もしも、家族が働いている途中に事故や病気で亡くなったら……。残された家族はどうやって生活していくんだろう?そんな時に役立つのが「遺族補償」というものです。これは、働いている人が亡くなった場合に、その遺族が受け取れるお金の仕組みなんだよ。この記事を読めば、遺族補償がどういう補償で、誰がいくらもらえるのか、すっきりわかるようになるよ。
- 遺族補償は 働いている人が仕事が原因で亡くなった時 に、残された家族が国からもらえるお金です
- 受け取れるのは 配偶者や子ども、親など経済的に支えてもらっていた家族 で、条件により期間が決まります
- 金額は 亡くなった人の給料をベース に計算され、一括受け取りか分割受け取りかを選べます
もうちょっと詳しく
遺族補償は「労災保険」という制度に含まれています。つまり、国が定めた「働いている人が仕事中に怪我や病気になった場合、本人や遺族を守りましょう」という保険なんです。働いている人の給料から天引きされたり、会社が払ったりして、みんなで支え合っている制度なんだよ。だから、遺族補償は「本来なら家族を支えるはずだった給料の代わり」という考え方です。生命保険みたいに「もしもの時に備えて個人で入るもの」ではなくて、「すべての働く人に自動的に用意されている保護」なんですね。
労災保険は全ての会社に義務付けられています。だから、どこで働く人も遺族補償の対象になる可能性があるんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ 違うんです。生命保険は「もしもの時に備えて個人が加入する」ものですが、遺族補償は「仕事が原因の場合に国が保障する」ものです。仕事以外の理由で亡くなった場合は、遺族補償は出ません。
→ これが正解です。通勤中の事故も「仕事の一部」と見なされて対象になることもあります。ただし、仕事と関係ない休日の事故なら対象外です。
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遺族補償とは何か—働く人の家族を守る制度
遺族補償という言葉を聞くと「難しい」と感じるかもしれませんが、考え方はシンプルです。もし一家の大黒柱が亡くなったら、その家族はどうやって生活するんでしょうか。親からの給料がなくなれば、子どもの学費も払えなくなるし、食べ物も買えなくなるかもしれません。そんな困った状況を、国が「私たちが支えますよ」とお金で助けるのが遺族補償です。
つまり、遺族補償とは「働いている人が、仕事が原因で亡くなったときに、残された家族が受け取れるお金」というわけです。ただし大事なポイントがあって、単に「誰かが亡くなった」というだけではダメ。あくまで「その人の仕事が原因」である必要があるんです。たとえば、建設現場での落下事故で亡くなった、長時間労働による過労で病気になって亡くなった、通勤途中の交通事故で亡くなった——こういった仕事に関連した理由の場合に、遺族補償が支払われるんだよ。
この制度は「労災保険」という国の保険制度の一部です。労災保険というのは「働く人の安全を守るための保険」という意味ですね。日本では、会社で働く人はすべてこの労災保険に加入することが法律で決まっています。だから、あなたの親が普通の会社で働いていたら、自動的にこの保障を受ける権利があるってわけです。わざわざ「入ります」と言わなくても、働いている時点で自動的に守られているんだよ。
この制度が作られた背景には、「働く人たちが安心して仕事できるように」という考え方があります。仕事中の事故で亡くなった人の家族が、いきなり経済的に困らないようにしましょう、ということですね。つまり、社会全体で「働く人の家族を守ろう」という仕組みになっているわけです。会社の人たちが給料から少しずつお金を出し合ったり、会社が保険料を払ったりして、みんなで支え合う制度なんだよ。
生命保険との違いは「原因」にある
ここで大事な違いを説明しておきますね。遺族補償と「生命保険」は名前は似ていますが、実は全然違う制度です。生命保険というのは「もしも亡くなったときに家族にお金を残す」という個人の選択で入る保険です。つまり、仕事中でも仕事外でも、理由は関係なく、保険に入ってさえいれば遺族がお金をもらえます。
一方、遺族補償は「仕事が原因で亡くなった場合」という条件がついています。仕事中の事故や、仕事が原因の病気など、「仕事のせい」という証明があって初めて補償されるわけです。だから、もし誰かが仕事と無関係な理由で亡くなった場合は、遺族補償は出ません。その代わりに生命保険があれば、そちらから家族がお金をもらえるってわけですね。
遺族補償が受け取れる条件—仕事が原因であることが絶対条件
遺族補償をもらうには、いくつかの大事な条件があります。単に「働いている人が亡くなった」というだけではダメなんです。一番大切な条件は「その人の仕事が原因で亡くなったこと」です。これは思っているより広い範囲が対象になるんですよ。
まず明らかな場合として、仕事中の事故があります。工事現場から落ちた、機械に挟まれた、化学薬品で火傷した—こういった明らかに仕事が原因の事故は、もちろん対象です。そして重要なのが、通勤途中の事故も対象になるということです。家から会社への行き帰り、これは「仕事の一部」と考えられるんですね。だから通勤電車の事故で亡くなった、通勤中の交通事故で亡くなった、という場合も遺族補償が出るんだよ。
さらに複雑なケースが、「仕事が原因の病気」です。たとえば、長時間労働のストレスで心臓病になった、有害物質を扱う仕事で肺の病気になった、こういった場合も遺族補償の対象になることがあります。ただし「本当に仕事が原因なのか」を証明する必要があります。医者の診断書や、働いていた環境の記録など、証拠が重要になってくるんです。
一方、対象にならない場合もあります。休日に趣味で事故に遭った、仕事と全く関係ない病気で亡くなった、こういった場合は遺族補償は出ません。あくまで「仕事が原因」という因果関係が必要なわけですね。
業種によって危険度が変わる
実は、遺族補償が出やすい業種と出にくい業種があります。建設業、採掘業、製造業など、危険を伴う仕事の人たちは、仕事中の事故や病気になるリスクが高いですよね。こういった業種の人たちは、遺族補償を受け取る可能性が高くなります。一方、デスクワークの仕事なら、仕事中の大きな事故は少ないけど、長時間労働による病気が認められることもあります。つまり、どの業種であっても「仕事が原因かどうか」が判断される時代なんですね。
誰が遺族補償を受け取れるのか—家族の中でも条件がある
遺族補償が出ることが決まったら、次は「誰がもらえるのか」が重要です。家族みんながもらえるわけじゃないんですよ。経済的に亡くなった人に支えてもらっていた人たちが対象になるんです。
最初に受け取る権利があるのは「配偶者」つまり奥さんか旦那さんです。配偶者は生活をかなり支えてもらっていますからね。次に優先されるのが「子ども」です。ただし子どもは「18歳になるまで」または「高校を卒業するまで」という期限があります。つまり、経済的に独立するまでの間、ずっとお金をもらえるわけです。社会人になって働くようになったら、もうお金は出なくなります。
その他のケースもあります。「親」も対象になることがあります。もし働いている人が、親を養っていた場合ですね。たとえば、親が高齢で働けなくて、子どもの給料で生活していた—こういった場合は、親も遺族補償を受け取れます。ただし親の場合、一定の年齢以上(通常は60歳以上)という条件がついたり、本当に経済的に支えてもらっていたかを証明する必要があったりします。
「兄弟姉妹」が対象になることもあります。たとえば、親を亡くした未成年の兄弟姉妹を、働いている兄がまとめて養っていた場合ですね。この場合、兄弟姉妹も遺族補償をもらえます。
重要なのは「順位」があるということです。配偶者と子どもがいる場合、みんなで分け合うのではなく、誰が「最優先」かが決められているんです。これを法律では「順位」と言いますね。つまり、配偶者とその子どもたちが一番優先で、親が次で、兄弟姉妹が最後という順位があるわけです。
受け取れる期間も人によって違う
配偶者の場合、期限がない場合もあります。つまり、その人が死ぬまでずっともらえることがあるんです。理由は、配偶者は経済的に一生支えてもらっていたからということですね。ただし再婚したら、もらえなくなることもあります。子どもの場合は「18歳まで」というように、経済的に自立するまでという考え方になってます。
受け取れる金額—亡くなった人の給料がベース
では、実際にいくらもらえるのか。これが気になるところですよね。遺族補償の金額は「亡くなった人の給料」をベースに計算されます。つまり、給料が高い人ほど、遺族がもらえるお金が多いということです。なぜなら、亡くなった人が支えていた家族の生活レベルが高かったからと考えるわけですね。
具体的には、こんなふうに計算されます。亡くなった人の「平均給与」を算出します。これは、亡くなる前の何ヶ月間かの給料の平均です。そして、その平均給与に「補償日額」という国で定めた倍率をかけて、最終的な補償額を決めるんです。たとえば、月給が30万円だった人なら、それをもとに計算されるわけです。
補償は「給付基礎日額」という考え方で決まります。つまり「1日あたりのお金」という計算なんです。亡くなった人の給料を365日で割って、1日あたりいくらか—という計算になります。そして、遺族が受け取れる総額は、この1日あたりの額に「補償倍率」をかけたものになるんだよ。
補償倍率というのは、誰が受け取るかで決まります。たとえば、配偶者と子ども2人の家族なら「1,035日分」、配偶者だけなら「1,000日分」といった具合に、遺族の構成によって変わるんです。つまり、養うべき家族が多いほど、補償が増えるということですね。
一括払いと分割払いが選べる
受け取り方も2種類あります。一括払いと分割払い(年金)です。一括払いを選ぶと、決められた額を一度にぜんぶもらえます。これを選ぶ人は、そのお金を投資したり、家を買ったりしたい人が多いですね。分割払いを選ぶと、毎月一定額をもらい続けることになります。これは、毎月の生活費として使いやすいので、多くの遺族が選ぶ方法です。
分割払い(年金といいます)の場合、受け取る期間は遺族の身分によって決まります。配偶者なら一生涯、子どもなら18歳になるまで、というように。つまり、毎月コンスタントに生活費が入ってくるわけで、これが家族の生活を支える大きな柱になるんです。
遺族補償を受けるための手続き—申請が必須
大事なことを言い忘れていました。遺族補償は「申請しないともらえない」んです。つまり、黙っていたら何ももらえないということですね。亡くなった人の会社や、労働基準監督署に「遺族補償をください」という申請をする必要があるわけです。
手続きは「遺族補償給付請求書」という書類を使います。これに亡くなった人の名前、家族構成、給料などの情報を書いて、会社の人事部や労働基準監督署に提出するんです。そして、医者の診断書や、給料の証明など、いろいろな書類を一緒に提出します。これらの書類から「本当に仕事が原因で亡くなったのか」「本当に遺族がこの人たちなのか」を確認するわけですね。
手続きは意外と複雑です。だから、多くの場合は「社労士」という専門家が手伝います。社労士というのは「社会保険労務士」の略で、つまり「社会保険の手続きのプロ」という意味です。彼らは、遺族の代わりに書類を作ったり、労働基準監督署とやり取りしたりしてくれるんだよ。
申請期限もあります。遺族補償の請求は「遺族補償事由発生日(亡くなった日)から2年以内」にしなければなりません。つまり、2年を過ぎたらもらえなくなるってわけです。だから、できるだけ早く手続きを始めることが大事なんですね。
