減価償却累計額って何?わかりやすく解説

簿記や会計の勉強をしていると、「減価償却」はなんとなくわかったのに、「減価償却累計額」が出てきた瞬間に「え、減価償却とどう違うの?」ってなること、あるよね。毎年の減価償却はわかるけど、”累計額”がつくと急に混乱する、これはあるあるだよ。この記事を読めば、減価償却累計額が何者なのか、なぜ貸借対照表に登場するのか、実際の計算まで、全部スッキリわかるようになるよ。

「減価償却費」は毎年の経費でしょ?じゃあ「減価償却累計額」って何が違うの?

いい質問!「減価償却費」はその年だけの費用だよ。一方「減価償却累計額」は、これまで計上してきた減価償却費の全部合計のこと。スタンプカードみたいに、毎年押したスタンプを全部足した数が「累計額」だと思ってね。
じゃあ、なんでわざわざ「累計額」を別に記録するの?減価償却費に足していけばよくない?

それが会計のポイントでね、「元の取得価額(買ったときの値段)をそのまま見せておきたい」から別に管理するんだよ。例えば100万円で買ったパソコンを30万円分使い込んでも、資産の欄には「100万円で買った」という事実を残しておきたい。だから「マイナス30万円分」は減価償却累計額という別の欄に記録するんだ。
貸借対照表でどうやって表示されるの?

貸借対照表の資産の部に、取得価額の直下にマイナスとして書くよ。「備品 100万円 / 減価償却累計額 △30万円」みたいに表示して、差し引いた70万円が今の実質的な価値(帳簿価額)になるよ。この書き方を間接法って言うんだ。
「帳簿価額」って初めて聞いた。それって何?

帳簿価額は「取得価額 − 減価償却累計額」で出てくる、今の帳簿上の資産の残り価値のことだよ。つまり「まだどれだけの価値が残っているか」を示す数字。スマホで例えるなら、新品のときの値段から「使った分の劣化」を引いた残り価値みたいなものだよ。
📝 3行でまとめると
  1. 減価償却累計額は、過去から今まで計上してきた 減価償却費の合計額 のことだよ。
  2. 貸借対照表では取得価額の下に マイナス(△)として記載 し、元の購入金額を保持したまま使用分を示せる。
  3. 取得価額から減価償却累計額を引いた金額が 帳簿価額 で、今現在の資産の残り価値を表してるよ。
目次

もうちょっと詳しく

減価償却累計額は、英語で「Accumulated Depreciation」と言うよ。つまり「積み重なった減価償却」ということ。毎年の減価償却費は損益計算書(P/L)に費用として計上されるけど、それをずっと積み上げた合計値が減価償却累計額として貸借対照表(B/S)の資産の部に記載されるんだ。大事なのは、「減価償却費(その年分)」と「減価償却累計額(今まで全部の合計)」は別モノだってこと。簿記の仕訳では毎年「減価償却費 / 減価償却累計額」と書くから、貸借対照表の累計額は年々大きくなっていくよ。資産を買ったときは0円スタートで、使い込むほど累計額が増えて帳簿価額がどんどん小さくなる仕組みだよ。

💡 ポイント
減価償却費=今年分の費用
減価償却累計額=今まで全部の合計!

⚠️ よくある勘違い

❌ 「減価償却累計額は毎年変わらない定額だ」
→ 定額法を使っていると毎年同じ金額の減価償却費を計上するけど、累計額は毎年その分ずつ増えていくよ。5年目には5年分が積み上がっているんだ。
⭕ 「減価償却累計額は年々増えていく」
→ 毎年の減価償却費を積み上げていくから、使用年数が長くなるほど累計額は大きくなり、帳簿価額(残り価値)はどんどん小さくなっていくよ。
なるほど〜、あーそういうことか!

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そもそも「減価償却」ってどういう仕組みだっけ?

資産は時間とともに価値が下がる

まずは「減価償却」の基本から確認しよう。会社がパソコンや機械、車などを買ったとき、それらは使えば使うほど古くなって価値が下がっていくよね。この「価値が下がっていく」現象を会計の世界ではちゃんと記録しなきゃいけないんだ。

例えば、60万円のパソコンを買ったとして、それを1年で全額費用にするのは変だよね?だって、そのパソコンは3年も4年も使うわけだから。だから、使う期間(耐用年数、つまり「このくらいの年数は使えるだろう」という見込みの年数のこと)に分けて、少しずつ費用にしていくんだ。これが減価償却だよ。

身近な例で考えてみよう

スマホで考えてみよう。新品で10万円のスマホを買ったとして、買った日に「今日だけで10万円の費用!」とは考えないよね。2〜3年かけて使うんだから、1年ごとに「今年は3万円分使った」「来年もまた3万円分使った」という感じで少しずつ費用にしていく。この「1年ごとに費用にする金額」が減価償却費なんだ。

減価償却費を計算するには「定額法」と「定率法」などの方法があるよ。一番わかりやすいのは定額法(毎年同じ金額を費用にする方法)だ。取得価額を耐用年数で割った金額を毎年計上していくよ。

  • 取得価額:60万円のパソコン
  • 耐用年数:4年(税法上のパソコンの耐用年数)
  • 毎年の減価償却費:60万円 ÷ 4年 = 15万円

毎年15万円を費用として計上していくわけだ。これが「減価償却費」の基本だよ。

「累計額」がつくと何が変わるの?

スタンプカードで考えてみよう

減価償却費がわかったところで、今度は「減価償却累計額」を理解しよう。さっきのパソコンの例で、毎年15万円の減価償却費が発生するんだったよね。それを表にしてみるよ。

  • 1年目:減価償却費 15万円 → 減価償却累計額 15万円
  • 2年目:減価償却費 15万円 → 減価償却累計額 30万円
  • 3年目:減価償却費 15万円 → 減価償却累計額 45万円
  • 4年目:減価償却費 15万円 → 減価償却累計額 60万円

見てわかるとおり、減価償却費は毎年15万円(同じ)だけど、減価償却累計額は毎年15万円ずつ積み上がっていくよ。スタンプカードに毎回1個スタンプを押すと、1枚目・2枚・3枚・4枚とどんどん増えるイメージだよ。

なぜ「累計額」が必要なの?

「毎年の費用を累計するだけなら、減価償却費を足せばいいじゃん」と思うかもしれない。でも、減価償却累計額をわざわざ別の勘定科目として持つのには理由があるんだ。それは「取得価額(購入金額)の情報を残したまま、使い込んだ分を見せたい」からだよ。

もし取得価額から直接引いてしまったら、元々いくらで買ったかがわからなくなっちゃう。だから「60万円で買った」という情報は資産に残しつつ、「そのうち何円分を使ったか」を減価償却累計額として別に管理するんだ。これによって、貸借対照表を見た人が「あ、元々60万円のものを、今まで30万円分使い込んで、残りの価値は30万円なんだな」とすぐ読み取れるようになるよ。

貸借対照表でどう記録されているの?(間接法)

間接法って何?

貸借対照表(B/S)に減価償却累計額を記載するやり方を間接法と言うよ。つまり「直接資産から引かずに、別の行でマイナスを示す方法」ということ。具体的にはこんな感じになるよ。

  • 備品(パソコン) 60万円
  • 減価償却累計額 △30万円
  • (差し引き:帳簿価額 30万円)

「△」はマイナスのことだよ。会計ではマイナスを「△」で表すことが多いんだ。この書き方をすることで、取得価額(60万円)と現在の残り価値(30万円)と、今まで使い込んだ合計(30万円)が一目でわかるんだよ。

直接法との違いも知っておこう

ちなみに、間接法の反対が直接法だよ。直接法では資産の金額から減価償却分を直接引いてしまうから、帳簿価額だけが表示されて取得価額はわからなくなっちゃう。日本の会計実務では間接法が主流で、取得価額の情報を保持できるので財務分析に便利なんだ。試験でも間接法が問われることが多いから、しっかり覚えておこう。

仕訳はどうなるの?

簿記の仕訳で書くとこうなるよ。(例:1年目の決算)

  • (借方)減価償却費 150,000円 / (貸方)減価償却累計額 150,000円

この仕訳を毎年繰り返すことで、損益計算書には「今年の費用15万円」が計上され、貸借対照表には「累計した使用分」が減価償却累計額として積み上がっていくんだ。減価償却費が費用(P/Lの勘定)で、減価償却累計額が資産のマイナス(B/Sの勘定)だという区別が大事だよ。

帳簿価額との関係を整理しよう

「帳簿価額」は残り価値のこと

帳簿価額とは「取得価額 − 減価償却累計額」で求まる数字だよ。つまり「帳簿の上で、今いくらの価値があるか」を示しているんだ。これを未償却残高(まだ費用化されていない残りの金額)とも呼ぶよ。

さっきのパソコンの例で整理すると:

  • 取得価額:60万円
  • 3年目終了時の減価償却累計額:45万円(15万円 × 3年)
  • 3年目終了時の帳簿価額:60万円 − 45万円 = 15万円

つまり、3年間使ったパソコンは、帳簿の上では残り15万円の価値があることになる。これが帳簿価額だよ。

帳簿価額と市場価値は別物

ここで気をつけてほしいのが、「帳簿価額 ≠ 実際の売れる値段(市場価値)」だということ。あくまで会計上のルールで計算した残り価値であって、実際にそのパソコンが15万円で売れるかどうかとは関係ないんだ。中古市場では5万円にしかならないこともあれば、逆に希少価値で20万円つくこともある。帳簿価額はあくまで帳簿上の数字だよ。

また、耐用年数が終わって帳簿価額がゼロになっても、実際に使い続けることはできるよ。帳簿上の価値がゼロになるだけで、物理的に使えなくなるわけじゃないんだ。これも混同しやすいポイントだから覚えておいてね。

実際に計算してみよう(定額法の例)

問題を解いてみよう

理解を深めるために、実際の問題を一緒に解いてみよう。

【設定】

  • X1年4月1日に機械を120万円で購入した
  • 耐用年数:6年、定額法を使用
  • 残存価額:ゼロ(現在は残存価額をゼロとする方法が主流)
  • 決算日:毎年3月31日

【計算】

  • 毎年の減価償却費:120万円 ÷ 6年 = 20万円
  • X2年3月31日(1年目)の減価償却累計額:20万円
  • X3年3月31日(2年目)の減価償却累計額:40万円
  • X4年3月31日(3年目)の減価償却累計額:60万円

X4年3月31日時点の貸借対照表はこうなるよ:

  • 機械 1,200,000円
  • 減価償却累計額 △600,000円
  • (帳簿価額 600,000円)

仕訳を書いてみよう

X4年3月31日(3年目の決算)の仕訳はこうなるよ:

  • (借方)減価償却費 200,000円 / (貸方)減価償却累計額 200,000円

この仕訳を6回繰り返すと、6年目の終わりには減価償却累計額が120万円になって、帳簿価額がゼロになるよ。このときを「全額償却完了」と言う。つまり「購入代金の全額を費用として計上し終えた」ということだよ。

試験でよく出るポイントをおさえよう

簿記の試験や会計の勉強で減価償却累計額が問われるときは、以下の点が特に重要だよ。

  • 減価償却費(費用)と減価償却累計額(資産の控除こうじょ項目)を混同しない
  • 間接法の貸借対照表の書き方(取得価額・累計額・帳簿価額の3行)を覚える
  • 帳簿価額 = 取得価額 − 減価償却累計額の式を使いこなす
  • 固定資産を途中で売却したときは、売却時点の帳簿価額と売却金額の差が「固定資産売却損益」になる

特に固定資産の売却問題では、売却時点での減価償却累計額を正確に計算できるかどうかが鍵になるよ。「売却日までの月数」で按分する問題も出てくるから、年度の途中で売却するパターンもしっかり練習しておこうね。

減価償却累計額は、最初は「なんで別の勘定科目があるの?」と思うかもしれないけど、取得価額・使用済みの部分・残り価値を一目で把握できるようにするための工夫なんだ。そう思うと、すごく合理的な仕組みだよね。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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