては、技術進歩に合わせて、働き方が変わっていきます。
ただ、このプロセスは個人には厳しいことが多いです。古い仕事をしていた人が新しい仕事に転職するには、新しいスキルを学ぶ必要があります。給料が下がることもあるかもしれません。だから、政府は「教育訓練給付」という制度を作って、新しくスキルを学ぶ人を支援しているんです。
