「育休取りたいって言ったら、うちの会社では難しいと言われた」「言い出せる雰囲気じゃない」。そんな悩みを抱えてる男性は今もかなり多い。法律では取れるはずなのに、なぜ取れないのか。どう動けばいいのか、整理するよ。
- 男性の育休は法律(育児・介護休業法)で認められた権利、正当な理由なく拒否は法律違反になりうる
- 例外として入社1年未満・有期雇用の条件未達などは拒否できる場合がある
- 「言いにくい」場合は具体的な言い方・相談窓口・法的手段を知っておくと動きやすくなる
もうちょっと詳しく
今の社会状況
男性育休の取得率は年々上がっている。厚生労働省の調査では2023年度の男性育休取得率は30.1%(過去最高)。数年前まで10%以下だったことを考えると大きく変わってきた。
2023年4月からは従業員1,000人超の企業は男性育休取得率を公表する義務が生じた。企業側にも「取らせないといけない」プレッシャーがかかってる状況。
2022年の法改正で「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設。子どもが生まれてから8週間以内に最大4週間、2回に分けて取れるようになった。より柔軟に取りやすくなっている。
⚠️ よくある勘違い
→ 法律で明確に権利として認められている
→ 会社が「ダメ」と言えるのは限られたケースのみ
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男性が育休を取れない主なケース
法律上、会社が育休申請を拒否できるのは限られたケースだけ。
- 入社1年未満:就業規則で「勤続1年未満は対象外」と定めている会社は申請を断れる
- 有期雇用で条件を満たしていない:契約社員・派遣社員などで育休取得の要件を満たしていない場合
- 労使協定で除外されている:週2日以下しか働いていない人などを対象外にする協定がある場合
上記に当てはまらないのに拒否されている場合は、違法の可能性がある。
会社への言い方・伝え方
「言いにくい」気持ちは当然だけど、伝え方を工夫することで動きやすくなることがある。
伝えるタイミング
できれば出産予定日の2〜3ヶ月前に伝えるのがベスト。早めに伝えることで会社側も引き継ぎを準備する時間ができるし、「突然言われた」と思われにくい。
具体的な言い方の例
「育休を取りたい」という直球より、会社が動きやすい言い方を心がけると効果的。
- 「〇月〇日から〇ヶ月間、育休を取得したいと考えています。引き継ぎについてはXさんにお願いする予定で、〇月〇日までに準備を終えます」
- 「産後パパ育休制度を使って、生後2週間だけ取りたいと思っています」(短期間から提案する)
- 「法律で認められた権利として申請します」(最終手段だが、意思を明確にする)
メールや書面で残すのがポイント。口頭だけだと「言った・言わない」になりやすい。
断られたらどうする?パタハラへの対処
育休申請を理由に嫌がらせを受けたり、「取るなら辞めろ」と言われたりするのはパタニティハラスメント(パタハラ)と呼ばれ、違法行為にあたる可能性がある。
- 社内の人事・ダイバーシティ担当に相談:上司を飛ばして動けることがある
- 都道府県労働局・ハローワーク:「育児・介護休業法に関する相談」として無料相談できる
- 労働基準監督署:明らかな違法行為があれば申告できる
- 弁護士・ユニオン(労働組合):交渉が必要な場合の相談窓口
「相談したら会社に知られるんじゃないか」と心配なら、まず匿名で労働局に電話相談するのが一番ハードルが低い。
育休中のお金はどうなる?
- 育休開始から180日間:休業前の賃金の67%が雇用保険から支給
- 181日目以降:休業前の賃金の50%
- 社会保険料(健康保険・厚生年金)は育休中に免除
手取り換算だと給与の8割程度が残るケースが多い(社保免除の効果があるため)。「育休を取ると収入ゼロ」というのは誤解。
産後パパ育休(2022年新設)の使い方
「長期は無理でも短期間なら…」という場合に使いやすいのが産後パパ育休。
- 取得可能期間:子の生後8週間以内
- 取れる日数:最大4週間(28日)
- 分割:2回に分けて取ることができる
- 就業:休業中に一部就業することも可能(労使合意が必要)
まず2週間だけ取ってみる、という使い方もできる。「育休」と聞くと数ヶ月のイメージがあるけど、短期間から始める選択肢もあるよ。
