テレビのニュースで「臓器提供」という言葉を聞いたことはありませんか?命を救う大事なことらしいけど、実際のところ、どういう仕組みなのか、自分たちは何をしたらいいのかって、ちょっとよくわからないですよね。この記事を読めば、臓器提供がなぜ必要で、どんなふうに行われているのか、そして自分たちにできることが何なのかが、スッキリわかるようになっちゃいますよ。
- 臓器提供とは、亡くなった人の臓器を、病気の人に移植することで、命を救う医療制度のこと
- 病気で弱った臓器は人工臓器では代替できず、実際の臓器移植が必要な患者さんがたくさんいる
- 運転免許証や健康保険証で「提供する」を選ぶことで、誰もが臓器提供者になれる権利を持っている
もうちょっと詳しく
臓器提供と聞くと、何か難しい特別なことのように思えるかもしれません。でも実は、日本では1997年に「臓器移植法」という法律ができて、かなり前から行われている医療行為なんです。毎日、どこかの病院で誰かの臓器が救えない人の命を救っているわけです。大事なのは、自分がどうしたいのかを事前に決めておくことです。運転免許を取るときや、マイナンバーカード、健康保険証でこの選択肢が出てくるので、そのときに「このことについて、自分はどう考えるのか」をちょっと考えてみることが、実は社会全体にとって大切なんですよ。
臓器提供は「義務」ではなく「選択肢」。自分の意思を事前に登録することが大事です。
⚠️ よくある勘違い
→ そんなことはありません。臓器提供に登録していても、あなたが元気なうちは何もされません。実際に臓器が移植されるのは、医学的に「脳死」と診断されたときだけなんです。
→ 正解です。臓器提供は、あらかじめ「自分がそれを望むかどうか」を示しておいて、その意思に基づいて実行される制度なんです。
→ 疑問に思うかもしれませんが、統計を見ると、一人の臓器提供者で平均4~5人の患者さんの命が救われているんです。心臓一つで1人、肝臓で1人、腎臓で2人、膵臓で1人という感じですね。
→ 正解。一人の臓器提供が、何人もの人の人生を変える可能性を持っているわけです。
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臓器提供ってそもそも何?
臓器提供とは、亡くなった人の心臓や肝臓、腎臓などの臓器を、病気で困っている人に移植することです。簡単に言うと、「誰かの臓器が、別の誰かの命を救う」という仕組みですね。
想像してみてください。もし自分の友だちが、心臓の病気になってしまったとしましょう。医者さんが「心臓移植が必要です」と言ったとします。そのときに、もし他の人の健康な心臓があれば、その子の命が救われるかもしれない。臓器提供というのは、そういう「命のつながり」を作る医療制度なんです。
では、どうして亡くなった人の臓器が使えるのかというと、人間の身体には「脳死」という状態があるんです。つまり、脳がはたらかなくなって、もう目覚めることはないという医学的な状態のことですね。そのとき、心臓はまだ動いていることもあります。医者たちが「この人は脳死です」と医学的に確認して、そしてご家族の許可をもらったとき、初めてその人の臓器を提供できるようになるわけです。
臓器提供に登録するってどういう意味?
日本では、運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードを申し込むときに、「臓器提供について」という欄が出てきます。そこに「臓器を提供する」「臓器は提供しない」「どちらでもよい」という選択肢があるんですね。
「臓器を提供する」にチェックを入れると、あなたが脳死と診断されたときに、医者たちが「この人は臓器提供に登録していたから、臓器を移植に使えるな」と判断できるようになります。つまり、事前にあなたの意思を示しておくことで、万が一のときに、その意思が尊重される仕組みなんです。
大事なのは、この選択は「強制」じゃないということですよ。臓器提供したくなければ「提供しない」を選んでもいいし、何も決まってなければ「どちらでもよい」でもいいんです。自分の身体のことだから、自分が決める。それが臓器提供制度の基本的な考え方なんですね。
世界でもこういう制度があるの?
実は、臓器提供という仕組みは、日本だけじゃなくて、世界中で行われているんです。アメリカもヨーロッパも、臓器移植で命を救う医療をやってます。
ただし、国によってルールが違います。たとえば、スペインやフランスでは、「臓器を提供したくない」と明確に登録しない限り、全員が臓器提供者だと考える「推定同意制度」という仕組みを使っているんです。一方、日本やアメリカでは、「自分は臓器を提供する」と明確に登録した人だけが提供者になる「明示的同意制度」を使ってるんですね。
つまり、同じ「臓器移植で命を救う」という目標でも、各国が違うやり方で進めているわけです。どの方法がいいかは、その国の考え方や文化によって違うんですよ。
なぜ臓器提供が必要なの?
臓器提供が必要な理由は、シンプルです。心臓や肝臓、腎臓などが悪くなった患者さんたちが、その臓器を必要としているからです。
たとえば、心臓の病気の人を考えてみてください。心臓は、人間が生きるために絶対に必要な臓器です。心臓が悪くなると、体全体に血液を送ることができなくなってしまいます。そうなると、生きることができなくなっちゃいますよね。
今の医学では、心臓の病気を完全に治す薬や治療法は、まだ完成していないんです。そういう場合に「心臓移植」という治療方法があるんですね。つまり、病気の心臓を取り除いて、元気な心臓に付け替える。これは、その患者さんが生きるための「最後の手段」になることもあるんです。
いろいろな臓器が移植できるんです
心臓だけじゃなくて、いろいろな臓器が移植できるんですよ。具体的には:
・心臓:生きるために一番大事。心臓の病気で、他に治療法がないときに移植します。
・肝臓:栄養を処理したり、毒を消す働きをします。肝臓が完全に悪くなると、生きられません。
・腎臓:おしっこを作って、体の中の悪い物質を外に出します。腎臓が悪いと、人工透析という機械を使う必要があります。
・膵臓:血糖を調整するホルモンを出します。糖尿病の人の中には、膵臓移植が必要な場合もあります。
・肺:空気を吸って酸素をもらいます。重い肺の病気だと、呼吸ができなくなります。
こうやって見ると、人間の身体って、いろいろな臓器が協力して働いているんだなって気づきませんか。どれか一つが壊れると、全体が危なくなっちゃうわけです。だから、臓器提供という仕組みがあるんですね。
人工臓器じゃダメなの?
「だったら、人工の臓器を作ったらいいじゃん」と思う人もいるかもしれません。実は、科学者たちもそのことを一生懸命考えてるんです。人工心臓という機械を使って、心臓の代わりにする治療法もあります。
でも、現実はそう簡単じゃないんですよ。人工臓器は、完全に本物の臓器と同じ機能をするわけじゃないんです。たとえば、人工心臓を使っている患者さんは、ずっと大きな機械と一緒に生活しなきゃいけないし、感染症のリスクもあります。また、すべての臓器について、完璧な人工臓器がまだ作られていないんです。肝臓とか膵臓とか、複雑な働きをする臓器は、人工で再現するのが本当に難しいんですね。
だから、今のところ、本当の臓器移植が最も確実な治療方法なんです。そして、それには、臓器を提供してくれる人が必要なわけです。
どのくらいの人が移植を待ってるの?
びっくりするかもしれませんが、今、日本には約1万5000人以上の患者さんが、臓器移植を待っているんです。でも、毎年、実際に移植を受けられるのは、その10倍以上待ってる人がいるのに、実際の臓器提供者は圧倒的に足りないんですよ。
つまり、「臓器を提供してくれる人が増えたら、救える命がもっと増える」という状況が今も続いてるわけです。だから、臓器提供という仕組みが、本当に大事なんですね。
どうやって臓器提供をするの?
臓器提供の流れって、実はとても丁寧で、ルールがいっぱいあるんです。適当に臓器を取ったりするわけじゃなくて、医学的にも法律的にも、すごく慎重に進むんです。
まず、第一段階として、「脳死の判定」があります。患者さんが脳死かもしれないってなったとき、医者たちが慎重に検査をするんですね。脳波検査とか、脳の血流検査とか、いろいろな検査をします。そして、複数の医者が「この人は脳死です」と確認して初めて、脳死と診断されるわけです。一人の医者の判断だけじゃなくて、複数の医者が「確かにそうだ」と認める必要があるんですよ。これは、患者さんの命に関わることだから、すごく慎重にやるわけです。
ご家族の気持ちを大事にする
次に大事なのが、ご家族への説明と確認なんです。医者が「お父さんは脳死と診断されました」と説明します。そして、「臓器提供についてどう考えますか」と聞きます。
ここで大事なのは、ご家族が自由に決められるということですよ。「提供する」と言う人もいれば、「提供したくない」と言う人もいます。また、「本人が臓器提供に登録していたから、本人の意思を尊重したい」と言う人もいるかもしれません。どれを選んでも、医者たちはそれを尊重するんです。
実は、日本の法律では、本人が事前に「臓器を提供する」と登録していることが、一番大事なんです。もし登録していなくて、家族も「提供してもいい」と言ったとしても、提供できないんです。つまり、「本人の意思が一番大事」という考え方が、日本の臓器移植制度の基本なんですね。
提供が決まったら、どうなるの?
ご家族が「臓器を提供します」と言ったら、医者たちはすぐに準備を始めます。臓器は、心臓が止まると、すぐに悪くなってしまうんですね。だから、時間が勝負なんです。
手術室で、丁寧に臓器を取り出します。心臓、肝臓、腎臓など、必要な臓器を取り出すんですね。これを「臓器摘出手術」といいます。そして、各臓器を特別な保存液に入れて、冷たく保ちながら、移植を待つ患者さんのいる病院に運ぶんです。
一方、移植を待ってた患者さんも、その間に手術室の準備をします。「あなたの心臓が提供されました。今から手術をします」という連絡が入ると、患者さんは緊急で手術を受けるんですね。
手術は何時間もかかることが多いです。医者たちが、慎重に病気の臓器を取り除いて、新しい臓器を付け替えるわけですから。でも、この手術が成功すれば、その患者さんは新しい人生が始まるわけです。
移植の後、患者さんはどうなるの?
臓器移植が終わっても、そこがゴールじゃないんです。むしろ、ここからが大変な部分もあります。
まず、患者さんの身体が、新しい臓器を「異物」と考えて、攻撃しようとするんですね。つまり、自分の免疫が、提供された臓器を排除しようとするわけです。これを「拒絶反応」といいます。つまり、「この臓器は、自分の臓器じゃないから、取り除こう」という身体の防御反応が起きちゃうわけです。
これを防ぐために、医者は「免疫抑制薬」という薬を患者さんに飲ませます。つまり、免疫の力を弱くして、新しい臓器が攻撃されるのを防ぐわけですね。でも、免疫を弱くすると、今度は感染症に弱くなってしまいます。ちょうど、風邪を引きやすくなるような感じです。
だから、移植を受けた患者さんは、一生、薬を飲み続けなきゃいけません。そして、定期的に病院に行って、新しい臓器がちゃんと働いてるかチェックしてもらうんです。大変ですが、これが、臓器移植を受けた患者さんの「新しい生活」なんですね。
臓器提供をするときに大事なこと
臓器提供についての制度をもっと理解するために、大事なポイントを押さえておきましょう。臓器提供は個人の自由な選択であり、強制されるものではないということが、一番重要なんです。
本人の意思が一番大事
日本の臓器移植法では、「臓器提供は本人の意思に基づく」と決まっています。つまり、「自分の臓器は、自分の指示に従って使ってほしい」ということですね。
だから、家族が「提供していいですか」と聞かれても、本人が「提供したくない」と事前に登録していれば、臓器は提供できないんです。逆に、本人が「提供する」と登録していれば、家族が「提供したくない」と言っても、本人の意思が尊重されるわけです。
これって、すごく大事な考え方だと思いませんか。自分の身体のことは、自分が決めるべきだという考え方ですね。だから、あなたが運転免許を取るときとか、健康保険証を作るときに、「臓器提供について、あなたはどう考えますか」って聞かれるわけです。
年齢によって条件が違う
実は、臓器提供には、年齢による条件があるんです。15歳以上なら、自分の意思で「臓器を提供する」と登録できます。でも、15歳未満の人は、親の同意が必要なんですね。つまり、小学生や中学生の若い時期は、自分一人では決められないということです。
これは、法律で決まってるルールなんですよ。「15歳になったら、自分の人生について、より多くのことを自分で決められるようになる」という考え方が、法律にも反映されてるわけです。
どこで登録するの?
臓器提供の意思を示す場所って、実は身近なんです。
・運転免許証の申請:免許を取るときに、申請書に「臓器提供について」という欄があります。
・健康保険証:健康保険に加入するときに、同じように選択肢があります。
・マイナンバーカード:マイナンバーカードを作るときにも、臓器提供についての欄があります。
・献血の際:献血するときに、登録することもできます。
つまり、生活の中で、いろいろな場面で、「あなたはどう考えますか」と聞かれる機会があるんですね。別に、何度も同じ登録をする必要はありませんが、「自分はどう考えるのか」をちょっと考えるきっかけになるわけです。
「どちらでもよい」を選んだら?
運転免許やマイナンバーカードの申請で、「臓器提供について」の欄を見ると、選択肢が三つあります。「提供する」「提供しない」「どちらでもよい」です。
「どちらでもよい」を選んだ場合、万が一のときに、医者たちは家族に「臓器提供についてどう考えますか」と聞くんです。そして、家族の意思を尊重して、提供するかしないか判断するわけですね。つまり、「本人が決めていないから、家族の気持ちを大事にしよう」という考え方なんですね。
世界の臓器提供の仕組み
臓器提供という仕組みは、日本だけじゃなくて、世界中にあります。でも、国によって、ルールや考え方が全然違うんですよ。世界のいろいろなやり方を知ることで、臓器提供についてもっと深く理解できます。
「推定同意制度」の国々
スペインやフランス、イタリアなどの国では、「推定同意制度」という仕組みを使ってます。つまり、「臓器を提供したくない」と明確に登録しない限り、みんなが臓器提供者だと考える制度です。
言い換えると、こういう感じですね。「もしもあなたが脳死になったとき、あなたが『提供したくない』と言ってなかったら、臓器を提供します」ということです。
実は、この制度の国々では、臓器提供者の数がすごく多いんですよ。日本よりも、何倍も多い人が、毎年臓器提供を受けています。なぜなら、「何もしなければ提供される」という前提だから、わざわざ登録する手間をかけない人がいっぱいいるからです。
つまり、「デフォルト」が「提供する」か「提供しない」かで、大きく違ってくるわけですね。日本は「デフォルトは提供しない」という考え方なので、臓器が足りないわけです。
「明示的同意制度」の国々
一方、日本やアメリカ、オーストラリアなどでは、「明示的同意制度」を使ってます。つまり、「自分は臓器を提供する」と明確に登録した人だけが、提供者になるという制度です。
このやり方のいいところは、「本人の意思が一番大事」という考え方が、すごくはっきりしてることです。自分で決めて、自分で登録した人だけが対象になるわけですから、間違える可能性が少ないんですね。
でも、デメリットとしては、臓器提供者が少なくなってしまうんです。登録するのは、結構な手間だし、わざわざ登録しない人もいっぱいいますからね。だから、日本では、臓器提供者が足りないという問題が、ずっと続いているわけです。
医者たちはどこから臓器をもらってるの?
臓器提供には、実は二つのパターンがあるんです。
一つは「脳死臓器提供」です。つまり、脳死と診断された人の臓器をもらうわけですね。これが、さっき説明した、臓器提供の標準的なパターンです。
もう一つは「心停止臓器提供」です。これは、心臓が止まった後に、臓器を提供するパターンなんです。つまり、亡くなった直後に、腎臓とか肝臓とかを摘出して、移植に使うわけですね。ただし、心臓が止まってから時間がたつと、臓器は悪くなってしまうので、すごく時間が限られています。
実は、この「心停止臓器提供」は、日本でも増えてきているんです。脳死臓器提供よりも、実施しやすいからですね。でも、臓器の質という面では、脳死臓器提供のほうが、患者さんにとっていい場合が多いんです。なぜなら、脳死状態では、心臓がまだ動いてて、臓器が新鮮に保たれるからです。
臓器移植の成功率
臓器移植って、本当に成功するのか不安ですよね。でも、現代の医学では、臓器移植の成功率は結構高いんです。
たとえば、腎臓移植の場合、5年後に臓器が生き続けている確率は、約70~80パーセントなんです。つまり、移植を受けた患者さんの、ほとんどが、その新しい腎臓で何年も生きられるわけですね。
心臓移植は、もっと難しい手術ですが、5年後の成功率は約80パーセント前後です。つまり、心臓移植を受けた患者さんの80パーセント近くが、5年以上、新しい心臓で生きられているということですね。
こういう数字を見ると、「臓器移植って、本当に命を救う医療なんだな」ってわかりませんか。確かに、100パーセント成功するわけではないけど、臓器を提供される前のその患者さんは、「死ぬ可能性が高い」という状況だったわけです。だから、70~80パーセントの確率でも、その患者さんにとっては、「命が救われる」という意味で、すごく大きな希望になるわけなんですね。
これからの臓器移植は?
実は、今、医学の世界では、新しい技術が開発されてるんです。「再生医学」という分野でね。つまり、人間の細胞から、臓器を作ろうという研究なんです。
たとえば、患者さんの皮膚の細胞から、心筋細胞を作って、それを組み立てて、新しい心臓を作る。そうすれば、拒絶反応もないし、臓器も足りなくなるという問題も解決する。こんなことができたら、すごいですよね。
でも、今のところ、そこまでの技術は完成していません。だから、当面は、臓器提供という制度が、病気の人たちを救う大事な仕組みなわけです。
