毎日スマートフォンで何か買うときや、ゲームを選ぶときって、「★5つ」「★3つ」みたいな「評価」をチェックしたことありませんか?実は、そういう評価の仕組みは、お金の世界にもあるんです。銀行や企業の「信用度」を点数みたいに表す「レーティング」というものが。大人たちはこれを見て、「この企業にお金を貸してもいいのか?」「この投資は安全か?」って判断してるんですよ。この記事を読めば、レーティングが何なのか、どうして大事なのかがわかります。
- レーティングとは、企業や国の信用度を点数で表す「格付け」のこと。お店の★評価と同じ考え方です。
- 格付け機関という専門会社が、企業の財務状況などを調べて、AAA~Cなどの記号や点数をつけます。
- 銀行や投資家はレーティングを見て、お金を貸すか貸さないか、利息をいくらにするかを決めるんです。
もうちょっと詳しく
レーティングは、実は私たちの日常生活にも深く関わってるんです。たとえば、両親が家を買うときに銀行からお金を借りるでしょ。そのとき、銀行は「この人たちはちゃんとお金を返してくれるのか」って判断しないといけません。同じように、企業が大きな工場を作るために銀行からお金を借りるときも、銀行は「この企業は安全か」って判断する必要があるんです。そこで活躍するのがレーティングなんですよ。信用度が高い企業には「AAA」という一番いい評価をつけて、「この企業なら安心です」って世の中に知らせるわけです。すると銀行も投資家も「よし、お金を貸そう」「よし、株を買おう」ってなるんですね。つまり、レーティングは「その企業や国が約束をちゃんと守るのか、お金を返すのかの信頼度」を数字で表した、とても大事な判断材料なんです。
レーティングが高いほど、銀行は安心して安い利息でお金を貸してくれます
⚠️ よくある勘違い
→ レーティングはあくまで「専門家の予想」なんです。未来のことは誰にもわからないので、レーティングが高い企業だって、思わぬ事故や経営トラブルで経営が危なくなることもあります。レーティングはあくまで「参考情報」で、すべての判断の根拠にはできないんですよ。
→ 学校で進路を決めるとき、先生の意見を聞きながらも、自分で色々と調べますよね?それと同じで、レーティング以外の情報も見たうえで「この企業にお金を貸すか」「この株を買うか」を判断するのが正解です。
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レーティングって何?基本の基本
レーティングっていう言葉、聞いたことありますか?実は、私たちの生活の中で、すごく身近に使われてるんです。
一番わかりやすい例を出すと、YouTubeで動画を見た後に「★5つ」「★3つ」みたいに評価をつけることってあるでしょ。あれって、「この動画は面白かった度」を点数で表してるわけです。それと同じで、金融の世界では「この企業や国は信用できるのか」という「信用度」を点数で表すのがレーティングなんですよ。
もっと簡単に言うと、「その企業や国が、約束したお金をちゃんと返してくれる可能性がどのくらい高いのか」を、プロの調査員が調べて点数化したものです。学校の成績表みたいなものですね。「この生徒は数学が得意」「この生徒は英語が苦手」みたいに、個人個人の強み・弱みを点数で表すでしょ。それと同じで、企業の「信用できる度」を点数で表すのがレーティングなんです。
なぜそんなことが必要かというと、銀行や投資家(つまり、お金を貸したり、株を買ったりする大人たち)は、「この企業にお金を貸しても大丈夫か?」「約束どおりに返してくれるのか?」って心配になるんですよ。家を買うときに「このお金を貸してもいい人か」を銀行が調べるのと一緒で、企業のことも調べないと、銀行は安心してお金を貸せないわけです。
だから、専門的な知識がある「格付け機関」っていう調査会社が、企業の財務状況(つまり、お金がどのくらいあるのか、借金がどのくらいあるのか)や経営状態を細かく調べて、「この企業は信用度が高い」とか「この企業は信用度が低い」とか判断するんです。その判断を点数で表したのが「レーティング」なんですよ。
レーティングの表し方は色々あります。一番有名なのは、「AAA」「AA」「A」「BBB」みたいにアルファベットで表す方法。「AAA」が一番信用度が高くて、アルファベットが後ろになるほど信用度が低いという意味です。数字で表す場合もあって、「1位」「2位」「3位」みたいな順位で表すこともあります。
つまり、レーティングは「その企業が、ちゃんとお金を返してくれるのか、約束を守るのかの信頼度を、わかりやすく点数化したもの」なんです。テストの点数が高いと「この子は頭がいい」って判断しやすいでしょ。それと一緒で、レーティングが高いと「この企業は信用できる」って判断しやすくなるわけですよ。
なぜレーティングが大事なのか
では、そもそもなぜレーティングなんて制度が必要なのか。それは、「お金の世界は信頼がすべて」だからです。
想像してみてください。もしも、あなたが友だちに「1000円貸して」って言われたけど、その友だちが「来月返す」って約束しても、「本当に返してくれるのかな?」って不安になることもありますよね。特に、その友だちがこれまで何度も約束を破ったことがあれば、なおさら不安です。お金の世界も同じなんです。銀行が企業に「10億円貸します」って言うときも、「この企業は本当にお金を返してくれるのか」って不安になるんですよ。
だから、大人たちは「この企業の信用度ってどのくらい?」「どのくらい信頼できるのか」を、統一された基準で判断したいわけです。そこで活躍するのが「レーティング」なんですよ。プロの調査員が「この企業は財務が安定してる」「この企業は経営が危ない」みたいに、客観的に調べて点数をつける。そうすることで、銀行も投資家も「よし、この企業ならお金を貸してもいい」とか「この企業は避けとこう」みたいに判断しやすくなるわけです。
言い換えると、レーティングは「お金を貸す・貸さない」「投資する・しない」という重要な判断を、みんなが同じ基準で判断するための目安なんですよ。テストの点数があれば「全国で自分はどのくらいのレベルなのか」が分かりやすいでしょ。それと同じで、レーティングがあれば「この企業の信用度は世界的には何位なのか」が分かりやすくなるわけです。
レーティングの種類と表し方
レーティングには、色々な種類と表し方があります。世界で有名な格付け機関は何社かあって、それぞれ独自の評価方法を使ってるんですよ。
一番有名な表し方は、「AAA」から「D」までのアルファベットで表す方法です。これは「ムーディーズ」「スタンダード・アンド・プアーズ」「フィッチ」という、世界で一番有名な3つの格付け機関が使ってる方法です。「AAA」が最も信用度が高くて、「Aaa」の次に「Aa」「A」「Baa」「Ba」「B」と続いていき、最後に「C」や「D」といった信用度が低いランクが来るんです。ちなみに「D」は「デフォルト」という意味で、つまり「お金を返すことができない状態」という、一番悪い評価です。
これを学校の成績に例えると、「AAA」が「5」で「D」が「1」みたいな感じですね。「AAA」は「この企業は絶対大丈夫」という意味で、「D」は「この企業はもうお金を返せない状態」という意味です。だから、銀行や投資家は「AAA」の企業には安い利息でお金を貸すし、「BBB」の企業には高い利息を求めるわけです。リスクが高いなら、高いリターン(利息)を求めるという、ビジネスの基本原理が働くんですよ。
また、「投資適格」と「投機的格付け」という2つのグループに分かれてることも大事です。「投資適格」というのは、つまり「この企業にお金を投資しても比較的安全」という意味で、大体「BBB」以上が該当します。「投機的格付け」というのは「この企業にお金を投資するのはちょっと危ない」という意味で、「BB」以下が該当するんです。言い換えると、「投資適格」は「低リスク」で「投機的格付け」は「高リスク」ということですね。
その他にも、「ムーディーズ」が使う表し方として「Aaa」「Aa」「A」「Baa」「Ba」「B」「Caa」「Ca」「C」という方法もあります。アルファベットが複数並んでるでしょ。これは、同じランク内でも「上」「中」「下」という細かい違いを表してるんです。たとえば「A1」「A2」「A3」みたいに数字で細かく分けることもあります。
また、国のレーティングもあるんですよ。「日本は AAA」「アメリカは AA+」みたいに、その国の信用度も点数化されてるんです。国が信用度が高いと、その国の企業や国債(つまり、国が発行する借金証書みたいなもの)も信用度が高くなる傾向があります。逆に国の信用度が低いと、その国の企業も投資家から敬遠される傾向があるわけですね。
格付け機関って何をしてるのか
では、実際に「格付け機関」という企業は、どうやってレーティングをつけてるのでしょうか。
基本的には、企業の財務状況を細かく分析するんです。企業の「貸借対照表」という「今、うちの会社にはこのくらいのお金があって、このくらいの借金があります」という表を見たり、「損益計算書」という「今年いくら稼いで、いくら使いました」という表を見たり、その企業の経営者のインタビューを聞いたり、業界の市場動向を調べたり、色々な情報を集めて、「この企業はちゃんとお金を返す力があるのか」を判断するんですよ。
たとえば、A社とB社という2つの企業があったとします。A社は去年の売上が100億円で、借金が10億円だとしましょう。B社は売上が50億円で、借金が40億円だとします。どう見ても、A社のほうが「余裕があって返済能力が高い」って判断できますよね。格付け機関は、こういった複雑な経営数字を分析して、「返済能力がある」「返済能力がない」を判断するわけです。
また、企業の経営者がどういう人物か、これまでの経営実績はどうか、業界での競争力はどうか、みたいな「定性的な情報」(つまり、数字では表せない情報)も参考にするんです。世界的に有名な企業で経営実績が長い企業は、当然レーティングが高くなります。逆に、経営トラブルを起こしたことがある企業や、今流行ってない産業の企業は、レーティングが低くなる傾向があります。
つまり、格付け機関は「その企業が本当にお金を返す力があるのか」を、複雑な数字と経営実績で総合的に判断する専門家なわけです。弁護士が法律の専門家で、医者が医療の専門家なように、格付け機関は「信用度判断の専門家」なんですよ。
レーティングは誰がどう使ってるのか
では、実際にレーティングは、社会の中でどう使われてるのでしょうか。一言で言うと、「お金を貸す・貸さない」「投資する・しない」という重要な判断の材料として使われてるんです。
一番わかりやすい例を出すと、銀行です。銀行は企業からの融資申し込みを受けると、「この企業にお金を貸してもいいのか」「いくら貸せるのか」「利息は何%にするのか」を判断する必要があります。そこでレーティングが参考になるんですよ。もしレーティングが「AAA」という最高ランクなら、銀行は「信用できる」って判断して、低い利息でお金を貸します。逆に「BB」という投機的格付けなら、銀行は「リスクがある」って判断して、高い利息をつけるか、お金を貸さないという判断をするわけです。
投資家(つまり、株や債券を買う人たち)もレーティングを参考にします。「この企業は AAA だから安全そう。買ってみよう」とか「この企業は BBB だから少しリスクがあるから避けよう」みたいな判断をするんですよ。投資の世界では、リスクが低い投資は利回り(つまり、稼げるお金)も低くなるし、リスクが高い投資は利回りが高くなるという「リスクとリターンのバランス」という原理があります。だから「AAA」の企業に投資しても、あんまり稼げないけど安全。「BB」の企業に投資すれば、たくさん稼げる可能性があるけど、危ないという感じですね。
また、企業自身もレーティングを意識してるんです。自分の企業のレーティングが高いと、銀行が低い利息でお金を貸してくれるし、投資家も株を買ってくれます。だから、企業は「レーティングを上げるために経営を頑張ろう」って思うわけです。逆に、レーティングが下げられた企業は「あ、投資家に信用されてない」って気づいて、経営改革を頑張ります。つまり、レーティングは「経営を改善するための動機づけ」にもなってるわけですよ。
さらに、政府や中央銀行(つまり、日本なら日本銀行)も、国のレーティングや企業のレーティングを参考にして、金融政策(つまり、経済をコントロールするための施策)を決めたりします。「国のレーティングが下がった」ってニュースを聞くと、市場が慌てて株価が下がったり、通貨の価値が下がったりすることもあるんですよ。それくらい、レーティングは経済全体に影響を与えてる重要な指標なんです。
レーティングによって金利が変わる仕組み
ここで「金利」という言葉が出てきたので、説明しておきましょう。金利というのは、つまり「お金を借りるときの手数料」みたいなものです。
銀行から100万円を借りるときに「金利は3%です」って言われたら、100万円×3%=3万円を余分に返さないといけないということです。たとえば1年後に返すなら「100万円 + 3万円 = 103万円」を返すわけですね。
では、なぜレーティングによって金利が変わるのか。それは「返す能力が高い企業には、銀行も安心して低い金利で貸す」という理由からです。たとえば、A社というレーティングが「AAA」の大企業と、B社というレーティングが「BBB」の中小企業が、同じ100万円を借りようとします。銀行からすると、A社のほうが「絶対返してくれる」って確信があるので、「金利は1%でいいですよ」って低い金利で貸せるんです。でも B社は「返してくれるかどうか、少し不安」なので「金利は5%で」って高い金利を要求するわけですよ。
つまり、「返す能力が高い企業 = 金利が低い」「返す能力が低い企業 = 金利が高い」という関係が成り立つんです。だから、企業は「レーティングを上げて、低い金利でお金を借りたい」って頑張るわけですね。
レーティングの注意点と落とし穴
ここまで「レーティングはすごく大事」って説明してきましたが、実は落とし穴もあるんです。つまり、「レーティングが全て」じゃないということをしっかり理解しておく必要があるんですよ。
一番大事な落とし穴は、「レーティングはあくまで『予想』にすぎない」ということです。格付け機関は、今までのデータや経営実績を参考に「この企業は信用できる」って判断するんですが、未来のことは誰にもわかりませんよね。だから、レーティングが「AAA」という最高ランクの企業だって、突然経営危機に陥ることもあるんです。
実は、過去に「信用できる企業だ」ってレーティングが高かったのに、急に経営が悪くなった企業はいっぱいあります。2008年の金融危機のときなんて、大手の金融機関がレーティングが高いのに、急に経営危機に陥ったんですよ。だから、銀行や投資家は「レーティングは参考情報だけど、絶対に信用してはダメ」って気をつけてるわけです。
また、「格付け機関も間違えることがある」という落とし穴もあります。格付け機関は専門家ですが、人間が判断するもんですから、間違えることもあるんですよ。複雑な経営数字の分析を間違えたり、業界の市場動向を読み間違えたり、色々なミスが起こる可能性があります。実は、過去に有名な格付け機関が大きく外したことも何度もあるんです。だから、レーティングを参考にするときは「専門家の意見だけど、絶対じゃない」って認識を持つことが大事なんですよ。
さらに、「レーティングが急に下げられると、市場が大混乱する」という問題もあります。たとえば、ある企業のレーティングが「BBB」から「BB」に下げられたとします。すると、投資家は「あ、この企業は信用できなくなった」って思って、一気に株を売ったり債券を手放したりするんです。そうすると、企業の株価がドンと下がって、企業の経営状況がさらに悪くなるという悪循環が生まれるわけですよ。つまり、レーティングの急な変化は「自己実現予言」になる可能性があるんです。
「自己実現予言」というのは、つまり「『こうなるんじゃないか』って予想が、その予想のせいで本当にそうなる」という現象です。たとえば、学校で「あの子は頭が悪い」って評判になると、その子も「自分は頭が悪いんだ」って思い込んで、実際に勉強を頑張らなくなって、本当に成績が下がるようになる。みたいなことですね。レーティングも同じで、「この企業は信用できない」ってレーティングが下げられると、それが理由で本当に企業の経営が悪くなることもあるわけです。
だから、銀行や投資家は「レーティングは重要な参考情報だけど、それだけで判断するのは危ない」って気をつけてるんです。レーティング以外にも、その企業の経営者の質、業界の将来性、競争企業の状況、色々な情報を総合的に判断して「お金を貸すか、投資するか」を決めるんですよ。
レーティングが変わるタイミング
では、レーティングはどんなタイミングで変わるのでしょうか。基本的には「企業の経営状況が大きく変わった」というときですね。
たとえば、企業が新しい商品で大成功して、売上が一気に2倍になった。そしたら、格付け機関が「この企業は成長してる。レーティングを上げよう」って判断するわけです。逆に、企業が大きな製品欠陥でリコールを出すことになって、莫大な損失が出た。そしたら「この企業は経営が危ない」ってレーティングが下げられるんですよ。
また、経営者が変わったり、経営戦略が大きく変わったときもレーティングが変わることがあります。「前の経営者は経営が下手だったけど、新しい経営者は優秀だ」って判断されれば、レーティングが上がるかもしれません。逆に「経営者が交代して、新しい経営戦略はうまくいきそうにない」って判断されれば、レーティングが下がるかもしれないんです。
さらに、業界全体の状況が変わったときもレーティングが変わります。たとえば、「スマートフォンが普及して、昔のケータイ業界は衰退した」みたいに、業界全体が悪くなったら、その業界にいる企業全体のレーティングが下がることもあるんですよ。
つまり、レーティングは「企業の経営状況が大きく変わったときに更新される」ということですね。だから、投資家は常に「その企業にどういう変化が起こってるのか」を監視してるわけです。
世界のレーティングと日本のレーティング
最後に、世界と日本のレーティングの違いについても、ちょっと説明しておきましょう。
世界では「ムーディーズ」「スタンダード・アンド・プアーズ」「フィッチ」という3つの大手格付け機関が、ほとんどのレーティングを担当してるんです。この3つは「ビッグ3」と呼ばれてて、世界中の企業や国のレーティングをつけてるんですよ。
一方、日本にも「日本格付研究所(JCR)」「格付投資情報センター(R&I)」という国内の格付け機関があります。これらが日本企業のレーティングをつけてるんですが、国際的には「ビッグ3」ほどの知名度と信頼性がないんです。だから、日本企業も国際的な投資を考えるときは「ビッグ3」のレーティングを気にすることが多いんですよ。
また、日本国債(つまり、日本政府が発行する借金証書)のレーティングも重要です。日本のレーティングが下げられると、世界の投資家が「日本は大丈夫か」って心配になって、日本企業への投資も減ることがあるんです。だから、日本政府も「レーティングを維持するために、ちゃんと財政健全化を頑張ろう」って思うわけですね。
つまり、レーティングは「世界的な信用制度」で、各国の企業や政府が、世界からどの程度信用されてるのかを判断する重要な指標なんです。
