発行済株式数って何?わかりやすく解説

株式投資を始めようとして、企業情報を調べていると「発行済株式数」という言葉が出てきますよね。「これって何?」「なんで重要なの?」って思った人も多いはず。実は、これを理解することで、その企業の規模や経営状況が見えてくるんです。この記事を読めば、発行済株式数が何なのか、そしてそれがどんなときに役立つのかがわかるようになりますよ。

先生、「発行済株式数」って何ですか?聞いたことはあるんですけど…

いい質問だね。発行済株式数というのは、つまり「その企業が世の中に売り出している株の総数」のことだよ。企業が資金を集めるために発行した株券が、今何枚あるかっていう数字なんだ。
何枚あるかって…どうやって数えるんですか?

企業が「株を発行します」って決めた瞬間から数えられるんだ。たとえば、ある企業が「1000万枚の株を世の中に出そう」と決めたら、その企業の発行済株式数は1000万枚ってわけ。もし後で買い戻すと、その枚数は減るんだよ。
買い戻す?そんなことするんですか?

そう。企業が自分の株を買い戻すことを自社株買い(つまり「自分の会社が自分で出した株を購入すること」)って言うんだ。そうすると発行済株式数は減ることもあるんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 発行済株式数は、企業が世の中に発行した株の総枚数のことで、企業の規模や構造を示す重要な数字です
  2. 企業が新しく株を発行すると増え、自社株買いで減るなど、時間とともに変わる可能性があります
  3. 株価や企業価値を正しく理解するために、発行済株式数は欠かせない情報なのです
目次

もうちょっと詳しく

株式会社というのは、基本的に「所有者がいない組織」です。その代わりに、株を持っている人たち(株主)がその企業を共有でき、企業の利益を株の枚数に応じて受け取れる仕組みになっています。だから「何枚の株があるのか」という発行済株式数は、その企業をどのように分割して所有しているか、つまり「所有権のパイをどう切ったか」を表しているわけです。この数字を知ることで、もし自分がその株を1枚買ったら、企業全体のどのくらいの部分を所有することになるのかが計算できるんですよ。

💡 ポイント
発行済株式数が多いほど、1枚あたりの「企業全体に対する支配力」は小さくなります

⚠️ よくある勘違い

❌ 「発行済株式数が多い企業は、株価も必ず高い」
→ まちがい。発行済株式数と株価は関係ありません。株数が1000万枚でも1億枚でも、1枚の値段は企業の利益や人気で決まるんです。
⭕ 「発行済株式数が多い企業は、1枚あたりの支配力が小さい」
→ せいかい。同じ10万円投資する場合、株が高い企業なら1〜2枚、株が安い企業なら100枚買えるかもしれません。枚数だけでなく、価格とセットで考える必要があります。
なるほど〜、あーそういうことか!

[toc]

発行済株式数って何?ー株の基本から理解する

企業が資金を集める方法はいくつかあります。銀行からお金を借りる(借金)もあれば、新しく事業のために資金を集める(資本を増やす)もあります。その中で最も一般的な方法が「株を発行して、その株を人々に買ってもらう」というやり方です。

株っていうのは、つまり「その企業の一部の所有権を表す証書」みたいなものです。たとえば、あなたが友だちと一緒にお店を始めることにしたとします。元手が100万円必要だったとき、あなたが50万円、友だちが50万円出したら、二人は50:50で所有権を持つことになりますよね。これを株で表現するなら、100万円をいくつかに分割して、「1枚いくら」という形で売るんです。企業もこれと同じです。

だから「発行済株式数が1000万枚」というのは、「その企業の所有権を1000万の部分に分割して、それを株として世の中に売った」ということを意味しています。これが発行済株式数の基本的な考え方です。

ちなみに、企業が創立される時点では株式数も決められます。会社を作る人たちが「初期資本をいくらにして、それを何枚に分割しよう」と決めるわけです。その後、企業が成長していく過程で、さらに株を発行することもあれば、逆に買い戻すこともあります。だから企業によって、発行済株式数は時間とともに変わることがあるんですよ。

株を買うというのは、単に「値上がりで儲けたい」という投機だけじゃなくて、「この企業の一部の所有者になりたい」という感覚が本来の意味です。株を1枚買ったあなたは、その企業の小さなオーナーになるわけです。その「オーナーとしての大きさ」は、企業全体の中で自分の株がどのくらいの割合を占めているかで決まります。だから発行済株式数は、その割合を計算するためにすごく大事な数字なんですよ。

なぜ企業は株を発行するの?

企業が大きくなるには、お金が必要です。商品を開発するにはお金がかかるし、工場を建てるのにもお金が必要だし、たくさんの人を雇うのにもお金がかかります。こういった「これからのために使うお金」を「資金」と呼びます。

では、この資金をどこから調達するかというと、主に三つの方法があります。一つ目は銀行からお金を借りることです。でも借りたお金は返さないといけないし、利息も払わないといけません。二つ目は会社のオーナーや投資家が自分のポケットマネーを出すことです。でも、大きな企業になるには、オーナー個人のお金では足りません。三つ目が、株を発行して、一般の投資家から資金を集めることです。

株を発行することの大事なポイントは、「返さなくていい」ということです。銀行から借りたお金は必ず返さないといけませんが、株を買ってもらったお金は返す必要がありません。その代わりに、企業の一部の所有権を投資家に与えるわけです。これは企業にとっても投資家にとっても、メリットがある仕組みなんですよ。

企業からすると、「お金を集められて、かつ返さなくていい」というのは大きなメリットです。投資家からすると、「その企業が儲かったら、自分ももうかる」という夢が持てるわけです。もし企業が大成功して株価が10倍になったら、100万円分の株が1000万円になるかもしれません。逆にうまくいかないと、その株の価値がなくなる可能性もあります。つまり、企業と投資家がリスクと利益を一緒に分け合う仕組みなんです。

だから「その企業がいくつ株を発行したか」という発行済株式数は、その企業がどのくらいの規模で資金調達をしたかを示す指標にもなるんです。発行済株式数が多い企業もあれば、少ない企業もあります。それは企業の規模や経営戦略によって異なっているんですよ。

ちなみに、企業が上場するとき(つまり株を証券取引所で自由に買い売りできるようにするとき)に、発行済株式数は社会に公開されます。「この企業は今、何枚の株を発行しています」という情報は、企業情報として誰でも知ることができるんです。

発行済株式数が重要な理由

では、なぜ投資家たちは発行済株式数に注目するのでしょう?それは、この数字が企業の価値を計算するのに欠かせないからです。

たとえば、A社とB社という二つの企業があるとします。どちらも去年の利益が1000万円だったとします。すごく同じ企業に見えますよね。でも、A社の発行済株式数は1000万枚で、B社は100万枚だったとしたら?その場合、「1000万円の利益を何枚で分け合うか」が違うわけです。

A社の場合:1000万円÷1000万枚=1円の利益が1枚あたり

B社の場合:1000万円÷100万枚=10円の利益が1枚あたり

つまり、B社の方が「1枚あたりの価値が高い」わけです。同じ1000万円の利益でも、それを何枚で分割するかで、1枚あたりの価値が大きく変わるんです。この「1枚あたりの利益」のことを「1株利益」という言い方もします。

だから、企業の本当の価値を理解するには、企業全体の利益だけでなく、「それが1枚あたりでいくらか」を知る必要があるんです。そのためには、発行済株式数が必ず必要になるわけですよ。

さらに、企業が信用を失ったときや経営危機に陥ったときに、企業が新しく大量の株を発行することがあります。こういうときに発行済株式数が急激に増えます。そうするとどうなるか?既存の株主の「1枚あたりの価値」が薄まってしまうんです。これを「ダイリューション」(つまり「権利が薄まること」)と呼びます。投資家たちは、企業が急に大量に株を発行しないか常に注意しているんですよ。

発行済株式数で何がわかるのか

発行済株式数を見ることで、投資家たちはいろいろなことを読み取ります。

まず一つは「企業の規模」です。もちろん、発行済株式数が多い=企業が大きいというわけではありませんが、一つの目安にはなります。たとえば、トヨタ自動車のような大企業は、発行済株式数も非常に多いです。一方で、スタートアップのような新しい小さな企業は、発行済株式数も少ないかもしれません。

二つ目は「経営者の支配力」です。もし創業者が「発行済株式数の50%を持っている」なら、その創業者は企業の経営方針を自由に決められます。でも、「発行済株式数の5%しか持っていない」なら、他の株主たちの意見も聞かないといけません。経営者がどのくらいの株を持っているかは、その企業の支配構造を理解するのに大事なんです。

三つ目は「今後の経営方針の手がかり」です。企業が「今後、さらに成長するために新しく株を発行する予定だ」と発表したら、投資家たちは「あ、この企業は積極的に投資・成長を目指しているんだ」と読み取ります。逆に「自社株買いをする予定だ」と言ったら、「この企業は自分たちの株の価値を高めようとしているんだ」と読み取るわけです。

四つ目は「1株あたりの価値を計算する際の基準」です。企業の「時価総額」(つまり「株価×発行済株式数」で計算される「企業全体の価値」)を発行済株式数で割ると、「1枚あたりいくらの価値があるか」がわかります。この計算なしに、正確な企業評価はできないんですよ。

発行済株式数と他の数字の関係

株式投資をしていると、「発行済株式数」と似た言葉をたくさん見かけます。これらの違いを理解することも大事ですよ。

「発行可能株式数」というのは、つまり「法律や定款(企業の決まりごとを書いた書類)で決められた『最大でいくつまで株を発行していいよ』という上限」のことです。発行済株式数はこの上限よりも小さいことがほとんどです。たとえば「発行可能株式数は1000万枚だけど、今のところ発行済株式数は500万枚」みたいなことはよくあります。

「自社株」というのは、つまり「企業自身が買い戻した自分たちの株」のことです。これは発行済株式数には含まれないこともあります。「発行済株式数」と「実際に流通している株の枚数」に差が出ることもあるわけです。

「株式分割」というのは、つまり「1枚の株を複数枚に分割すること」です。たとえば「1:2で分割する」と、100枚持っていた人は200枚に増えます。でも企業全体の価値は変わっていません。この場合、発行済株式数は2倍に増えますが、企業全体の価値は同じなので、1枚あたりの価値は半分になります。

こういった数字や概念をすべて理解した上で、投資家たちは企業の本当の価値を判断しているんです。発行済株式数はその中でも特に基本的で重要な数字なんですよ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

目次