「おじいちゃんが亡くなったら、全財産を孫だけに渡すって遺言書があって、うちには何も来なかった…」そんな話、ドラマや現実でよく聞くよね。遺言書って、書いた通りに全部実行されるんじゃないの?って思う人も多いと思う。でも実は、法律には「家族には最低限これだけはもらえる」という権利がちゃんと用意されているんだ。それが遺留分というもの。この記事を読めば、遺留分の意味・誰がもらえるか・金額の計算方法・請求のしかたまで、全部まるっとわかるよ!
- 遺言書があっても、配偶者・子ども・両親には 遺留分 という最低限もらえる法律上の権利がある
- 遺留分の金額は本来もらえるはずだった相続分の 2分の1(両親のみの場合は3分の1) が基本
- 侵害されたら 遺留分侵害額請求 で取り返せるが、知ってから1年以内に請求しないと権利が消える
もうちょっと詳しく
遺留分って聞くと難しそうだけど、要するに「遺言書を書いた人がどんなに自由に財産を分けようとしても、近い家族には最低限この分は渡さないといけないよ」という法律上のルールだよ。たとえば、亡くなったお父さんが「全財産を会社の後輩に渡す」と遺言に書いていても、奥さんや子どもはゼロにはならないんだ。なぜなら、家族が生活できなくなるのを防ぐため、民法という法律がしっかり守ってくれているから。ただし、遺留分は「自動的にもらえる」わけじゃなくて、「侵害されたら自分から請求する権利」なんだ。請求しなければ相手に支払い義務は発生しない。つまり、気づいたら動くことが大事だよ。
遺留分は自動的にはもらえない!侵害されたら、自分から請求する必要があるよ。
⚠️ よくある勘違い
→ 遺言書の内容は基本的に有効だけど、遺留分を侵害している場合、家族から請求されたら支払い義務が生じるよ。遺言書が無効になるわけじゃないけど、思い通りに全部できるわけでもないんだ。
→ 法律で保護された最低限の取り分が遺留分。遺言書の内容がどうであれ、この権利は消えないよ。請求するかどうかは本人次第だけどね。
[toc]
遺留分ってそもそも何?法律が守る「最低限の取り分」
遺留分の基本的な意味
遺留分とは、つまり「一定の相続人が、遺言書の内容に関係なく最低限もらえることが法律で保障された財産の取り分」のことだよ。
ちょっとイメージしてみて。あなたのお父さんが亡くなって、遺言書を開いたら「全財産を趣味仲間のAさんに渡す」と書いてあったとしよう。お母さんもあなたも、何も受け取れないの?そんなの困るよね。生活費はどうするの?家はどうなるの?
そんな状況から家族を守るために、日本の民法は「どんな遺言書があっても、近い家族にはこれだけは渡さないとダメ」というルールを設けているんだ。それが遺留分だよ。
遺言書は「自分の意思で財産を自由に分けられる」という大切な権利だけど、その自由にも限度がある。家族の最低限の生活を守るためのブレーキ役が遺留分というわけだね。
遺留分が生まれた理由
そもそもなんでこういうルールができたのかというと、財産を持っている人が生前に「家族の誰かを完全に排除する」遺言を書いてしまうケースがあるからだよ。たとえば、親子げんかをした子どもを遺言で相続人から外したり、愛人に全財産を渡したりすることも遺言としては書ける。でも、それで残された家族が路頭に迷うのは社会的に見ても問題があるよね。だから法律が「最低限ここまでは守るよ」と保護しているんだ。
誰が遺留分をもらえるの?対象者を整理しよう
遺留分をもらえる人・もらえない人
遺留分には「誰がもらえるか」という明確なルールがあるよ。すべての相続人がもらえるわけじゃないのがポイントだよ。
遺留分をもらえる人(遺留分権利者と呼ぶよ)は以下の通り:
- 配偶者(結婚している夫または妻)
- 子ども(実子・養子・認知された子どもを含む)
- 両親・祖父母(子どもも配偶者もいない場合に限る)
一方で、遺留分をもらえない人はこちら:
- 兄弟姉妹(仲のよい兄弟でも遺留分はない)
- 甥・姪
- 内縁の妻・夫(法律上の婚姻関係がない場合)
「えっ、兄弟は遺留分がないの?」と驚く人も多いよ。でも、相続の順位が低い兄弟姉妹は、亡くなった人との生活依存度が低いとみなされているから、法律上は遺留分の対象外なんだ。
子どもが先に亡くなっていたらどうなる?
たとえば、お父さんが亡くなる前に子どもがすでに亡くなっていたとしよう。そのとき、孫(亡くなった子どもの子ども)が代わりに遺留分を引き継ぐことができるよ。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といって、つまり「孫が子どもの代わりに相続する」ということだよ。
遺留分の金額はどうやって計算するの?
遺留分の割合の基本
遺留分の金額を計算するには、まず「法定相続分」を知る必要があるよ。法定相続分とは、つまり「法律が定めたルール通りに分けたら、本来これだけもらえるはずという割合」のことだよ。
遺留分はその法定相続分の2分の1が基本だよ。ただし、相続人が両親のみ(子どももいないし配偶者もいない)という特殊なケースは3分の1になる。
具体的な計算例で見てみよう
たとえば、お父さんが亡くなって、相続人が「お母さんと子ども2人(AとB)」の場合を考えよう。残した財産は合計3000万円だとするよ。
まず法定相続分はこう:
- お母さん:3000万円 × 1/2 = 1500万円
- A:3000万円 × 1/4 = 750万円
- B:3000万円 × 1/4 = 750万円
そして遺留分はそれぞれの法定相続分の1/2なので:
- お母さんの遺留分:1500万円 × 1/2 = 750万円
- Aの遺留分:750万円 × 1/2 = 375万円
- Bの遺留分:750万円 × 1/2 = 375万円
遺言書に「全財産をAさんに渡す」と書いてあっても、お母さんは750万円、子どもBは375万円を最低限請求できるわけだよ。
計算の基準になる財産はどこまで?
計算の元になる財産(遺留分算定の基礎財産と呼ぶよ)には、亡くなった時点の財産だけじゃなく、生前贈与した財産も一部含まれるよ。つまり「生前にこっそり全部あげちゃえば遺留分を避けられる」とはいかないんだ。相続人への生前贈与は原則10年以内のものが対象になるから、注意が必要だよ。
遺留分を侵害されたら?請求の手順と期限
遺留分侵害額請求とは何か
遺言書の内容や生前贈与によって遺留分が侵害されたとき、遺留分権利者は遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)ができるよ。つまり「私の遺留分が侵害された分を、お金で払ってください」と請求する権利のことだよ。
2019年の法改正以前は「遺留分減殺請求」という名前で、財産そのものの一部を返してもらう形だったんだけど、今はお金(金銭)での補償に変わったよ。「土地や家を分割して返せ」じゃなくて「その分の金額を現金で払ってね」という形になったから、実際の解決がしやすくなったんだ。
請求の手順
遺留分侵害額請求の流れはこんな感じだよ:
- ①内容証明郵便で通知する:「遺留分侵害額請求をします」と相手に書面で伝えるよ。証拠が残る内容証明郵便を使うのが基本だよ。
- ②話し合い(交渉)をする:金額や支払い方法について相手と交渉するよ。合意できれば解決だよ。
- ③調停・裁判に進む:話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停や裁判で解決するよ。
絶対に忘れてはいけない「期限」
遺留分侵害額請求には、2つの時効(権利が消える期限)があるよ。
- 1年以内:相続が始まったこと(人が亡くなったこと)と、遺留分が侵害されていることを知った日から1年間
- 10年以内:知っていたかどうかに関係なく、相続が始まった日から10年間
どちらか早い方の期限が来たら権利が消えてしまうから、「遺留分が侵害されているかも」と気づいたら、早めに弁護士に相談することをおすすめするよ。
遺留分の放棄・生前対策について知っておこう
遺留分を放棄することもできる
実は、遺留分は「放棄」することもできるよ。つまり「私は遺留分の権利を使いません」と宣言することもできるんだ。
ただし、放棄の方法によって大きく2つに分かれるよ:
- 相続が始まる前(生前)の放棄:家庭裁判所の許可が必要。「お金をもらったから放棄します」というケースが多いよ。
- 相続が始まった後(死後)の放棄:自分の意思で自由に放棄できるよ。家庭裁判所の許可は不要だよ。
遺留分の放棄は「相続放棄」とは別物だよ。相続放棄は財産も借金も全部放棄するけど、遺留分の放棄は最低限の取り分の権利だけを手放すもので、相続人であることは変わらないんだ。
遺留分トラブルを防ぐための生前対策
遺留分をめぐるトラブルは、実は事前の準備でかなり防げるよ。財産を持っている人が生きているうちにできる対策をいくつか紹介するね。
- 遺言書を書くときに遺留分を考慮する:遺留分を侵害しないように財産を分けると、後で揉めにくいよ。
- 生命保険を活用する:生命保険金は原則として遺産に含まれないから、特定の人に確実にお金を渡せるよ。
- 家族信託を使う:財産の管理・処分を信頼できる家族に任せる仕組みで、遺留分対策にもなりえるよ。
- 家族でオープンに話し合う:生前に「財産はこう分けたい」と家族全員で話し合っておくのが一番のトラブル予防だよ。
遺留分の問題は、相続が起きてから初めて発覚することが多いよ。「うちは仲がいいから大丈夫」と思っていても、お金が絡むと関係がこじれることは珍しくない。だからこそ、元気なうちから家族でお金の話をしておくことが、一番大切な準備だよ。
