「同じ商品なのに、前より安くなってる…」「給料が減ってる企業が増えてるって聞いた…」こんな風に感じたことはありませんか?それは「デフレ」という経済の状態が起きているからかもしれません。デフレって言葉は聞いたことあるけど、実際は何なの?なぜ起きるの?私たちの生活にどう影響するの?この記事を読めば、デフレのしくみがスッキリわかるようになりますよ。
- デフレは商品やサービスの値段が下がり続ける経済の状態で、一見いいことに見えるけど実はそうじゃない
- 値段が下がると企業の売上が減り、給料が下がったり仕事がなくなったりして人々の生活が苦しくなる
- 経済全体が縮むデフレより、物価が少しずつ上がるインフレの方が経済には健全だと考えられている
もうちょっと詳しく
デフレが起きるのは、供給が多すぎたり、消費者の買い控えが起きたりするからです。例えば、ゲーム機やスマートフォンのような技術製品は、どんどん新しく安く作られるようになるから値段が下がります。また、経済全体が悪くなると、人々が「今は買うのやめておこう」と思うから、企業は売るために値段を下げざるを得なくなるんです。こうなると、企業は利益が減るので、働いている人の給料も下げられてしまいます。すると、さらに人々が買い控えするようになって…という負のループに入ってしまうんですよ。
デフレでは、値段は下がっても給料も下がるから、結局苦しくなる。それが問題なんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ 値段は安くなっても、給料も下がるから生活は楽にならない。むしろ仕事を失うリスクもあって、経済全体では苦しくなる。
→ 値段の下げ幅と給料の下げ幅のバランスが崩れるから、実は苦しくなっちゃう。だから各国はデフレを避けようとしている。
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デフレってどういう意味?
デフレ=値段が下がり続ける
デフレという言葉は、もともと英語の「Deflation(デフレーション)」から来ています。つまり「空気が抜ける」というイメージですね。経済の世界では、物やサービスの値段が下がり続ける状態のことを「デフレ」と呼びます。
例えば、あなたが毎日食べるパンを想像してください。去年は100円だったパンが、今年は98円になって、来年はもっと安くなっていく…こういう風に値段がどんどん下がっていく状況が続いている経済の状態が、デフレなんです。
デフレの反対が「インフレ」です。インフレは「Inflation」で、物価が上がり続ける状態のこと。つまり、去年100円だったパンが、今年は102円になって、来年はもっと高くなっていく…という状況ですね。多くの経済学者は「適度なインフレ状態が、経済にとって健全だ」と考えています。
日本はデフレ時代を経験している
実は、日本は1990年代から2000年代にかけて、長い間デフレの状態にありました。「失われた20年」と呼ばれている時代です。この時期、日本の企業は値段を下げ続けたし、給料も下がり続けたし、失業者も増えました。だから、デフレという言葉は日本人にとって、あまり良いイメージを持たない人が多いんです。
でも、2010年代の後半から2020年代にかけて、日本の経済は少しずつ変わり始めました。値段が少しずつ上がり始めて、デフレから脱却しようとしています。ただし、まだ完全には脱却していない…というのが今の状況なんですよ。
なぜデフレが起きるの?
企業が競争で値段を下げる
デフレが起きる理由はいくつかあります。一つめは「企業同士の競争」です。
例えば、スマートフォンの市場を想像してください。新しいスマートフォンが次々と出されるから、昔のモデルはどんどん安くなります。それにあわせて、企業も新しいモデルを安い値段で売ろうとします。こうなると、業界全体で値段がどんどん下がっていくんです。
これは技術製品だけじゃなく、衣服や食べ物でも同じです。「他の店より安い値段で売ろう」という競争があると、値段はどんどん下がっていきます。それ自体は悪いことじゃないんですが、企業全体の利益が減っちゃうのが問題なんですよ。
消費者が買わなくなる
もう一つの理由は「消費者の買い控え」です。経済が悪くなると、人々は不安になって、買い物を控えるようになります。これを「貯蓄志向が高まる」と言います。つまり、お金を使わずに貯めておこう…という心理状態ですね。
企業はモノが売れないから、値段を下げます。でも下げても売れない。だからもっと下げる。こういう悪循環に入ってしまうんです。この状態が「デフレスパイラル」(デフレの悪循環)と呼ばれています。スパイラルというのは、つまり「渦巻き」という意味で、どんどん悪い方向に進む状態をイメージしている言葉です。
技術が進化して作るコストが下がる
三番目の理由は「生産技術の進化」です。工場の機械が良くなったり、インターネットが発達したりして、モノを作るコストが下がります。そうすると、当然、売り値も下がるんです。
これは実は「いいこと」でもあるんですけど、問題は企業の利益が減ることです。利益が減ると、働いている人の給料を下げざるを得なくなります。だから、生産技術の進化によるデフレも、結果的に労働者には苦しい状況を生み出してしまうんですよ。
デフレが起きると何が困るのか?
給料が下がる
デフレで一番困るのは「給料が下がる」ことです。物価が下がるなら、給料が下がっても問題ないんじゃないか…と思うかもしれませんね。でも、実はそうじゃないんです。
デフレが進むと、企業の売上が減ります。すると、企業は利益を出すために、働いている人の給料を下げたり、人員を削減したりします。この給料の下げ幅が、物価の下げ幅より大きいことが多いんです。つまり、物価は10%下がったけど給料は20%下がった…という状況が起きちゃうわけです。
こうなると、「あれ、物価は安くなってるはずなのに、生活が苦しい」という矛盾した状況が生まれるんですよ。これが、デフレが「見た目より怖い経済の状態」だと言われる理由なんです。
失業者が増える
デフレが深刻になると、企業は人員削減を進めます。つまり、仕事を失う人が増えるんです。
1990年代から2000年代の日本の失われた20年では、失業率がいつもより高くなりました。経済が元気がない時代だったから、企業も新しい人を雇う余裕がなかったんですね。新卒で仕事が見つからない若者も増えました。
給料が下がるだけでなく、仕事そのものが無くなる…というのは、もっと深刻な問題です。生活ができなくなっちゃう人も出てくるんですよ。
借金の負担が増える
もう一つ、デフレで困ることに「借金の負担が増える」という問題があります。これは少し難しいですが、説明しますね。
例えば、1000万円で家を買ったとします。毎月10万円返す約束ですね。ところがデフレで物価が20%下がったら、その1000万円の価値は相対的に上がったことになります。つまり、あなたが借りた1000万円は、より価値のあるお金になってしまうわけです。だから、同じ10万円を返すにしても、より重い負担になってしまうんですよ。
これを「実質債務の増加」と言います。実質というのは、つまり「見た目上はそうでなくても、実際にはそうなっている」という意味ですね。この問題があるから、政府や企業も、デフレを避けようとしているんです。
デフレとインフレの違いを理解する
インフレは悪い?いや、適度なら良い
デフレの反対がインフレですね。インフレは物価が上がり続ける状態です。「物価が上がるなんて、消費者としては嫌じゃないか」と思うかもしれませんね。実は、そこが経済学の難しいところなんです。
適度なインフレは、実は経済全体にとって良いんです。企業の売上が増えるから、給料も増えるし、新しい仕事も増えます。だから人々は積極的に買い物をするようになる。こうなると、経済は元気に回るんです。
もちろん、インフレが激しすぎると問題です。年間で30%も物価が上がると、生活が大変になります。これを「ハイパーインフレ」と言います。つまり、異常に高い物価上昇という意味ですね。でも、年間で1〜3%くらいの物価上昇なら、むしろ健全な経済だと考えられているんですよ。
なぜ適度なインフレが良いのか
適度なインフレが良い理由は、いくつかあります。
まず、企業が値段を上げるということは、売上が増えているということを意味します。売上が増えると、企業は働いている人に高い給料を払おうとします。給料が増えると、人々はもっと買い物をするようになる。こういう好循環が生まれるんです。
次に、借金を返すのが楽になります。さっきの家のローンの例で言うと、デフレと逆が起きます。物価が上がると、あなたが借りたお金の価値は相対的に下がります。だから、給料が増えていれば、毎月10万円を返すのが前より楽に感じるようになるんですよ。
最後に、人々が「今のうちに買っておこう」という気持ちになります。デフレの時は「そのうち安くなるだろう」と買い控えますけど、インフレの時は「今買わないと、もっと高くなるぞ」と買い物をするようになります。これが経済を活発にするんです。
日本がデフレから抜け出そうとしている理由
こういった理由があるから、日本の政府や中央銀行(日本銀行)は、デフレから抜け出そうとしているんです。金利を低くしたり、お金をいっぱい市場に供給したり(これを「金融緩和」と言います)、いろいろな対策を取ってるんですよ。
2010年代の後半から2020年代にかけて、少しずつ物価が上がり始めました。つまり、適度なインフレの状態に近づいてきたということです。ただし、まだ完全には安定していないし、国によっては強いインフレで苦しんでいる国もあります。
デフレから学ぶこと
経済って複雑だな…ということ
デフレの話から分かることは、「経済って複雑だな」ということです。値段が安くなるのは、一見いいことに見えるけど、実は企業の利益が減ったり、給料が減ったり、失業が増えたりするんです。
世の中のニュースで「物価が上がった」「給料が下がった」「失業率が上がった」みたいなことが報道されてますね。一つ一つのニュースは別の問題に見えるかもしれませんが、実は全部つながってるんです。経済全体を見る力って、大事なんですよ。
政府や中央銀行が頑張ってる理由
政府や日本銀行がデフレ脱却に向けていろいろな対策をしている理由も、今なら分かりますね。デフレは、個々の企業や家計だけじゃなく、日本経済全体を弱くしてしまう危険な状態だからなんです。
だから、物価を少しずつ上げていく…という目標を掲げてるんですよ。これを「物価安定目標」と言います。つまり「物価を、安定した適度なレベルで上げていこう」という意味ですね。
今後の日本経済はどうなるのか
今後の日本経済がどうなるのかは、誰にも正確には予想できません。でも、今までのデフレを経験したから、日本の政府や企業も、デフレの怖さを知ってます。だから、デフレに戻らないように、工夫し続けるんだと思います。
あなたたちが大人になる時代には、日本経済がどういう状態になってるか、今からは想像できません。でも、デフレという言葉の意味を理解すれば、経済のニュースを読む時に、ちょっと深く考えられるようになりますよ。それが大事なんです。
デフレーションって何?わかりやすく解説
