おじいちゃんやおばあちゃんが年をとって、自分でできないことが増えてくるって経験ありませんか?でも、そういう時、絶対に施設に預けなきゃいけないわけじゃないんです。自分の家で家族に支えてもらいながら過ごす「在宅介護」という選択肢があるんです。この記事を読めば、親の介護をどうするか考える時に、在宅介護がどんなものなのか、どんなメリットがあるのか、困った時はどうするのか、全部わかるようになるよ。
- 在宅介護は、親や祖父母が自分の家で過ごしながら、国の介護保険制度で支援を受ける生活のこと
- 市役所で要介護度を判定してもらい、段階に応じてサービスを受けられて、本人が負担するのは1割〜3割
- 家族だけでなく介護士や看護師が定期的に家に来るので、家族の負担を減らしながら生活できる
もうちょっと詳しく
在宅介護が広がっている背景には、日本の人口が高齢化しているという事実があります。要するに、日本全体が年寄りの国になってきているということですね。昔は親や祖父母が年をとったら、自動的に子どもが面倒を見るのが当たり前でしたが、今はそれだけでは対応しきれません。だから国は、家にいながら専門家のサポートを受けられる仕組みを用意したんです。在宅介護なら、家族が24時間全部やるわけではなく、プロに任せられる部分は任せて、その代わり本人も少しだけ費用を負担するという「みんなで支える」という考え方になっています。
在宅介護は、国の介護保険制度があるから成り立っている。家族だけの力で成り立ってるわけじゃないんだ。
⚠️ よくある勘違い
→ そんなことないよ。介護保険制度で介護士さんや看護師さんが定期的に家に来てくれるから、家族だけでやるわけじゃない。むしろ、プロに任せて家族の負担を減らすのが在宅介護の大事な考え方。
→ 正解。市役所から派遣される介護士さんがお風呂に入れたり食事の準備をしたり、毎日毎日違う人が来てくれる。だから家族も休む時間が作れるんだ。
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在宅介護ってどういう意味?
まず、「在宅介護」の「在宅」というのは「自分の家にいる」という意味です。要するに、老人ホームみたいな施設に引っ越すのではなく、今までずっと住んでいる家で過ごし続けるということですね。そして「介護」というのは、体が弱くなった人の日常生活をサポートすることを言います。つまり、自分の家にいながら、介護のサポートを受けるというのが在宅介護なわけです。
でも大事なのは、この「介護のサポート」が誰からもらえるか、ということです。昔は、子どもが親の面倒を見るのが当たり前でした。でも今は、国の「介護保険制度」という仕組みがあるから、市役所に申請すれば、訓練された介護のプロフェッショナルが定期的に家に来てくれるんです。要するに、介護士さんや看護師さんみたいな専門家が、お給料をもらって仕事として来てくれるということですね。だから家族だけの力でやることはないんです。
在宅介護が成り立つためには、いくつかの条件があります。一つは、本人がまだ家で生活できる体の状態であること。寝たきりの人でも在宅介護は可能ですが、認知症がひどくて危険な行動が多い人の場合は、施設の方が安全な場合もあります。もう一つは、サポートする家族がある程度いること。完全に一人で在宅介護をするのは難しいので、複数の家族がいて、みんなで支える環境があると良いですね。そして最後は、地域に介護サービスが整っていること。田舎だと近くに介護士さんが少なくて、来てくれるまでに時間がかかることもあります。
在宅介護を選ぶ理由は人それぞれです。親の故郷で過ごしたいとか、自分たちが親と一緒に過ごしたいとか、単純にお金の問題で施設には入れないとか、いろいろなパターンがあります。大事なのは、親も子どもも、親が亡くなるまでの期間を、なるべく満足できる形で過ごせるかどうかということなんです。
介護が必要になるのはどんな時?
誰もが年をとると、体が弱くなります。それはもう逆らえない自然の法則みたいなものです。でも、いつから「介護が必要」になるのか、というのは人によって全然違います。ある人は80歳まで元気に過ごせるし、ある人は60歳で介護が必要になるかもしれません。それって何で決まるのでしょうか。
一つは、突然の病気や事故です。例えば、親が脳卒中で倒れたら、一気に体が動かなくなるかもしれません。そこから介護が必要になるわけです。もう一つは、年とともにジワジワと進む病気です。例えば、認知症という病気は、脳の機能が少しずつ低下していく病気です。最初は「あれ、この人最近同じ話ばっかりしてるな」くらいですが、進むと、自分の息子の顔を忘れてしまったり、トイレの場所がわからなくなったりします。
また、加齢に伴う体の変化も大事です。筋肉が減って、足が弱くなると、歩くのが難しくなります。目が悪くなると、危ないことが増えます。耳が聞こえなくなると、周りの人との意思疎通が難しくなります。こういった変化が、一つ二つ重なると、だんだん一人では生活できなくなってくるわけです。
具体的には、こんなことが起きると「介護が必要」と判定されやすいです。一つは、トイレやお風呂で人の手を借りないとできなくなったこと。もう一つは、食事の準備や片付けができなくなったこと。三つめは、服を着たり脱いだりが一人でできなくなったこと。四つめは、外に出ることが危なくなったこと。こういった日常生活の基本的なことができなくなると、「要介護」という判定を受けやすいんです。
ここで大事な考え方があります。介護が必要だからって、いきなり施設に入る必要はないということです。むしろ、できるだけ長く家で過ごしたいという親の気持ちや、離ればなれになるのは嫌だという子どもの気持ちを大事にすることが、在宅介護を選ぶきっかけになります。親がまだ認知症になってなくて、話し合いができるうちに、「どこで過ごしたいか」「どんな介護を受けたいか」を話し合うことが、後々のトラブルを避けるコツなんです。
在宅介護と施設介護の違い
親が介護が必要になったとき、選択肢は大きく二つに分かれます。一つは在宅介護で、自分の家で過ごすこと。もう一つは施設介護で、老人ホームみたいなところに入ることです。この二つの違いって何でしょうか。
まず、生活の自由度が全然違います。在宅介護なら、朝何時に起きるか、何を食べるか、誰と話すか、自分のペースで決められます。自分の好きな家で、自分のベッドで、自分の物に囲まれて過ごせるんです。一方、施設介護だと、施設のルールに従わないといけません。朝6時に起床、朝食は7時、夕食は18時、とか、決まった時間に決まった食事が出てくるわけです。
次に、費用が大きく違います。在宅介護は、介護保険制度があるから、本人が負担するのは1割から3割。あとは保険が出します。だから毎月5万円から10万円くらいで済むことが多いです。一方、施設介護は、入居金や月額費用が結構かかります。安いところでも月10万円以上、高いところだと月30万円以上することもあります。お金に余裕がない家庭だと、在宅介護を選ばざるを得ないということもあります。
次に、親との関係が変わります。在宅介護なら、毎日顔を見て、話をして、一緒に過ごせます。食事の時間に親が何が好きか気づいたり、親の好きなテレビを一緒に見たり、いろいろな時間が共有できます。一方、施設介護だと、週に1回とか月に1回の面会になります。親がだんだん忘れていってしまう認知症の場合、毎日見かけないと、よけいに忘れるスピードが速くなるかもしれません。
でも、施設介護のメリットもあります。プロの介護士が24時間いるから、体の面倒は完全に任せられます。親が夜中に転んで骨折しても、すぐに対応してくれます。また、同じ年代の人たちとの関係ができるから、親が孤独を感じにくいというメリットもあります。在宅介護だと、人間関係は限られていますからね。
つまり、在宅介護と施設介護は、どっちが良い悪いではなく、「何を大事にするか」で選ぶものだということです。親と一緒にいたい、親の気持ちを優先したい、お金を節約したいなら在宅介護。親の安全を完全に保証したい、家族の負担を極力減らしたいなら施設介護。また、認知症がひどくて施設がないと危険な場合もあります。大事なのは、親と子が一緒に話し合って、親の気持ちと実現可能性のバランスをとることなんです。
在宅介護を支える仕組み
在宅介護がうまくいくためには、複雑な仕組みが背景にあります。その仕組みを理解することで、在宅介護が現実的に可能なのかどうか、自分たちの家族でできるのかどうか、判断できるようになります。
まず、スタートは「介護保険」の申請です。市役所や区役所に「介護が必要です」と申し込むと、市の職員が家に来て、親の状態をチェックします。トイレができるか、食事ができるか、認知症がないか、いろいろなことを聞かれます。そしてコンピュータで点数を計算して、「要介護1」から「要介護5」までのいずれかの段階に分類するわけです。要介護1は「ちょっと手助けが必要」という意味で、要介護5は「全部手助けが必要」という意味です。
この段階が決まると、毎月使える「介護サービスの金額」が決まります。要介護1なら月額15万円分のサービスが受けられるけど、本人が払うのは1割だから1.5万円という感じです。あとの13.5万円は、税金と保険料から出ます。ここが大事なポイントです。みんなで支える制度だから、自分たちが払える額に調整されているんです。
次に、その額の中で「何をしてもらうか」を決めます。これを「ケアプラン」と言います。要するに、親の面倒を見るための計画書のことですね。「月に週3回、介護士さんに来てもらってお風呂に入れてもらう」とか「毎日、看護師さんに来てもらって血圧をはかる」とか「週に1回、訪問リハビリの人に来てもらう」とか、いろいろな組み合わせがあります。このケアプランは、親と家族と介護のプロが一緒に話し合って決めるんです。
実際に来てくれるのは、いろいろな職種の人たちです。「訪問介護」という、生活全般をサポートする人。「訪問看護」という、医療的なサポートをする人。「訪問リハビリ」という、リハビリテーションをしてくれる人。「福祉用具のレンタル」という、ベッドや車椅子を借りるサービス。「デイサービス」という、週に何回か施設に行って、みんなと一緒に過ごすサービス。こういった複数のサービスを組み合わせて、親をサポートするんです。
全部が公的なサービスではなくて、民間企業がやっているサービスもあります。でも介護保険で認められているサービスなら、費用の一部が保険から出ます。だから家族の負担が少なくて済むわけです。
在宅介護を支える人たちをまとめると、こんな感じです。市役所では「ケアマネジャー」という人が、どんなサービスを組み合わせるか計画を立てます。訪問介護では、資格を持った介護士が、実際に家に来て親の面倒を見ます。訪問看護では、看護師が医療的なサポートをします。デイサービスでは、スタッフが親を施設に迎えに行って、食事やレクリーションをして、夕方に送り届けます。こういった複数の職種の人たちが一緒に親をサポートするわけです。これが「チームケア」という考え方です。親の面倒を見るのは、家族だけじゃなくて、みんなで支えるんだということですね。
在宅介護の工夫と乗り越える課題
在宅介護がうまくいくためには、いろいろな工夫が必要です。親のために、家族のために、どんな工夫をしているのか見てみましょう。
まず、家の中の「バリアフリー化」という工夫があります。バリアフリーというのは「障害(バリア)を なくす(フリー)」という意味です。つまり、足が弱くなった親でも安全に過ごせるように、家を改造するんです。階段に手すりをつけたり、トイレを洋式に変えたり、玄関のスロープをつけたり、床のバリアを減らしたり。こういった工夫で、親が転んだり、つまずいたりするリスクを減らすわけです。介護保険で「住宅改修」の費用の一部が出るので、全部自分たちで払わなくてもいいんです。
次に、「福祉用具」の利用があります。これは「福祉」(困っている人を支えること)に使う「用具」(道具)という意味です。介護ベッド、車椅子、歩行器、おむつ、いろいろなものが福祉用具です。こういったものは、買うと高いので、介護保険を使ってレンタルすることが多いです。月1000円でベッドが借りられたり、毎月おむつが配達されたり、便利な仕組みがあります。
そして、「デイサービス」という仕組みも大事です。親が週に何日か施設に行って、みんなと食事をしたり、レクリーションをしたり、お風呂に入ったりする場所です。これによって、親は孤独を感じずに済むし、家族も少し休める時間ができるんです。これを「レスパイト」という、要するに「息つく時間」と言います。家族がずっと親の面倒を見ていたら、精神的に疲れてしまいます。だから週に何日かは、プロに任せて、家族が休むことは、とても大事なんです。
でも、在宅介護には、乗り越えるべき課題もたくさんあります。一つは「家族の負担」です。親を見守る責任は、結局は家族にあります。夜中に親が倒れたら、すぐに対応しないといけません。認知症の親が夜中に家を出ようとしたら、止めなくちゃいけません。こういったストレスが、家族を疲れさせます。介護で疲れた子どもが、親に当たってしまって、親子関係がぎくしゃくすることもあります。
もう一つは「経済的な負担」です。介護保険で1割から3割の費用が出ますが、それ以上は自費です。住宅改修、福祉用具、デイサービスの追加利用、親の病気の医療費、いろいろと出ていきます。兄弟姉妹がいる場合、「誰がお金を出すのか」でもめることもあります。
さらに「親の気持ち」という問題もあります。年をとって、だんだん自分のことができなくなるのは、親にとって辛いことです。家族に手伝ってもらうのが、親のプライドを傷つけることもあります。認知症が進むと、「どうしてこんなことになった」と家族を責めることもあります。こういった親の感情的な変化に、家族がどう対応するか、が大きな課題なんです。
こういった課題を乗り越えるには、何が大事でしょうか。一つは「コミュニケーション」です。親と話し合って、親の気持ちを聞くこと。兄弟姉妹と話し合って、役割分担を決めること。介護サービスの人とも話し合って、どんなサポートが必要か相談すること。全部が一人の人に集中しないようにすることが大事です。
もう一つは「情報収集」です。市役所に相談すれば、いろいろなサービスを教えてくれます。介護のNPOが開いている教室とか、先輩の親が在宅介護を乗り越えた経験談とか、いろいろな情報があります。周りの人に「うちは在宅介護をしていて」と言うことで、いろいろなアドバイスがもらえるかもしれません。「親の介護をすること」は、もう珍しくない、ごく当たり前のことになってきたんです。だから遠慮しないで、周りに相談することが大事です。
最後に「時間的なゆとり」を作ることも大事です。親のために時間を使うことは大事ですが、自分たちの人生も大事です。子どもが仕事を続けるために、デイサービスの利用を増やすのは、悪いことじゃありません。親が月に何日か施設に行くことで、親も新しい友達ができるし、家族の関係も良くなることもあります。つまり、在宅介護というのは、「親の問題」ではなくて、「家族全体の人生をどう過ごすか」という問題なんです。そういう視点を持つことが、長く続く在宅介護を実現するコツなんですよ。
