「コーラといえば?」って聞かれたとき、ほぼ反射的に「コカ・コーラ!」って答えちゃうこと、あるよね。そのとき頭の中で起きていること、実はマーケティング的にめちゃくちゃ大事な現象なんだ。それが「ブランド想起」。聞いたことなくても大丈夫、この記事を読めばどういう仕組みで、なぜ企業がそこに全力を注いでいるのかがスッキリわかるよ。
- ブランド想起とは、ある場面や商品カテゴリを思い浮かべたとき 自然にそのブランド名が頭に浮かぶ 現象のこと
- 単に「知名度が高い」とは違い、「必要な瞬間に思い出してもらえるか」 が本質的なポイント
- 想起率が高いブランドは比較されにくくなり、売上や選ばれやすさに直結する ビジネス上の重要指標
もうちょっと詳しく
ブランド想起は、マーケティングの世界では「どれだけ消費者の記憶に根付いているか」を測る指標として使われているよ。ヒントなしで思い出せる「純粋想起(つまり、何も見せずに「スポーツドリンクといえば?」と聞いたときに出てくるブランド)」と、ロゴや名前を見せてから「知ってる?」と聞く「助成想起」の2種類がある。企業が本当に目指したいのは純粋想起で、そこに入れるブランド数はせいぜい3〜4個。だから各社は熾烈なポジション争いを繰り広げているんだ。想起される順番も大事で、一番最初に出てくるブランドを「トップ・オブ・マインド」と呼ぶよ。
ヒントなしで思い出してもらえるブランドになることが、マーケティングの最終目標のひとつ!
⚠️ よくある勘違い
→ 広告量だけ増やしても、「何と結びついているか」が曖昧だと記憶に残らない。「とにかく面白いCM」を作っても、商品カテゴリと結びついていなければ想起には繋がらないよ。
→ 「疲れたときに飲むもの=〇〇」のように、使うシーンや感情とブランドを結びつけることで、そのシーンが訪れたときに自然と想起される仕組みが作れるんだ。
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ブランド想起とは何か?まず基本から押さえよう
「想起」ってどういう意味?
「想起」って言葉、学校の授業ではあまり出てこないよね。意味は「思い出すこと」だよ。つまりブランド想起とは、「あるブランドのことを思い出す」こと、そのものを指しているんだ。
もう少しビジネス寄りに言い換えると、消費者(つまりお客さん)が何かを買おうとした瞬間や、ある状況に置かれたときに、特定のブランドが頭に自然と浮かぶ状態のことを指しているよ。
たとえば夜中に小腹が空いたとき、「何か食べたいな」と思ったら自然と「マクドナルド」が頭に浮かんだことない?あれがまさにブランド想起だよ。マクドナルドは「手軽に食べたいとき」という場面と、自分たちのブランドをしっかり結びつけることに成功しているんだ。
ブランド認知との違いは?
よく混同されがちなのが「ブランド認知」との違い。ブランド認知とは、「そのブランドを知っているか」ということ。つまり名前やロゴを見せて「知ってる?」と聞いて「知ってる!」と答えてもらえる状態のことだよ。
一方のブランド想起は、ヒントなしに「自分から思い出せるか」がポイント。ブランド認知は「見たら思い出す」で、ブランド想起は「自分から思い出せる」。この差はビジネス的にはめちゃくちゃ大きいんだ。
お店に並んでいる商品を見て「あ、知ってるやつだ」と思うのは認知。でも「今日はあれを買いに行こう」と家を出る前から頭に浮かぶのが想起だよ。後者のほうが購買に直結しやすいのは、想像できるよね。
純粋想起と助成想起
ブランド想起にはさらに2種類あって、マーケターの間ではこの使い分けがよく話されているよ。
- 純粋想起(ひんとなし):「エナジードリンクといえば?」という質問に対して、何もヒントなしに「レッドブル!」と答えられる状態
- 助成想起(ひんとあり):ロゴや名前を見せて「これ知ってますか?」と聞いて「あ、知ってる」となる状態
企業が最終的に狙っているのは純粋想起、特にその中でも「一番最初に思い浮かぶブランド」になること。これを業界ではトップ・オブ・マインド(つまり「頭の中の一番上にある状態」)と呼んでいるよ。スポーツドリンクのトップ・オブ・マインドはポカリかアクエリアスか、宅配便はヤマトか佐川か…みたいな争いが毎日繰り広げられているわけだ。
なぜブランド想起がビジネスに直結するのか
人間は「知ってるもの」を選びやすい
心理学に「処理流暢性」という概念がある。これは「馴染みがあるものほど、正しい・良いものに感じやすい」という人間の脳の特性のことで、つまり「見たことある・聞いたことある」だけで信頼感や好感度が上がるんだよ。
スーパーで似たような栄養ドリンクが10種類並んでいたとき、ほとんどの人は聞いたことのあるブランドに手を伸ばすよね。値段も成分もほとんど同じでも、「知ってるから」という理由で選ぶんだ。これが処理流暢性の力。
つまりブランド想起が高いと、消費者は「比較しなくても選んでくれる」状態になる。比較されないということは、価格競争に巻き込まれにくくなるということでもあって、利益率を守ることにも繋がっているんだ。
「選択肢が多すぎる時代」こそ想起が武器になる
今の時代、どの商品カテゴリも選択肢が多すぎるよね。スマホアプリだけで何百万個もある。その中から「これを使おう」と選んでもらうには、まず「存在を思い出してもらう」ことが最初のハードルだよ。
これを「カテゴリーエントリーポイント」と言うんだけど、つまり「その商品カテゴリを考えたとき、最初の選択肢として頭に入っているか」ということだよ。想起されないブランドは、競争が始まる前にすでに負けているとも言えるんだ。
逆に言えば、品質が多少劣っていても、想起率が高いブランドは市場で生き残りやすい。だからこそ大手企業は利益が出ていても広告をやめないし、新しいブランドほど「まず知ってもらう」ことに全力をかけるんだよ。
購買直前に「頭にある」かどうかが勝負
購買行動の研究によると、消費者がある商品カテゴリで検討するブランドの数は平均3〜4個程度だとされているよ。これを「考慮集合(エボークド・セット)」と言う。つまり「買うかもしれないリスト」みたいなもので、このリストに入っていなければ、いくら良い商品でも選ばれないんだ。
考慮集合に入るには、まずブランドが想起されることが前提。知らないブランドをリストに入れる人はいないよね。だから想起→考慮→購買、という流れの出発点にブランド想起があるんだ。出発点を制するものが市場を制すると言っても過言じゃないよ。
企業はどうやってブランド想起を高めているのか
「場面」と「感情」を結びつける
ブランド想起を上げる最も効果的な方法のひとつが、特定の場面や感情とブランドを結びつけることだよ。人間の記憶は「何を感じたか」と一緒に保存されやすい性質があるから、感情が動く瞬間にブランドを登場させることで、記憶に刻まれやすくなるんだ。
例えばレッドブルは「集中したいとき」「限界を超えたいとき」というシーンと自社ブランドを結びつけることで、「さあ踏ん張ろう」という気持ちになった瞬間にレッドブルが浮かぶように設計しているよ。エナジードリンクは他にもたくさんあるのに、想起されやすい位置にいるんだ。
- 疲れた→栄養ドリンクのブランド名
- 運動後→スポーツドリンクのブランド名
- プレゼント→百貨店・ブランドのショッパー
このような「場面+ブランド」の結びつきを意図的に作っていくことが、ブランド想起を高める戦略の核心だよ。
反復と一貫性が記憶を作る
記憶というのは、何度も同じ情報に触れることで定着するよね。学校の勉強でもそうだけど、一回見ただけじゃ忘れちゃう。ブランドも同じで、繰り返し接触することで「あ、これ知ってる」が「これといえばこれ」に変わっていくんだ。
ただし、繰り返すだけじゃなくて「一貫性」が大事。ロゴの色、フォント、キャッチコピー、音楽など、毎回バラバラだと「あれ、同じブランドだっけ?」となって記憶が分散しちゃう。大手ブランドが何十年も同じイメージカラーを使い続けるのは、それが理由だよ。
マクドナルドの黄色いM、コカ・コーラの赤、Appleのリンゴマーク…これらはすべて一貫して使い続けることで、色を見ただけでブランドが浮かぶ状態を作っているんだ。
「広告以外」でも想起は作れる
ブランド想起を高める手段は、テレビCMだけじゃないよ。むしろ今の時代はSNSや体験の方が記憶に残りやすいケースも多い。
- 口コミ・UGC(ユーザー生成コンテンツ):友達が「これ最高!」と言っていたブランドは記憶に残りやすい。「友達からの情報」は信頼度が高いから印象も深いんだ
- 体験イベント:実際に試したり、楽しい体験をした場所のブランドは想起されやすい。アウトドアブランドが野外フェスに出展したりするのはこのためだよ
- コラボ・話題作り:「え、あのブランドがこんなの出したの?」という驚きは記憶に刻まれやすい。コンビニスイーツの有名店コラボが毎回話題になるのも同じ原理だよ
ブランド想起を測るにはどうするの?
リサーチが基本
ブランド想起は数値で測ることができるよ。基本的な方法は消費者調査(アンケート)で、「〇〇といえばどのブランドを思い浮かべますか?」という質問に自由に答えてもらって、何人が自社ブランドを挙げたかを割合で出す。これが「純粋想起率」だよ。
業界によって平均値は違うけど、たとえば純粋想起率が50%なら、「100人に聞いたら50人がヒントなしで思い浮かべてくれる」ということ。30%が40%になっただけでも、市場での存在感は大きく変わるんだ。
デジタルでも測れる時代
最近はSNSや検索データを使ってブランド想起の変化を追う方法も一般的になってきたよ。Googleで検索される回数(検索ボリューム)が増えているなら、人々がブランドを「調べたい」と思っている証拠でもある。SNSでブランド名が自発的に言及される件数(オーガニックメンション)も想起の指標として使われているよ。
広告を出した後に検索数が増えたか、SNSでの言及が増えたか、こういったデータを追いかけることで、施策の効果を確かめることができるんだ。「感覚的にブランドを作る」から「データで検証しながら作る」時代に変わってきているね。
競合との比較が重要
自社の想起率だけを見ていても意味が薄くて、大事なのは競合ブランドとの相対的な位置関係だよ。「スポーツドリンクといえば」という問いに対して、A社が50%・B社が30%・自社が15%なら、自社は業界3位のポジションにいることがわかる。
この「想起シェア」とも言える順位が、実際の市場シェアと高い相関を持つことが多いと言われているよ。つまり「頭の中でのシェア」が「財布のシェア」を決めるとも言えるんだ。定期的に競合比較の調査をして、自分たちのポジションを把握することが戦略の基本になっているよ。
中小企業・個人でもブランド想起は作れる?
スケールは関係ない、一貫性が全て
「ブランド想起って大企業の話でしょ?」と思った人もいるかもしれないけど、実はスモールビジネスや個人でも同じ原理が使えるよ。むしろ小さな規模だからこそ、ターゲットを絞って深く刺さるブランドを作りやすい側面もあるんだ。
たとえば地元の美容院が「結婚式前の花嫁向けヘアメイクといえばここ」というポジションを地域内で獲得したとする。規模は小さくても、その地域・そのニーズの文脈では圧倒的な想起率を持っているよね。これも立派なブランド想起の成功例だよ。
SNS時代の個人ブランドも同じ
YouTuberやインフルエンサーが「〇〇といえばこの人」というポジションを持っているのも、ブランド想起の一種だよ。「筋トレ動画といえばあのYouTuber」「節約レシピといえばこのアカウント」という状態を作ることで、同じジャンルで検索したときに真っ先に思い浮かべてもらえるようになるんだ。
個人レベルでブランド想起を高めるポイントも同じで、「一貫したテーマ・色・キャラクター」と「特定の場面と自分を結びつけること」だよ。投稿ジャンルをコロコロ変えたり、見た目のテイストがバラバラだったりすると、フォロワーの中に「この人といえば〇〇」という結びつきが生まれにくくなるんだ。
まず「自分といえば何か」を決めることが第一歩
ブランド想起を高めたいなら、まず「自分(または自社)は何のカテゴリで想起されたいか」を明確にすることが出発点だよ。全てのカテゴリで一番を狙うのは現実的じゃないから、「このジャンル・このシーン・この悩みを持つ人」に絞って深く刺さる存在になることを目指すんだ。
大企業のように広告費を億単位でかけなくても、「誰に」「どんな場面で」「どんな気持ちのときに」思い出してほしいかを決めて、その文脈で一貫して存在感を出し続けることが、ブランド想起を育てるための一番の近道だよ。
