ユニコーンって何?わかりやすく解説

ビジネスのニュースで「ユニコーン企業」という言葉を聞いたことはありませんか?「え、ユニコーンって馬みたいな動物じゃないの?」と思ったあなたも、「何かすごい企業らしいけど、何がすごいのかよくわからない」というあなたも大丈夫。実は、ユニコーンは特別な条件を満たしたスタートアップ企業のことで、その秘密はかなり面白いんです。この記事を読めば、なぜそんな名前で呼ばれるのか、そしてなぜ世界中が注目するのかが、きっとわかるようになりますよ。

先生、「ユニコーン企業」って何ですか?名前、すごく変ですけど…

いい質問だね。ユニコーンは企業価値が10億ドル、つまり約1500億円以上になった非公開のスタートアップのことを指すんだ。つまり、会社の所有者が複数いて、まだ上場していない会社のことだよ。
1500億円ってすごく大きい金額ですね。でも、なぜユニコーンという動物みたいな名前なんですか?

ああ、そこが名前の由来だ。ユニコーンという伝説の動物がいるでしょ?角が1本生えた馬のような生き物。実在しないものだから、ものすごくレアだし特別だという印象がある。それと同じように、企業価値が1000億円以上になったスタートアップは、世界でもすごく珍しいんだ。だから「非常に珍しい・特別な企業」という意味で、ユニコーン企業と呼ぶようになったんだよ。
なるほど!では、ユニコーンにならないスタートアップとは何が違うんですか?

大きく2つの違いがあるんだ。1つは成長スピード。ユニコーンになるスタートアップは、短い期間でものすごく急成長する。UberやInstagramは、わずか数年で数千億円の価値を持つようになった。もう1つは市場での影響力。単に大きいだけじゃなく、業界全体を変えるようなイノベーション、つまり新しい技術やビジネス方法を生み出しているんだ。だからこそ、投資家たちがこぞって投資したくなるんだよ。
📝 3行でまとめると
  1. ユニコーン企業は企業価値が 10億ドル以上 になったまだ上場していないスタートアップのこと
  2. 名前は「非常に珍しい・特別」という意味で、世界中でも 数えるほど しか存在しない
  3. 短期間で急成長 し、業界を変えるような新しいビジネスを作ることが特徴
目次

もうちょっと詳しく

ユニコーン企業という概念は、2013年にアメリカのベンチャーキャピタル投資家が作った造語です。当時、10億ドル以上の企業価値を持ったスタートアップは、ほんの一握りしかなかったんです。だから「ユニコーンのように非常に珍しい存在」という表現がぴったりだと考えられたんですね。現在では、テクノロジー業界の発展によって、ユニコーン企業の数は増えていますが、それでも全スタートアップのうち、ほんの1%未満。つまり、起業した100社のうち、1社以下がユニコーン企業になるくらいの確率です。それくらい珍しい成功を指している言葉なんです。

💡 ポイント
ユニコーン企業になるのは、100社のスタートアップのうち1社以下。それくらい難しい目標なんだよ。

⚠️ よくある勘違い

❌ 「ユニコーン企業 = 大きい企業」
→ ユニコーンは上場している大企業(トヨタやソフトバンク)ではなく、「非公開のまま10億ドル以上の企業価値を持つスタートアップ」です。つまり、上場していないことが条件なんです。上場すると、もはやユニコーンではなくなってしまうんですよ。
⭕ 「ユニコーン企業 = 上場していない非公開スタートアップで企業価値10億ドル以上」
→ 上場によって企業価値が確定すると、ユニコーン企業という呼び方は使わなくなります。ユニコーンは「まだ非公開で、でも価値がめちゃくちゃ高い」という、ある意味とても不思議な状態の企業のことなんです。
なるほど〜、あーそういうことか!

そもそも、なぜ上場しないままで価値が高いのか

ここで疑問が出てくると思います。「企業価値が高いなら、さっさと上場してお金を手に入れればいいのに、なぜユニコーン企業は上場しないの?」という質問ですね。実は、これには理由があるんです。

まず、ユニコーン企業が上場しない理由の1つは「上場する必要がない」ということ。企業が成長するためにはお金が必要ですが、ユニコーン企業は十分なお金をベンチャーキャピタル、つまり起業家を応援する投資家たちから受け取っているんです。だから、わざわざ上場して、多くの一般投資家に会社の経営内容を公開したり、法規制に従ったりする手間をかける必要がないわけですね。

もう1つの理由は「さらに成長する可能性」です。ユニコーン企業の経営者たちは、まだまだ会社が成長する段階だと考えているんです。上場すると、四半期ごとに利益を報告しなければならず、短期的な利益を求める投資家たちのプレッシャーを受けます。でも、上場しなければ、長期的な成長に集中できるんです。だから、「今はまだ上場するタイミングではない。もっと大きく成長してから上場しよう」と考える経営者が多いんですね。

さらに、上場によって「企業価値が正確に決まってしまう」という問題もあります。ユニコーン企業の価値は、ベンチャーキャピタルと経営者の合意で決まっていることが多いので、まだ曖昧な部分があります。もし実際に上場されて株価が決まると、もしかしたらその評価が低くなってしまう可能性もあるんです。だから、「自分たちの評価を信じて、上場しないでいこう」と判断する企業も多いわけです。

ベンチャーキャピタルの役割

ユニコーン企業を支えているのは、ベンチャーキャピタル(つまり起業家を応援する投資家たち)の存在です。彼らは、成功する可能性がある若い起業家に大量のお金を投資します。その代わりに、会社の株の一部を手に入れるんですね。例えば、5000万円投資したから、会社の1%の株をもらう、というような感じです。

ベンチャーキャピタル投資家たちは、その起業家の会社が将来、ものすごく大きくなると信じています。だから、5000万円の投資が、将来は50億円、100億円の価値になると期待しているんです。その期待が集まると、会社全体の企業価値が10億ドル以上に膨らむわけですね。

実例で考えてみよう

実際のユニコーン企業の例を見てみましょう。Uberは、2009年にアメリカで設立されたタクシー配車サービスの会社です。スマートフォンのアプリで簡単にタクシーを呼べるというアイデアでした。設立から4年後の2013年には、企業価値が37億ドル(約5600億円)になって、ユニコーン企業の仲間入りをしました。その後、さらに成長を続けて、2019年にようやく上場しました。つまり、設立から10年かかったんです。

Airbnbも同じような流れです。空き家を宿泊施設として貸す仲介サービスを始めた会社で、2011年にはすでにユニコーン企業になっていました。その後、10年近く上場せずに成長を続けて、2020年にようやく上場しました。

これらの企業に共通しているのは「長期間、上場しないままで徹底的に成長を追求した」ということです。短期的な利益よりも、ユーザー数を増やしたり、新しい市場に進出したりすることに集中したんですね。だからこそ、世界中の人たちに知られる、本当に大きな企業になれたわけです。

ユニコーン企業の条件って何?

ユニコーン企業になるための条件は、実は3つに絞ることができます。

条件1:企業価値10億ドル以上

これは定義そのものですね。企業価値が10億ドル、日本円で約1500億円以上必要です。この金額は、ベンチャーキャピタルと経営者の評価によって決まります。例えば、ベンチャーキャピタルが「この会社は1年後に10億ドルになると思う」と判断して、その期待で投資したら、その時点で企業価値が1000万ドルでも、評価の上では10億ドル相当ということになるわけです。

ただし、この評価が正しいかどうかは、実際に上場されるまでわかりません。だから「未上場ながら、投資家から1000億円を超える価値があると評価されている」という状態が、ユニコーン企業の第一条件なんですね。

条件2:非公開企業であること

ユニコーン企業は絶対に非公開企業でなければいけません。つまり、上場していないことが必須なんです。もし上場してしまったら、ユニコーン企業ではなくなるんですね。これは面白い定義です。上場したら企業がより有名になって、より価値が上がるはずなのに、上場した時点で「ユニコーン」という呼び方は使わなくなってしまうわけです。

これは「上場前の、まだ不確実さを残しながらも高く評価されている非常に珍しい存在」という意味を強調するための定義なんです。上場して株価が決まったら、もうユニコーンではなく、単なる「成功した大企業」になってしまう、ということですね。

条件3:スタートアップであること

これは「若い企業である」という意味ではなく、「技術やビジネスモデルの革新によって急成長している企業」という意味です。つまり、既存のビジネスを単に拡大しているだけではなく、「新しい考え方」や「新しい技術」で業界を変えようとしている企業だということですね。

例えば、Spotifyは音楽配信サービスのスタートアップです。それまで、人々は音楽をCDで買うか、違法なダウンロードサイトで手に入れていました。でも、Spotifyは「月額料金を払えば、好きな音楽が全部聴き放題」というまったく新しいビジネスモデルを作ったんです。だから、急成長してユニコーンになったわけですね。

ユニコーン企業が増えている理由

2010年頃は、ユニコーン企業なんてほぼ存在しませんでした。でも、現在では世界中に数百社のユニコーン企業があります。なぜこんなに増えたのでしょうか。

インターネットの発展

最大の理由は、インターネットとスマートフォンの発展です。昔は、ビジネスを始めるのに、たくさんのお金が必要でした。例えば、タクシー会社を作ろうと思ったら、タクシー車を買わなければいけませんし、営業所も必要でしたし、従業員も雇わなければいけませんでした。つまり、かなりのお金がかかったわけです。

でも、Uberのようなアプリ型のサービスなら、最初に必要なのはスマートフォンアプリの開発費だけです。プログラマーたちに給料を払えば、アプリが作れますし、後は使ってくれたドライバーと乗客を集めるだけです。つまり、昔よりもずっと少ないお金で、大規模なビジネスを始められるようになったんですね。

さらに、インターネットは世界中の人に瞬時に情報を届けることができます。だから、良いサービスを作れば、すぐに世界中に広がる可能性があるんです。昔は、地域ごとにビジネスを展開する必要があったから時間がかかりました。でも、今はアプリ1つで世界中に同じサービスを届けられるわけですね。

ベンチャーキャピタル市場の拡大

もう1つの理由は、ベンチャーキャピタルの数が増えたことです。昔は、起業家にお金を投資する投資家なんて、ほぼいませんでした。でも、GoogleやAmazonなどのインターネット企業が大成功したのを見て、「インターネット企業に投資したら、莫大な利益が出るかもしれない」と気づいた投資家たちが増えたんです。

だから、今では、良いアイデアを持った起業家なら、比較的簡単に投資を受けることができるようになりました。ベンチャーキャピタルから数億円、時には数十億円の投資を受けることができれば、その期待値で企業価値が10億ドル以上に評価される可能性が出てくるわけですね。

グローバル競争の激化

さらに、スタートアップ同士の競争が激しくなったことも、ユニコーン企業を増やした理由です。例えば、ライドシェアサービスのジャンルでは、Uberという先発企業が大成功しました。その後、Lyftというアメリカ国内のライドシェアサービスや、中国のDidi、東南アジアのGrabなど、各地域でユニコーン企業が次々と誕生しました。

このように、同じジャンルで複数の企業が高い企業価値を持つようになった理由は「グローバルに同じサービスが必要」だからです。例えば、東南アジアでは、Grabというライドシェアサービスが必要だから、それが急速に成長してユニコーンになったわけですね。

ユニコーン企業になるメリットとデメリット

ユニコーン企業の地位は、本当にいいことばかりなのでしょうか。実は、メリットだけではなく、デメリットもあるんです。

メリット:大量の資金が集まる

ユニコーン企業になると、さらにベンチャーキャピタルから大量の投資を受けることができます。例えば、「まだ非公開だけど、企業価値10億ドルと評価された企業なら、きっともっと成長する」と考える投資家たちが殺到するわけですね。その結果、数百億円、時には数千億円の投資を集めることができるんです。

その資金を使って、さらに社員を雇ったり、新しい市場に進出したり、テクノロジーを開発したりすることができます。つまり、成長のスピードをより一層加速させることができるわけですね。

メリット:優秀な人材が集まる

ユニコーン企業は「絶対に成功する会社」という評判が立つため、優秀な人材が集まりやすいんです。特に、テクノロジー業界では、優秀なプログラマーやデザイナーは引っ張りだこです。でも、「ユニコーン企業で働ける」となると、喜んで入社してくる人が多いんですね。

その理由は、給料だけではなく、「成功する企業で働いている」という満足感や、ストックオプション(つまり、会社の株を買う権利)による将来の利益への期待があるからです。

デメリット:大きな期待を背負う

一方、ユニコーン企業のデメリットは「期待が大きすぎる」ということです。投資家たちは「この企業は必ず成長する」と信じて、大量のお金を投資しています。だから、その期待に応えられないと、企業の信用が失われてしまうんですね。

例えば、Uberは一度ユニコーン企業になってから、いろいろな問題に直面しました。「ドライバーが労働者ではなく、請負業者という扱いでいいのか」という労働問題や、「プライバシーが保護されているのか」というセキュリティ問題などです。こうした問題が起きると、投資家たちの期待がしぼむ危険があるわけですね。

デメリット:プレッシャーが強い

ユニコーン企業の経営者たちは、非常に強いプレッシャーの下で働いています。投資家から「早く利益を出せ」というプレッシャーを受けることもあります。また、競争相手も増えているので、「ずっと成長し続けなければいけない」というプレッシャーもあります。

多くのユニコーン企業の経営者は、睡眠時間を削ってでも仕事をしているんです。実は、成功している企業の経営者たちの多くが、かなりのストレスを抱えているんですね。

ユニコーン企業の今後

ユニコーン企業の時代は、これからどうなっていくのでしょうか。いくつかの予想があります。

もっともっと増えていく

1つの予想は「ユニコーン企業がもっともっと増えていく」ということです。理由は、テクノロジーが発展し続けているからです。新しいテクノロジー(人工知能、ブロックチェーン、バイオテクノロジーなど)が出てくるたびに、新しいジャンルのスタートアップが生まれ、そのジャンルから新しいユニコーン企業が誕生する可能性があるわけですね。

逆に淘汰される企業も出てくる

もう1つの予想は「いくつかのユニコーン企業が淘汰される」ということです。ユニコーン企業の価値は、投資家の期待で決まっているようなものです。でも、実際に事業がうまくいかなかったり、競争に負けたりしたら、企業価値は急落するかもしれません。

実は、かつてユニコーン企業と言われた企業でも、後に倒産したり、企業価値が大幅に下がったりしたものもあるんです。つまり、ユニコーン企業になった後も、生き残るために必死に戦い続ける必要があるわけですね。

上場企業とのハイブリッド化

3つ目の予想は「上場企業とユニコーン企業の境界が曖昧になる」ということです。例えば、一度上場しても、その後買収されて非公開化される企業もあります。つまり、「一度上場したから終わり」ではなく、上場と非公開を行き来する企業も出てくるかもしれないわけですね。

新興国のユニコーン企業が増える

また、新興国(インド、ブラジル、東南アジアなど)のユニコーン企業が増えると予想されています。理由は、これらの国の人口が増え続けているからです。多くの人口がいれば、それだけ大きなマーケットがあるので、スタートアップが大成長する可能性が高いわけですね。

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この記事を書いた人

大人になってから「これ知らなかった…」と恥ずかしい思いをした経験から、このサイトを作りました。お金・仕事・社会のしくみって、学校で教えてくれないのに知らないと損することだらけ。むずかしい言葉を「あーそういうことか!」って思えるまでかみ砕いて説明するのが得意です。主に経済・法律・税金・ライフイベント周りの用語を毎日更新中。

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