「お金を貸したのに返してくれない!でも裁判って時間かかるし、その間に相手が財産を隠したり逃げたりしたらどうなるの?」って思ったことない?実はそういうときのために「保全処分」っていう仕組みがあるんだよ。難しそうな言葉だけど、要するに「裁判が終わるまでの間、相手が逃げられないようにしておく手続き」のことなんだ。この記事を読めば、保全処分がどんなものか、どうやって使うのか、ちゃんとわかるよ。
- 保全処分は裁判が終わるまでの間、相手の財産や行為を仮に止めておくための手続きのこと
- お金に関する仮差押えと、それ以外の権利を守る仮処分の2種類がある
- 申請には被保全権利と保全の必要性の2つが必要で、担保を預けることも多い
もうちょっと詳しく
保全処分は「民事保全法」という法律に基づいていて、裁判所に申し立てて行うものだよ。普通の裁判と違って、緊急性が高いから審理(審査)がスピーディーなのが特徴なんだよね。申し立てから数日〜2週間程度で結果が出ることも多いよ。ただし、保全処分はあくまで「仮の措置」。つまり本番の裁判(本訴)で最終的な判断が出るまでのつなぎなんだ。保全処分が認められた後、決められた期間内に本訴を起こさないと、相手から「保全命令を取り消してほしい」と申し立てられることもあるから注意が必要だよ。また、相手は「保全異議(ほぜんいぎ)」といって、命令に対して「おかしい!」と裁判所に訴えることもできる。保全処分は強力な武器だけど、使い方を間違えると逆に責任を問われることもあるから、弁護士に相談してから使うのがベストだよ。
保全処分は「仮の措置」!本裁判(本訴)とセットで考えよう
⚠️ よくある勘違い
→ 仮差押えは相手の財産を「動かせなくする」だけで、自分のものになるわけじゃない
→ 財産を確保しておいて、本訴で勝ってから初めて強制執行でお金が取れるよ
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保全処分とは?「逃げ得」を防ぐための仕組み
裁判に勝っても意味がなくなる?
「お金貸したのに返してもらえない」「土地の権利を侵害された」――そんなとき、普通は裁判を起こして解決するよね。でも裁判って、実はとっても時間がかかるものなんだよ。簡単なものでも数ヶ月、複雑な案件だと数年かかることも珍しくない。
そこで問題が起きるんだよ。裁判をしている間に、相手が自分の財産を全部使い切ったり、誰かに贈り物として渡してしまったり、口座のお金を引き出して隠したりする可能性があるんだよね。勝訴(裁判に勝つこと)しても、取り立てる財産がなかったら意味がない。これが「逃げ得」の状態だよ。
保全処分(ほぜんしょぶん)とは、つまり「裁判の結果が出るまでの間、相手が財産を動かせないようにしたり、問題のある行為を止めさせたりする手続き」のことなんだよ。サッカーで言えば、試合(本裁判)が始まる前に、相手チームのキーマンに「試合終了まで交代禁止ね」って決めておくようなイメージかな。
保全処分の法的な位置づけ
保全処分は「民事保全法」という法律に基づいているよ。民事(みんじ)とは、つまり「個人や会社の間のトラブル」のこと。刑事(けいじ)事件(犯罪)とは別の話だよ。
裁判所に申し立てて初めて使えるもので、自分勝手に「相手の財産を止める」ことはもちろんできない。でも緊急性が高いから、普通の裁判より審理(しんり)=審査が早く進む仕組みになっているんだよ。
保全処分の2種類:仮差押えと仮処分
仮差押え(かりさしおさえ)とは
仮差押えとは、つまり「相手のお金や財産を、裁判が終わるまで動かせなくする手続き」のことだよ。対象になるものは主にこんなものだよ:
- 銀行の預金口座
- 不動産(土地・建物)
- 給料(給与債権)
- 会社の売掛金(取引先から受け取るお金)
具体的に想像してみよう。たとえばAさんがBさんに100万円貸したのに返してもらえないとする。AさんがBさんを訴えようとしている間に、BさんがCさんの口座にお金を全部移してしまったら?裁判で勝っても取り立てられないよね。だから仮差押えで「裁判の結果が出るまで、その口座は動かせません」と裁判所に決めてもらうんだよ。
仮差押えが決まると、銀行などの第三者に「保全命令が出ていますよ」という通知が行って、その財産が凍結される仕組みなんだよ。
仮処分(かりしょぶん)とは
仮処分は、お金以外のトラブルで使われることが多い手続きだよ。「仮に〇〇という状態にしてください」と裁判所に決めてもらうものなんだよ。例えばこんな場面で使われるよ:
- 工事によって日照が遮られそうなとき → 「裁判が終わるまで工事を中止して」(工事差止めの仮処分)
- SNSや掲示板に名誉を傷つける投稿があるとき → 「その書き込みを削除して」(削除の仮処分)
- 不当解雇されたとき → 「給料だけ払い続けて」(賃金仮払いの仮処分)
- 土地の所有権が争われているとき → 「相手が売ったりできないようにして」(処分禁止の仮処分)
仮差押えが「お金・財産を凍結する」ものなら、仮処分は「行為や権利関係を仮に決める」ものと覚えておくといいよ。
申請の条件:2つをクリアしないといけない
条件① 被保全権利(ひほぜんけんり)
被保全権利とは、つまり「守ってもらいたい権利がちゃんと存在しそうか」ということだよ。「100万円貸したのに返してもらっていない」なら「貸金返還請求権(100万円を返せという権利)」が被保全権利になる。
ここで大事なのは「確実に権利がある」と証明しなくていいってこと。「一応ありそうだ」という程度でいいんだよ(これを「疎明(そめい)」といって、完全な証明より低いハードルなんだよ)。その分、後で間違いがわかったときのために担保を積む必要があるんだけどね。
条件② 保全の必要性
保全の必要性とは、つまり「今すぐ手を打たないと権利が守れなくなる差し迫った事情があるか」ということだよ。「相手が財産を処分しようとしている」「隠す動きが見える」「すぐに逃げそうだ」といった状況が必要なんだ。
「まあそのうち裁判すればいいか」くらいの余裕があるときは、保全の必要性がないとみなされることもあるよ。緊急性がポイントなんだよね。
担保(たんぽ)を積む必要がある
保全処分を申し立てるとき、多くの場合「担保」を裁判所に預けることが必要だよ。担保とは、つまり「もし申請が間違いだったときに相手への賠償に使うお金」のことだよ。
たとえば仮差押えが認められたのに、本裁判で「実は債務はなかった」と判明した場合、相手は預金が凍結されて損害を受けたことになる。その損害を補償するための保証金として担保を積むんだよ。担保の金額は保全の対象となる財産の1〜3割程度が目安とされることが多いけれど、ケースによって違うよ。
保全処分の手続きの流れ
申し立てから命令が出るまで
保全処分の手続きの流れはこんな感じだよ:
- ① 申立書・証拠を準備して裁判所に申し立てる
- ② 裁判所が書類を審査(審尋)する
- ③ 担保の金額が決まったら供託(きょうたく=裁判所指定の機関にお金を預けること)する
- ④ 保全命令が発令される
- ⑤ 命令を相手や銀行などに送達・執行する
スピードが特徴で、書類が揃っていれば申し立てから数日で結果が出ることもあるよ。特に仮差押えは相手に知られる前に銀行に通知が行くから、「あ、口座が凍結された」と相手が気づいたときにはもう動かせない状態になってるんだよ。
本裁判(本訴)とのセット運用が基本
保全処分はあくまでも仮の措置だよ。保全命令が出た後は、一定の期間内に本裁判(本訴)を起こすことが求められることが多い。本訴を起こさないでいると、相手から「保全命令取り消し申立て」をされるリスクがあるよ。保全処分→本訴→判決→強制執行という流れがセットなんだよね。
相手にも反論の機会がある
保全命令が出た相手は「保全異議(ほぜんいぎ)」を申し立てることができるよ。「この命令はおかしい!」と裁判所に訴えられるんだよ。そこで改めて双方の言い分を審査して、命令が維持されたり取り消されたりすることもあるんだ。一方的に使える魔法の道具ではなく、相手にも権利が保護されているのがポイントだよ。
保全処分が使われる身近な場面
お金の貸し借りトラブル
友人や取引先にお金を貸したのに返してもらえないとき、相手の預金口座や不動産を仮差押えすることで「裁判中に財産を隠される」リスクを防げるよ。中小企業が取引先の倒産前に売掛金(うりかけきん=後で受け取る予定のお金)を守るために使うことも多いよ。
ネット上の名誉毀損(めいよきそん)
ネットに「〇〇さんは詐欺師だ」「〇〇社の製品は危険だ」みたいな根拠のない投稿をされたとき、仮処分で「その投稿を削除してください」と裁判所に決めてもらえることがあるよ。削除の仮処分は最近とても増えていて、SNSやまとめサイトへの申し立ても多いんだよ。
解雇・労働トラブル
会社から不当に解雇されたとき、「給料だけは払い続けてほしい(賃金仮払いの仮処分)」を裁判所に申し立てることができるよ。本裁判に勝つまでに生活費がなくなってしまうのを防ぐための手続きなんだよ。働く人を守るための大事な仕組みだよね。
不動産・土地トラブル
「その土地は自分のものだ」と争っているとき、相手が勝手に土地を売ってしまうのを防ぐために「処分禁止の仮処分」を使うことができるよ。仮処分が登記されると、第三者がその土地を買っても保全申立人に対抗できないことになるから、実質的に「動かせない土地」になるんだよ。
