100個買うと1個100円だけど、1000個買うと1個50円になった」という経験はないかな?それにスーパーで買った方がコンビニより安いし、小さなお店よりスーパーの方が安かったり。この不思議は実は「規模の経済」という、ビジネスの大事な法則が原因なんだよ。この記事を読めば、なぜ大量に作ったり売ったりするほど安くなるのか、そしてそれが世の中にどう影響しているのかがちゃんと理解できるようになるよ。
- 大量に生産・販売することで、1個あたりのコストが下がる現象を規模の経済という
- スーパーマーケットやチェーン店が安く商品を提供できるのは、この仕組みのおかげだから
- 企業が大きくなろうとするのは、このコスト削減効果を求めているから
もうちょっと詳しく
「規模の経済」は、単に「いっぱい買うと安くなる」というだけじゃないんだよ。企業が工場を大きくしたり、従業員を効率よく配置したり、新しい機械を導入したりするのは、全部このコスト削減のためなんだ。つまり、生産量を増やすことで、1個あたりの製造費が下がって、その結果、消費者に安い値段で売ることができるっていう仕組みなんだね。これが、大企業が小さなお店より安く商品を売ることができる理由なんだ。
大量生産=安い材料じゃなくて、大量生産だからこそ、工場や流通システムへの投資を効率的に回収できるってのが本当のポイントだね。
⚠️ よくある勘違い
→ これは一部正しいんだけど、全部じゃないんだよ。材料費自体は確かに安くなることもあるけど、規模の経済はそれだけじゃなくて、運送費、人件費、工場の機械の減価償却費(つまり、機械の購入費を何年もかけて計上する費用)、倉庫代、広告費など、企業が持つ全ての費用を販売量で割った時に、1個あたりのコストが下がることなんだ。
→ これが正解。材料費だけじゃなくて、企業が持つ全ての費用を商品数で割ると安くなるっていうわけだね。例えば、時給の人件費が毎日かかるなら、100個売る日と10000個売る日では、1個あたりの人件費は全然違うでしょ。
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「規模の経済」ってどういう意味?
コストが下がるってどういうこと?
「規模の経済」(つまり、大きな規模で生産・販売すること)という言葉を聞くと、「え、難しい」って思うかもしれないね。でも、実は日常生活の中で毎日経験していることなんだよ。例えば、友達と一緒にピザを注文するときを考えてみて。1枚を1人で注文する時と、3人で1枚を分ける時、1枚あたりの値段ってどう思う?実は同じ値段じゃなくて、「複数人でシェアすると、1人あたりの値段が安くなる」みたいなことが企業でも起きているんだ。
では、規模の経済をちゃんと説明してみようか。企業が商品を作ったり売ったりするには、色々な費用がかかるんだよ。例えば、工場の建設費、機械の購入費、働く人の給料、商品を運ぶ費用、お店の家賃、広告費などなど。これらの費用は、商品を1個作ろうが1000個作ろうが、基本的には同じくらいかかる部分も多いんだ。だから、作る量が増えれば増えるほど、その費用を商品数で割ったときの「1個あたりの費用」が安くなるっていうわけなんだね。
わかりやすく数字で説明すると、例えば工場を建設するのに1000万円かかったとしよう。その工場で100個の商品を作ったら、1個あたり10万円の費用がかかることになるよね。でも、その同じ工場で1万個の商品を作ったら、1個あたりの費用は1000円まで下がってしまう。材料費は別にかかるけど、工場を作る費用は変わらないから、こういうことが起きるんだ。これが「規模の経済」の基本的な考え方だよ。
固定費と変動費って何?
この仕組みをもっと詳しく理解するために、企業の費用を2種類に分けて考えてみようか。1つは「固定費」(つまり、商品をいくつ作ろうが変わらない費用)で、もう1つは「変動費」(つまり、商品の数に応じて変わる費用)だね。
固定費の例としては、工場の建設費や家賃、機械の購入費、基本的な従業員の給料などが挙げられるよ。これらは、商品を1個作ろうが1000個作ろうが、基本的には同じくらいかかるんだ。一方、変動費は、材料費や運送費、外注費などで、商品の数に応じて増えたり減ったりするんだね。
規模の経済が起きるのは、この固定費の影響なんだよ。なぜなら、固定費を商品数で割るから、商品数が増えれば増えるほど、1個あたりの固定費は小さくなってしまうんだ。例えば、毎月の工場の家賃が100万円かかるなら、100個の商品を作る企業は、1個あたり1万円の家賃を負担することになるよね。でも、1万個の商品を作る企業は、1個あたり100円の家賃しか負担しなくて済むんだ。このように、大量生産するほど、1個あたりのコストが安くなるっていうわけなんだね。
スーパーと個人商店、なぜ価格が違う?
スーパーマーケットはなぜ安い?
あなたが毎日使っているスーパーマーケット。なぜあんなに安いのか、考えたことある?それは、まさに規模の経済が最もわかりやすく働いている場所なんだよ。スーパーマーケットは、毎日何千人もの客が来て、何千個もの商品を売るよね。その代わり、大きな建物を借りなくちゃいけないし、たくさんの従業員を雇わないといけないし、広告だって出さなくちゃいけない。
でも、その膨大な固定費を、毎日何千個もの商品で割ることができるんだ。例えば、スーパーの月間の固定費が1000万円だとしよう。そしてそのスーパーが1ヶ月間に100万個の商品を売るとしたら、1個あたりの固定費は10円だね。だから、材料費や運送費の変動費がいくら上乗せされても、最終的な商品の値段を安く抑えることができるんだ。
さらに、スーパーは大量に商品を仕入れるから、メーカーや問屋からの仕入れ値も安く交渉できるんだよ。つまり、固定費でも変動費でも、どちらでもコストが安くなる仕組みになっているんだね。だから、スーパーは消費者に安い値段で商品を提供できるっていうわけなんだ。
個人商店が高いのはなぜ?
一方、個人でやっている小さなお店を考えてみてよ。例えば、八百屋さんとか、小さな雑貨屋さんとか。こういうお店も、やっぱり店舗の家賃、電気代、働く人の給料など、同じような固定費がかかるんだよ。でも、スーパーみたいに毎日何千個も売るわけじゃなくて、maybe数百個とか千個程度かもしれない。
そうすると、どうなると思う?固定費を販売数で割った時の1個あたりのコストが、スーパーよりずっと大きくなっちゃうんだ。例えば、個人商店の月間固定費が100万円で、1ヶ月に1万個の商品を売るとしたら、1個あたりの固定費は100円だね。スーパーが10円だったのに比べて、個人商店は100円。これだけで、スーパーより高い値段を付けざるを得ないんだよ。
それにね、個人商店は仕入れでも不利なんだ。メーカーや問屋は、大量に買ってくれるスーパーには安い値段を提供するけど、小さな企業には高い値段を提供するんだよ。その理由は簡単。メーカーにとっては、1個安く売る手間とか、配送の手間とか、そういう費用がかかるから、小さいロットだと割高になっちゃうんだね。だから、個人商店は仕入れ値も高くなっちゃって、結果的に消費者への売値も高くなってしまうんだ。
チェーン店はさらに安い?
あ、ちなみに、セブンイレブンとかローソンみたいなコンビニチェーンは、個人商店とスーパーの中間くらいだね。だから、スーパーより高くて、個人商店より安いんだ。なぜなら、コンビニチェーンは1つのお店あたりの売上はスーパーより少ないけど、全国に何千店舗もあるから、メーカーとの仕入れ交渉でも有利に働くんだよ。つまり、複数のお店をひっくるめた規模で考えると、個人商店より規模が大きいから、コストを下げることができるってわけなんだね。
企業が大きくなろうとするのはなぜ?
成長戦略は規模の経済を求めている
企業の経営者やビジネスニュースを見ていると、「今年も売上を30%増やす」とか「市場シェアを拡大する」とか、こういう言葉をよく聞くよね。なぜ企業はそんなに大きくなろうとしているんだろう?それは、ズバリ、規模の経済のメリットを享受したいからなんだよ。
企業の経営者の視点から考えてみると、売上が2倍になれば、固定費を2倍の商品数で割ることができるから、1個あたりのコストが下がるんだね。そうすると、同じ値段で売っても利益が増えるし、値段を下げて競争力を上げることもできるんだ。さらに、利益が増えれば、その利益を使って新しい商品を開発したり、広告を出したり、新しい店舗を作ったりして、さらに成長することができるんだよ。
だから、企業は「とにかく規模を大きくしたい」と考えるんだね。新しい市場に進出したり、競合他社を買収したり、新しい商品を開発したり、こういう戦略は全部、規模を大きくして、規模の経済のメリットを享受するためなんだ。
ただし、規模が大きすぎると逆効果?
ここで注意が必要だけど、規模の経済は「大きければ大きいほどいい」わけじゃないんだよ。企業が大きくなりすぎると、逆に問題が起きることもあるんだ。
例えば、企業の規模が大きくなると、管理がむずかしくなるんだね。本社と支店の連絡がうまくいかなくなったり、従業員の数が増えすぎて、給料の管理や教育が大変になったり、意思決定が遅くなったりするんだ。これを「規模の不経済」(つまり、大きくなりすぎることで、かえってコストが増えてしまう現象)と呼ぶんだね。
だから、企業は「最適な規模」を見つけようと考えるんだよ。その業界によって違うけど、「この規模くらいが、最もコストが安くて、効率的に経営できるな」という規模が存在するんだね。企業は、その最適な規模を目指して戦略を立てるんだ。
規模の経済が世の中に与える影響
大企業と小企業の競争
規模の経済という仕組みがあるから、世の中の経済は大きく変わっているんだよ。最も目立つのは、「大企業と小企業の競争」だね。
スーパーマーケットが現れる前、日本の街は八百屋さん、肉屋さん、魚屋さん、それぞれ個人商店がいっぱいあったんだよ。でも、スーパーが現れて、規模の経済のメリットで安い値段を提供できるようになったら、個人商店が次々となくなっていったんだ。あなたの周りにも、昔は個人商店があったけど、今はスーパーしかないって場所もあるんじゃないかな?それは、規模の経済が働いているからなんだね。
同じことが、今、色々な業界で起きているんだよ。例えば、オンライン書店のAmazonが現れて、個人書店が減ったり、ファーストフードチェーンが拡大して、個人レストランが減ったり。こういう業界の変化は、全部「規模の経済」が原因になっているんだ。大企業は、規模の経済のメリットで、小企業より安く商品やサービスを提供できるから、消費者は大企業を選ぶようになるんだね。その結果、小企業が淘汰されていくんだ。
雇用と地域経済への影響
規模の経済には、いい面も悪い面もあるんだよ。いい面は、さっき説明したように、消費者は安く商品を買うことができるようになるということだね。でも、悪い面もあるんだ。例えば、個人商店が減ると、そこで働いていた人の職場がなくなっちゃうんだね。
スーパーマーケットが現れると、確かに新しい職場が作られるけど、それは個人商店が減った分を補うほどではないことが多いんだ。だから、地方の町から人口が減ったり、失業する人が出たり、こういった問題が起きるんだね。これも、規模の経済の影響なんだよ。
つまり、規模の経済は「消費者にとっては得だけど、地方の小企業や働く人にとっては、けっこう大変」という、複雑な側面があるんだ。だから、政府も「地方の小企業を応援する」みたいな政策を出したりするんだね。
テクノロジーと規模の経済
最近は、テクノロジーの発展が、規模の経済をさらに大きくしているんだよ。例えば、インターネットのおかげで、Amazonみたいな企業は、物理的な店舗を持たなくても、全国(いや、世界中)から顧客を集めることができるようになったんだ。配送も、ロジスティクス(つまり、商品を運ぶシステム)が発達したから、小さな企業でも大企業みたいに効率よく商品を運ぶことができるようになった。
そうすると、どうなるかな?ネット上では、物理的な距離が関係ないから、消費者は一番安いお店から買うようになるんだね。だから、大企業がさらに有利になって、小企業がさらに不利になるんだ。つまり、テクノロジーの発展が、規模の経済をさらに強くしているんだよ。
規模の経済だけがすべてじゃない
差別化戦略という選択肢
ここまで聞いていると、「じゃあ、小企業は勝てないじゃん」って思うかもしれないね。でも、そんなことはないんだよ。規模の経済に頼らない戦略も、ちゃんとあるんだ。
例えば、地元の八百屋さんが、スーパーに負けずに続いている理由を考えてみてよ。おそらく、「野菜が新鮮」とか「店主が野菜について詳しい」とか「近所の人と顔見知りだから、信頼できる」とか、こういう理由があるんじゃないかな?これを「差別化」(つまり、競合他社と違う価値を提供する)と呼ぶんだね。つまり、価格では勝てないけど、それ以外の価値で勝つっていうわけなんだ。
大企業は規模の経済で「安さ」を提供するけど、小企業は「質」とか「サービス」とか「個性」とか、別の価値を提供することで、生き残ることができるんだよ。そういう商店街の八百屋さんとか、小さなカフェとか、こういうお店は、けっこう繁盛していたりするんだね。だから、規模の経済に頼らなくても、戦える方法は、いっぱいあるんだ。
ニッチ市場という戦略
もう1つ、「ニッチ市場」(つまり、大企業が狙わない、小さくて限られた市場)という戦略もあるんだよ。例えば、大企業は利益率が高い商品しか作らないけど、小企業は、限られた顧客向けに、少数の商品を作ることができるんだ。
例えば、グルテンフリーのパン(つまり、小麦アレルギーの人向けのパン)みたいに、すごく限られた顧客向けに、高い値段で商品を売るっていう戦略もあるんだね。大企業がこういう小さな市場に参入するのは、採算が合わないから、わざわざしないんだ。だから、小企業がそういうニッチ市場を狙うことで、生き残ることができるんだよ。
プラットフォームと規模の経済
最後に、ちょっと新しい話をしようか。最近、AmazonやメルカリやUberみたいな「プラットフォーム」(つまり、売り手と買い手を繋ぐ仕組み)の企業が、ものすごく大きく成長しているんだよ。これも、規模の経済が関係しているんだ。
プラットフォーム企業は、自分で商品を作ったり売ったりしているわけじゃなくて、売り手と買い手を繋ぐ仕組みを提供しているんだね。そうすると、ユーザーが増えれば増えるほど、プラットフォームの価値が上がるんだ。なぜなら、売り手にとっても買い手にとっても、ユーザーが多いプラットフォームの方が便利だからね。だから、プラットフォーム企業は、利益なんか出さなくても、とにかくユーザーを増やそうとするんだよ。そして、ユーザーが十分に増えた時点で、ビジネスモデルを変えて、やっと利益を出し始めるんだ。これも、規模の経済の仕組みが働いているんだね。
